「自公維立」4党体制の可能性と左派の目指すべきもの
「立憲・維新」の院内共闘は何を意味するのか
大森敏三
7月参院選とその選挙戦中で起きた安倍元首相殺害事件、そして自民党と旧統一教会との癒着関係の暴露、安倍元首相の国葬強行に対する民衆的反発などを通じて、岸田自公政権にとってのいわゆる「黄金の3年間」は雲散霧消してしまった。岸田政権への支持率は低迷し、閣僚の事実上の解任も続いている。
しかしそうした中でも、岸田政権は、「立憲・維新」両党の国会内共闘や国民民主の与党化、「自公維立」4党による旧統一教会被害者救済法の政策協議、立憲内での「反撃能力」容認や野党共闘見直しへの傾斜などを支えとして、安保関連3文書への「敵基地先制攻撃能力」保有の明記、防衛予算の大幅増とそれをまかなうための来年以降の増税、原発再稼働や新増設の推進、高齢者の医療費負担増や介護保険料引き上げなどの政策を矢継ぎ早に打ち出している。このような政治状況の中で、来年の統一自治体選挙や軍備拡大・改憲・生活破壊などと闘う大衆運動において、さらには新たな左派再編・結集に向けて、われわれを含む左翼はどのように闘っていくのか―このことがいま改めて問われている。
安倍元首相殺害事件があらわにした自公政権の脆弱性
7月の参院選の結果を分析した本紙記事(2724号および2725号)では、自公政権の今後について「決して『黄金の3年間』と言われるような前途洋々としたものではない」「改憲を主導してきた安倍元首相が殺害され、その直接の契機が旧統一教会と安倍元首相との関係にあったと報じられ、さらに自民党内の右派勢力と旧統一教会との強い結びつきが指摘され、批判を浴びている。これらは改憲派にとって大きな打撃であることは間違いない」と指摘した。
参院選後の数カ月を見ると、岸田政権の不安定さ、脆弱さは予測以上に深刻な状況にあると言わざるをえない。とりわけ安倍元首相の国葬実施を早々と決め、広範な層の人々からの反対に直面してもその実施を強行したことは、岸田政権の支持率低迷に拍車をかけることになった。多くの人々がこの国葬に反対したのは、国会を全くスルーして閣議決定だけで押し通そうとしたプロセスの問題にとどまらず(立憲民主党などは国葬そのものよりもその点を問題にしていたが)、旧統一教会と自民党との癒着構造を作り上げたのがまさに安倍その人であることへの嫌悪感、そして安倍元首相が「国葬」に値する政治家であるのかについて根本的な疑問によるものだった。
実際に私自身の経験から言っても、地域のスーパー前などで「安倍国葬反対」のスタンディングをおこなうと人々の反応がきわめて良かった。「絶対アカン」「なんとかやめさせられないか」などと話しかけてくる人も多く、国葬強行に民衆的な反対が浸透していることを実感した。
岸田政権は、この国葬強行をひとつの契機として、急速に求心力を失い、政権内部での不協和音も公然化し、閣僚の辞任ドミノも始まった。そして、旧統一教会と自民党との根深い癒着構造が連日のように報道され、自民党憲法草案と旧統一教会の憲法改正内容との酷似(とりわけジェンダー、家族の問題)など、自民党の政策に対して旧統一教会が大きな影響を与えてきたことも明らかとなった。
その意味では、臨時国会の中で、前述の本紙記事で最後に指摘した「軍事費をGNP比2%にまで増額しようとすれば、国債の大量発行か、消費税の大幅増税でしか財源は確保できないだろう。そのどちらの手段をとるにしても、政権の内外から大きな抵抗が生じるだろうし、政権内の分裂もありえるかもしれない。したがって、岸田政権が情勢の圧力のもとで政権運営に行き詰まり、早期の解散総選挙に追い込まれる可能性も否定はできない」と書いたように、岸田政権の全面的な危機に発展する可能性は十分にあったと言える。にもかかわらず、岸田政権がなんとか臨時国会を乗り切り、さらに防衛費の増額(5年間で43兆円)と2024年度以降の増税、安保3文書(「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」)での「敵基地攻撃能力」保有の明記などを公然と打ち出せているのはどうしてなのか、ここに現在の政治的状況を考える上での大きなポイントがある。
「立憲・維新」による国会内共闘と立憲民主の政治的性格
立憲民主は、参院選での議席減のあと、泉代表を除く執行部が大幅に入れ替わり、かつての民主党政権において中心的役割を果たしたベテラン議員が執行部入りした。その後、9月21日には、維新との国会内共闘における6項目の合意事項を明らかにした。その合意内容は、「①国会の召集期限を設ける国会法改正案の提出、②衆院小選挙区定数を『10増10減』する法改正、③通園バス置き去り防止法案の提出、④旧文書通信交通滞在費の使途公表などを定めた法案の成立を目指す、⑤霊感商法や高額献金の被害防止に向けた法的整備などの協議開始、⑥若者や子育て世代向けの経済対策の実現を政府に要求」(『毎日新聞』12月13日)というものだった。
さらに、10月6日には、追加として、「①北朝鮮のミサイル発射に関し、衆院外務委員会などの連合審査会を速やかに開催するよう与党に要求、②感染症法改正について、共同で対案をまとめるため協議を開始する」(同上)の2項目を合意した。
この「立憲・維新」の国会内共闘について、立憲民主の泉代表は、10月21日の講演で「(維新とは)そんなに差がない」「維新が掲げる憲法(改正)項目は、多くはそう対立せずに(済む)と思う」「(9条改正についても)必要であれば(衆院憲法)審査会で議論すればいい」と発言している(『読売新聞』電子版、10月24日)。こうした発言をするに至った背景には、参院選での立憲民主の議席減、維新の全国政党化の挫折、連合の岸田政権への露骨な接近などの要因があると思われる。加えて参院選で、立憲民主の「左」に位置する共産、社民、れいわ新選組が議席を減らすか、伸ばせなかったという事実が維新との「共闘」に踏み切らせたとも考えられる。また、安倍元首相殺害を受けて、いわゆる「清和会」による自民党支配が崩壊することで、自民党内のパワーバランスが変化したことへの対応という意味もあったのだろう。
こうした立憲民主の方向転換は、その政治的性格からも説明可能である。立憲民主の政治的性格について、前述の本紙記事では「立憲民主は、その前身である民主党、民進党の成立過程を見ても、そして自らの成立過程から考えても、一方では右翼的な労働戦線再編によって生まれた連合を基盤とする政治勢力、もう一方でのいわゆるリベラル保守勢力の二つが、さまざまな力関係のもとで合わさった政党である。その性格上、その政策や立ち位置はそのときどきの状況に動かされて、中道左派という枠内においてではあるが、常に左右に揺れ動くという特徴を持っている」(2725号、「参院選分析その2」)と指摘した。これゆえに、この党は「左」に向かうときは野党共闘路線を志向するし、「右」に揺れ動く際には保守勢力との連携という路線へと向かうのである。
しかし、事態は単なる立憲民主の「右」転回というだけにとどまらない様相を呈している。国会内での「自公立維」4党体制に向けた動きが加速しているからである。
「自公立維」4党体制に向けた動き
安倍国葬の際に、立憲民主の野田元首相は「元首相が元首相の葬儀に出ないというのは私の人生観から外れる。『長い間ご苦労さまでした』と花を手向けてお別れをしたい」(『毎日新聞』電子版、9月18日)として、麻生太郎元首相と並んで登壇・献花した。続いて、野田元首相は図会での安倍追悼演説をおこない、自公立維4党の議員から「絶賛」を受けた。政治ジャーナリストの鮫島浩さんは、ここに「自公立維」4党体制に向けた動きの起点があるとした上で、『サンデー毎日』誌上で次のように書いている。
「最大派閥も総裁派閥も満身創痍の自民党。これを好機と見て岸田首相に急接近したのが、同じく支持率低迷にあえぐ野党第1党の立憲民主党だった。その先頭に立つのは、最高顧問の野田佳彦元首相である。」
「泉健太代表、岡田克也幹事長、安住淳国会対策委員長、さらに立憲創始者である枝野幸男前代表も同調し、清和会が支配する自民党に対抗して打ち立てた『野党共闘』の旗を降ろして岸田首相との連携に舵を切った。野(や)党と与(よ)党の中間に位置する『ゆ党』に転じたのだ。」
「この立ち位置は、彼らが野党第2党の日本維新の会を揶揄して使ってきた『自公の補完勢力』そのものである。立憲は共産、社民、れいわ新選組との野党共闘を見限り、反目し合ってきた維新と国会共闘で合意し、旧統一教会の被害者救済を名目に自公立維4党で政策を協議するテーブルを作った。既に救済法案の今国会提出で合意し、他の野党を外して4党で物事を次々に決めていく『与ゆ党体制』が動き出している。」(『サンデー毎日』11月20―27日号)
この「自公立維」4党体制への動きは、当然のことだが、立憲民主が結党以来とってきた立憲野党による共闘路線の見直し(放棄)を意味する。だからと言って、直線的に立憲民主と維新の選挙協力へと進むとは思えない。少なくとも現局面では、双方とも選挙協力を否定しているからである。たとえば、立憲民主の岡田幹事長は、維新との国会内共闘が「互いを必要とし、利用し合って与党に対峙していくためのもので、効果は上がっている」とする一方で、「憲法観などが異なるので、選挙協力は考えていない。あくまで今国会での共闘だ」と述べている(『毎日新聞』電子版、10月29日)。また、維新の馬場幹事長も立憲民主党との選挙協力については「現実的に非常に難しい」「(安全保障や憲法改正など基本政策の違いを理由に)屋台骨の考え方が大きく違う。選挙で野合談合しても有権者に見抜かれる」と語っているからである(『日本経済新聞』電子版、11月14日)。
しかし、こうした発言は裏を返せば、泉代表が言うように「維新が掲げる憲法(改正)項目は、多くはそう対立せずに(済む)と思う」のであれば、選挙協力まで踏み込む可能性は大きいということをも意味する。
枝野発言と立憲民主の野党共闘路線放棄
世界的に見て、とりわけヨーロッパ各国を見れば、極右勢力を排除した形での「大連立」的な政権や極右をも含み込んだ権威主義的政権が多く誕生している。その意味では、右派ポピュリスト政党としての維新や、中道左派的な立憲民主をも包含した「自公立維」4党体制が実現したとしても、そのことは決して特異な現象ではない。この点をまず確認しておかねばならない。
立憲民主の創設者でもある枝野前代表は、10月25日、自身のツイッターで「この夏以降、野党というよりも、日本政治全体のフェーズが大きく変わりました。おそらく20年以上通用してきた常識や前提が崩れています。この変化の本質をいち早く把握した勢力が次の主導権を握ると思います。それを早く把握できるよう頑張ります」と発信したのをはじめ、その3日後には自身のユーチューブ・チャンネルの「えだのんTALK」という番組で「先年、総選挙で私が後悔しているのは、時限的とはいえ消費税減税を言ったこと。政治的に間違いだったと強く反省している。二度と減税を言わないというのは私の確信だ」と話した。また、11月12日にも、講演の中で「(衆院選で消費減税を訴えたのは)政治的に間違いだったと反省している」「(次の衆院選では)見直すべきだと思っている」と発言している(『朝日新聞』電子版、11月13日)。こうした矢継ぎ早の発言はまさに確信犯的であり、「消費税減税」を一つの結節点としてきた野党共闘路線を放棄するという決意表明に他ならない。
ただ、ユーチューブ・チャンネルでは、税制自体については「消費増税に反対」「富裕層に対する所得税と儲かっている大企業に対する法人税の増税で財源確保」「金融所得課税の強化」を主張していて、この点では従来からの立憲民主の主張を維持している(『プレジデント・オンライン』12月7日、尾中香尚里さんの記事による)。したがって、枝野前代表の一連の発言は、税制を問題にしたのではなく、野党共闘のあり方を俎上に乗せたものと言える。
前述の『サンデー毎日』の記事によれば、市民連合の呼びかけ人である山口二郎・法政大教授も、ツイッターへの投稿で「野田さんの追悼演説は、今後の政治勢力の再編の分水嶺になる」「そういう市民もふくめて野党共闘の体制をつくれと言われれば、私にはそんな芸当はできない、どうぞご自由にと言うしかない。これからの野党の基盤について、白紙から議論しなおす必要を感じる」と書いたという。
こうした動きは、昨年衆院選での「敗北」後に立憲民主が「提案型野党」への転換を図り、安全保障政策などで急速な政策転換をおこなったことの延長線上にある。その背景には、連合が昨年衆院選での対応を含めて、岸田政権にすり寄っているという事実があることは間違いない。
立憲民主は原発再稼働や「敵基地攻撃能力」の容認へ
これに加えて原発問題でも、立憲民主の岡田幹事長は、原発再稼働の是非について「再稼働全てがだめだと言っているわけではない」と述べた(『朝日新聞』電子版、10月4日)。さらに、岸田政権が目指している「敵基地攻撃能力」保有について、玄葉光一郎元外相が会長を務める党外交・安保戦略プロジェクトチームでの議論にあたり、玄葉会長は「真の抑止力たり得る反撃能力は排除しないで議論したい」との姿勢を明らかにしている(『日本経済新聞』電子版、12月2日)。プロジェクトチームでの集約が難しい場合は、安保関連3文書の閣議決定に対する党のコメントで、限定的な反撃能力の保有を認める方針だという(『共同通信』電子版、12月13日)。
維新や国民民主はすでに反撃能力の保有を認める主張をまとめており、玄葉会長の言う方向で意見集約がされれば、「自公立維」4党に国民民主も加えた勢力によって憲法9条の実質改憲がさらに前に進むことになるだろう。また、衆院憲法審査会においても、立憲民主は論点整理をすること自体には反対を唱えなかった。こうした立憲民主内の論議に対して、「立憲という看板を下ろすべきだ」という批判が出されているのは当然のことである。
こうした動きに対して、立憲民主内のリベラル派議員らが「立憲フォーラム」の活動を再開させたと報じられた。「立憲民主党の有志が19日、超党派の議員連盟『立憲フォーラム』の活動を再開した。参加者の多くは立憲内のリベラル派。『立憲主義』を改めて鮮明にすることで、党内の『保守寄り』の動きを牽制する狙いもあるとみられる」(『朝日新聞』電子版、10月20日)。この「立憲フォーラム」が立憲民主の「右」転回に歯止めをかけられるかは未知数であり、もし大衆運動の圧力がないとすれば、立憲民主が野党共闘の放棄と岸田政権との連携へと舵を切る流れは当面続くことになるだろう。その先に、「自公立維」4党に国民民主も加えた「大連立」構想が登場してくるとしても不思議ではない。
立憲民主は次回の総選挙について、岡田幹事長が候補者を150人程度に絞り込む方針を明らかにしている。これを報じた『読売新聞』(11月4日)の記事によれば、「候補者の絞り込みは、『(与党候補と)互角か、それ以上に戦えるレベルの人』(岡田氏)に支援を集中させるため」とされ、「立民が念頭に置くのは、他の野党との連携だ。今国会で『共闘』する日本維新の会について、岡田氏は1日の記者会見で選挙協力は否定しつつ、『選挙が近くなれば色んな話があるかもしれない』と含みも持たせた。維新側は選挙協力を強く否定するが、立民内には『大阪に立民が候補者を立てないなら、維新もありがたいはず』(関係者)との声もある」。立憲民主のサイトには、現職の衆院議員のほかに、事実上の予定候補者である総支部長の写真と名前が掲載されていて、合わせると136人となる。つまり、新たな候補者は15人程度ということだ。
大阪について言えば、現職(比例復活)の大阪18区と元職の大阪3区の2人だけしか掲載されておらず、いずれも前回総選挙では維新の候補者は立候補していない選挙区である(小選挙区では公明の候補者が当選)。このことから、維新と厳しく対峙してきたはずの大阪で、立憲民主が維新との対決に及び腰となっている姿が想像できる。もちろん大阪の地元では、立憲民主の地方議員などの間で動揺が広がっていることは想像に難くない。「大阪市で11月26日に開かれた立憲大阪府連の会合に出席した岡田氏に出席者の1人が『維新との共闘が大阪で影響を与えている』と訴えた。来年4月に統一地方選が控える中、『選挙で激しく戦うのに国会では連携する』というわかりづらい共闘の構図は有権者の批判を招きかねない」(『毎日新聞』12月13日)からである。
岸田政権のめざす軍事費増額、自衛隊拡充、先制攻撃能力構築に対して、大衆運動による反撃を
岸田政権は自らの脆弱性にもかかわらず、冒頭に書いたように、「安保関連3文書への『敵基地先制攻撃能力』保有の明記、防衛予算の大幅増とそれをまかなうための来年以降の増税、原発再稼働や新増設の推進、高齢者の医療費負担増や介護保険料値上げなどの政策を矢継ぎ早に打ち出」している。臨時国会が閉会したあと、岸田首相は今後5年間の防衛費(軍事費)目標を43兆円にするよう指示し、そのための財源の検討を求めている。統一自治体選挙を控えているためか、来年度の増税こそ見送られたが、2024年以降には増税に踏み切ることになるだろう。それを可能にしてきたのは、維新・立憲民主(そして国民民主)が岸田政権との連携へと舵を切り、公然であれ暗黙のうちであれ、岸田政権の政策に支持を与えてきた(ないしは黙認してきた)からに他ならない。
本稿では、ここまで立憲民主党の「右」転回に焦点を当てて分析してきた。もちろん「自公立維」4党体制が直線的に成立することはないだろう。それが国政選挙における「共闘」あるいは「住み分け」にまで発展するかも未知数ではある。しかし、国政レベル(国会内)でのいわゆる立憲野党の共闘が瓦解状況にあることは間違いない。それではこうした政治状況の中で、左翼の果たすべき役割とはなんだろうか?
立憲民主は、2017年総選挙を前にして結党された。その直接の契機は当時の民進党が希望の党に合流すると決めた際に、希望の党側が「左派・リベラル派の排除」を条件としたことにあった。そして、総選挙では予想された以上の得票と議席を獲得できた。その背景には、2015年に安倍政権が国会に提出した安保関連法案(戦争法案)に対して、「総がかり行動実行委」を中心として、若い世代を含めて国会前が抗議行動参加者で埋め尽くされるなど、大衆的な反対運動が持続的に展開されたことがあった。これ抜きでは、立憲主義を掲げた立憲民主が総選挙で思わぬ支持を得ることは不可能だっただろう。
この成功体験が、昨年総選挙までなんとか小選挙区での野党共闘=統一候補擁立を可能にしてきた原動力だったと言える。つまり、そのことが意味するのは、大衆運動の大きな圧力のもとでのみ野党共闘路線が維持可能であったということだ。
大衆運動の発展がどのような回路を通じて起きてくるのかをあらかじめ予測することは困難である。従来からある「枠組み」や「装置」を通じてなのか、それとも全く新たな回路を作り出しながら大衆的闘争が爆発するのか、そのどちらであっても左翼はその中でともに闘い、経験を交流しながら、次の局面に備えなければならない。そして、あらゆる場面でさまざまな大衆運動の芽を育むところから始める必要がある。岸田政権のめざす軍事費増額、自衛隊拡充、先制攻撃能力構築に対して、大衆運動によって反撃するために力を尽くすことが左翼の第一の役割である。
それとともに、そうした大衆運動を基礎にした左翼自らの再結集と強化についても、オープンで共同の議論が必要である。われわれは、左翼全体をエコロジー社会主義のもとに獲得し、反資本主義左翼を構築するために、そうした議論に積極的に参加するだろう。
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