民主主義の恥。なにが『国葬』だ!
コラム架橋
お盆が過ぎると秋風が吹く・・・ここ数年コロナ感染に怯え、自粛生活に疲れ、ロシアのウクライナ侵攻に怒り、物価の高騰に頭を悩ませ、安倍元首相の銃殺に驚き、そしていま、旧統一教会と政治の関係が話題の中心に。
「政策による難局突破内閣」と仰々しい宣伝文句が躍る第二次内閣だが、その顔ぶれたるや政務三役の大臣、副大臣、政務官78人中35人もが教団との利害関係議員。まさしく「政治と教団による危機突破内閣」だ。性的マイノリティ差別発言を繰り返す議員を副大臣や政務官に据え、「多様性社会」「共生社会」を否定する。教団との関係を追及された議員が一様に「知らなかった」「事務所が・・・」「今後気を付ける」等、常套句のオンパレード。
私とて大した予定もないが「手帳」に通院や、友人との飲み会、レク、行事などを記している。「公人」の政治家が確認もせず、行き当たりばったりの会合出席・行動等々「見え透いた嘘」をついて庶民の眼を騙そうとするから不審者の「きょときょと眼」になるのだ。福田達夫総務会長は「党として何が問題なのか判らない」と語り国民の政治不信・怒りすら感じていない。これが「地盤」「看板」「カバン」を受け継ぎ「金のスプーン」を咥えて生まれ何の苦労も、世のなかも知らない世襲議員の内実だ。
憲法学者の樋口陽一氏、小林節氏の対談集「憲法改正の真実」に「なぜ自民党が日本国憲法を憎悪しているのか」の項がある。「鍵はやはり世襲議員達です」「憲法調査会には二世、三世とかの世襲議員と不勉強なくせに憲法改正に固執する改憲マニアが多い」、これが何を意味するかと言うと「戦前日本のエスタブリッシュメント層、保守支配層の子孫とその取り巻きであるという事実」だと。
「敗戦の怨恨」が脈々と受け継がれ「押しつけ憲法」を排し「自主憲法制定」と騒いでいるのだという。侵略戦争の最高責任者の一人が岸信介だ。敗戦と敵国への屈服という怨嗟が戦後「勝共運動を推進」する統一教会に結び付き教団の政治組織「国際勝共連合」を創設。岸、福田、安倍と繋がる「清和会(現安倍派)」が、反共という親和性の強い教団と結びつくのは必然なのだ。
「韓国はある意味では兄弟国はっきり言って日本は兄貴分」「我が国はかつて韓国を植民地にした時がある。そこを考えると韓国は日本に対してある意味兄貴分みたいなものがある」と主張し、日韓関係も「日本は常に指導的な立場に立ってしかるべきだ!」と。自民党衛藤征士郎(元衆議院副議長)の8月4日党会合での発言だ。「ウクライナはロシアの譲渡できない不可分の一部」だから独立など絶対にありえないとプーチンは侵略を正当化する。歴史を改ざんし「屁理屈」を並べ立てるは侵略者の常だ。
岸田首相は「民主主義を断固として守り抜く決意を示す」ための「国葬」だと言う。その口から旧統一教会問題と政治の関係などの言及は全くない。闇に潜む「教団と政治家の利害関係」を国民の前に晒すことになるからだろう。驕る大幹部は「自民党はびくともしない!」と吠えた。だったら国民の前に洗いざらい出せ!隠蔽改竄嘘八百を並べ立て、危うくなれば恫喝。忘れまい! 公僕として誠実に正直に生きた故赤木さんが命を賭して訴えた森友・財務省決済文書改竄の真相を。国民を喪に服させ疑惑に蓋をする共犯者に仕立てる「国葬」の狙い。バカにするなよ。何が国葬だ! (朝田)