ウクライナ侵攻許さない憲法改悪阻止しよう!

3.19あいち総がかり行動 第2回総会

 【愛知】3月19日、名古屋市の鯱城ホールで「あいち総がかり行動」の2回目の総会が行われ、約100人が参加した。司会の挨拶で総会が始まり、最初に共同代表の中谷雄二さんが開会のあいさつを行った。中谷さんはロシアのウクライナ侵攻について重点的な分析を述べた。

この戦争の
背景を探る
 まずマスコミの報道が、何が真実で何が嘘かわから無くなっており情報戦の様相を呈している。またロシアの侵攻は集団的自衛権の論理であり、これは国際法上根拠がなく明らかに侵略であると述べた。しかし背景を無視して一方的にロシアだけが悪として見るわけにはいかない。NATO加盟国は最初16カ国だったが35カ国に増えた。ロシアを包囲し、軍事的重圧をかけたのは間違いないと指摘した。そのうえで「政府と民衆は区別しなければならない。ゼレンスキーはネオナチ(アゾフ連隊という名称でウクライナ内務省管轄の国内軍組織である国家親衛隊に所属している組織)を配置し、ロシア語を禁止するなどの挑発を行った。これを口実にロシアが侵攻した」と述べた。
 そして原発へ攻撃されれば核攻撃がなくても人類の存続を脅かすものになると、危機感をもって述べた。そして「軍事同盟と原発の解体の声を強めていこう」と訴えた。

「憲法改正」
したロシア
 さらにロシアの国内状況について「今回の侵攻の前にロシアは国民投票をしてまで憲法を変えている。中身を見るとロシアはソ連邦の継承国家であると規定しているが社会主義に戻るとは言っていない。むしろ『祖国』だとか『伝統』を重視し復古的な内容だ。そのうえでこの戦争に挑んでいるということを見ておかなければならないと思います」と述べ、これはまさに日本で憲法を変えようとしている勢力と同じであると指摘した。

改憲阻止の
正念場到来
 最後に中谷さんは「7月の参院選が終われば次の3年間は選挙の空白期間です。3年後の2025年は戦後80年。改憲勢力は改憲した状態で迎えたいと考えているだろう。そうするとこの3年間がまさに勝負。そこに降ってわいたウクライナ侵攻。この状況下で我々は苦しい状態に置かれるのは間違いないと思います。核共有、自衛隊の明記など軍事力の強化を掲げて憲法改憲勢力は打って出てくるでしょう。多くの国民もそれになびく危険性がある。それに対抗する私たちの主張は今回の戦争が明らかにしているのは何なのかということ。それを議論しなければいけない。この3年間は正念場になります。皆さん頑張りましょう」と述べて開会あいさつとした。

1年の総括と
今後について
 次に事務局長の山本みはぎさんから情勢と今後の方向についての提起が述べられた。2020年11月の発足集会から1年有余がたちコロナ感染拡大の中、街頭での活動が制限されながらもZООМなどを活用し、学習会や19行動などを積み重ねてきたと述べ、ロシアのウクライナ侵略という中で憲法の価値を今一度確認しようと述べた。
 ロシアのウクライナ侵略の原因がNATOの東方拡大であっても許されるものではないと厳しく批判し、その一方でこの事態に乗じて台湾危機の煽りと軍事力の強化、9条改憲、核共有論を主張し始めた安倍元首相や維新の会を批判した。憲法改悪、琉球弧における自衛隊の配備と軍事大国化、コロナ禍の格差や貧困、気候変動・脱原発など、様々な問題を地域の労働運動、市民運動と結びつけて取り組み、総がかり行動への結集を呼びかけようと述べた。
 最後に会計報告と会計監査報告、役員案が提起され全員の拍手で承認された。

「ジェンダー」と
平和主義について
 総会が終わり第2部で記念講演が行われた。
 「憲法の流れを止めよう今こそ憲法が生きる政治を」と題して室蘭工業大学教授の清末愛砂さんが講演した。清末さんは憲法9条と24条の関係について詳しく分析し、「基本的人権の尊重」を重視する憲法の下にありながら「ジェンダー」意識がなく、大日本帝国時代の家父長制の感性を持つ人が多いこと、家族制度の思想からぬけ出せていないことが暴力を生み出していると指摘し、9条だけでは達成できない平和主義について詳しく解説した。
 さらに安倍政権から菅政権下における治安立法の流れを述べ、コロナ感染拡大で多くの民衆が命を落とし、失業し、貧困で苦しんでいるにもかかわらず、これを利用的にとらえ「今回のコロナ禍、ピンチをチャンスに!」と改憲集会で維新の下村衆議院が発言したことを批判した。そして今、ウクライナ戦争を利用して9条改憲をもくろむ改憲勢力を厳しく批判した。
 最後に今年の参議院選挙の結果次第で改憲の動きが大きく変わる。野党共闘に否定的な動きに巻き込まれないようにし、ゆるやかなまとまり、ゆるやかな連帯でつながる道を模索する必要があると述べて講演を終了した。

反戦闘争構築の
ための議論を
 総会と講演が終わり、参加者は栄の街を縦断するデモ行進に出発した。現在、総がかり行動ではウクライナの国旗を持つことへの疑問の声があがるなど、この反戦闘争をどのように構築していくかについての議論が始まっている。
 すでに左派勢力内や平和を訴えてきた人々の中からNATO東方拡大やアメリカ・ヨーロッパの武器輸出を批判するとロシアに利するとする内容の批判がおき始めている。この反戦闘争を拡大し、憲法改悪阻止のためにあらためて多くの人々と共に議論を深めていこう。
(越中)

ロシアの侵略と悪のり改憲扇動に抗議のデモへ(3.19)

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