プーチンによるウクライナ侵略戦争

コラム「架橋」

 2月24日、ロシア軍は突然ウクライナ侵攻(侵略)を開始した。この侵攻前に、バイデン政権は「ロシア軍がウクライナ国境に数十万の兵力を集結している、数日後に必ず、ウクライナに侵攻する。そうなると、数日で首都のキエフは陥落するだろう」とする情報を繰り返し流していた。
 しかし、私はプーチンがウクライナ侵攻をやれば、経済制裁を含めて、ロシア経済がガタガタになってしまうし、国際的に孤立して立ち行かなくなる。巨大なマイナスが明らかになっているので、ウクライナ侵攻はないと思っていた。
 しかし、そんな甘い見通しを超えて、プーチンはウクライナ侵攻を開始した。レーニン・トロツキー時代の「抑圧民族・大ロシア主義の否定と被抑圧民族の民族自決権承認」を否定し、プーチンは大ロシア帝国主義の覇権を米・ヨーロッパ諸国に認めさせるための戦争だ。
 今回の事態は1956年のハンガリー革命、1968年チェコ・プラハの春をワルシャワ条約軍によって、押しつぶした事件以上の歴史的大事件だ。
 この原稿を書いている時も、ウクライナの首都キエフへの包囲網が縮められ、過酷な攻撃が繰り返されている。その他の都市にも軍事施設だけでなく、普通の人々が住むアパートなどが無差別攻撃にあっている。今後、どれだけの民衆の血が流され、都市が破壊されることか。すでに多くの人々が殺され、330万人が難民となり国外に避難している。国内外難民は一千万人を超えると国連難民高等弁務官事務所が発表した。プーチンの戦争を絶対に許さない。ロシア軍はただちに停戦し、撤退せよ。
 この侵攻の日から、ロシア大使館抗議や渋谷ハチ公前でのウクライナ人の抗議集会などの行動にできる限り参加してきた。
 2月26日、在日ウクライナ人が呼びかけ渋谷区ハチ公前に2000人が集まった。「ロシア軍は侵攻をやめ撤退しろ。命を奪うな」という叫びは、現に戦争が起きている中で、故郷に家族がいるウクライナ人たちの生の声だ。悲痛な叫びが胸に響いた。同日には、新宿駅東口でも在日ロシア人たちが集まり、ロシア軍の戦争に対して抗議の声をあげた。ロシア軍の侵攻と同時に、ロシア国内でも多くの市民たちが抗議行動を起こし、たくさんの拘束者が出ている。こうしたロシア人の勇気にも感動し励まされた。
 ウクライナ南部のロシア軍に占領された各都市で、ウクライナ民衆がプラカードを掲げて、ロシア兵に対して撤退を要求する集会とデモを行っている。ロシア軍の占領が長引けば、ウクライナ民衆によって包囲されていくだろうし、ヨーロッパをはじめ全世界でプーチンの戦争に反対する運動が起き、プーチン政権は孤立していく。
 ウクライナ人民はスターリン、ヒットラーによって、一千万人とも言われる大量虐殺にあってきた。そうした歴史を背負っているので、プーチンの侵略に対して強い抵抗戦争で迎えうっている。ウクライナ人民の勝利のために、あらゆる連帯・支援・援助を。(3月20日)
(滝)