ウクライナでの戦争に関し基本的原則とソーシャリスト・アクション(SA)について

SAの立場は受け入れられない
2022年6月26日 第4インターナショナル

 第4インターナショナル執行ビューローは、ウクライナにおける戦争に関するソーシャリスト・アクション(アメリカ)の立場との政治的不一致について、この政治声明を採択した。

われわれの
基本的立場


 ロシアによるウクライナ侵略は、世界中の社会主義者にとって中心的な関心事である。世界中の国際主義者は、侵略を非難し、ウクライナ人民との連帯を表明してきた。しかしながら、アメリカのソーシャリスト・アクションによる声明は、第4インターナショナルの、そして一般的には社会主義運動の基本的原則とは対立するものである。
 2月24日、ロシア軍はウクライナに侵攻した。4カ月が経過して、死者数は数万人に達している。都市全体が破壊され、侵略者は大規模な残虐行為をおこなってきた。そして、殺人と破壊は依然として続いている。第4インターナショナルは、戦争が始まったときから、ロシアによる侵略を非難してきた。攻撃が開始されて以降、第4インターナショナル・ビューローは、3月1日と5月24日の2回にわたって声明を出した[3月1日の声明は本紙3月14日号掲載]。われわれは自決権を防衛するウクライナ人民の抵抗闘争への支持とロシアの反戦活動家への連帯を呼びかけてきた。われわれの同志たちは、支援輸送隊、資金カンパ、動員を通じてウクライナ人民・労働者階級との連帯を組織するとともに、ロシアの反戦活動家への支援を組織してきた。
 われわれのすべての活動に共通するのは、すべての帝国主義を拒否することである。第4インターナショナルはすべての帝国主義ブロックに反対し、NATOおよびロシア主導のCSTOの拡張主義と介入に反対している。われわれの帝国主義と拡張主義に対する反対は、次のような基本的立場を導き出す。
*ロシアによる侵略への非難とロシア軍のウクライナからの撤退要求
*ウクライナの自決権の承認
*ロシアの反戦活動家への連帯

ロシアの侵略を
拒否しない誤り


 われわれは、ソーシャリスト・アクションが第4インターナショナルと「友好関係」にあると主張しているにもかかわらず、この3つの立場のいずれをも擁護していないことを指摘する。ソーシャリスト・アクションの戦争に関する最近の声明[注1]では、ロシアの侵略を拒否していないし、ロシアの反戦活動家と連帯することも述べられていない。その声明は、ウクライナの歴史を歪曲したものである。その声明は、われわれの同志たちが発言していることの一部のみを取り出し、現在の戦争についての自らの評価を回避することで、第4インターナショナルの同志たちの主張を利用しようとしている。ソーシャリスト・アクションは、仮説的な社会主義ウクライナの独立だけを要求することによって、ウクライナの自決権についての自らの立場をうやむやにしている。ソーシャリスト・アクションは、同じような路線にそった声明、つまりロシアの侵略を拒否せず、ウクライナの自決権を承認せず、ロシアの反戦活動家と連帯する立場に立つことを拒否する声明[注2]を出している全米反戦連合(UNAC)の一員である。
 第4インターナショナルの内部では、われわれの連帯をいかにして形成するのか、各国組織がその固有の状況の中でどのようなスローガンや要求を必要としているか、について政治討論が進行中である。われわれのウエブサイトであるインターナショナル・ビューポイントには、この問題についての討論やビューロー声明に対する批判(第4インターナショナル・ギリシャ支部のOKDE―スパルタクスによって書かれたものも含めて[注3])のために、スペースが提供されている。しかし、そのすべてが同じ社会主義的原則を共有し、上述の3つの基本的立場を支持している。しかし、われわれとソーシャリスト・アクションとの相違は異なる性質のものである。第4インターナショナル・ビューローからの再三の要請にもかかわらず、ソーシャリスト・アクションは上述の3つの基本的立場に対する支持を表明していない。

[注1]4月9日のソーシャリスト・アクション全国委員会で採択された「ウクライナに関するわれわれの立場:アメリカによって組織されたファシスト・クーデターにノーを」と題する長文の声明のこと。この声明の最後に、要求として掲げられたのは「アメリカは今すぐ手を引け! ウクライナに手を出すな!」「NATOを解体せよ!」「ウクライナ上空に核戦争の脅威をもたらす『飛行禁止区域』を設定するな!」「ドンバス人民の自決を!」「独立した社会主義ウクライナのために!」「アメリカの支援によるファシストのクーデター反対!」などであり、ロシアの侵略に反対し、ロシア軍の撤退を求めるスローガンは含まれていない。また、ウクライナ東部のドンバス地域のロシア語話者の自決権には言及されているが、ウクライナの自決権には触れていない。
[注2]ソーシャリスト・アクションの声明と同じ筆者によるもので、ほぼ同一の内容(各小見出しも同じ)の全米反戦連合3月17日付の声明。
[注3]第4インターナショナル・ギリシャ支部であるOKDE―スパルタクスが4月15日付で出したビューローの3月1日声明に対する批判。インターナショナル・ビューポイントに5月5日に掲載された。この中で、ギリシャ支部は、自国帝国主義、自国ブルジョアジーとの闘いを中心にすえる立場から、ビューローの声明を批判している。ギリシャ支部は、ソーシャリスト・アクションやフランスNPA少数派ととともに、国際少数派として「革命的インターナショナル派」を形成していたが、その後ソーシャリスト・アクションとは袂を分かったと考えられる。

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