7.21どないする大阪の未来ネット

「広域行政一元化条例」と維新政治を許さない闘い

 【大阪】今後の大阪政治を考える討論集会が7月21日、エルおおさかで開かれた。主催は、どないする大阪の未来ネット(どないネット)で、90人が参加した。
 この討論集会は、「広域行政一元化条例」の成立を受けて、今後の市民運動の方向性を討論するために当初5月に開催の予定だった。しかし、緊急事態宣言発出のため会場が休館となり、6月に延期されたものの、緊急事態宣言の延長でさらに7月に再延期されていた。大阪でもコロナ感染が再拡大する中、主催者は検温や消毒など感染予防措置を講じて、予定通りの集会開催にこぎつけた。

維新を応援する
人たちに向けて


 集会は、武田かおりさんの司会で始まり、どないネット代表の高井千彰さんが主催者を代表して、「悪行の限りを尽くしている維新政治に対して、市民の力を見せつけたのが住民投票だ。市民の力が維新政治反対に向かっていけるように、できるだけ多くの方々からご意見をいただきたい」とあいさつした。
 続いて、大阪市会議員の武直樹さんが大阪市会情勢報告をおこなった。武さんは生野区選出の無所属議員で3期目となる。3月議会、5月議会では、広域行政一元化条例反対の立場で論陣を張った。武さんは「リアルな集会は久しぶりで、力をもらえる」と切り出し、一元化条例に反対する理由として「維新は、二重行政の解消が民意と決めつけている。内容・プロセス・提案の仕方が市民の理解を得られていない。維新は対話しようという意思は皆無で対立を煽っている」などを挙げ、「大阪市が大阪府に事務委託するには規約が必要だが、条例制定時には規約の中身は明らかになっていなかった。そのおかしさは附帯決議にそのまま現れている」と指摘した。
 そして、「松井市長には、合意形成に向けて、地方自治法改正で必置するとされている府市調整会議を条例化することや都市計画決定権を事務委託するという9条3項を削除することを提案したが、市長は『武新党を作って多数派を取るか、市長に立候補するか、すればどうか』と言われた。大阪市がなくなったら元には戻せなかったが、困難ではあっても一元化はまだ戻せる」と述べた。そして、これからの市民活動に期待することとして「大阪市が廃止されることは自分事になったが、一元化条例は自分の生活に関わる実感がなく、市民への浸透度や関心の度合いで言うとあまりなかった。他人事ではなく、自分事として考えられる課題を見える化できるかが課題。自民が嫌いで維新を応援している人の受け皿をどう作るか、を考えて欲しい」と指摘した。

市民ネットワーク
の課題と第一歩は


 討論に先立って、どないネット事務局の馬場徳夫さんが「大阪での市民運動課題と方針について」を提案した。馬場さんは「こういうコロナの状況でも、世論調査では吉村知事のコロナ対策への評価が高い。一方では、大阪市立学校の校長からの批判が出てきている。
 統一地方選で、大阪市会の状況を変えなければならない。維新は、議会の定数削減で議席独占を図ろうとしている。夢洲開発の費用は港湾会計から出される。IR事業では、30年間の契約期間の中で段階的に事業を進めていいことになったため、賃貸料収益が確保できなくなっている。万博が終わったら、地下鉄の乗客がいなくなり、採算がとれなくなる」と現状を分析し、「市民運動を強くしないと維新の思うままに進められてしまう」として、連携する「市民ネットワーク」づくりが必要などと訴えた。

統一地方選と
野党共闘実現


 討論では参加者から積極的な意見が数多く出される中、時間をオーバーして1時間以上討論が続けられた。その中では、維新との具体的闘いとして、万博公園の再開発計画反対、市政を私物化していた富田・池田市長(維新の足立康史衆議院議員の秘書だった人物で、7月末に辞任するが、市長選への出馬を表明している)に対する住民による刑事告発、大阪市立高校敷地・建物の大阪府への無償譲渡に対する住民訴訟などが紹介され、「公共の再構築」の必要性、住民自治の問い直し、統一地方選での野党共闘などが訴えられた。集会の最後にカンパの訴えがあり、成功裏に討論集会は終了した。  (O)

「広域行政一元化」の意図をあばく(7.21大阪)

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