ロシアのウクライナ侵攻戦争に関する香港の大学学生の声明

2022年2月26日

 ツァーリズム・ロシアを夢見て、世界の覇権を競う目的で、クレムリンのプーチンは木曜日(2月24日)にウクライナに対する帝国主義の侵略戦争を公式に開始した。1989年の東欧革命以来、世界は再び、抑圧された人々の解放か、それとも野蛮な専制政治の深淵かの岐路に立たされている。
 大学生として、香港の地にいながら世界を見渡すことは、われわれの責任の一つだ。われわれは、次のように世界的な危機への対応を行いたいと思う。

1.反戦姿勢の主張

 開戦以来、ロシアの侵略をめぐってはさまざまなレトリックがあり、親露派は事態の深刻化を喜んで眺め、西側諸国や東アジアは実質的な行動をとらず、アフガニスタンの人々を武力で抑圧したタリバンさえ、平和維持者として振る舞い、交渉を要求している。侵略、内戦、その後の無政府状態は常に帝国主義の手口であり、このような混乱状態の中で、戦争に苦しめられ、異なる政権に抑圧されてきた人々がもう一度団結し、かつてベトナム戦争やイラク戦争で見られた反戦戦線を再構築することが必要である。
 われわれはプーチンが指揮する軍事侵略のみならず、ウクライナ危機を招いているNATOにも反対する。われわれは、ロシアの何千人もの反戦デモ隊と連帯し、国際主義的な反戦の姿勢を主張する。

2.米国に代表される偽善的な態度に反対する

 戦争勃発後、米国を中心とする西側諸国は、ロシアを挑発的に非難する以外、紛争の解消に何ら実質的な貢献をしていない。彼らは、ロシアの攻撃的な軍事侵攻の後に深刻な事態が発生すると主張した。こうした無意味な非難は、ロシアの冒険的な決断にほとんど影響を与えず、平等な政治的妥協にほとんど寄与していない。
 1945年から1989年まで、世界では300を超える戦争が行われた。米国は単独で30回もの大規模な軍事作戦を展開し、西側諸国が主導する国連は、これらの侵略的な作戦に強い反対を表明していなかった。どれだけの罪のない、恵まれない人々が戦場に送られたのだろうか。これらの戦争で、西側の非難によってどれだけの貢献がなされたのだろうか。ウクライナに必要なのは、西側社会が前世紀から発行し続けている空手形ではない。ウクライナに必要なのは、すべてのウクライナ国民の福祉を考慮した、平等で持続可能な政治的合意を目指す実質的な支援なのである。

3.ウクライナ人の自己決定を支援する

 大ロシアの排外主義とNATOの拡張的野望の間で苦闘しているのは、ウクライナ国民と、二つのポピュリスト政権間の交渉の失敗の代償を負っている分裂し抑圧された少数民族である。1917年の10月革命後にロシアが樹立したソビエト共和国は、自主的な民族同盟の設立を提唱していた。そして、長い間帝政ロシアに抑圧されてきたウクライナは、従属国という束縛と民族主義への憎悪から解放され、自己決定ができるようになったのである。
 しかし、スターリン独裁のもとで、ウクライナはファシズムと帝国主義の手に落ちてしまった。ソ連崩壊後の今日も、ウクライナはプーチン帝国のロシアとNATO軍の戦場になっている。ロシアとの共謀も、西側勢力への依存も、この苦境からの脱出につながらないことは明らかである。ウクライナは決して大国の争奪戦の手先であってはならない。
 したがって、20世紀初頭にウクライナ革命政権が「結社の自由」「国際主義」「民族解放」のために闘ったように、われわれはウクライナ国民の自決を断固支持する。

4.国際社会は何ができるのか?

 国際社会がロシアに圧力をかけながらウクライナを支援する最善の方法は、次の通りである。(1)ロシアのオリガルヒや高官の財産や資産を没収すること、(2)そもそも略奪や搾取によって蓄積されたロシアやウクライナのオリガルヒから没収した財産で戦災地の復興と地元住民の支援を目指す計画を立てること、(3)ウクライナの外債を廃止し戦災地のウクライナ経済も支援すること、である。
 政府の自発的な自責の念だけでは、これらの正義の行動をすべて実行できないことは明らかである。国際社会は官僚に頼るのではなく、団結して政府に圧力をかけなければならない。ちょうど、ロシアで何千人もの反戦デモ隊が、政府の残虐行為に抗議して見せた、真に意味のある行為のように。

5.香港で何ができるのか?

 香港の市民社会も後退しているが、ウクライナの状況を懸念する香港人はまだ数え切れないほどいる。勇気あるジャーナリストはボランティアで現地の真実を記録し、ある人々はウクライナ政府や企業に寄付をし、ウクライナがロシアと戦うのを助けたいと願っている。
 ウクライナ支援に力を注ぐ一方で、この侵略戦争の原因と結果を調査し、意図的に歪曲され、あるいは抹消されてきたウクライナの多民族史を深く探ることも忘れてはならない。また、われわれは自分たち自身の力を高め、世界のすべての抑圧された人々とつながりを持つべきだ。

 われわれは、世界のすべての被抑圧者とともに立っている。

香港の大学生グループ
署名団体
香港中文大學學生會中大學生報編輯委員會
嶺南大學學生會代表會臨時編輯委員會
香港城市大學學生會編輯委員會
香港大學學生會社會科學學會社會工作及社會行政學會
理工大學學生會第二十五屆醫療及社會科學院會
浮士德頻道
粵神時政頻道
無國界社運編委會

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