尖閣めぐる領土主義に反対する
「人民日報」紙は尖閣諸島の日本帰属を認めたのか?
外務省・日本共産党の手前味噌
的解釈排し国際主義を貫こう
右翼民族主義ポピュリスト・石原慎太郎都知事による尖閣諸島購入発言から、野田佳彦首相・民主党政権による国有化への動きは、混迷する政局と打つ手なしの金融危機における帝国主義ブルジョアジーの危険な国家戦略へとシフトしている。
政治的、経済的のみならず文化的、軍事的にも拡張する中国に対する日本帝国主義の対抗的戦略をまえに、「万国の労働者団結せよ!」のスローガンの下で闘ってきた日本、沖縄、中国、台湾、朝鮮、韓国などの労働者階級はインターナショナル―国際主義―の断固たる旗を掲げてオルタナティブを提示しつづけなければならない。ナショナリズムと排外主義をあおる戦略なき帝国主義者の火遊び的外交・軍事路線のために、労働者階級は一滴の血も涙も流してはならない。
石原都知事の
欺瞞と豊下論文
関西学院大学法学部の豊下楢彦教授は『世界』8月号で石原の欺瞞性を次のように喝破している。
「『東京新聞』は『横田に基地は必要なのか』と題する長文の社説(5月13日付)において、現在の同基地が、輸送機とヘリがわずかに発着するだけ『過疎』の状況である一方で、一都八県の上空を覆う横田空域が『米軍の聖域』になっている状況を指摘し、『首都に主権の及ばない米軍基地と米軍が管理する空域が広がる日本は、まともな国といえるでしょうか』と問いかけた。まさに石原流の表現を借りるならば、『独立から60年も経って首都圏の広大な空域が外国軍の管制下にあるような国なんか世界のどこにあるんだ』ということであろう。しかし、この威勢のよい啖呵の矛先は、13年前に『横田返還』を公約に掲げて都知事に就任した石原氏当人に向かうことになる。仮に久場島を本気で購入する意思があるのならば、石原氏は一層のこと、久場島と横田基地の即時返還を米国に正面から突きつければよいのではなかろうか」。
そして同海域における中国や台湾の漁船操業や監視船の活動が根拠のないものではないと指摘する。「2000年に発効した日中漁業協定は北緯27度以北を対象海域としており、尖閣諸島のある以南では排他的経済水域について棚上げをしている、ということである。従って、この海域では協定がない以上、中国が自国漁船を取り締まる権利は否定されていないし、漁業監視船の行動を根拠づけることもできるのである。他方、台湾との関係で言えば、歴史的には日本の植民地時代も米軍の沖縄統治時代も、台湾の漁民は同海域で自由に漁業を行っていたのである」。
外務省HP掲
載記事の問題
中国漁船の操業については、『週刊文春』二〇一二年八月九日号の「尖閣諸島地権者は『借金40億円』 マネーゲームの末に20億円で東京都へ売却合意!」という記事で、尖閣周辺海域をおもな漁場とする石垣島の八重山漁協組合長・上原亀一氏のコメントが紹介されている。
「尖閣の周辺漁場は豊かですが、天候の変化が激しく、シケで船をかわす場所もなく、無線も届かない。避難港や気象観測・無線施設の整備が進み、安全操業が可能になれば周辺海域での漁業が盛んになり、経済実効支配も進むんですよね。石原さんは基本的にそうした考えをお持ちなので、都の購入自体は望ましい。ただ、パフォーマンスが過ぎて中国・台湾を必要以上に刺激しすぎている。そもそも中国漁船とのトラブルはないんです。尖閣を含む北緯二七度以南は二〇〇〇年発効の日中漁業協定で中国に操業が認められましたから。それと漁法自体が沖縄の漁船と違うので、競合もしないんです」。
そもそも侵略戦争の過程で一方的・非公開で日本領に編入された同海域を、侵略戦争を反省も否定もせず、「中国の脅威」をあおり、同海域への自衛隊の配備や日本の核開発を放言する人物が「購入」だの「国有化」だのを語ること自体が問題である。腐臭漂うナショナリズムの毒素は中国をはじめ周辺諸国の民衆の思考をも腐敗させる。
尖閣諸島/釣魚台の領有については、「中国共産党の機関紙、『人民日報』で尖閣諸島は琉球群島の一部だという記載があった」という主張を、右翼だけでなく日本共産党までもが声を大にして叫んでいる。
「人民日報」による当該記事は一九五三年一月八日付。この記事をもって「中国も尖閣を日本領とみなしていた」という主張を国際的に納得させるには無理があるが、日本政府は外務省のホームページで以下のように紹介している。
参考:一九五三年一月八日人民日報記事「琉球諸島における人々の米国占領反対の戦い」(抜粋・仮訳)
「琉球諸島は,我が国(注:中国。以下同様。)の台湾東北部及び日本の九州南西部の間の海上に散在しており、尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、大島諸島、トカラ諸島、大隅諸島の七組の島嶼からなる。それぞれが大小多くの島嶼からなり、合計五〇以上の名のある島嶼と四〇〇あまりの無名の小島からなり,全陸地面積は四・六七〇平方キロである。諸島の中で最大の島は、沖縄諸島における沖縄島(すなわち大琉球島)で、面積は一二一一平方キロで、その次に大きいのは、大島諸島における奄美大島で,七三〇平方キロである。琉球諸島は、一〇〇〇キロにわたって連なっており、その内側は我が国の東シナ海(中国語:東海)で、外側は太平洋の公海である。」(外務省:尖閣諸島に関するQ&Aより)
「琉球人民」の
反米闘争支持
だが、外務省も右翼も日本共産党も、上記のようにこの記事の冒頭個所のみを紹介するだけで、記事全体を紹介してはいない。国家主義や領土主義に深く根ざした思考の持ち主には、この記事全体が主張する重要性を理解することはできない。この記事は、タイトルの通り米国による軍事占領に反対する沖縄民衆の闘争を扱った国際主義の思想に基づいて書かれた記事であり、民族問題と国際主義を結合させた新中国建国後間もない革命の理念にあふれるすばらしい記述となっている。
この記事が書かれた二週間余り前の一九五二年一二月二二日は、中国共産党の闘争路線とは別の立場から抗日戦争・革命事業を主張してきた中国トロツキストの同志たちが、権力についた中国共産党の弾圧機構によって一斉検挙された日であり、その後、これらの同志たちは「反革命」などの無実の罪で革命中国の獄につながれ強制労働を強いられることになる。
それにもかかわらず、日本帝国主義を打倒・駆逐し、反革命の蒋介石国民党を中国大陸からたたき出し、労働者と農民が中心の社会にむけて歩むという革命中国の外交路線として、同じく帝国主義に占領されてきた琉球民衆の闘いを紹介した人民日報の記事の重要性はいささかも減少するものではない。
尖閣諸島/釣魚台が、明治政府による朝鮮、中国への侵略戦争の過程でどさくさにまぎれて日本領に略奪されたものであったとしても、そしてその領有権が中国のものか日本のものかにかかわりなく、琉球民衆のアメリカに対するさまざまな抵抗闘争に反映される反帝民族主義の闘争の高揚を国際的に支持するという国際主義の原則である。
日本共産党の
民族主義史観
しかし、労働者階級の前衛を自認する政党である日本共産党は、あろうことか「尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当」という主張を同党のウェブサイトに掲載し、「日本政府は堂々とその大義〔尖閣諸島/釣魚台の所有:引用者〕を主張すべき」として、外務省と全く同じように「人民日報」記事の冒頭部分のみを紹介して、次のように主張する。
「一九五三年一月八日付の中国共産党機関紙『人民日報』は、『米国の占領に反対する琉球群島人民の闘争』と題して、米軍軍政下の沖縄での日本人民の闘争を報道し、そのなかで、『琉球群島は、わが国台湾の東北および日本九州島の西南の間の海上に散在し、尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、大島諸島、吐か喇(とから)諸島、大隅諸島など七つの島嶼からなっている』と、『尖閣諸島』という日本の呼称を使って同諸島を日本領土に含めて紹介していた」。
そして「日本による尖閣諸島の領有は、日清戦争による台湾・澎湖列島の割譲という侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる、正当な行為であった」と主張する。だがもし仮に日本が日清戦争に敗北していたら、講和条約交渉の前年に秘密裏に日本領に編入された尖閣諸島/釣魚台の実効支配は実現していたかどうかを考えるだけで、日本共産党の言う「正当な行為」が「侵略主義、領土拡張主義」と不可分であることが容易に想像できるのである。
日本共産党は、当該記事に象徴される労働者階級の国際主義とはまったく真逆の、帝国主義民族主義者と同じ立場から、この国際主義に貫かれた歴史的文献を持論を補強する歴史的資料であると持ち出して、自らの一国的、民族主義的歴史観を恥ずかしげもなく披瀝している。これは共産主義者として恥ずべき民族主義、そして帝国主義的歴史観への屈服である。
しかも「『尖閣諸島』という日本の呼称を使って同諸島を日本領土に含めて紹介していた」と事実を歪曲してこの記事を紹介している。記事全文を読めば「『尖閣諸島』という日本の呼称を使って同諸島を日本領土に含めて紹介していた」という記述は何処にもない。「人民日報」の記事は、尖閣諸島を日本ではなく、アメリカの占領下にある琉球群島の一つとして紹介しているに過ぎないからだ。
沖縄の人びとと
連帯するために
中国はその後、中ソ対立を契機に、その国際連帯の方向性を極端に歪めてゆき(スターリンのソ連に学んだ)、日本共産党を含む各国共産党への介入、ベトナム侵略戦争にまい進した米国帝国主義との「平和共存」、「ソ連社会帝国主義反対」というマルクス主義の理論とは無縁の立場から北方四島に関しては日本領土だと主張するなど、その国際主義を著しくゆがめ、世界革命の進捗の大きな阻害となるが、これは後の話であり、一九五三年「人民日報」の当該記事の重要性をいささかも貶めるものではない。
「領土問題はなく、有効に支配している」と言う日本政府も、「古来より中国の領土」という中国政府も、どちらも自国民にウソをついている。ほとんどだれも住んだことのない絶海の小島に関する歴史的資料や文献をさかのぼり、やれ「わが国固有の領土である」とか「古来よりわが方の領土である」と吼え合い、偶然でてきた歴史文献の一部を切り取り、それをまるで鬼の首を取ったかのように掲げて領有権を主張することは、グローバルな貧困と格差を何ら解決できない歴史的危機にある資本主義支配に対する労働者民衆の闘争の国際的戦略を民族的一国的に捻じ曲げる階級的犯罪である。
「原発ゼロ」への転換と同様に、日本共産党が尖閣諸島/釣魚台をはじめとする「日本固有の領土」という問題についても、広範な党内議論を通じて再検証し、労働者階級の国際主義の立場に立つことを改めて願うものである。
六〇年近く前の「人民日報」に書かれた琉球諸島人民の闘争は現在も継続中である。辺野古新基地建設に反対し、普天間基地撤去を勝ち取り、オスプレイ配備や高江ヘリパッド建設を断念させ、米兵による性暴力被害を絶対に許さない沖縄の人々のたたかいに労働者階級の国際主義で連帯しよう。
万国の労働者、団結せよ!
(早野一)
〔歴史資料〕
アメリカの占領に反対する
琉球諸島人民の闘争(全文)
「人民日報」1953年1月8日
琉球群島は我が国の台湾東北部と日本の九州島西南の間の海面上に散在しており、尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、大島諸島、トカラ諸島、大隅諸島など七つの島嶼から構成されており、それぞれ大小の島嶼があり、あわせて五〇以上の名前の付いた島嶼と四〇〇以上の無名の小島があり、すべての陸地面積は四六七〇平方キロになる。群島中、最大の島は沖縄諸島の沖縄島(すなわち大琉球島)で、面積は一二一一平方キロメートル。次に大きなのは大島諸島の奄美大島で、面積は七三〇平方キロメートル。琉球群島は一〇〇〇キロにわたって連なっており、その内側は我が国の東海、外側は太平洋の公海である。
アメリカは一九四五年六月に琉球群島を占領した後、この島で軍事基地の建設に着手した。アメリカのアジア大陸侵略計画の破産に伴い、琉球の基地建設工事も積極的になっていった。すでにアメリカが朝鮮戦争を発動する以前から、アメリカは琉球群島の軍事工事は琉球の三分の一の土地を占用しており、基地建設に費やした費用は2億ドルを超えていた。その後、琉球の基地建設計画はさらに拡大し、さらなる速度で進行している。
一九五一年六月二二日、『USニューズ&ワールド・レポート』誌が明らかにしたアメリカの侵略者の野心は次のとおりである。「アメリカの沖縄島での目標は空軍を用いたアジア覇権であり、そこを太平洋最大の基地にすることである。沖縄島から飛び立ったB29型爆撃機はアジアの大部分の内陸地域にまで達することが可能で、爆撃半径は中国全土とシベリア鉄道を含むシベリア地区の大部分を含めることができる。B36型爆撃機はさらに遠距離に達することができる」。
米国の占領と
軍事基地化
昨年九月八日、沖縄島のアメリカ政府職員は「沖縄島を『太平洋のジブラルタル』にするための総費用は四億八〇〇〇万ドルに達する。建設作業は計画通りに進んでおり、台風よけの道路、飛行場、兵舎、司令部およびその他の軍事設備が島全体に配置される」と公然と宣言した。また、先日の日本の新聞報道によると、アメリカは沖縄島那覇港の入口にある浮島神社の下に、容量八万トンの地下油槽所をすでに建設しており、沖縄島周辺の島嶼には基地が散在し、二〇数か所の大型飛行場が建設されており、奄美大島、宮古島、沖之永良部島などの島嶼にレーダーを設置し、多くの島で滑走路兼用の軍事道路が建設されているという。AP通信社も「アメリカのB29型爆撃機は毎日沖縄島から飛び立ち北朝鮮への爆撃を行っている」ことをこれまで一度ならず認めている。
琉球における軍事基地の建設、使用とともに、アメリカ侵略者は琉球群島を永遠に占有するために積極的に陰謀をおこなっている。アメリカは琉球を占領してすぐに琉球の一切の政治権力を独占した。
昨年来、アメリカ侵略者は、「カイロ宣言」「ポツダム宣言」等の国際協定に琉球群島の国際信託統治についての規定がない事を顧みず、ソ連政府と中華人民共和国政府による度重なる声明も顧みず、そして一〇〇万の琉球人民の断固たる反対をも顧みることなく、日本の吉田政府と結託し、一方的に定めた対日「和平協定」のなかで「日本はアメリカが国連に提出した北緯二九度以南の琉球群島を……国連の信託統治のもとに置き、アメリカを唯一の管理当局とした一切の提案について、同意するものとする。この種の建議を提出し、かつこの種の建議に対して肯定的な措置を取るまでは、アメリカは領海を含むこれらの島嶼の領土および住民に対して、一切の行政、立法、司法権力を有するものとする」と規定している。アメリカはこのような卑劣な手段で、ほしいまま無期限に琉球群島を占有する侵略行為を「合法」の外套に包んだ後、去年の四月一日に比嘉秀平を首長とする琉球傀儡政府を樹立した。
七年来、アメリカ侵略者は極めて乱暴で横暴な手段を用いて、琉球群島をアメリカの軍事基地に変えてきた。一〇〇万の琉球人民はアメリカによる苦役と搾取のもと、生活苦に陥っており、極めて悲惨な生活を余儀なくされている。米軍によって軍事施設の建設に指定された土地では、すべての住民は故郷から追い出され、いまでは沖縄島の三分の二の土地が軍用に供用させられている。琉球人民は土地を強奪占拠されているだけでなく、労働力を有する青年の大部分は米軍基地建設の奴隷労働に強制的に参加させられている。
米軍による琉
球支配の実態
アメリカ侵略者は銃剣を用いて、琉球人民が生活の基盤としてきた平和な我が家と漁村を荒廃させることを残酷に迫り、全島は田畑が荒廃し、食糧欠乏、漁業不振に陥っており、戦前には大きな規模を誇った製糖業もいまだ回復していない。また、米軍は恐怖の警察統治を用いて琉球人民の抵抗を抑圧している。一九四七年以降、米軍は軍事機密を守るという口実で住民が全島を旅行することを禁止している。アメリカ憲兵とその走狗の琉球警察(かつては日本軍閥の手先で、いまでは米軍に雇われている地元のチンピラ)が全島に充満している。
村落と村落の間には有刺鉄線が張られ、村民の行き来も先ず警察に報告して許可を得なければならず、そうしなければ「無断で境界を超えた」犯罪となり、幹線道路脇にも有刺鉄線があり、中には電流の流れるものもある。従って琉球人民は対外貿易を禁止され、交通は阻害され、耕作と漁業は制限され、一切の自由の権利が米軍によって剥奪されている。しかも戦争の砲火によって全島家屋の九〇%が破壊されており、いまだ大多数の琉球人民が住む所にも困っている。去年、琉球北部一帯を飢饉が襲ったとき、被災民はトカゲや蛇などを食べて命をつないだ。
米軍で働く琉球労働者の賃金は、アメリカ人労働者の十分の一しかなく、米軍のバーやホテル、事務部門で雇用されている琉球女性の賃金は多い時でも毎月わずか四ドルである。ふしだらで恥知らずな米軍は、琉球に多数の「ジープ・ガール」も招き寄せ、琉球群島に駐留する米軍は琉球女性を野蛮に凌辱する。米軍が琉球人民をむやみに射殺する暴行行為も珍しくはない。
琉球人民の反
米闘争が発展
かつて琉球群島はアメリカと日本の激戦地域であり、住民の犠牲は深刻で、戦争の傷跡は深く琉球人民の心に刻まれている。琉球人民は戦争を憎んでおり、熱烈に平和を求めている。戦後、琉球を基地と苦役搾取の軍事植民地に変えるアメリカ侵略者の政策は、琉球人民が様々な方法でアメリカの占領者に反対する闘争に身を投じることを余儀なくさせた。
最初は飢餓に迫られた琉球人民は米軍物資を奪い、その後じょじょに、公然と軍事物資を奪うための米軍攻撃に発展した。日本の新聞報道によると、一昨年の一月二一日に、嘉手納飛行場の航空隊第一八号火薬庫でまた火薬七トン半がなくなった。米軍の武器弾薬庫ではよく「理由なく」爆発が発生する。たとえば一九四八年八月、沖縄島付近の小島にある米軍武器弾薬庫で爆発があり、一昼夜燃え続け、この島に保管していた武器弾薬はすべて爆破された。去年、台湾から伝えられたアメリカニュースの情報によると、琉球人民ゲリラ隊とアメリカ占領軍の間で激しい戦闘が行われ、琉球人民は沖縄島の嘉手納飛行場に潜入し飛行場を破壊したことが明らかになった。
最後の勝利は
人民のものだ
米軍のために働かされている琉球労働者は度重なるストライキやサボタージュで米軍の苦役に抵抗している。昨年六月、沖縄島で米軍基地建設に従事する琉球労働者が、米軍の禁令を顧みず、賃上げ要求の闘争を行い、島ぐるみの労働者の支持を獲得した。七月には、建設会社・松村組の労働者が解雇反対のストライキを行い、全島の各地で連帯ストの示威行動が行われた。
アメリカの占領に反対する琉球人民の闘争は、戦争に反対し平和を守る運動と結合しており、かつ強力に前進している。昨年のメーデーでは、沖縄島の労働者、職員、市民は、琉球人民党の呼びかけのもと、米軍の弾圧をも顧みず、生活権利保障大会と示威行進を行った。最近では、沖縄島人民は、琉球傀儡政府が日本の吉田政府のために行う徴兵に反対する運動を広範に展開している。
アメリカによる琉球の軍事基地化と苦役支配に反対し、自由解放と平和をかちとる沖縄人民の闘争は決して孤立していない。それは日本人民が独立と民主主義と平和をかちとる闘争と不可分であり、アジアと太平洋地域の人民および全世界各国人民による平和のための闘争と不可分である。ゆえに、アメリカ占領者が琉球人民に対して野蛮な弾圧を行ったとしても、最後の勝利は琉球人民の側にあるのだ。
(以上)
(小見出しは本紙編集部)
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