反逆心を抱く将軍たちと魔法使いの弟子たち

フランス
ジュリアン・サリンゲ

 「もし何もなされないならば、社会にはだらしなさが広がり続け、最終的には、わが文明的価値を守り、国土のわが同胞たちを防護する危険な使命における活動的な任務に着いている、そのわが同志たちの爆発と介入を引き起こすだろう」。 これが、くだらない右翼ウェブサイト「今日の価値」4月21日における、「100人前後の高級士官と1000人以上の他の軍人」の支持を受けていると主張する、20人の退役将官たちの声明だった。アルジェリアにおける将軍たちの反乱からきっかり60年後、将校たちのカルテロンが今、彼らの言葉では、「ある種の反レイシズム」、「イスラム主義」、さらに「『郊外』からの流民の群れ」に立ち向かうために軍事クーデターで脅迫している(注)。
 マクロンと彼の政府は誇ることができる。将軍たちが始めなかった場合でも、マクロンたちは、特に「分離」法と「イスラム左派」に関する哀れを誘う論争を巡って、レイシスト的宣伝とイスラム排撃キャンペーンに大きく力を貸してきたからだ。この将軍たちの護民官気取りを前にした政府の当惑気味の沈黙が気づかれないわけはなかった。そして、国防相のフロレンス・パルリが沈黙を破るには4日かかった。しかしマクロンの側では、元国務大臣で現在は「情報・対テロ戦闘全国調整官」であるローラン・ヌネツのように、それは「そのまま進め、見るべきものは何もない」だ。ちなみに後者の言は「この護民官に関して私の見解を言う義務はない」というものだった。
 レイシズム的差別を受けた人々の間の内部的な会合の中に「ファシズム」を見ている同じ者たちは、それゆえに、退役になる可能性のある、しかし明らかに軍内部に依然としてつながりを保持している、そのような将官たちが行ったクーデター呼びかけに関し、言うべきことをほとんど、あるいはまったく見つけなかったのだ。
 また、マリーヌ・ルペンがこの将官たちの護民官気取りを歓迎し、彼女に加わるよう彼らを招いたという事実に関しても、言うべきことは大してなかった。ちなみにルペンの言葉は「あなたたちは好ましい。それがどこから来ようが、国の取り戻しのために、そしてあえて言わせてもらえれば国を救うために立ち上がることは、フランスの愛国者すべての義務だ」というものだった。
 確かにわれわれは軍事クーデター前夜にいるわけではない。しかしこの護民官気取りとそれが引き起こした反応――むしろ反応の欠乏――は、時代精神に関し多くを語っている。マクロンとその従者たち、魔法使いの弟子たちと放火癖のある消防士たち双方は、特に危険なゲームに今取りかかっている。それに対決する、急進的で大衆的な政治的、社会的対抗がかつて以上に日程に上っている。(フランス反資本主義新党〈NPA〉機関紙「ランティカピタリスタ」より)

▼筆者は、NPAと第4インターナショナルのメンバー、政治学研究者でもある。
(注)1961年、フランス軍将官のうちの4人(カルテロンあるいはカルテット)が、フランスのアルジェリア植民地放棄の撤回をシャルル・ドゴール大統領に強要するために、クーデター組織化に挑んだ。郊外とは、パリや他の大都市を囲む労働者階級の地域であり、移民の系譜をもつ住民比率が高い。(「インターナショナルビューポイント」2021年4月号)

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