「天空海」どう読みますか?
コラム「架橋」
私は現在1週間に2日程デイ・サービスに通っています。デイ・サービスでの私の最大の楽しみは入浴ですが、ここに通う多くの人たちの圧倒的人気はカラオケです。カラオケの次に人気があるのは大相撲。特に大相撲のテレビ観戦がある日は、午後1時から中継が終わる午後6時までテレビの前に座り続ける人もいます。今日、そんな彼らのために置かれている雑誌「大相撲ダイジェスト」を手にする機会がありました。雑誌の特集は九州場所の総評と1月に開かれる正月場所の見どころです。相撲協会が心配していた「世代交代」は九州場所では大横綱白鵬が引退したにもかかわらず、ひとり残った横綱照ノ富士が優勝し、順調にすべり出したという評価であり、照ノ富士が大関からケガで序二段まで落ち、努力の末に大関に復帰し、横綱となり優勝するというストーリーは日本人好みの「浪花節」で新しい人気をつくり出しているというものでした。しかし、唯一の心配ごとは、この2~3年大相撲に入って来る若者が減り、新弟子が少なくなってきているということだと書かれていました。こうした若者の大相撲人気のかげりは、柔道などでも見られ、若者の間でスポーツをめぐる再編が始まっているのではないかという推測でした。かつてサッカー人気で野球人気にかげりが出たように、今やその第二次ブームが到来しているのではないかという。その例として駅伝ブームが始まっており、陸上競技でも長距離ランナーや競歩の選手が増えているという例が出されていました。
だが一方で、今日大相撲がクイズに取り上げられることが多くなっているという記事もあった。クイズの中心は力士の「しこ名」をめぐる問題。旧来力士の「しこ名」には、第一に入門した部屋に伝わる名詞や漢字が入っていたそうです。例えば、春日野部屋では「栃」の字が入り、九重部屋は「千代」、伊勢ケ浜部屋は「富士」、佐渡ヶ嶽部屋は「琴」という具合で、力士の「しこ名」で部屋まで理解できたという。逆に大学出身力士は、「遠藤」のように本名をそのまま使う人が多く、地方出身の力士は「隠岐ノ海」「志摩ノ海」のように故郷の地名を使用する人が多いという。
だが近頃は、若い親方・力士の間で、今まで日常的に使われていない難しい漢字を用い読ませるという形が始まっているというのです。これがクイズのコーナーで人気があるのだという。
おそらく「かけはし」読者の仲間は、4人の「しこ名」を全部読める人は少ないと思うので、そのまま記載されていたクイズを引用する。
問1 次の4人の「しこ名」にフリガナを。①「天空海」②「阿炎」③「阿武咲」④「輝」。
問2 フリガナの下に所属部屋を記入せよ。
正解は、①「アクア・立浪部屋」②「アビ・錣山部屋」③「オオノショウ・阿部松部屋」④「カガヤキ・立田川部屋」。
私はこのクイズで②・④を読めたが部屋については一つも答えることができなかった。しかし、私の通うデイ・サービスで全部読め、部屋まで当てた人が58人中5人もいた。 (武)