台湾有事口実の戦争挑発ノー

2.19あいち総がかり行動
琉球弧自衛隊配備、気候危機と闘おう

 【愛知】2月19日、名古屋市の久屋大通り公園光の広場で「憲法の危機・戦わないために闘おう2・19集会&デモ」が、あいち総がかり行動の主催で行われ200人の労働者、学生、市民が参加した。あいち総がかり行動は今年1月19日に名古屋市女性会館ホールで「憲法改悪を許さない全国署名」スタート集会を200人の参加でかちとり新たな憲法改悪阻止の闘いを開始した。愛知における今年、最初の街頭での19集会とデモとなったこの日も改憲阻止、琉球弧への自衛隊配備・辺野古新基地建設阻止、気候正義と闘う労働者民衆の結集で行われたのである。

「緊急事態条項」
 の危険性
 最初に弁護士の水谷陽子さんのあいさつで集会が始まり、愛知総がかり行動の共同代表の長峰信彦さん(愛知大学教授)が憲法改悪阻止の立場から発言した。
 長峰さんは安倍政権の政治の私物化から始まったゆがんだ憲法論議を批判し、コロナ感染拡大を口実として「緊急事態条項」を正当化しようとする論調に対し、さまざまなウィルス感染症も大災害も、必要かつ最小限度の私権制限ならば法律で対応できるとし、憲法上の人権はつねに法律による規制に優越できるようにすべきだと述べた。
 また憲法に自衛隊を明記した場合、徴兵制の合憲化という重大な変化が生じるとし、「改憲派が現在のところは徴兵制は敷かないと主張しているのは、現憲法では明文規定がないために軍事的公共性を堂々と論じられないからだ。もし自衛隊が明記されれば『憲法上の組織の人員構成』の話になってしまう」と述べた。
 そしてもし戦争などで志願者が減れば“公共性”を理由にした強制動員=徴兵もありうると述べ、1960年代のアメリカでベトナム反戦運動による軍への志願者減の対策として選抜徴兵制を敷かれ、それによって法的強制動員が行われたことを指摘し「憲法に規定があれば、あと1本の法律で徴兵制が可能になってしまう。この恐ろしさを忘れてはいけない」と危機感をもって語った。

一触即発の
戦争準備
 次に琉球弧の自衛隊配備に反対し、昨年から今年2月にかけて、「軍事要塞化する奄美・沖縄の島々」と題してのオンライン講演会を開催している「不戦へのネットワーク」の八木さんが報告した。
 八木さんは「台湾有事」を口実とした奄美、沖縄で進む自衛隊基地建設の状況を報告した。馬毛島、宮古島、石垣島などで住民の基地反対の声を押しつぶし、様々な手を使って基地建設が進められていることを厳しく批判した。そして日本がオーストラリア、イギリス、フランスなどと多国間軍事同盟を結ぼうと動いていることを批判し、一触即発の戦争準備が南西諸島で始まっていることを明らかにした。
 さらに自衛隊の幹部が「もうしわけないが自衛隊に住民を保護する余裕はない。自治体にやってもらうしかない」とあけすけに本音を吐くということが新聞で報道されたと述べ、厳しく批判した。

気候危機との
 闘いを
 最後に気候正義を闘う、緑の党の尾形慶子さんが発言した。尾形さんは地球温暖化による気候危機は待ったなしの状態だが世界中で若者のたちが声を上げ始めていると述べた。
 しかし、石油資本の利益を代表する右翼政権や原発推進派が「気候対策」を口実に巻き返しをやろうとしている。そして「EU委員会が原発と天然ガスを『持続可能な投資先』に分類したとことを明らかにし、そこに資本が流れ込むだろう」と指摘した。
 さらに日本でも福島原発の救済や放射性廃棄物の処理もできていないのに原発再稼働のたくらみが続いています、と批判した。最後に尾形さんは集会参加者に脱原発・脱炭素の社会は可能なのかという疑問に答える「気候連続講座」への参加を呼び掛けた。
 最後に共同代表の高橋さんがまとめのあいさつを行った。高橋さんは「自公勢力の不条理を私たちは市民に届く言葉を発しているでしょうか? 平和・学び・働きがキーワードです。戦後に作られた『新しい憲法の話』を今一度読んでみよう。小学校区、中学校区でのきめ細かい運動をつくっていこう」とよびかけた。
 集会が終わり参加者は栄の繁華街を縦断するデモ行進を行った。この日の集会・デモはコロナ対策で午前10時半から行われ11時にデモ出発となった。デモコールも宣伝カーからのみのサイレントデモとなった。
 街頭での人はまばらだが参加者は様々な旗や横断幕で改憲阻止、台湾有事を口実とした戦争挑発、気候危機との闘いを訴えた。
 あいち総がかり行動は3月19日に第2回総会を予定している。労働者民衆の闘いをさらに広げ、総がかり行動に結集しよう。(越中)

ますますあらわになる改憲の危険性が次々に指摘された(2.19)

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