参院選挙に向けたアピール

9条改憲阻止 ─ 日本を戦争のできる国にするな
社民党・共産党と9条改憲反対の野党統一候補に投票を!


日本革命的共産主義者同盟(JRCL)中央委員会

 7月10日に実施される参議院選挙は、9条改憲を阻止して、憲法の平和主義を守ることができるのか否かをかけた決定的に重要な選挙である。改選は参議院議員の半数にあたる124と神奈川補選の1で、計125議席(選挙区75、比例50)だ。9条改憲派である自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の非改選議員は合わせて83議席であり、今回の選挙で83議席以上を獲得すれば参議院で改憲案の発議が可能な3分の2以上の議席を確保することになる(欠員1)。昨年10月に実施された衆議院議員選挙では、デルタ株コロナの激減(感染の底であり投票日当日の感染者数は全国で229人だった)とワクチン効果もあり、自公与党と維新にとっては極めてラッキーな選挙となった。その結果、衆議院では自公与党で293議席で、それに9条改憲派の維新と国民民主の議席を合わせると344議席となり、議席の3分の2にあたる310議席を大きく上回ることになった。
 一方、9条改憲反対派である立憲民主党、共産党、れいわ新選組の参議院非改選議員は合わせて31議席であり、他に無所属が8議席である。社民党は党首である福島瑞穂議員が改選のために、非改選議員は0となった。したがって9条改憲派の3分の2議席を阻止するためには、9条改憲反対派は無所属も合わせて43議席以上を獲得しなければならないのである。
 今回の選挙は、前回までの国政選挙のような、市民と野党との共闘が十分に成立しているわけではない。右翼的労働運動の連合が「共産党と連携する候補を推薦しない」とする方針を出したことで、立憲民主党の泉執行部が動揺しているからだ。しかし2月に開催した党大会では、共闘の調整は「本部預かり」と決めた。そして立憲民主党は5月に行った共産党との会談で、連合の顔色をうかがいながらも「勝てそうな一人区では共産党と組む」ことで合意している。6月2日、共産党の小池書記局長は記者会見で、32の1人区のうち12選挙区で党独自の擁立を見送ると発表した。12選挙区は、青森・岩手・宮城・福島・新潟・長野・山梨・三重・愛媛・熊本・鹿児島・沖縄である。一方、立憲民主党に対して、山形・岐阜・和歌山・徳島・高知・大分の5選挙区では、共産候補の支援を要請している。
 しかし9条改憲派の4党が参議院で3分の2以上を獲得すれば、岸田政権としてその後の3年間(次の参議院選挙まで)で間違いなく、9条改憲を含む「国民投票」にまで持ち込んでくることは確実である。岸田政権は安倍政権のように、極右イデオロギーを振りかざす方法で9条改憲を進めないだろう。それでも自民党内の安倍派や維新の極右勢力からの圧力は受けるだろうが、岸田は公明、国民民主との合意を尊重しながら、自衛隊の存在や日米安保の現実といった既成事実を追認させる「実質改憲」として、憲法に自衛隊を明文化し、合憲化させるという方法を取るだろう。
 その一方で安倍派などの極右は、ウクライナ危機に便乗して「ロシアの脅威」を、「台湾有事」を演出して「中国の脅威」を、核開発とミサイル実験を繰り返す「朝鮮民主主義人民共和国の脅威」を煽り立てて、日本に暮らす人々を徹底的に不安に陥れる役割を担うことになるだろう。そういった局面はすでに始まっている。そして国民投票で改憲が決まれば、自衛隊は合憲化され、その自衛隊が米軍部隊と実戦行動を共にする形で、日本は実質的に「戦争のできる国」になるのである。
 こうした事態を何としても食い止めなければならない。敵基地を攻撃できる「反撃能力」や、米国との核の共有や、軍事費をGDPの2%に引き上げるといった軍拡政策によって東アジアの平和は絶対に作れない。軍拡はただ軍事的な緊張をエスカレートさせるだけである。求められているのはそれとは逆の軍縮なのである。完成する見込みのない沖縄の辺野古新基地建設や、九州から沖縄・与那国までの軍事要塞化は最悪の選択だと言わなければならない。参院選挙で9条改憲派の議席3分の2確保を全力で阻止しよう。

ワクチンも薬も「集票」のために政治利用する岸田政権にNOを


 コロナパンデミックから3年目に入っている。経済活動を優先させる動きが加速しているが、収束に向かっているとは言い難い。日本においてもワクチン2回接種者が80%を超えているが、感染者数は連日2万人前後と高止まりしている。また今回のコロナ感染症が終息したとしても、私利私欲のために、世界中で環境と生態系の破壊が繰り返される限り、第2第3のコロナパンデミックは不可避である。
 コロナの感染拡大は、全国的に大規模に削減されてきた保健所などの公衆衛生と医療体制の脆弱性を浮き彫りにした。こうした中でも「最後の砦」として重要な役割を担ったのが、全国の公立・公的病院であった。特に重症患者のほとんどを受け入れたのが、こうした医療機関であった。中・長期的な感染症対策としてまず考えられなければならないことは、全国的な保健所体制の強化であり、公立・公的医療体制の強化である。医療費削減政策を転換させて、医師、看護師養成数の増員と医療労働者の労働条件を十分に改善することが求められている。
 こうした常識的なことに目もくれず、菅義偉前政権と岸田政権は、輸入ワクチンと治療薬確保といった目先の対策に終始してきた。それはワクチンによる安心効果が、前回の総選挙で票につながったからに他ならない。しかしその一方で、政府のワクチン爆買いの実態も明らかにされてきている。4月13日の財務省の発表によると、政府はすでに米英4社と合計8億8200万回分の調達契約を結び、2兆4000億円の予算を計上している。ワクチン一回分が2700円で、日本在住者一人当たり7回分での量である。血栓症の懸念が高かったアストラゼネカのワクチン1億2000万回分は、早々に海外供与されているが、買い過ぎてすでに期限切れになった在庫ワクチンは、各自治体レベルで次々と廃棄されているのが実態である。
 しかも政府は、製薬会社との「秘密保持契約」を理由にして、契約内容を非公開としている。これでは高値で大量に契約すれば、優先してワクチンを供給するという製薬会社の悪徳商売の実態も、費用対効果の分析もできない。さらに政府は、コロナ治療薬確保のために1兆3000億円を計上している。ワクチンも薬も与党の集票のための手段として、政治的に利用されていると言うしかない。これでは貴重な税金をつぎ込んで、票を買っていることと変わらない。怒りを込めて、岸田政権のコロナ感染症対策にNOを突きつけよう。また大阪において、地域における感染症対策の拠点である保健所事業を徹底的に削減し、その結果、今回のコロナ禍で、全国的に突出する死亡率を記録した責任は維新府政・市政にある。その責任もあいまいにしたまま、IRカジノリゾートの誘致にうつつを抜かす維新にも、全国でNOを突きつけよう。

誰もが安心して暮らしていける社会を実現しよう

 石油を始めとした化石燃料が高騰し、その影響で電気・ガス・ガソリン・灯油、そして交通・運送費などがこぞって値上がりしている。また小麦・トウモロコシなどに関連する食料品も、大幅に値上げされている。原因はウクライナ危機だけではない。穀物生産は昨年北米を襲った干ばつを始めとする気候危機の影響で、相当の打撃を受けていた。また各国がコロナ対策として個人や企業にばらまいた大量のマネーが、経済活動の再開にともなって一気に市場に吐き出されることで、高インフレも作り出されているのである。日本ではそれに加えて、円安がエネルギーや食糧など輸入品の値上がりに影響を与えている。
 5月31日に開催された新しい資本主義実現会議で岸田首相は、新しい資本主義に向けた実行計画案を発表した。その内容は、人への投資・科学技術への投資・新興企業への投資・脱炭素とデジタルへの投資の4分野を重点化するというものだ。そして超低金利と株高、円安と低賃金を基調とするアベノミクスの堅持を明らかにしたのである。こうして岸田政権の新しい資本主義は、日本型新自由主義としてのアベノミクスの「泥沼」から抜け出すことができないことも明らかになった。
 コロナ事態の2年余りを通して日本社会の状態を浮き彫りにしたのが、深刻な貧困と格差の現実であった。就労者の4割近くを占める非正規職労働者は、雇用の調整弁として次々と首を切られた。特に、非正規職の割合が就労者の54%を占める女性への打撃は、より深刻なものであった。「母子家庭」や女性単身者などの少なくない人々は、全国の子ども食堂や、ボランティアによる炊き出しや弁当の配布などによって、ぎりぎりのところで乗り切ってきたが、それでも女性の自死は2年連続で拡大したのである。
 こうした貧困と格差を是正するためには、不公正な税制を抜本的に改革しなければならない。税金を払う必要がない子どもや、非課税の貧困層からも税金をむしり取る消費税は、ただちに廃止しなければならない。そして約500兆円の内部留保金をため込んでいる大企業などからは、法人税の基本税率(現在27・74%)を大幅に引き上げて納税させなければならない。同時に所得税の最高税率も大幅に引き上げること、また現代格差社会の温床となっている金融所得の税率(現在一律20%)も、所得税並みに引き上げて、累進税としなければならない。
 そして労働者の最低賃金を全国一律で時給1500円以上とし、夏冬のボーナスを支給するなど、非正規雇用労働者の労働条件が正規雇用労働者のそれを下回らないようにしなければならない。大学・短大・専門学校の授業料は無償化する。また医療、保育、教育、介護など社会的なケアが公共サービスとして充実され、そこに大きな雇用を生み出していくことが必要だ。誰もが受けられる、無償の公共サービスをめざさなければならない。日本に在住するすべての人の生存権と人権が十分に保障され、誰もが安心して暮らしていける社会を実現しよう。

人類滅亡と地球破壊の瞬間まで利益追求をやめないシステムを変えよう

 「地球を救え!」「未来を救え!」、気候危機をどのように克服するのか、そのための道筋をどのようにつけていくのかが緊急の課題である。昨年11月にイギリスで開催されたCOP26は、今世紀末の気温上昇を「1・5度」に抑えるための道筋を確定させることに失敗した。
 ここで私たちの立場として明確にすべきことは、既存の資本主義システムの中では決して気候危機の解決があり得ないということである。すでに世界的な運動の場においては「システムを変えよう!」というスローガンが一般的になっている。このシステムとは、資本主義の生産・消費・分配のシステムであり、資本の蓄積と利益を至上命令とする資本主義のもとでは、人間と地球の生き残りでさえも脇に追いやられるのである。資本主義は、人類の滅亡と地球の破壊のその瞬間まで利益追求をやめないのである。「グリーン資本主義」やSDGsという旗印は、そのことを覆い隠すための仮面でしかない。
 したがって、社会のシステム全体の転換、つまりエコ社会主義の実現に向けて闘うことが重要なのである。温室効果ガスの排出に最も大きな責任を持つのは、大量のCO2を排出する富裕層であり、さらに言えば、現在の資本主義システムの中枢に位置するエネルギー、情報通信、運輸、アグリビジネスなどをはじめとする巨大多国籍企業なのである。「気候のための闘いは、もっとも直接的な意味での階級闘争、富裕層と貧困層との間の闘い」(「公正な脱成長というエコ社会主義綱領」、本紙4月4日号)なのである。
 また原発は決して気候危機の解決策にはならないし、脱炭素と脱原発は不可分の課題として追求しなければならない。原発は、最終処分できない膨大な放射性廃棄物の蓄積によって、環境破壊の可能性と膨大な管理コストを次世代にツケとして先送りし、原子炉事故の危険性(自然災害や戦争はその可能性を増大させる)を常に抱え、その結果は破滅的であるという意味で、人類と地球の未来にとっての災厄以外の何物でもない。
 エネルギー供給の不足が生じたならば、それは原則として、有害な生産(武器がその典型)、あるいは不必要な生産(基本的な生活ニーズを満足させる以外の商品生産、大規模な工業的農業を含む)を停止、縮小させることによって対応すべきである。現状のように、湯水のごとくエネルギー消費を続けることは、もはや人類と地球にとって持続不可能だからである。
 気候危機への対処よりも経済活動を優先する(つまり、大企業の利益を優先する)自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などに対しては、はっきりとNOを突きつけなければならない。

あらゆる差別と人権抑圧のない世の中を

 岸田政権はアベノミクスという新自由主義を継承して、差別と分断、弱肉強食と強搾取を柱にした民衆の生活を破壊する諸政策を打ち出している。コロナ事態の中でジェンダー差別と拡大された格差社会の露呈、そして構造的な家父長的性別役割分業や深刻な人権侵害が明らかになった。また岸田政権は、貧困にあえぐ女性労働者や非正規労働者、外国人労働者に手を差し伸べるわけでもなく、従来の「成長戦略」にしがみついて、資本が要求する強搾取構造を支えているのである。
 2020年の労働者の平均年収は、433万円にまで低下している。男性の平均年収は532万円で、女性は293万円(男性の55%)であり、非正規労働者の平均年収は176万円(労働者平均年収の41%)だった。女性であることを理由とする差別的な格差を許してはならない。そのためには労働基準法などの関係法令に、男女の賃金差別禁止を明記させ、使用者側に男女別平均賃金と格差是正計画の公表を義務付けなければならない。あわせて雇用の正規化と長時間労働の是正、育児・介護休業法を改正し、公共サービスの拡充を要求しよう。また、処罰化を明確化したハラスメント禁止法の制定を要求しよう。
 「夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法違反だ」とする各種訴訟が起こされている。これらの裁判に全国各地で支援、連帯しよう。同時に同性婚を認めさせる民法の改正を実現しよう。さらにセクシャルマイノリティーに対する人権侵害を許してはならない。LGBT+差別解消法の制定を実現しよう。
 また地位や関係性を利用した、巧妙で悪質な性暴力が後を絶たない。各種業界からも♯MeTooの告発が続いている。性暴力禁止法・性暴力被害者支援法の制定と、DV防止法の改正が求められている。相手の意に反した性的行為を一律に処罰する「不同意性交罪」の制定が必要である。
 難民・移民・外国人労働者をめぐる人権状況も深刻である。アジアや中東からの外国人を治安対象としてしか取り扱おうとしない現在の入管体制を解体しない限り、人権状況を根本的に改善することは不可能である。人権と人道主義を尊重する新たな機関の創出が必要である。あわせて定住外国人の自治体における、参政権をはじめとした政治活動参加の権利を保障しなければならない。また悪質化するヘイトクライムをやめさせるためにも、日本政府による国家的ヘイトであり、国連人権委員会からも批判を受けている「朝鮮高校への授業料無償化排除」を、一日も早く止めさせなければならない。

沖縄の反基地・平和運動と連帯して闘おう!

 現在社民党は、公職選挙法の「政党要件」を失うかもしれないという歴史的な危機に直面している。公選法は①所属国会議員が5人以上、②直近の衆・参国政選挙で有効投票数の2%以上の得票のいずれかをクリアしなければ、政党として認めていないのである。社民党は、19年の参院選挙で得票率2・09%を獲得していたので、政党として認められていたのである。昨年10月の衆院選では、得票率1・77%であり、比例区では0、選挙区では沖縄で1人の当選であった。
 社民党は、全国で新社会党と連携し、またこれまで運動を共にしてきた関係労組や市民運動の力を借りながら「得票率4%、2議席獲得」を目標としている。そしてこれまでに、東京、神奈川、愛知、福岡の各選挙区に独自の候補者を擁立し、また全国比例区には8人の候補者(内1人は新社会党から)を立てることを明らかにしている。
 東京からは元衆議院議員の服部良一幹事長が、背水の陣で立候補を予定している。また前回の衆院選に続いて、大阪教育合同労組出身の大椿ゆうこ副党首も、比例区での立候補を予定しており、すでに実質的な選挙運動が始まっている。
 ウクライナ危機という世界情勢を背景として、日本では9条改憲をめぐる攻防が始まっている。参院選を闘い抜いて、何としても9条改憲策動を粉砕しなければならない。現在、国会は保守と右翼の独壇場と化している。共産党とともに日本の左翼・左派としての運動を担ってきた社民党の存在は、労働運動と市民運動・住民運動などにとって決定的に重要である。
 また「本土復帰50年」を迎えた沖縄は、沖縄県民が求めてきたような「平和で豊かな島」とはほど遠いのが現実だ。辺野古新基地建設やオスプレイ配備など在日米軍基地が強化され、さらには九州から沖縄・与那国までの自衛隊配備などが、新基地建設に反対する沖縄県民の平和を求める声を無視するかたちで進められてきた。こうした中で、反基地・平和運動の先頭に立ってきた伊波洋一候補の参院再選を実現することが求められている。そして参院選直後の9月11日には、沖縄県知事選が予定されている。今参院選と玉城デニー知事の再選に向けた県知事選は、沖縄の反基地・平和運動の未来をかけた闘いであり、絶対に負けられない戦いである。全国で連帯の声を上げていこう。
 9条改憲阻止をかけて、社民党・共産党と9条改憲反対の野党統一候補に投票を!
 日本を「戦争のできる国」にするな!
 

参院選で憲法改悪阻止の声を(東京 5.3憲法集会デモ)
22けんり春闘経団連抗議行動(4.8)


 
 
 
 
 

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社