第四インターナショナル第18回世界大会 国際情勢決議

危機が一つに収斂される中で、被搾取・被抑圧人民をいかに前進させるかという課題

はじめに

 4年前には、多重危機、つまり資本主義の危機の収束がどれだけ急速に加速するかを予測することは不可能だった。ドナルド・トランプは、ヘリテージ財団(アメリカの極右で最も古く、最も資金力のあるシンクタンクの一つ)のプロジェクト2025に触発され、(今回は公然とネオファシスト的な、あるいは「純粋」ポストファシスト的な閣僚やプロジェクトとともに)トランプ主義の共和党によって占められた覇権帝国主義政府に力強く復帰した。それは、新自由主義的リバタリアニズムと、最も長きにわたって存続しているブルジョア民主主義制度に対する軽蔑という点では、アメリカ資本の最も過激な一派、つまり名目上は巨大IT企業、暗号通貨金融、ベンチャーキャピタル、化石燃料産業に今やかつてないほど利益を上げている兵器産業が加わったものを代表している。

 国内・国際レベルですでに採用している施策の深刻さと激しさを考えると、トランプとマスクのもとでのアメリカ政府は、この文書で指摘している「多重危機」といったすべての危機を最大限に激化させる「爆弾」になっている。これは転換点であり、世界情勢の新たな瞬間をもたらし、世界情勢をさらに混乱し、危険で、予測不可能なものとしている。トランプの2期目は、世界的に拡張主義的・再植民地主義的・略奪的・併合的な優位性を投影することで、ここ数十年でアメリカの覇権が相対的に衰退してきたことと闘おうとしている。これは、アメリカを第二次世界大戦直後の競争相手のいない覇権という状況に戻そうとするものである。これがMAGA[アメリカを再び偉大な国にする]の国内的・国際的な意味なのである。

 2期目のトランプは、アメリカの労働者人民にとって、地政学・世界経済・国際的勢力バランスにとって、彼の1期目と比べてもさらに激しく有害である。誰もが彼の敵である。第一に中国が敵であり、国連、過去80年間に国連とともに世界秩序を担ってきたすべての機関、BRICS諸国、アメリカの行く手にあるすべての主権政府も敵である。言うまでもないことだが、アメリカのブルジョア民主主義機関も敵であり、トランプはそれに前例のない変化を課そうとしている。

 選挙での圧倒的な勝利、議会と最高裁判所に対する支配、タカ派と無資格だが忠実な億万長者による閣僚を有して、トランプが、いやいやではあるが完全に従順なネタニヤフ首相に最近になって停戦を強制したあとで、パナマ運河の再所有、グリーンランドの奪取、カナダの併合という脅しをかけ、ガザ地区を一掃して住民をエジプトとヨルダンに移住させ、イスラエルによるヨルダン川西岸の植民地化を支持するという計画を明言するとき、彼は真剣である。トランプ政権はすでに、メディア主導による屈辱的な国外追放を実行している(ラテンアメリカとインドからの移民労働者は、盗賊というレッテルを貼られ、鎖につながれて自国に到着している)。

 気候変動否定論者の世界的なリーダーであるトランプの2期目は、化石燃料の探査と開発に全面的なインセンティブを与えると発表し(掘れ、掘れ、掘れ!)、すでにEPA(アメリカ環境保護庁)を破壊し、アメリカが海外の環境保護プロジェクトに協力したすべてのプログラムへの資金提供の取り消しを命じた。権力を握ったこうした帝国主義の新たな派閥が「グリーン資本主義」さえ拒否しているのは、化石燃料の代替技術(風力、太陽光、電力輸送)で優位に立つ中国との競争と関係がある。中国を追い抜く最速の方法として彼らが賭けている人工知能には、膨大なエネルギー資源とあらゆる種類の鉱物資源の支配が必要である。

 現在アメリカ資本の重要な一部が支持するネオファシストにとって、「アメリカ第一主義」を実践するためには、自分たちとは異なる人々、抵抗する人々、女性・LGBTQIA+に対する憎悪が必要なのと同じように、気候否定主義や、何億もの罪のない人々の命に及ぼす環境破壊の恐ろしい脅威に対する絶対的な軽蔑が必要なのである。彼らには、自分たちを押し付ける手段として、男らしく女性嫌悪的な暴力の高揚が必要であり、中国、ロシア、ヨーロッパ、そして全世界を従属させるという願望が必要である。しかし何よりもまず、彼らは労働組合、学生、地域社会、フェミニスト、黒人および先住民の運動、民主主義を支持するNGO、そして批判的なアメリカのブルジョア報道機関さえも打ち負かす必要がある。

 トランプ主義者の計画はまた、トランプが代表する帝国主義資本の一部にとって、アメリカが人種的・政治的・性的・宗教的に多様な国家へと人口構成が転換し、その結果としてWASP[白人・アングロサクソン・プロテスタント]の政治経済エリートに政治的脅威をもたらすことはいかなる犠牲を払ってでも-アメリカ国家を解体し、社会政策や格差解消政策を最終的に終わらせるという犠牲を払ってさえも-阻止する必要があることの表れでもある。「ブラック・ライブズ・マター」の分析家が指摘するように、これは、カリフォルニアがそうなったように、アメリカの人口が白人、プロテスタント、アングロサクソンが多数派でなくなる危険に対する戦略的反応である(ラテン系、アフリカ系アメリカ人、混血、アジア人、先住民を含む)。

 トランプの勝利は、資本主義の中心国・周辺国・半周辺国の極右を刺激した。トランプのもとでの覇権的帝国主義によって最も直接的に脅かされている人民は、パレスチナ人をはじめとする中東の人民である。アメリカ新政権はいまや、大量虐殺をおこなうネタニヤフ政権とともに、シオニスト国家の植民地計画を全面的に支持して、世界的な極右の前衛となっている。イスラエルは非対称戦争において大規模なテロ作戦を展開しているが、これは75年間にわたるアパルトヘイト・植民地化・民族浄化の戦争における質的な飛躍である。最初の目標は、パレスチナ人の人間性の抹殺と人種的至上主義論理を通じてのパレスチナ人民の根絶である。しかし、多くの国において次から次へと、難民や移民、環境活動家、パレスチナ連帯活動家などが、右翼(やその他の)政府が採用した抑圧的措置の標的となっている。それは公式には「テロリスト」「犯罪者」「反ユダヤ」の脅威とされるものに向けられている。

 トランプの2期目政権はまた、イスラエルとともにイランをさらに孤立させ、攻撃することも狙っている。これは、アメリカが中国をロシアから引き離し、モディのインドと個別に協定を結ぼうとする、つまり現在の脆弱な BRICS[ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ]を分裂させようとする試みに対する説明の一つである。中東では、ウクライナ戦争での親ロシア的な和平と引き換えにプーチンを無力化してこの地域に干渉しないようにすることは、ペルシャ国家に対するアメリカとイスラエルの拡張主義戦争の新たな、より血なまぐさい一章を意味する可能性がある。

 西ヨーロッパでは、トランプや彼による脅迫、関税、ゆすりの影響は、フランスのマクロンのような政府がアメリカの要求に応じて軍事費を5%まで引き上げることにすでに反映されている。グリーンランドに対するアメリカ帝国主義の脅しは、何よりもまずグリーンランドの住民に対する脅しであり、彼らは自らが選んだわけではない帝国主義の競争の網に巻き込まれている。しかし、それはまた世界に対する脅しでもあり、グリーンランドの富の貪欲な搾取と不安定な北極の軍事化によって危険にさらされている。2010年のメキシコ湾での事故のようなたった一つの事故であっても、世界の海洋にとって取り返し損害を与える可能性がある。同様に、北極での軍事衝突は、地球の生態系にとって致命的なものとなる可能性がある。短中期な見通しは全般的再軍備の強化である。

 トランプのもとで、アメリカと中国の間で経済的・地政学的競争が激化するにつれ、世界はさらに軍事化されるだろう。つまり、核の脅威がより強まり、帝国主義による新たな計画によって矛盾が高まる結果として、紛争や緊張が増大するだろう。重大な衝突が必ず起こるだろう。彼らはどのようにしてアメリカ経済を中国の製造業から切り離すのだろうか? 『ニューヨークタイムズ』の問いかけによれば、中心的敵が中国であるのなら、なぜ中国に対抗する同盟国になりうる国々(インド、ヨーロッパ、近隣のメキシコやカナダ)と戦うのだろうか? なぜ国内価格を上昇させる広範囲にわたる関税戦争を仕掛けるのだろうか? 気候崩壊が人類の大部分を絶滅させる可能性があるのなら、なぜそれを奨励するのか?

 これは一般的には資本の性質であり、特殊にはこうしたセクターの性質なのである。すなわち、2008年以降、成長と利益率および蓄積率が前例のないほど低下したことに直面して、彼らは超自由主義的で好戦的でファシスト的な道を採用している。あらゆる側面で資本に莫大な利益を保証するシステムの管理者であり続けることが不可能となっていることに直面して、彼らは自分自身の面倒を見て、世界に自らのルールを押し付けることを選んだ。これほどの規模と毒性を持つ地球規模の変革プロジェクトは、相当の抵抗なしには押し付けられない。

 たとえ被搾取人民が革命左派から社会的・政治的オルタナティブを与えられていないとしても、あらゆる側面からの対立もまた激化するだろう。第四インターナショナルの活動家と支持者は、この不確実で困難なシナリオに革命的な理解と行動で対応しなければならない。資本主義の多元的危機は、その怪物たち-その一つはホワイトハウスにいる-とともに、地球を崩壊に近づけ、人類を絶滅に近づけている。われわれの巨大な任務は、協力して必要な緊急ブレーキを構築することである。

I 地球の多元的危機

 人類にとって重要な問題は、かつてないほど国際的である。資本主義の危機は人間社会と地球にとって多元的なものとなっている。(a)環境危機-ここ数年、ますます極端な気候現象を引き起こし、地球上の人類の生存を確実にするために対策をおこなう期限を切迫したものとしている、(b)経済停滞が永久に続く時代とそれによる社会的分断の影響、(c)危機に陥った民主主義国家と新自由主義政府が切り開いた道に沿った極右勢力の進出、(d)アメリカと中国との国家間システムにおけるヘゲモニーをめぐる争いの激化、(e)戦争の危険な増加と激化・・・これらの間には、明確な上下関係のないまま、さまざまな領域の弁証法的な結びつきがある。

 新自由主義的グローバリゼーションの危機は、資本主義の歴史に新たな局面をもたらした。それは、1970年代末に新自由主義的グローバリゼーションが確立して以来われわれが生きてきた時代とは質的に異なる時代であり、特に階級闘争と国家間の闘争の観点からは、33年前のソ連と東欧の官僚制の崩壊によって開かれた時代と比べてもより緊張に富むものとなっている。

1.1.現在の「政治危機」を特徴づけているものは何か?

 現在の状況と20世紀前半(1914〜1946年の「大惨事の時代」)における危機の収斂との間には、二つの重要な違いがある。百年前には存在しなかった最も直接的な脅威は、2世紀にわたる略奪的な資本主義的蓄積によって引き起こされたエコロジー危機である。

 資本主義経済は、化石燃料を燃やし、食肉と超加工食品の消費を増大させることに基礎を置いており、気候危機を急速に悪化させている。気候危機は地球上の人類の未来を縮小させている。極地と氷河の融解は、海面上昇と水危機を加速させている。アグリビジネス、鉱業、炭化水素採掘は、地球の気候システムと生物多様性の維持に不可欠な熱帯林を(抵抗に直面しながらも)破壊している。気候危機の影響は、インフラ、農業システム、生活を破壊し、大規模な人間の移住を引き起こしながら、激しく顕在化し続けるだろう。

 こうしたことは、必然的に社会的矛盾を激化させるだろう。

 (百年前とは大きく異なる)注目すべき第二の要素は、大衆的・革命的オルタナティブの不在である。実際、これまでになく急速な変化の只中で、大衆の目から見て資本主義に代わるオルタナティブの不在、反資本主義勢力や経済・社会革命を主導する勢力の欠如という問題はより深刻になっている。資本主義とその国家間システムにとって不安定な時期は、社会運動と左翼が政治的・思想的に深刻に分断されている時期でもある。

1.2.危機は互いに強化し合っている:戦争、社会的再生産、アルゴリズム

 多元的危機は、危機の単純な総和ではなく、弁証法的に連関して組み合わさったものである。各々の領域は他の領域に影響を与え、他の領域から影響を受ける。(パレスチナにおける戦争が起きる前には)ウクライナにおける戦争と経済停滞とが関連しあうことによって、世界の最貧困層の危機的な食糧事情が深刻化し、10年前よりも(2014年から2023年までの間に)2億5千万人以上も飢餓人口が増加した。戦争、気候変動、食糧危機、抑圧的な体制の蔓延によって移住を余儀なくされる人々の流れは、特に最貧国の間で増加している。

 地域的・国際的な軍事的緊張の高まり、政府の言説や予算の急速な軍事化、軍需産業の最近の成長も、グローバル市場における競争の激化、新植民地主義的資源略奪主義の高まり、(電気自動車や最新世代兵器の生産、デジタル経済や人工知能の怪物にとって必要不可欠な)戦略的鉱石をめぐる争いを考慮に入れずに説明することはできない。世界中のどの地域もそうした緊張地帯にまきこまれる可能性がある。中東、東シナ海・南シナ海、アフリカがその好例である。また、五大陸と全海洋における一連の生態系破壊は、この資本主義間および帝国主義間の競争激化と関連づけなければ説明できない。このことは、軍需経済が(特に第二次世界大戦以降において)、あらゆる形態・地理・時代における帝国主義の構成要素であり、永続的な要素であることを改めて示している。

 気候変動、土地の地力低下、支配層による最も肥沃な地域の略奪は、国民所得に占める賃金労働者の割合の低下、新自由主義国家による(医療・教育・水などの)基本的サービスの放棄と劣化とあいまって、個人間の格差を増大させてきた。そして何よりも、国・社会階級・地域社会の間での、民族間、男女間、人種差別を受けている人々とそれ以外の人々との間での所得・商品・富へのアクセスにより大きな距離を生じさせたのである。

 環境や経済についての見通しが悲惨なものであるため、さまざまな国において、ブルジョア階級の相当部分が利益を増やす最善の方法として、手続き的民主主義というプロジェクトを放棄するに至っている。ますます重要となっているビジネス部門が、自由民主主義国家の中で権威主義的なオルタナティブを支持するようになり、その結果、すべての大陸で右翼原理主義的な動きが強まり、極右政権が台頭している。さまざまな国の内部で、ブルジョア階級の分派間には亀裂-この亀裂が永続的であることに留意しなければならない-があり、支配階級の一部は極右に転向し、他の一部はブルジョア民主主義プロジェクトに留まっている。この資本家階級分派間の分裂の最も顕著な例は、アメリカにおける(共和党を席巻した)トランプ主義と民主党との二極化である。

 超個人主義的で新自由主義的な付き合い方が拡大することで、右派によるソーシャルネットワークの利用、そしておそらくはAIの利用ともあいまって、労働者階級の脱政治化・分断や保守主義がさらに助長されている。デジタル技術は、雇用や賃金労働者の生産的組織への影響に加え、世界の主要な食糧生産者であると考えられている中小農民の、直接的な削減とまではいかなくとも、従属化・顧客関係の深化にも寄与している。今日の新自由主義的資本主義は、デジタル機器とアルゴリズムを新たな生産力として導入し、デジタル・プラットフォーム上の労働の出現-しばしばウーバー化と呼ぶが、これはすでに2億人以上の労働者を占めている--と、市場によって排他的に媒介されるさまざまな社会関係を生み出している。

 他方で、このシステムは、福祉国家に残されているものに対して暴力的な攻撃を続け、産業労働者やサービス労働者、とりわけ介護労働や社会的再生産労働に対して超搾取を押し付けることによって、女性、とりわけ女性労働者、そしてより暴力的な形で、人種差別されている女性(「北」においては、アフリカ人の子孫、ロマ、先住民族の子孫、アフリカ人、南アジア人)を、(ひどい状態のまま)生き延びるか、それとも反撃するかのジレンマに陥れている。新自由主義は、女性を(主に「北」では)正規労働力にとどめておく一方で、(世界中で、とりわけ「南」においては)より不安定で、もっと非正規な形態のままにしておくことで、(産業、サービス、商業のいずれにおいても)賃金労働における女性の賃金と所得をさらに引き下げている。伝統的家族への回帰というイデオロギーは、新自由主義的基盤の構成要素であり、過激な極右原理主義に持ち込まれ、すべての働く女性に子ども・高齢者・病人・障害者の介護という仕事を負わせている。この種の労働は、特に先進資本主義諸国では福祉国家によってカバーされていたが、現在は残酷な削減を強いられている。

 地政学的ブロックの形成はまた、性についての政治に影響をもたらしている。すなわち、台湾やタイのようなアメリカの同盟国が同性婚を導入している一方で、中国はLGBTQI+の人々に対するかつての進歩的な政策を逆転させているし、イランのようなアメリカの敵国は性解放に敵対する枢軸を支援している(この分野では等しく反動的である、バチカンからサウジアラビア王国に至るまで、アメリカ主導ブロックのメンバーも確かにいるが)。

 社会的再生産のネットワークが危機に瀕しており、それは新植民地主義諸国においては帝国主義本国以上に深刻である中、新自由主義社会は、介護の仕事を家庭化(家族へと回帰)させたり、(非白人、黒人、黒人女性、移民に引き継ぐことで)人種差別化したりしているが、社会的再生産には全体として何の責任を負っていない。

1.3.経済・社会情勢

 われわれは依然として、2008年の株価暴落(リーマン・ブラザーズの破綻)-その前年に始まり、世界的大不況の扉を開けることになった-によって始まった深刻な経済危機の影響を受けている。こうした資本主義機能モデルには、1980年代後半から1990年代の成長率、利潤率、蓄積率を保証することができなくなっている。第二に、地政学的な二極化が戦争やナショナリズムの台頭-2期目のトランプが登場したことによって著しく強化されている-によって激化していることで、超国際化されたバリューチェーンや生産・国際貿易が揺らいでいるからである。

 新自由主義的グローバリゼーションは危機に瀕している。しかし、新自由主義的資本主義の大きな困難はどれも、金融資本が主導する金融化された性質に変化をもたらすことはなく、富はますます少数の企業や個人の口座に集中し、ますます多くの人々が貧困に陥っている。危機に瀕しているにもかかわらず、資本とその新自由主義的経済体制は、国家間・地域間の格差や、国内での格差を生み出し続けている。2024年だけでも、このシステムは204人の新たな億万長者を生み出したが、1日6・85ドル未満で暮らす貧困者の数は1990年代から変わっていない。2023年には、帝国主義諸国の最も裕福な1%が従属国や半植民地国から1時間あたり3千万ドルを搾取している。これは基本的に金融システムの成果であり、世界の政府に不当な調整、負債、賃金・社会的権利の削減、農業の商品化を押し付けている。

 30~40年にわたって進められ、いわゆる新自由主義的生産構造改革の基盤となってきた生産・消費プロセスのデジタル化は、AIの導入加速により今や激化している。AIは、利益率と蓄積率を回復させ、労働生産性と利益率を飛躍的に向上させるための資本家による賭けである。また、これにより雇用が減り、仕事と労働者はより不安定になり、巨大IT企業の力がますます強まることになる。

 不況をもたらす性質に加えて、新自由主義経済政策-金融の優位な利益にもとづいている-は、労働者と従属国が帝国主義の大民間銀行やIMF・世界銀行に負債を負うことで、労働者大衆の生活水準を揺るがしている。インフレ対策として金利を上げると、国家債務と民間債務が増加し、スリランカ、ガーナ、ザンビアですでに発生したような債務不履行の新たな危機の条件が整う。あるいは、アルゼンチン、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ケニア、バングラデシュ、チュニジアなど数十カ国にIMFと中国が緊急融資を供与することで極限の危機が回避された。企業が「危機からの保護」(つまり利益の維持)を無制限に追求すると、金融投機が促進される。この投機は、2008年のような破産の波でシステムを永久に脅かすことになる。

II 極右が「新自由主義的民主主義」、労働者、被抑圧民衆に挑戦している

 2008年に続く不況のあと、より明確に言えば2016年(ブレグジットとトランプの勝利)のあと、新たな極右勢力の一群が国家と社会に進出している。今日、彼らの世界的な前衛の役割は、大量虐殺を行うベンヤミン・ネタニヤフや、中東における人種差別主義的植民地入植者が果たしている。極右は、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカで勢力を拡大していることに加え、トランプがホワイトハウスに戻ってきたことで、アメリカと世界を脅かしている。

 21世紀の極右は、選挙での勝利、反移民政策、自由や社会的権利の制限によって強化・拡大してきた。彼らは自分たちのことを(彼らが生活環境の悪化、汚職、不安定さと偽善的に同一視している政治体制に反対する)「反体制」であると称しているが、まったくそうではない。彼らは、現段階において資本主義を防衛する究極の表現なのである。彼らは、超自由主義的な政策の実行や、場合によっては外国人を排斥するナショナリズムの実行を確実にするために、反動的で伝統主義的な言説や最も暴力的な人種差別主義を、通常は宗教原理主義者-アメリカやブラジルのペンテコステ派キリスト教、インドのヒンドゥー教、パキスタン、アフガニスタン、イランのイスラム教など-の仮面をかぶって用いている。

 彼らは、巨大化し規制のないソーシャル・ネットワークを利用する上での広範かつ初期の経験を生かし、一般的には労働者の権利に対する戦争を宣言するが、とりわけ移民、女性、LGBTQIA+の人々、障害者、国内の少数民族・宗教(あるいは多数派)、人種差別された人々全般、環境保護活動家の権利に宣戦布告している。彼らは、あらゆる種類の科学的否定論と陰謀論を駆使して、環境保護運動や気候変動を信じる人々に対して公然と戦争を仕掛けている。

 彼らは、自らの由緒ある祖先であるナチスのように、本質的にはさまざまな民族集団(ヨーロッパでは移民の2世・3世・4世、アメリカでは黒人、アジア系、アラブ系、ラテン系など)に対する人種差別主義者であり、最近の移民の波に対しては、雇用と不安定の問題の責任をなすりつけ、とりわけ暴力的であることが多い。東南アジアでは、モディが国内の約3億人のイスラム教徒に対してそうであるように、「選ばれた敵」は多数派宗教以外の少数派宗教なのである。

 現在権力を握っている極右には、1930年代のモデルに基づいた古典的なファシスト体制を樹立する傾向はないが、インド、トルコ、ハンガリーなどの極右政権は、長年にわたり、ブルジョア民主主義の見かけ上の形態と、独立メディア、野党や運動、批判的知識人に対する効果的な弾圧とを組み合わせてきた。この傾向は強まっている。ロシアのウクライナに対する戦争は、反戦の声や反対派全般に対する激しい取り締まりにつながった。弾圧は、性やジェンダーについての反対派をも標的にしている。「ゲイ・プロパガンダ」に対する法律はより残忍になり、他の国々でも採用されている一方、インドネシアやトルコなどの国では、LGBTQIA+コミュニティに開かれていた空間が最近閉ざされた。イスラエルでは、ネオファシスト政府が、ガザに対する大量虐殺戦争に反対するすべての人々を『反ユダヤ主義者』として糾弾し、結果的に弾圧している。北米やヨーロッパの親イスラエル政府も同様のキャンペーンをおこなっている。

 こうした極端な新自由主義と原理主義的な伝統主義・人種差別主義との組み合わせは、資本主義体制にとってきわめて機能的である。それは、「北」と「南」の広範なブルジョア分派が体制の構造的危機から抜け出す「後進的」な経済的・政治的・イデオロギー的方法を模索していることの表現である。こうした資本家は、次のような約束をする連中を支持し続けている。つまり、権威主義的な支配を導入する、権利の(もちろん社会福祉国家の残されたものすべて)を破壊する、女性を家事領域(すなわち労働力の単純な再生産)へと戻す、人種差別を受けている人々やLGBTQIA+の人々を最も残忍な抑圧と不可視の存在へと押し戻す、移民とその子孫を追放する、大衆運動を鉄拳制圧でコントロールする、残忍な構造調整と収奪を強制する、とりわけ農民と共同体社会に残されたものの収奪を強制するという約束である。これらすべては、超搾取的な多数派社会、理想としては矛盾のない社会を実現するためのものである。そうした社会では、資本は失われた蓄積率を取り戻すことができるからである。

 こうした一群の急進的右翼の台頭と躍進は、数十年にわたる(新自由主義的な)民主主義とその制度の危機の結果である(その中には、新自由主義下で国家を運営してきた「左派」を含む全ての伝統的な政党が含まれる)。新自由主義を推進してきたこうした政府や体制は、格差、汚職、不安定、悲惨、戦争、気候災厄を増大させた。そして、それは「南」から「北」への移住を促している。このような政府や体制は、民衆や労働者の願望に満足のいく答えを与えていない。こうして、それは財産を所有する中産階級や特権的な給与所得者層(ホワイトカラー労働者)が権威主義的なオルタナティブに向かうのを助けてきた。その中には最も脆弱な諸階級の一部でさえ含まれている。

 新たな極右勢力は、40年にわたる新自由主義がもたらした社会構造の崩壊と、2008年以降に悪化した危機に直面した貧困層の絶望が組み合わさった結果であり、(1)「進歩的新自由主義」右派、および社会民主主義(「南」と「東」では社会自由主義と「進歩主義」)に代表される「オルタナティブ」が貧困化、雇用不安、犯罪に対する不安を抑制することに失敗したこと、(2)根本的な反対の方向を提示する民衆的で革命的なオルタナティブが一般的に存在していないことと結びついている。

 極右が特に陰険なのは、ジェンダーとセクシュアリティに関する「近代化された」政策を提示し、女性の解放とLGBTQIA+の人々に対する寛容さへの新たな取り組みを主張しながら、最も弱いグループの一部を激しく攻撃するときだ。トランスジェンダーの人々は、たとえばアメリカ共和党員、ボルソナーロ、ミレイなど極右の主な標的であり、同性カップルの親権と養子縁組の権利は、たとえばイタリアのメローニ政権から協調して攻撃されている。これらの攻撃への抵抗は、右翼に対する連帯の不可欠な部分でなければならない。

 このような状況は、第四インターナショナルに、極右、権威主義、伝統主義的なネオファシズムとあらゆる方面で闘うだけでなく、そうした勢力を生み出し、今も生み出し続けている新自由主義的・反動的な政策と闘うという任務を突きつけている。

III 世界の労働者、被抑圧部門、人民は動員で応えてきた。そして今はどうか?

 われわれは今世紀において民主的で反新自由主義的な闘争の少なくとも三つの波(今世紀初頭、2011年、2019〜2020年)や、新たに高揚した女性運動、アメリカで登場した反レイシスト運動、そして世界中での気候正義を求めるさまざまな闘争を経験した。しかし、こうした重要な闘いは客観的には、新自由主義的資本主義とその政府だけでなく、労働世界の構造的再編成のジレンマにも直面してきた。

 広い意味での労働者階級(賃金生活者)は現在、(たとえば、アメリカの脚本家や俳優のストライキにおける抵抗が示すように)人工知能のもたらす影響に直面する準備をしている。労働者階級は依然として活気に満ちた多数の勢力-中国や東南アジアのあちこちに数万人から数十万人の労働者を抱える大規模な工業団地がある-なのである。しかし、先進資本主義諸国の多くで産業労働者階級の社会的重要性が失われている状況下で、被抑圧部門、若者、新たな不安定労働者層はまだ恒久的に組織されてはおらず、一般的に言えば、弱体化した労働組合運動と統合することは困難である。同時に、伝統的な組合組織化の方法は、今日のプレカリアートのニーズを十分に満たせていないことが多い。一方、アフリカ、南アジア(インドとパキスタン)、ラテンアメリカの農民は、勇敢にも帝国主義アグリビジネスの侵略に抵抗している。世界人口の10%を占める先住民族は、自らの居住地域に対する資本の進出に抵抗し、全人類にとって必要不可欠な共有財(コモンズ)を防衛している。「アラブの春」の敗北、シリアの悲劇、そして今日のシオニズムの拡張主義的な進軍は、中東諸国民衆の回復力をさらに遅らせるだろう。にもかかわらず、われわれはイランの女性や少女の英雄的な決起を目撃してきた。

 2008年の危機のあと、世界中で大衆動員が再登場した。「アラブの春」、「ウォール街占拠」、マドリード・ソル広場[15-M運動]、イスタンブール・タクシム広場、ブラジルの2013年6月、フランスの「夜、立ち上がれ」運動や「黄色いベスト」運動、ブエノスアイレス・香港・サンティアゴ・バンコクでの動員などである。2018年から2019年にかけて、反乱と爆発の第二波が起こったが、それはパンデミックによって中断された。ジョージ・フロイドの死にともなうアメリカとイギリスにおける人種差別主義者に対する決起、世界各地での女性の動員、ベラルーシのような独裁政権に対する反乱(2020年)、2021年に勝利したインドの農民の大規模な動員などである。2019年には百カ国以上でデモやストライキ、大衆的反乱が起きた。そのうち6カ国で政権打倒に成功し、2カ国で内閣総辞職によって政権構成が完全に入れ替わった。

 パンデミックの余波の中で、フランスにおけるマクロン大統領の年金改革に反対する3カ月にわたる抗議行動、中国での中国共産党の抑圧的なゼロコロナ政策を打ち破るのに貢献した労働者・学生・民衆の反乱が際立っている。アメリカでは、新しい生産部門(スターバックス、アマゾン、フェデックス)において、組合結成と闘争のプロセスが続いており、下部組合員による官僚指導部に反対する新たなプロセスが出現し、教育や医療分野の労働者によるストライキがおこなわれている。2022年と2023年には、ハリウッドの脚本家と俳優の大ストライキが際立っている。それに加えて、国内の三大自動車メーカーの労働者による歴史的なストライキがおこなわれ、これまでのところ勝利を収めている。

 もちろん、現在の諸勢力の相関関係は、パンデミックの最中にでもそうではなかったように、まったく攻撃的なものではない。しかし、パンデミックは、「ブラック・ライブス・マター」(2020年のトランプの敗北にとって重要)や「フランスの年金改革反対ストライキ」(2024年におけるフランス左派の顕著な選挙対応力を説明するのに非常に重要)に道を譲った。以前の闘争の波が衰退しており、台頭する極右が危機的局面における危険で根本的な敵になっていると指摘すること(こう述べるのは正しい)は、世界の搾取・抑圧された人々が長期的には敗北し、粉砕されると結論づけることにはつながらない。他方、われわれが歴史的に敗北していないと言うことは、われわれが攻撃的状況や革命的状況にあるということを意味しない。搾取・抑圧された人々が、新しい組織形態の下で以前よりも困難な問題を抱えながらも、資本とその悪行に対して困難抵抗し続ける能力や、戦争・気候変動・構造調整計画の中で自分たちの生存とより良い生活条件のために闘い続ける能力を持っていることに賭けるのは現実的である。

IV 戦争と急速な地政学的変化の時代 世界秩序の再構築に向けて

 地政学的な国際情勢は、覇権帝国主義であるアメリカと、新興帝国主義である中国との対立によって支配されている。この対立の特別な特徴は、新自由主義的グローバリゼーションの遺産である両者の高度な経済的相互依存である。2008年以前にわれわれが知っていたようなグローバリゼーションはもはや存在しないが、脱グローバリゼーションもまた存在しない。地政学的な対立は、この構造的危機の徴候であり、ここでもわれわれはまた前例のない領域に足を踏み入れつつあるのだ。

 構築中の無秩序は、世界をより対立的で危険なものにしている。数年前、不安定さと明らかな地政学的カオスは、1期目のトランプ政権が誕生し、中国との経済戦争に集中するようになってから悪化した。しかし、それは2022年2月のプーチン率いるロシアによるウクライナ侵攻によって第一の質的な飛躍を遂げ、アメリカが公然と支援し、それほど公然ではないにしてもヨーロッパ帝国主義にも支援されたイスラエル拡張主義によって引き起こされた戦争で促され第二の飛躍を遂げた。プーチンに対抗するためにNATOが強化され、中東全域で国境線を引き直すというネタニヤフ首相の目標に対するアメリカの財政的・軍事的支援によって、状況はエスカレートしている。こうして、戦争産業は何十万人もの人々の血を犠牲にして、何十億ドルもの利益を得ている。

 NATOにおけるアメリカの役割、その指導力、イスラエルによる帝国主義戦争へのアメリカの支援にもかかわらず、歴史的視点から見れば、アメリカの覇権的パワーは相対的に弱まっている(そして、挑戦されている覇権ほど危険なものはない)。というのは、アメリカにはいまや経済的・地政学的な競争相手がいるからである。新たな帝国主義が、ロシアのように自己主張したり、中国のように戦争に巻き込まれない形で登場したりしている。それは、世界的に不安定な状況が広がる中でバラバラにおこなわれている絶えまない再編成なのである。いずれにせよ、(ソ連崩壊後の)アメリカ主導のブロックによる一極性はもはや存在しない。インドは、二重の駆け引きをすることで、地域大国(あるいは少なくとも準帝国主義大国)としての自己主張を試みている。つまり、インドは、アメリカとの政治同盟と中国との対抗関係を維持しながら、ロシアとの経済(石油)・技術(戦争産業)協力関係を緊密にし、BRICSにも参加しているのである。

4.1.戦争と地政学的緊張は増大している

 われわれは、あらゆる種類の戦争、すなわち、内戦、帝国主義間の戦争、緊張、植民地化のための帝国主義戦争(イスラエルの近隣諸国での戦争など)が増加し激化しているのを目の当たりにしている。ヨーロッパにおいて、そしてイスラエルからまだ攻撃を受けていないときでも、中東全域において戦争の太鼓が鳴り響いている。東アジアでは地政学的緊張が高まっており、南シナ海に対する中国の[領有権の]主張は他国の海洋権益を侵害している。朝鮮半島、台湾海峡、南シナ海における軍事的緊張関係は継続し、むしろ悪化している。中国はこの3つの地域での戦争勃発を望んでいないように思えるが、もちろん(中国国内情勢の激変を含めた)偶発的な要因も含めて、実際に軍事的緊張が極度に高まり、戦闘行動にまで至る可能性は排除できない。

 中国は、アメリカ・日本に対抗して、海軍の増強、宇宙空間への進出など、軍備増強のペースを早めている。アメリカに間接的に挑戦する政策の中で、とりわけフィリピンの艦船を意図的に挑発している。

 アメリカの目的は、戦略的に重要な地域に対する軍事的優位を維持し、中国を封じ込めることである。フィリピンのマルコス政権は、ドゥテルテ大統領の方針から少し逆行してアメリカにより接近してきている。南シナ海の非軍事化が緊急に必要とされている。日本は、アメリカがこれ以上東アジア地域で軍事的なプレゼンスを強化することができない中で、アメリカの果たしてきた軍事的役割の一部を肩代わりして、急速に軍事費を増やして軍備を強化し、南西諸島の軍事要塞化、日米両軍の一体化をすすめている。これは、アメリカ帝国主義による圧力だけでなく、日本帝国主義が自らの東アジア・東南アジアでの権益を守るために、より強力な軍隊を保有したいという欲求の反映でもある。

 2024年に入ってから、南北朝鮮間の緊張は対話の時期を経て再びエスカレートしている。北朝鮮は緊張緩和のための2018年の南北合意を破棄し、2024年10月には憲法を改正して韓国を敵対国家に指定した。北朝鮮と韓国の両政府は、それぞれ中国とアメリカの支援を受け、対立的な強硬路線をとっている。

 核の脅威はより具体的になりつつある。局地的な核のホットスポットはすでに4つある。その一つは中東、つまりイスラエルである。ユーラシアには、ウクライナとロシア、インドとパキスタン、朝鮮半島がある。このうち活発なのは朝鮮半島だけだ。北朝鮮の政権は、アメリカ海軍航空隊が駐留し、(日本、特に沖縄に)海外最大の米軍基地がある地域で、定期的にミサイル発射実験をおこなっている。

4.2.アメリカ:危機にある覇権大国は再び自己主張しようとしている

 ライバルの登場によって、最も富裕で最強の軍事力を有する国としてのアメリカの本質が損なわれてはこなかった。アメリカにはかつてない戦争能力が備わっており、ブルジョワジーがアメリカにはいかなる犠牲を払ってでも地球を支配する「歴史的使命」があるという確信を誰よりも強く持っていて、それゆえに覇権継続のためには戦争を遂行するのである。実際、西側帝国主義「集団」において最終決定権を持ち続けているのは、アメリカである。重要なのは、たとえアメリカが強制力という点では無敵だとしても、かつてないほど深刻な問題を抱えているということだ(少なくともベトナム戦争以来)。つまり、帝国主義覇権は、すべての覇権と同様に、同盟国と国内の民衆を納得させなければ維持できないということだ。アメリカは対外的な正当性という深刻な問題を抱えているだけでなく、さらに深刻なことに、国内でも正当性の問題を抱えている。それは1990年代のいわゆる「一極化」と「対テロ戦争」の時代には存在しなかったものだ。アメリカの実業界・官僚・政治のエリートは、国内支配のプロジェクトをめぐってかつてないほど分裂している。アメリカ資本は過去40年間アメリカ経済と中国経済を深く結び付けてきたバリューチェーンを解体するという難題に直面しなければならない。

 アメリカは、相対的な経済衰退に加えて、「ティーパーティー」とトランプが、世界最古のブルジョア民主主義のルールを変えるという口実で、共和党を内部から支配して以降、深刻な危機の中にあるブルジョア民主主義社会・体制であり、二極化が深刻化してきた。トランプがホワイトハウスにいることで、この危機はさらに深まる傾向にあり、かつては万能だった「アメリカ」を弱体化させる一因となっている。そのことによって、行政・議会・司法の間での攻撃に直面して、その世界的な目標にダメージを与える可能性がある。

 アメリカは中国とのデカップリングを進めてきたが、先端技術部門は別にしても、中国を主要な担い手とするグローバルなサプライチェーンの切断は不可能である。したがって、経済的には相互依存しながら、ハイテク分野での競争(や制裁)と軍事的な対抗関係を継続する以外に選択肢はない。

4.3.今日の中国の性格

 過去30年間の中国の「大躍進」の本質は資本主義だった。台頭する中国帝国主義は、1980年代以降の大きな社会革命と復興への転換を受け継ぎ、世界の新自由主義的再設計 (アメリカとその同盟国とのパートナーシップで実行) に不可欠な存在となっているが、すべての帝国主義と同様に、その固有の特徴がある。中国共産党と軍隊(人民解放軍)に[権力が]集中した国家資本主義が中心にある。つまり、大企業のほとんどが国有または国営企業と民間企業の合弁企業である、あからさまに開発主義的な政策をともなう開発資本主義なのである。

 党支配国家は経済のすべてをコントロールしているわけではない。ソ連に存在していたような中央集権的な計画もない。中国の資本主義経済モデルは、市場原理の要求をも満たさなければならず、それが政府の行動を決定している。言い換えれば、市場原理の要求は計画・実行される政策に影響を与える。そのため、国家が主導する計画政策と市場の関心や行動とが収斂するところで、計画作成がおこなわれる。その中には、国内・国際レベルでの自由市場や国家支配の外側での市場の運動が含まれる。

 もちろん、台頭する中国帝国主義はまだ構築中である。今世紀初め以降、2016年に落ち着くまで、中国は資本輸出で飛躍を遂げてきた。他方では、中国経済への直接投資は地政学的な不透明感から2020年以降減少している。2022年現在、中国は資本の純輸出国(輸入よりも輸出する資本の方が多い)となっている。中国企業は新植民地諸国(東南アジア、中央アジア、アフリカ、ラテンアメリカ)のエネルギー、鉱業、インフラ事業で大きな権益を獲得し、ドラゴンは世界最大の特許登録国となった。中国は軍備投資を増やしており、ライバル国や弱小国が越えてはならない一線(台湾と南シナ海)があるとますます激しく警告している。

 中国の新疆に対する政策は植民地主義的であるが、欧州やアメリカのモデルにならって「別の国」を侵略または植民地化することはしてこなかった。中国は現在、アフリカの富を搾取する主要な非西洋諸国である。中国の債権者がアフリカの世界対外債務の12%を保有している。中国はすでにほとんど全てのラテンアメリカ諸国の最も重要な貿易相手国であり、主要投資国(エネルギー部門)でもある。中国は経済力を利用して、天然資源を担保にした融資、貿易協定、採掘産業やインフラへの投資などを通じて不平等な貿易を押し付けている。

4.4.帝国主義国ロシア

 今日のロシアは、旧ソ連の基盤の大規模な破壊と、官僚からオリガルヒに転身した人々による新旧企業の乗っ取りを基盤として起こった、混乱した非中央集権的な復興の結果生まれた国家である。今世紀初め、プーチンとその仲間は、昔からあるスパイ・弾圧部門から引き上げられ、オリガルヒ間のボナパルティズム関係と、大ロシアの古くさい民族帝国主義イデオロギーの21世紀版を利用して、ロシア資本主義の再中央集権化プロジェクトを考案した。このイデオロギーは、他の帝国主義と競争してロシア資本主義を再び主張し、連邦の諸民族(ロシア民族を含む)に対する抑圧を質的に強化するための主な手段となった。プーチン政権の極度の抑圧的性格は、ファシズムに向かって進化していると見ることができる。

 ロシアのウクライナ侵攻は何年も前から計画されていた。それは、スターリニストソ連の国境内でロシア帝国を復活させる壮大な計画の一部であったが、ツァーリ帝国を基準点としていた。プーチンにとって、ウクライナの存在はレーニンに責任のある不正常なものにすぎない。プーチンにとって、ウクライナはロシアの枠内に戻さなければならなかった。2014年のドンバス、ルハンシク、クリミアの軍事占領は侵攻の第一段階だった。現在のいわゆる「特別作戦」は非常に迅速におこなわれ、キーウに達するまで続く予定だった。そして、ロシアはキーウに傀儡政府を樹立することを望んでいる。ウクライナの抵抗規模は、プーチンだけでなく西側諸国も予想していなかったが、それがプーチンの戦争マシンを止めたのである。

4.5.ヨーロッパ:衰退と対立の中にある古い大陸

 新たな世界情勢がEUと欧州全体に大きな影響を与えている。ヨーロッパ大陸は地球の他の地域の2倍の速さで温暖化しており、極端な降雨現象や海洋熱波などが発生している。経済危機はこの地域に大打撃を与え、2002年以降の生産性の伸びはアメリカの43%と比較してわずか10%で、自動車産業は深刻な危機に陥っている。労働運動は大きな困難に直面しており、とりわけスペイン、イタリアにおいてそうである。この三カ国では、左派がもはや再分配の余地のないシステムを運営したあとで、左派は顕著な後退を被った。

 相対的な経済後退、階級の構造的弱体化は、いわゆる左派政権との苦い経験や、戦争・気候変動・帝国主義介入による移民の増加と組み合わさって、ほとんどの国で極右が成長している理由を説明している。その中には、ポルトガル、ドイツ、スカンジナビア諸国などこれまで防衛されてきたように見える国々も含まれている。極右がますます現実的な脅威になっている。

 独立した労働者階級の政治勢力の構築は非常にゆっくりとしたプロセスであって、国によってリズムが異なる。しかし、労働者階級には依然としてかなりの介入能力がある。その例として、フランスでの年金[改革反対]運動や「新人民戦線」、イギリスにおける人種差別主義者の反乱やパレスチナでのジェノサイドに対する反撃が挙げられる。

4.6.全般的な不安定さ

 パレスチナ、レバノン、スーダン、イエメン、コンゴ民主共和国東部では爆弾やドローンが人を殺している。さらに、メキシコ、ブラジル、エクアドルで見られるように、ラテンアメリカ諸国においては、犯罪組織との絶えまない戦い、ひるがえって住民との戦いといった隠れた内戦も起きている。

 問題を抱え、脅威にさらされている中東において、嫌悪の対象だったバッシャール・アル=アサド政権の崩壊は重要な出来事だった。半世紀にわたる血に飢えた独裁政治に終止符が打たれたのだ。政権の崩壊は大衆動員によってではなく、イスラム過激派が主導した軍事作戦によって達成された。しかし、自由を求めるシリア国民の熱望と、シリア反乱当初からの抵抗の積み重ねが重要な役割を果たした。アサド時代の終焉は、何百万人ものシリア人にとって救いだった。ついに、社会運動、フェミニスト運動、民主主義運動が下から組織化される可能性が出てきた。しかし、この希望は、支配者グループであるハヤト・タハリール・アル・シャムの反動的な性格に対する深い不信感をともなっている。

 トルコもまた、シリア国民軍を通じて、シリア復興を利用しようという帝国主義的野心から介入しているが、とりわけ、シリア北部と東部、国境沿いのロジャヴァ地域におけるクルド人の自治政府に終止符を打とうとしている。シリア・クルド人は、逆説的だがワシントンとテルアビブに(自分たちの利益を守るために)支援されており、外交と武器の両方を駆使して、あらゆる手段で自決のプロセスと行政機構を維持しようと努力している。

 東南アジアでは、インドがパキスタンとの核による対抗関係を続けている。北朝鮮はロシアへの軍事的・政治的・経済的依存を強めている。ウクライナ侵攻中のロシア軍への武器・弾薬の供給、さらには北朝鮮軍の派兵と戦闘行動への参加と引き換えに、核兵器開発へのロシアの協力・技術供与を取り付けたとの報道がある。

 ミャンマーでは軍事政権に対する抵抗勢力が拡大しており、軍事的にも外交的にも大きな成果を上げている。軍事政権が敗北する可能性もある。中国は2021年以降、軍事政権に決定的な支援を与えたが、現実的なアプローチをとっている。もし軍事政権が中国の投資保護を保証できないのであれば、北京は保証できる政権と協力することを望むだろう。

 この紛争状況は、アフリカの地政学と地経学を発展させており、ロシアは特に西アフリカの旧フランス語圏植民地で、フランスやアメリカと経済的・軍事的に競合している。こうした理由で、中国はアフリカ大陸全土、ラテンアメリカ、カリブ海諸国で経済的影響力を強めようとし続けている。

 40年間の新自由主義的グローバリゼーションのあとも、半植民地諸国では、格差、飢餓、社会保障制度の欠如、独裁政権、土地収用、血なまぐさい社会紛争の割合が依然として高い割合のままである。しかし、金融・生産・商業・文化の国際化は、問題と政治的二極化という点で北との不合理な同一化も生み出している。つまり、極右の台頭(ドゥテルテ、ボルソナーロ、モディ、ミレイ)、犯罪組織の勢力拡大、気候災害(インド、バングラデシュ、フィリピン、ブラジルなど)、国家および政治体制の危機、内戦(ミャンマー、スーダン、コンゴ民主共和国、ハイチ)、国家間の戦争などである。

 今世紀初めから、南アメリカは一連の闘争、大衆的デモ、民衆の爆発、これらの闘争から生まれた改革派政府の選出、そして多くの政治的二極化の舞台となってきた。なぜなら、新資源略奪主義、自然の略奪的搾取、社会の崩壊、格差、日常的な暴力、軍事化、政治危機が拡大しており、それが極右的オルタナティブの温床ともなっているからである。2018年から2022年にかけて、新たな動員サイクルがアンデス諸国を急進的に席巻した。一方における抵抗、爆発、社会闘争-それは民主主義と経済的要求とを結びつけるものだった-と、他方における中心的な敵としての極右の永続性とが組み合わさっていた。選挙はしばしば、いわゆる「進歩的」政権の第二波に有利に働くように闘争を集約していった。

 12億人を抱える地域であるアフリカ、とりわけサハラ以南のアフリカは、資本主義の不均衡かつ複合的発展における「不均衡」な部分の犠牲者となっている。世界銀行の推計では、2030年までに世界の極貧層の87%がアフリカに住むことになる。アフリカは世界の炭素排出量のわずか4%を占めるにすぎないが、気候災厄に最も脆弱な10カ国のうち7カ国はアフリカにある。アフリカの角で4年間続いた干ばつにより、250万人が移住を余儀なくされた。アフリカ大陸は紛争の波に見舞われており、紛争の多くは新たな石油・ガスの発見、帝国主義諸国の「グリーン経済」に必要な低炭素技術のためのレアメタルなどの重要な鉱物(コバルト、銅、リチウム、プラチナ)の支配と採掘をめぐる競争に関連している。

 アメリカ、中国、ロシアは、かつての植民地列強と並んで、超搾取によって富を略奪し、アフリカ大陸での紛争を激化させる上で重要な役割を果たしている。地域戦争、クーデター、内戦は引き続きアフリカ諸国の政治経済を特徴づけている。ロシアは、西側諸国の影響力に挑戦し、自らの影響力を高めるために、アフリカのいくつかの国における戦闘を利用している。西アフリカでの一連のクーデターによって、フランス新植民地主義の力は弱体化し、新しい政権は軍事援助と財政的援助を求めてワシントンの競争相手の方を向いている。

 2009年に発効したペリンダバ条約によって、アフリカのほぼ全域が非核兵器地帯として法的に認められた。ディエゴ・ガルシア島を含むチャゴス諸島は、アメリカが軍事基地を置いているにもかかわらず、モーリシャスの一部として受け入れられている。そのため、(条約加盟国と協定を結んでいる)IAEA[国際原子力機関]がディエゴ・ガルシア島を監視し、アメリカの航空機や倉庫、輸送中に核兵器が存在しないことを確認しなければならない。アフリカ原子力委員会が監視を担当すべきだが、いずれにせよ監視しなけければならず、モーリシャス政府はこれを受け入れなければならない。

V「陣営主義」の台頭

 残念ながら、ここ数年、資本主義に対するオルタナティブを求めることの表現として、陣営主義イデオロギーが勢いを増し、新しい層に広がってきた。陣営主義イデオロギーは、冷戦という過去の時代において、国際舞台で相互に対立する「二つの陣営」が存在しているという考え方に端を発した表現であるが、覇権帝国主義「陣営」に反対する上で、アメリカの敵や敵国であれば誰とでも同盟を結ぶ価値があるという考え(敵の敵は味方)にもとづいている。そのため、彼らはシリアのアサド政権、ロシアのプーチン政権、ニカラグアのオルテガ政権、ベネズエラのマドゥロ政権を擁護する。一部の陣営主義者によれば、アメリカと深刻な摩擦を起こしている中国は、アメリカの敵という以上の存在であるだけでなく、社会主義のお手本であるというのだ。

 この危険な傾向は、世界に対する先入観と誤った分析にもとづいている。世界はもはや二極対立というわけではないのに(さらに言えば、「多極化」それ自身は何か良いことを保証するものではない)。この「陣営主義」イデオロギーが強力になっているのは、(たとえそれがオルタナティブでないとしても)現存する国家をオルタナティブだと信じることの方が、下からオルタナティブを作り上げるという課題に立ち向かうよりもはるかに簡単だからである。さらに、中国は世界中の進歩的な活動家や知識人に自国が「オルタナティブなモデル」であると信じ込ませるために、強力なソフトパワー(資金力と宣伝力)を駆使している。旧共産党残党の後継者であるさまざまないわゆる共産主義組織が、この有害な「陣営主義」イデオロギーを特に高く評価している。矛盾しているが、陣営主義者は(少なくとも)ヨーロッパとラテンアメリカの若者層の間で勢力を増しつつある。一部の国では、反スターリニズムの伝統を持つ左翼組織がこのイデオロギーを受け入れている。こうした状況は、陣営主義的論理の犠牲者-たとえばウクライナ、ベネズエラ、ニカラグアの民衆-を支援するための、組織的かつ永続的な宣伝、教育、および明確に具体的な行動に取り組むことをわれわれに課している。

VI 新たな時代の中心的要求

 「北」と「南」の極右に直面して、統一戦線を含む非搾取・非抑圧人民を統一させる政策は、われわれの活動領域の重要な部分であり続けるが、われわれの政治的独立を喪失するような交渉をしたり、政治的独立の喪失を受け入れたりすることはありえないし、社会運動についても同様である。過去と同様に、この極右との闘いでは、デモやストライキの権利、投票権、表現の自由といった民主的権利の擁護を優先しなければならない。

 直接的に標的とされた人々だけでなく、人種差別を受けている人々、汚名を着せられた人々、活動家の権利を擁護することが急務である。それは民衆の動員-励ましとなるイギリスでの反人種差別デモのように-に依拠するのであって、法律制度だけに依拠するのではない。決定的な瞬間に法の支配を防衛できないことがあまりにも多いからである。極右勢力躍進の深い根拠を理解することは、一方では、選挙や闘争で極右勢力を打ち負かすための統一政策を要求し、他方では、資本主義の戦略的敗北へとつながる唯一のものである過渡的・社会主義的要求を支持することを要求する。

 権威主義体制(たとえば、中国、ロシア、ベラルーシ、ニカラグア、シリア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、その他のカリフ制国家など)や、選挙で選ばれたが権威主義的な政府(トルコ、フィリピン、アルゼンチンなど)においては、われわれの政策は、支配者に対して正面から反対し、民主的権利のために全面的に闘争するというものである。われわれは独裁体制に反対する反乱勢力(たとえばミャンマーやイエメンの反乱戦力)を無条件に支援する。

 第四インターナショナルは、帝国主義的資本主義体制によって押し付けられた国家間格差の拡大や、何百万もの命を奪う戦争や民族紛争に直面して、すべての帝国主義と植民地主義に無条件で反対する。

 われわれは、プエルトリコ、アメリカ領サモア、西サハラ、フランス領ギアナ、マルティニク、ニューカレドリア、マルビナのような、いまだに植民地として統治されている17ヶ所の地域全ての自決権と完全な独立を支持する。われわれはいかなる国家や民族も他者の権利を抑圧・制限することのない世界を支持する。われわれが提案する平和は平等主義的かつ反植民地主義的な平和である。

 この文脈において、できるだけ急いでファシズムと帝国主義に反対する活動家の幅広い会議を開催するというとりくみは、インターナショナルにとって非常に重要である。地域または大陸の事前会議を通じて実現に向けて取り組むことで、このアイデアを支持し強化することはすべての大陸におけるわれわれの行動の優先事項の一部でなければならない。

 われわれはすべての軍事ブロック(NATO、CSTO、AUKUS)の解体のために闘う。われわれは、民衆を犠牲にして「勢力圏」を分配するという論理や、援助を提供す際に新自由主義的・政治的な条件をつけることに反対する。われわれは、ヨーロッパのように軍事予算を増やすためにウクライナ戦争を冷笑的に利用することに反対する。

 われわれは核による脅迫を非難する。われわれは、世界の軍縮、特に核兵器と化学兵器の軍縮、いかなる国家も他国に強制・侵略・抑圧をしない世界平和、すなわち入植者のいない平和、植民地にされた人々の墓地のない平和のために闘い続ける。再軍備、新たな軍備競争、原子力の問題は、あらゆる場所で反戦運動の活動の不可欠な部分でなければならない。

 われわれは陣営主義イデオロギーに真っ向から反対する。それは、中国とロシアをアメリカに対する搾取・抑圧された人々の「同盟陣営」と見なすことへと導き、ソ連があった頃の対立時代を茶番的に繰り返しているからである。現実世界に関するこの歪んだ考え方の蔓延は、陣営主義に対する激しいイデオロギー的・政治的闘争を遂行するという課題をわれわれに課している。

 アフリカでは、憲法秩序の回復を口実に、自国の利益を守るために軍事介入を支持しようとする西側の帝国主義的な言説を拒否する。われわれは、この地域全体からのフランス軍の完全撤退、モーリシャス・チャゴス諸島のディエゴガルシア米軍基地の閉鎖、ジブチの米軍基地と中国軍基地の閉鎖を求めて闘う。われわれはスーダン内戦の終結を求めて闘う。われわれは、交戦中の軍閥の片方に武器を提供しているアラブ首長国連邦の干渉を拒否する。われわれは、ワグナー・グループの軍隊の撤退を要求する。われわれは、アフリカ諸国と人民の統一を目指す新しい反体制運動に向けて、諸国人民の政治的・経済的主権を獲得するためのあらゆる努力を支持する。

 ラテンアメリカのいわゆる「進歩的」政府は、その構成、出自、社会的基盤がすべて異なるが、階級融和政府であり、われわれの政府ではないし、被搾取・被抑圧人民の政府でもない。われわれはそれには参加しないし、無条件に支持する義務もない(今世紀最初の10年間のベネズエラやボリビアのように、ブルジョアジーの直接代表がおらず、労働者の動員や組織化の度合いによって、帝国主義やその経済エリートとの強い対立があった例外的な状況を指しているのではない)。われわれは、最初の種類の政府を極右の攻撃から防衛し、民主主義、社会・環境、経済の各分野における進歩的措置があれば支持する。それぞれに対する具体的な戦術は、勢力の相関関係、その構成、それぞれの「進歩主義」の程度、労働者多数派が彼らに寄せる信頼によって異なるだろう。世界で極右が前進しており、ファシズムとの闘いの最良の形態を促進することに加えて、運動において彼らの代表を擁する反ファシズムの戦線や行動単位が存在しているという現在の状況では、われわれは進歩的政府の施策への支持を、それらが労働者人民と被抑圧者の利益のために働き、前進させる要求と結びつける。この意味で、われわれは新自由主義的で略奪的な施策に反対する闘いを支持する。どのような戦術的変種であれ、進歩主義政府からの独立やわれわれが活動している運動や政党からの独立を維持することは不可欠である。

 われわれは、全ての人々に対する無料の医療、国家が保証する医療インフラ、まともな住宅、働きがいのある人間らしい仕事・賃金・年金、低価格での水とエネルギーへのアクセスなど、基本的な要求の実現のために闘う。

 われわれは、(子ども、高齢者、病人に対する)ケア労働に対する補償が国の政策によって保証されるという、当事者である全ての女性(と男性)の権利を擁護する。われわれは、子どもを持つかどうかを決める権利、中絶とあらゆる避妊方法の権利、あらゆるレベルの性教育、質の高い公共デイケアセンター、質の高い全日制学校、男女の平等な賃金、平等な雇用機会、平等な収入のために闘う。

 われわれは、黒人、先住民族、人種的差別を受けているすべての少数民族を差別する構造的レイシズムに反対し、とりわけ彼らが「北」における移民である場合には、反差別政策、奴隷制と土地窃盗に対する賠償、および積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を提案し、そのために闘う。われわれは外国人排斥と追放政策に反対し、すべての移民とともに立ちあがる。すべての壁の撤廃を要求する。

 われわれは、世界中でLGBTQIA+コミュニティを攻撃する保守的な同性愛嫌悪とトランス嫌悪に反対し、自分が適合していると考えている通りに、自分が望んでいるように自らの身体を扱う最大限の権利を求めて声を上げる。結婚、妊娠、養子縁組が可能となるような、ゲイ、レズビアン、ノンバイナリーカップルの完全な市民権と権利を要求する。われわれはトランスセクシャルの人々の権利、暴力に反対する闘い、およびそうした人々の社会生活への完全な統合を擁護する。

 これらすべての闘争は、新しいファシズムを打ち負かし、搾取と抑圧の体制を打倒するために、要するに帝国主義、植民地主義、資本主義との対決へと導くために団結しなければならない。

 現段階でのわれわれの中心的な任務の一つは、エコロジー的・社会的闘争を推進・支援し、反資本主義的・エコロジー的要求がすべての労働セクターと被抑圧セクターの要求となるようにとりくむことである。そのレベルでの被搾取・被抑圧人民の運動の力だけが、進行中の気候崩壊に立ち向かい、われわれの宣言に述べられているエコ社会主義オルタナティブへと人類を導くことができる。

 第四インターナショナルは、いかなる国も他国を抑圧・侵略しない世界、平等な者同士の平和が可能で、人々の自決権が尊重される世界を目指して闘う。われわれは、資本主義とその論理を打ち破り、すべての人が違いの中で平等になれる、脱植民地的で、エコロジー的・社会主義的な、つまりエコ社会主義的な世界を目指して闘う。われわれは、あらゆる民族や肌の色、あらゆる性的指向やアイデンティティ、あらゆる信念、あらゆる形態の人間生活が自然と共生し、調和するフェミニスト的な世界を目指して闘う。

2025年2月28日

この分断現象は、多くの人々が「現存社会主義」とみなしていたものの崩壊と関連しており、さらに賃金労働者階級が経験した構造的変化、すなわち地理的(産業労働者階級の大半がアジアに移転)、技術的・組織的(生産の再編成)、イデオロギー的(新たな政治空間としてのソーシャル・ネットワークによってひどくなった新自由主義的超個人主義)再編とも結びついたものである。これに加えて、ギリシャのシリザ政権(2015年)のような「左派」政権や、スペインのPSOE-ポデモス政権(2020~2024年)、ブラジルのルラ大統領とディルマ大統領(2003~2016年)、フランスのオランド政権(2012~2017年)などのいわゆる「進歩的」政権や中道左派政権の否定的な結果もあって、闘争がより困難となり、闘争が政治意識と組織に与える影響が弱まるという状況を引き起こしている。

つまり、それは、かつては、とりわけ先進資本主義国においては福祉国家によってカバーされていたが、現在では容赦なく削減されている労働なのである。「同性愛者家族」の承認でさえ、不平等によって正当化されているが、国家やケアの社会的責任の民営化へと向かうこの傾向を部分的に形成する可能性がある。

極右勢力の前進には深い根拠があるのを理解するためには、一方では選挙や闘争において極右勢力を打ち負かすための共同の政策が、他方では資本主義の戦略的敗北を導くことができる唯一のものである過渡的・エコ社会主義的要求を確認することが必要である。