4.8総がかり行動実が都心デモ

ウクライナの人びとを殺すな
ロシアは今すぐ侵略戦争をやめろ
暴力と略奪のエスカレート許さない
抵抗する民衆と連帯しよう
改憲・「戦争する国家」への道を止めよう

住民虐殺、略奪
性暴力やめろ!
 4月8日、日比谷野音において、戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委の主催による「ロシアは侵略をやめろ、ウクライナから撤退を!」とアピールする集会と、銀座デモが行われた。この日の集会には、労働組合や市民運動からばかりでなく、個人参加者も多く見られ、1800人が参加した。
 ロシア軍・プーチンによるウクライナへの侵略戦争は現在、こう着状況にあるようだ。首都キエフ周辺とウクライナ北部に侵攻していたロシア軍は、すでに撤退を完了している。予想していた以上の反撃のために、ロシア側が軍事作戦の変更を余儀なくされたからだ。戦線はウクライナ東部2州と、クリミア半島に至る南部に集中されることになる。
 プーチンは当初、キエフを含むドニエプル川東岸の全域を電撃的に軍事占領することを目標としていた。しかし、地上制圧に乗り出したロシア軍の戦車部隊は、ウクライナ軍の待ち伏せ攻撃で戦車やトラックが次々と破壊され、多くの犠牲を出したのであった。こうしてロシア軍の攻撃は、ミサイルや空爆、砲撃といった「飛び道具」が中心となり、軍事目標も占領からウクライナの破壊と無差別殺りくへと移行していったのである。
 また間延びしたロシア軍の兵站もまともに機能しなくなったために、「死の恐怖」でパニック状態におちいったロシア兵によるウクライナ住民虐殺と破壊、性暴力と略奪をエスカレートさせることになった。すでにウクライナを脱出した難民は、400万人を超えている。

危機扇動ノー
反戦の連帯を
 この日の集会ではまず、主催者を代表して小田川義和さんが発言した。「私たちはいかなる国の侵略戦争にも反対して、声を上げてきた。ロシアがどんな言い訳をしても、これは明らかな侵略戦争である。ウクライナ市民を虐殺し、核兵器禁止条約を冒とくするものだ。世界の多くの国が、ロシアの侵略と責任を3つの国連総会決議として明らかにしている。私たちもこの世界世論の一翼を担おう」と訴えた。
 そして、日本の国内でウクライナ危機に便乗して「敵基地攻撃能力や核の共有や安保の強化を煽ろうとする政治は危険だ。怒りを覚える。許してはならない」とし、「憲法の平和主義、9条の輝きを今だからこそ訴えていこう。参院選では改憲勢力を3分の2以下にすることが重要だ。ロシア軍の撤退と、改憲NOを実現しよう」と力強いアピールを発した。
 続いて国会議員から発言を受けた。社民党の新垣クニオ衆議院議員は、改憲の動きに対して「なぜ平和憲法を変える必要があるのか。変えるべきなのは、日米地位協定だ。ウクライナでは子供、女性、そして老人が一番の犠牲者になっている。これは沖縄戦とまったく同じだ。台湾有事を煽っている政治家がいるが、絶対に戦争させてはならない」と訴えた。
 立憲民主党の鈴木庸介衆議院議員は、連日リアルな映像が流されているが「ウクライナだけでなく、ロシアも共に悲しみに包まれている。ロシアでは兵士の母の会が子供たちの安否を気遣っている。一握りの者のエゴのために人々が犠牲になっている。現在、在ウクライナ日本関係者は120人だが、日本政府はこれを選別している。今回ポーランド経由で来日できたのは、たったの20人だった」と政府の対応を批判した。
 共産党の小池晃参議院議員は、「プーチンは核を脅しに使っている。核抑止論はすでに無力である。核禁止条約こそが必要だ。どうやって侵略を止めるのか。世界の世論がロシアを包囲することだ」とし、日本の国内では「維新や安倍元首相が、核の共有や改憲を主張しているが、9条こそが侵略者の手を縛っているのだ。軍事力による平和は空想主義だ。危機に乗じて、日本を戦争のできる国にすることを阻止しよう」と訴えた。
 続いて、沖縄の風の伊波洋一参議院議員から「ロシア軍による、住民の大虐殺は許せない。真相究明が必要だ。沖縄では、辺野古基地など基地の強化が進められている。台湾有事は日本有事ではない。日中平和友好条約を基とする平和外交が求められている。参院選は重要な戦いになる」と、メッセージが紹介された。

全世界で反戦・平
和の声を上げよう
 連帯発言では、ノー・ニュークス東京の中村さんから、非核化運動とその実現の重要性がアピールされた。改憲問題対策法律家6団体連絡会の大隅弁護士は、平和的生存権などについて語った。カトリック正義と平和協議会の清田さんは、プーチンの宗教的野望について、ロシア正教とプーチンの急接近に関して説明した。ピースボート対外支援センターの上島さんは、ルーマニアでの難民支援活動を中心に報告し「ウクライナ住民の4分の1が国内外で避難している」ことや、「息の長い支援の必要性」についてアピールした。
 この日の集会の最後に、戦争させない1000人委員会の藤本さんが集約発言と行動提起を行った。「軍事大国による弱小国への戦争としてのロシアの侵略を糾弾しよう。戦争は数年間にわたって長期化するだろう。日本政府の対応は全く不十分である」として、4月16日の亀戸集会、19日の月例行動、5月3日の憲法集会への結集を呼びかけた。また4月10日の日比谷公園における、ミャンマー水かけ祭りへの参加と支援カンパも要請した。
 集会後「戦争反対」「侵略反対」「改憲反対」などのコールを上げながら、銀座デモに出発した。コロナ感染の再拡大のせいなのか、景気が悪いためなのか、金曜の夜だというのに銀座界隈は思っていたよりも人通りが少なく、閑散としていた。
 ロシア・プーチンによる、破壊と虐殺と略奪のウクライナへの侵略戦争を許してはならない。ウクライナの人々の命がけの反撃と、ロシアの人々の戦争に反対するレジスタンス、そして全世界で反戦・平和の声を上げる人々と熱く連帯しながら、この極東の地から発する、大きな声を組織しよう。(R)


 
  

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