「万博中止、すべてを能登復興へ」

コラム「架橋」

 自民党各派閥の政治資金パーティー収入の虚偽記載問題。「政治刷新本部」という仰々しい名前をみて「ああ~!いつもの手法ですね」と誰もが思う。自民党議員がやってきたのは首謀者がいない詐欺事件…つまり連綿と続いてきた犯罪行為なのだ。
 「政治資金」という美名に隠れ、売り上げ金を仲間内で還元するキャッシュバック。またコソ泥のように上納前に懐に入れる「中抜き」。さすが国会で「立法権」を行使し頭を絞り知恵を出し合い練り上げた「政治資金規正法」。どのような事態にあっても「我が身」を守ることも抜け目がない。
 この事件が大きくなってから大慌てで「政治資金収支報告書」を訂正した連中に「順法」精神など一かけらもない。つまりは「不記載」はチョッとしたミスであり、いつでも訂正可能だということを国民に披露したのだ。
国税の徴収は「アリのはい出る隙間のない」ほど微に入り細に入りチェック・監視されているのに、国会議員の会計帳簿は都合によってどうにでもなるのだ。
 「皆様の力になりたい」「国民の皆様に寄り添う政治を実現する」「日本を変える」。時には涙を浮かべ、一人一人の手を握り悲壮感を漂わせ支持を訴える。しかし「東京行」の切符を手に入れたらすべてリセット。派閥リクルーター配布の「金・権力者への道」(議員時代の資産形成マニュアル)を手に派閥の同志として「絆」を深め合うのだ。
 旧統一教会問題で関連の深い安倍派所属議員の異様な静寂は何だろう?「刷新」とは「悪いところを全部取り除いて新しくする」意。憲法は「国会は国権の最高機関で国の唯一の立法機関である」と。国会議員の違法行為は「罪」に問わないとしたら岸田首相が好んで使う「民主主義」と「法による支配」とは何なのだ。
 「チョッとしたことが積み重なって」という感覚が、物価高騰に喘ぎながら日々の生活を送っている国民のいまが見えていない政治家ということなのだ。「裏金は一切ありません」とチラシ配りの安倍派5奉行の一人、説明責任も果たさぬ西村元大臣……全く懲りない奴らだ。「罪は問われない。しかも裏金は懐のなか」など絶対に許してはならない。
 1月1日最大震度7の津波が能登半島を襲った。厳冬のなかで避難生活を送る能登の人々に「頑張って」としか言えない自分がもどかしい。「万博の建設資材調達」が「能登の復興の本格化」の妨げになるのではと対応方針を話したという報道をみた。
 そもそも「巨大ギャンブル施設」の下地を作るための万博。巨額の税金を投入する「価値」がある万博なのか?地元大阪での反対の声、全国的にも関心が低く巨額赤字の発生が予測されている。たかだか「半年」の催しのために何千億円を投入する。今やるべきことは万博を中止し、その金と資材を労力を能登の復興のために使うことこそ「国民に寄り添った」政治と言うものだと思うが。
(朝田)

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