この暑さなんとかならんか

コラム「架橋」

 今年の夏の暑さは半端ではない。毎朝、部屋の中は28度を超えている。そして、外に出れば湿度がすごい。駅へ歩くだけで汗が肌に浮き上がる。地下鉄を乗り換えるのだが、ある駅のホームの空調が効いていないようで、ものすごい熱い。空調が壊れているのかと駅員さんに聞いてみたが、そうではなくそもそも駅の構造状の問題なのか、古くでまだ手がつかないのか、エアコンが設置されていないというのだ。計ってはいないが確実に30度は超しているだろう。ここは乗り換え時間に10分以上かかる。ひたすら、汗を拭くしかない。いまでは、空調が設置されている建設作業着を着ている人や首の所に空調がついた器具を付けている女性も目立つ。
 清掃の仕事は朝が早い。ビルは空調が効いていないので、部屋の中は30度、湿度77%にもなる。毎朝のあいさつは「今日も暑いね、湿度がすごい、いつになると涼しくなるかね」など、きまって気温のことになる。作業を5分もやれば、下着まで汗でぐっしょりと濡れてしまう。これが気持ち悪い。そんなことを言ってられないのでがまんして仕事を黙々とこなす。
 こんな現場でも上司によるパワハラがある。普通に働いている人は60歳代以上の高齢者が圧倒的に多い。上司は50歳代か? 高齢者に気をつかいながら、職場の仲間意識を醸成し、仕事がなめらかになるように努力するものだが、この上司たるや強い口調で自分の思いつき?を命令する。そのくせ、自分のシフトを少なくするのか、前の上司に比べて、控室のコンピュータをいじくりまわして時間をつぶしていつでも控室を占有している。移動したり辞めていく人たちは必ず「この上司は最低で最悪だ」と言っていた。会社も非を認めて、この上司を移動することにした。
 私の経験でもこんな上司は初めてだったので、娘にこのことを話したら、「そんな自分勝手な人、私の会社にもいるよ」との返答だった。そんなに今の企業の劣化が進んでいるのかと改めて思った。 清掃業界でも人手不足が深刻で募集してもなかなか人が集まらないと聞くが一方で、東京では古いビルが壊されて新しくビル建設がいたる所で行われている。清掃業界の競争も激しいらしく、同じビルの清掃をいつまでも請け負えるわけでもなく、値下げや撤退を余儀なくされることもよくあるらしい。そうすると移動させられたり、辞めざるをえない清掃員も出てくるようだ。
 清掃員が辞めていったりすると別の人たちが穴埋めにやってくる。その中でも正規でも一つの現場だけでなく、最低二つの現場を掛け持ちでやっている人たちがいる。トータルで朝の6時半から午後3時半らしい。移動における熱さであったり、食事を外で食べざるえなく、不規則であるとか不利益が結構あるがそうした働き方をしている。70歳を過ぎても先の不安があり働かざるえない。何という社会になってしまったのか。
 別の人に協力してやれること、愚痴を聞いてやることはできる。ちょっとした気遣いが現場をなごませ、気持ちよく働くことができるものだ。(滝)

【訂正とおわび】かけはし9月18日号8面コラムの「ブラックカード」の表現について、読者から問題があると指摘がありました。見出しの「ブラックカードにNO!」と本文2段目、「これは、いわば以前あった国民基本台帳の電子版であり、健康保険証をはじめ自動車免許証、厚生年金など国民のプライバシーを政府・総務省・デジタル庁などがそのすべてを管理・監視する途方もないブラックカードである」。5段目、「徴兵制に備えた施策であることが透けて見えるのはボクだけだろうか。健康保険証の廃止、一体化はブラックカードの前段階にすぎないのだ」。
 この「ブラックカード」の表現について、「ブラック」をマイナスイメージで使っており、「レイシズムによる差別」を想起するものでした。これを削除し、「マイナンバーカードにNO!」、本文の「管理・監視する途方もないブラックカードである」の「ブラック」を削除、「健康保険証の廃止、一体化はブラックカードの前段階にすぎないのだ」を削除します。
 そして4段目、「姑息にも2万円相当のマイナポイントを付与するなどその手段を選ばないが、度重なる不祥事の波紋を受け、いまだ普及率は68・9%に過ぎない」、の「姑息にも」も女性に対する差別的表現ですので削除します。訂正しおわびします。
(かけはし編集部)


 

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