連続講座「永続革命としてのロシア革命――マルクス・エンゲルスからトロツキー・グラムシまで」

第1回「マルクス・エンゲルスの後進国革命論の変遷」

 7月21日、トロツキー研究所とアジア連帯講座の共催で森田成也さん(大学非常勤講師)を講師に連続講座「永続革命としてのロシア革――マルクス・エンゲルスからトロツキー・グラムシまで」 をテーマに第1回「マルクス・エンゲルスの後進国革命論の変遷」が行われた。
 講座は、「今年は1917年のロシア革命100周年に当たります。言うまでもなく、 1917年ロシア革命は、歴史上初めて成功したプロレタリア社会主義革命 であるというだけでなく、この革命の10年以上前からその発展力学が主要 な参加者によって予見されていた世界で最初の革命でもあります。マルクス主義はその際、最も重要な理論的ツールとなりました。『永続革命』として成功したロシア革命の発展力学を理解するために、マルクスとエンゲ ルスのロシア革命論から始まって、プレハーノフとレーニンを経て、トロツ キーとグラムシに至るまでのマルクス主義革命論の歴史を四回にわたって改めてきっちりと振り返ります。それによって、ロシア革命の歴史的意義とその限界とを理解し、21世紀における反資本主義革命を展望するための理論的基礎を学びます」 という位置づけのもとに開催した。
 森田さんは、講座開始にあたって冒頭、「今年はロシア革命100年ということですが、さまざまな切り口からロシア革命を論ずることができると思います。ロシア革命そのものの意義であるとか、今日におけるその教訓であるとか、あるいは世界史におけるロシア革命の位置づけなど、いろんな視角から検討できると思います。そうした中で今回の講座は、より理論的にロシア革命の問題にアプローチしたい。マルクスとエンゲルスから始まってさまざまなマルクス主義者によってロシア革命あるいは後進国革命というものがどのように理解され、解釈され、概念化されていったの か、そういう切り口からじっくりと分析したいというのが講座の目的です」と述べた。
 そのうえで「マルクス・エンゲルスとロシア革命との関係と言っても、二つの論点、二つの基軸がそこには絡み合っています。第一の基軸は、マルクス・エンゲルスの後進国革命論、もっと限定すれば、ドイツ革命論です。今日は第1の機軸についてのみお話し、 次回にマルクスとエンゲルスのロシア像、ロシア革命像についてお話します」と説明した。
 第1回講座で森田さんは、①革命論の弁証法的発展モデル②ドイツ革命論の最初の出発点③史的唯物論の確立と革命論の転換④1848年革命の衝撃とドイツ革命論の再転換⑤反動期におけるマルクスとエンゲルスのドイツ革命像⑥『経済学批判』序言と『資本論』初版序文⑦晩年のマルクスとエンゲルスにおけるドイツ革命論─について提起した。
 なお第1回講座全文は「かけはし」HPに掲載予定です。(Y)

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