統一教会問題で支持率激減の岸田政権

「安倍国葬」許すな!9.27抗議行動へ
STOP! 憲法改悪 自公政権打倒へ

アリバイ的な「自主点検」

 安倍晋三銃撃事件後に一気に表面化した自民党と旧統一教会との関係が、これ見よがしにマスコミで取り上げられている。最新の世論調査(毎日新聞と社会調査研究センターにより9月17~18日に実施)によると、岸田内閣の支持率は29%にまで下落し、不支持率は64%にまで増加している。また、「安倍国葬」反対は62%で賛成の27%を大きく上回った。
 この間明らかになっている事例を見ると、自民党と統一教会の関係は、半ば公然と行われてきたということが明らかになっている。自民党議員らにしてみれば「今さら何を騒ぎ立てているのか」というのが実感なのではないのだろうか。
 そういった現実は自民党が実施した国会議員個々への「自己点検」を通しても明らかになっている。「正直者が損をする」といった不満が多くの議員事務所から噴出した。また「何が問題行為で、どの団体がだめなのか」「信者の秘書を解雇できるのか」など混乱しているようだ。しかし、そもそもが自民党としての「アリバイ的な自己点検」だということは全議員の共通認識であり、これまで統一教会との「関係を一切断ってきた」議員以外から正直な回答が上がってくるわけがないのである。有権者の多くもそんなことはお見通しで、完全に白けた目線でこの「茶番劇」を見下している。そして予想していた通り、報告を上げた議員の9割が「そういう団体だとは知らなかった」と回答して逃げ切ろうとしているのだ。
 また古参議員は、急場しのぎの自己点検に対して「数が多くて調べきれない」と悲鳴を上げる始末なのだ。それもそうだろう。自民党と統一教会との関係は、1964年に宗教法人として承認され、その後68年にその政治団体として国際勝共連合を発足して以来、50年以上に渡るものなのだから。安倍晋三の祖父である岸信介に勝共連合を紹介したのは、共にA級戦犯として親しかった右翼の大物で「人類みな兄弟」をキャッチフレーズとしてきた日本船舶振興会の笹川良一だったとされている。笹川良一は勝共連合の名誉会長に就任し、事務所は岸信介宅の隣に設置されている。
 当時は世界的な「東西冷戦」状況にあり、ベトナム戦争に向かう米軍が沖縄や在日米軍基地から連日のようにベトナムに送られていた。日本では反戦や大学民主化闘争などが盛り上がっており、そうした左翼の青年・学生運動に対抗させるものとして、保守右翼政治家らは勝共連合に限らず、反共を掲げる新興宗教団体や政治団体に役割を担わせようとしていたのである。そしてこうした反共右翼の活動は当時、公然と行われていた。90年ごろまで「勝共連合推薦議員」として、自民党を中心に100人以上の議員が公然と名を連ねていた。
 統一教会は政治団体としての国際勝共連合とその学生組織である原理研究会(現在は「UNITE」と名のっている)やメディアとしての「世界日報」などをフル動員して、岸信介、安倍慎太郎、安倍晋三など反共保守右翼政治家の庇護を受けながら、着実に自民党をはじめとする反共保守政界に浸透していった。86年7月に実施された衆参同時選挙からは女性信者を養成し、自民党議員の公設・私設秘書に送り込んでいる。「毎日新聞」によると、安倍と親しかったある大臣経験者は、信者の秘書は「いっぱいいるよ。しかも優秀な人が多いんだよ」と公然と語っている。また元幹部信者によると、自民党から国政選挙に出馬して落選した信者もいたという。

収入の7割が日本での献金

 こうした自民党と統一教会の公然たる関係が隠然化するのは、92年ごろから高まった霊感商法への批判と、桜田淳子らが出席し韓国で行われた「異様」な合同結婚式がテレビで流された時期である。安倍晋三が父晋太郎の選挙地盤を受け継いで衆院・山口1区から出馬して初当選したのが93年であり、丁度この時期と重なるのである。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、1987~2021年に全国の生活連絡センターへの被害相談は3万4537件であり、被害総額は約1237億円である。また「霊感商法はやらない」と宣言した2010年以降も、2875件の被害相談と約138億円の被害が報告されている。しかも宣言以降は、信者やその家族への収奪が強まっているようで、不当な高額献金の返済請求権を放棄させる「合意書」の存在も明らかになっている。
 統一教会の最大の資金源は日本である。年間数百億円のカネが日本から韓国の本部に送られており、収入の7割が日本での献金だと言われている。したがって日本からカネが入らなくなると統一教会はパンクするし、文鮮明と韓鶴子ファミリーが韓国で推し進めてきた「王国・楽園」の建設もとん挫することになる。統一教会として一番に気をつけなければならないことは、警察による捜査・摘発であり、宗教法人格の取消しである。宗教法人格を得ると、文化庁宗務課は資金の流れの実質審査は行わない。そういうこともあって統一教会に限らず、程度の差こそあれ日本のカルト的な新興宗教は、犯罪性や事件性が指摘されていても、ほとんど捜査の手が入らない状態だったのである。弁護士親子殺害事件や松本サリン事件や信者殺害事件などを繰り返してきたオウム真理教が、地下鉄サリン事件が実行されるまで見過ごされていたのはその典型だ。
 韓国の「国是」は反共と反日であり、統一教会はそれを掲げてさえいれば絶対に自国政権によって迫害されることはないということを確信している。そしてその日本での実践は、自民党政治を後押しする国際勝共連合による反共的政治活動であり、信者をはじめとする日本人を徹底的に洗脳することを通した財産の収奪である。しかしその後者は、危なっかしい橋を渡るようなもので「政治の力」で守ってもらうしかない。
 統一教会やオウム真理教を取材してきた有田芳生インタビュー記事(毎日新聞)によると、1995年秋に警察庁と警視庁の幹部を相手に統一教会に関するレクチャーをしたが、その場である幹部から「オウムはほぼ決着したので、次は統一教会の摘発を準備している」ことを聞いた。しかしその後、警察は動かなかった。後日問いただすと、「政治の力」でやれなかったと答えたという。警察に太いパイプを持つ政治家が動いたとしか考えられないと、語っている。この時期、統一教会も「対策費」として毎月1億円を予算化していたという。
 また2006年の第一次安倍政権のもとで、公安調査庁がそれまで統一教会を「特異集団」として監視対象としてきた記述も消された。文化庁でも1997年から名称変更を拒否し続けてきたが、第二次安倍政権のもとで、2015年6月に下村博文文科相(安倍派)が「世界平和統一家庭連合」として名称変更を受理している。さらに岸田政権で国家公安委員長だった二之湯智は、統一教会が開催したイベントの実行委員長を務めていた。こうした「安全パイ」を警察行政のトップにつけておけば、統一教会も安泰である。こうして本来、警察の捜査が入るはずだった統一教会は、「政治の力」によって守られてきたのだ。

完全な利害関係で結ばれてきた


 岸田首相は8月31日の記者会見で、統一教会と自民党国会議員との関係について①関係を点検して公表する②関係を断つことを党の基本方針として徹底する③コンプライアンス(法令順守)チェック体制の強化、の3点を茂木幹事長に指示した。そして茂木幹事長は「方針に従わない議員には離党を求める」意向を示している。
 しかし、先月急きょ発足させた岸田改造政権の新閣僚や党役員のなかからも、統一教会との関係が次々と判明している。約50年にも渡って築き上げられてきた統一教会とのズブズブの関係を、自民党は本当に断ち切れると考えているのだろうか。しかも岸・安倍親子と三代にわたって引き継がれてきた関係にメスも入れることなしにである。自民党は統一教会信者に熱心に選挙を手伝ってもらい、優秀な秘書まで出してもらい、全国で6~7万票と言われている組織票を出してもらっている。候補者の氏名を記入できる参院比例では、2010年には山谷えり子が、13年には北村経夫が、16年には宮島善文が、19年には北村経夫が、そして先の22年の選挙では、第一次安倍政権で首相秘書官だった井上義行が統一教会の組織票を受けて当選している。その全員が安倍派である。
 そして自民党はそうした選挙活動への支援の見返りとして、統一教会の開催する様々な催しに足を運びあいさつするなどして、信者を安心させて献金してもらうという関係を持続させる役割を担ってきたのである。さらに警察の捜索を政治的に阻止し、団体の名称変更までも受理してきたのである。こうして自民党と統一教会は、互いが完全な利害関係で結ばれてきたのだ。

腐れ切った関係にメスを入れろ


 2001年6月、札幌地裁は統一教会の霊感商法をめぐる裁判で以下のような判決を行った。「勧誘は財産の収奪と無償の労役提供という不当な目的で組織的・体系的に行われ、信仰の自由を侵害する恐れのある違法な行為であった」と認定した。この判決では「信仰の自由を侵す恐れ」と、憲法で保障されている「信教の自由」にも触れているが、訴訟の核心は「地獄に落ちる」などと言った恐喝にもとづいた詐欺事件なのである。「政教分離」も含めた憲法がらみの問題としてではなく、被害者の回復と犯罪撲滅のための民事・刑事上の「事件」として正しく裁かれなければならない。
 現在、立憲民主党が中心となって「カルト規制法」制定を要求する動きもあるが、時の権力者によって乱用される危険性もある法律であり賛成するわけにはいかない。かつて国家神道体制が仏教やキリスト教など宗教弾圧してきた歴史を忘れてはならないし、同時に思想・信条を弾圧する治安維持法によって、共産主義者ばかりではなく、自身の価値感にもとづいて自由に物事を考えている人々も弾圧された歴史を繰り返させてはならない。
 現在問題とされている自民党と統一教会の関係問題は、議員の自己申告による「アリバイ的」な点検によって解決されることはない。霊感商法や信者からの財産収奪といった違法行為を繰り返してきた宗教団体と、そういう団体だと知りながら選挙をはじめとする政治活動での支援に頼ってきた政治政党との関係が問題となっているのである。
 したがってそうした関係を3代に渡って取り仕切ってきた本丸にメスを入れて、カネの流れや警察の捜査に働いたとされている政治的圧力、団体名称変更にあたって文化庁にもたらされた「政治」といったことを徹底的に解明しない限り、自民党と統一教会との腐れ切ったズブズブの関係を断ち切ることは不可能である。さらに50年を超える関係を通して、選挙運動支援を超えて秘書として招き入れてきた議員や事務所職員らは、たとえ信者になっていなかったとしても「感情移入」されて、本人の自覚無きままに「マインドコントロール」されている可能性も排除できない。

「安倍国葬」を保身のために政治利用する岸田

 「旧統一教会と最も関係が深かったのが安倍さん。関係を断つと言いながら国葬をやるのは最大の矛盾だ」といった声は、自民党の国会議員からも上がってる。8月27日に何の法的な根拠もないまま、しかも閣議決定だけで、全額を税金から拠出して強行されようとしている「安倍国葬」は、岸田政権による不法行為にほかならない。また憲法の精神である国民主権と平等に反するものであり、人の命の価値に順位をつけようとする差別主義に貫かれた行為である。決して許されるものではない。
 しかし、たとえ「安倍国葬」が強行されたとしても、英国の国家元首としての女王の「国葬」とこれでもかとばかりに比較されて、世界にその恥ずべき行為を発信することになるだろう。「反対世論多数」「カルト教団とのパイプ役」「反省していない自民党」「下落し続ける政権支持率」などと、日本のマスコミのように忖度することなく、外国メディアはこきおろすだろう。そうした事情を知ってか、「安倍国葬」へのキャンセルと欠席届が増えているようだ。当初予定していた6000人の参加は絶望的なのだろう。「なぜ私に」と、受け取った本人が驚いてしまうところにまで「招待状」が送られている。いざとなれば空席を埋めてもらうために、統一教会に動員依頼でもするつもりなのだろうか。
 岸田首相は「安倍国葬」をめぐる国内外の状況を知りながらも、意固地になって決行しようとしている。そうした岸田の思惑は明確である。「国葬」を通して安倍晋三をある種「神格化」することによって、党内最大派閥である安倍派の支持をつなぎとめるのと同時に、自民党支持のコアとなってきた保守右翼層をつなぎとめようとしているのである。2年後には自民党の総裁選があり、その後の衆・参国政選挙まで射程に入れて、党内における自身の地位を確固たるものにしようとしているのだ。岸田はその目的のために、「安倍国葬」を徹底的に政治利用しようとしているのである。
 また統一教会と最も深い関係があったのも安倍派である。岸田は統一教会と自民党との関係は自身の後援会も含めて、「切れない関係」にあることは十分に理解している。「有権者はそのうちに忘れる」「これからはしばらくの間、目立たないようにおとなしく付き合えばよい」と記者会見とは裏腹に、開き直っているに違いない。
 「国葬」が終われば、敵基地攻撃能力の獲得を中心に据えた軍拡と「緊急事態条項」・9条改憲に向けた動きが加速するばかりでなく、コロナ感染症対策の大幅緩和や原発再稼働の拡大など、7月の参院選まで蓋をされていた諸政策が次々と飛び出してくることになる。

「心配な人はワクチンを打ちなさい」

 岸田首相は8月24日、コロナ感染者の全数把握を見直す方針を発表した。この政府の方針転換への批判は、「かけはし」9月5日号の矢野論文で論じられているが、今回の政府の方針転換は、「保健所や医療機関のひっ迫」をその理由としているが、医学的・科学的な裏付けがあっての転換ではまったくない。安倍・菅・岸田と引き継がれたコロナ感染症対策は、患者を把握して受け入れる保健所や医療現場体制の充実化にはむけられることなく、「ワクチン一本勝負」に終始してきた。この次もオミクロン株対応のワクチン接種である。
 しかも数的に大爆発した今回の7波は、まともな治療も受けられずに「自宅待機」させられる患者が100万人を優に超えたのである。しかも治療薬ばかりではなく、咳止めや解熱剤までも不足する事態となり、日本の「国民皆保険制度」が機能していない事態まで引き起こさせたのである。現在の1日の感染者数はピーク時の半数以下になってはいるが、それでも約10万人ほどであるし、死亡者は連日、高齢者や基礎疾患を持つ人たちをはじめ100人前後で推移している。依然として終わりが見えているわけではない。
 政府は場当り的でご都合主義的な対応に終始してきた。いつの間にかスポーツや娯楽イベントは、マスクだけしていればすべてOKということになった。次はインバウンドの拡大を狙った「水際対策」の大幅緩和である。こうなるともうこれはコロナ対策ではなく、円安対策だというしかない。
 「心配な人はワクチンを打ちなさい」、これが岸田政府の唯一のコロナ感染症対策なのである。マスクの着用に対して「同調圧力」などと批判する人もいるが、理由はそれだけではない。日常的な無料の早期診断(PCR検査)もまともに実施することもなく、感染したら医療にもまともにかかれずに自宅に待機させられる。人々はこの「自己責任」社会の強制にイライラしながらも、自己防衛のためにマスクを手放せないという現実もあるのだ。

脱原発への道を切り開こう


 岸田首相が8月24日に首相官邸で開かれた政府の「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」で明らかにしたのが、原発再稼働の推進と、稼働期間の再延長(現在60年)と、次世代型原発「革新軽水炉」の新増設だ。
 これは政府が方針転換したということではない。ウクライナ危機以前からの既定方針なのである。2011年の福島原発過酷事故の後、国内にあった原発54基の内、24基の廃炉が決まっていた。自民党政府はこれまで2030年の電源構成で20~22%を原発でまかなうとしてきた。そのためには30基程度の稼働が必要だとされてきたのである。事故前の2010年の実績は25%であったが、2020年の実績は4%にまで原発依存は落ち込んでいた。現在国内には、建設中も含めると36基の原発がある。
 現在日本では10原発の17基が規制委員会の審査をパスしており、そのうち再稼働したのは6原発の10基である。岸田政府はあたかもウクライナ危機によって引き起こされたエネルギー高騰が影響しているかに見せかけながら、「冬までに最大9基の原発稼働を進め、国内電力消費量の1割相当分を確保する」と7月の参院選直後にも明らかにしていた。そしてその場で、「安倍国葬」の実施も表明している。
 岸田が指摘した9基とは、すでに再稼働している関西電力の美浜3、大飯3・4、高浜3・4、四国電力の伊方3、九州電力の玄海3、川内1・2号基である。さらにこれに加えて再稼働が考えられているのが、高浜1・2、東北電力の女川2、中国電力の島根2、東京電力の柏崎刈羽6・7、日本原電の東海2号基である。これらの中で、すでに運転開始から40年を超えて最長20年の延長をしてきたのが、美浜3、高浜1・2、東海2である。
 福島事故を経験しながらも、日本列島という世界的にも最悪の「地震の巣」の上に廃炉が決まったものを含めると60基の原発が立ち並んでいるのだ。南海地震や首都直下地震ばかりではなく、未発見のものを含めて国土のいたる所に活断層が走っている。すでに破綻が明白になっている核燃料サイクルにしがみつき、稼働すればするだけ増え続ける「核のゴミ問題」には目をつむる。まさに人々の命と生活と未来に対する無責任国家体制こそが、原発政策を推進することができたのである。それはコロナ対策と同様なのだ。
 首相側近からは「再生可能エネルギーは妄想」だとする声も上がっているという。現在、毎年のように繰り返されている地球規模での大干ばつや大洪水は、CO2の大量排出による気候危機がその最大の要因だと言われてきた。戦争や気候変動の影響による難民は年々増え続けている。その数は約3000万人と言われており、国内難民を合わせると約1億人だという。今のまま原発政策を継続していけば、近い将来その中に日本に住む人々、数100万から数千万人が加わることになるだろう。
 そんな未来はごめんだ。原発再稼働に反対し、脱原発への道を切り開かなければならない。

一切の軍拡に反対し9条改憲阻止を

 「2022年版防衛白書」が7月22日の閣議で了承された。その中で強調されているのは、ロシアによるウクライナへの侵攻を取り上げて、これまで以上の中国脅威論である。「台湾情勢の安定はわが国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要」だとし、年末までに「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱(防衛大綱)」、「中期防衛力整備計画(中期防)」改定のための議論の推進を訴えている。
 このなかでも大きなテーマとなっているのが、いわゆる「敵基地攻撃能力」保有のあり方をめぐるものだ。その後、防衛省が明らかにした「23年度予算の概算要求」のなかでは、その内容がより具体化されたものになっている。
 すでに陸自に配備されている「12式地対艦誘導弾」を改良して、現行の射程200kmを1000km程度に延伸する。そして改良型の量産の開始と、「島しょ防衛用高速滑空弾」の量産開始を盛り込んでいる。また研究・開発と並行して、当初の予定よりも3年前倒しして、26年度の運用をめざすとしている。
 こうした動きと関連して、今年8月の「毎日新聞」に掲載された遠藤乾・東大教授の「日本の安全保障戦略─軍拡時には安心供与の芽を」からその一部を紹介する。
 「しかし、想定している相手は核保有国だ。高価なミサイルを何百発そろえようと、通常弾頭でできることは限られる。…攻撃意志を持つ国を『抑止』できるほどの力を持てるか、効果は分からない。…安全保障は、脅す(抑止)か、安心させる(安心供与)かの二つのさじ加減で決まる。『反撃能力』は先方からすると攻撃力でしかなく、常に脅しをかけることになる。この一見『防衛的』な施策の応酬の先に、お互いを『攻撃的』とみなし、軍拡がせりあがる安全保障のジレンマが待ち構えている。 また、そうした『抑止』に乗り出せば、戦後曲がりなりにも保持してきた『(専守)防衛』の縛りを解くことになる。この自制自体が日本による他国への安心供与だったのだが、それが外れるとき、平和国家の信用資源は摩耗する。…軍拡は走り出すと止めにくい。先を見据え、必要を見極め、本当に自らの安全や利益にかなうよう、平和的な転換の芽を埋め込みながら進まないと、自分の首を絞めるだろう」。
 また防衛費はGDP比2%への引き上げに向かって「増額ありき」となっている。発表されている21年度の防衛費は、総額6兆1078億円(GDP比1・09%)で、海保・PKOなどを含めるNATO式の計算では、総額約6兆9000億円(GDP比1・24%)であった。これをGDP比2%まで引き上げると約12兆円で、これは2年分の公共事業費に匹敵する。
 敵基地攻撃能力の保有をはじめとする一切の軍拡と軍事予算増額に反対して、参院選と知事選で2連勝した沖縄の反戦・平和運動と連帯して闘おう。絶対に完成しない辺野古新基地に税金を投入するな。9条改憲を全力で阻止しよう。
(高松竜二)

各政党の動向について

・社民党―7月の参院選で125万票(前回104万票)得票率2・37%で1議席を死守した。全国的に都市部で増やしている。東京では10万から18万に。逆に分裂などで組織が弱体化した地方では得票の割合を下落させた。
 「ジェンダー平等、気候危機と脱原発、消費税停止」など主張する一方で、「がんこに平和」といった旧来からの護憲政党色も打ち出した。ウクライナ戦争との関係でも有効だったか。
 来年春の統一地方選に向けて、若い世代や女性の擁立で「生まれ変わり」を図る方針。候補者の選定を始める。
・共産党―参院選で361万票・6・82%(16年601万票、19年448万票)で比例3、東京1だった。長期低落が続いている。
 8月1日の第6回中央委員会総会で、志位は「再び野党共闘をめざす」ことを強調。しかし一方では立憲やれいわなどの「リベラル勢力」との政策的な差別化が進んでいない。独自色が出せていない。
 また「メンバーは高齢者ばかりで、世代交代ができていない」という声も漏れている。党大会は24年1月に先送りした。
・立憲―8月26日の両院議員総会で新執行部を発足。「現状のままでは維新などに鞍替えする議員が出る」など泉体制への批判が出る。ベテランの多用で、岡田幹事長、長妻政調会長、安住国対委員長など・・・野党共闘への復帰と、与党との対決色強化へ。
・れいわ―れいわ政治塾を8月27日に開校。10月10日まで全国11都道府県で講座を開催。統一地方選候補を発掘する。8月24日現在で、約2600人が応募。山本は「100人ほどの擁立を考えている」。
・参政党―統一地方選に全国で500人の擁立を目標に、近く公募を開始。現在の地方議員は7自治体9人。400人まで増やすのが目標。

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