オリンピックは廃止だ!

かけはし 第2655号 2021年3月1日

2.20 五輪ミュージアム前で抗議
福島の被災者の声を聞け

 2月20日、東京・千駄ヶ谷のJOC(日本オリンピック委員会)前で、2021東京五輪の中止を求める、緊急の行動が行われた。東京五輪おことわリンク、反五輪の会が呼びかけた。名付けて「中止一択!東京五輪 そしてオリンピック廃止へ!JOCアクション」。
 2月12日に、女性差別暴言のため東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗元首相が辞任し、さらに森が後継に据えようとした川淵三郎(元日本サッカー協会会長)にも批判が高まる中で、冬・夏合わせて7度にわたり五輪に出場した銅メダリストでもある橋本聖子五輪相にお鉢がまわってきた。橋本に代わる新五輪相も丸川珠代になった。
 組織委理事の女性比率も、これまでの20%から40%に引き上げるという。女性差別発言で退任した森に代わって、女性メダリストの閣僚を新会長に選出させることで、開催そのものが危機に瀕している数カ月後に迫った21年東京五輪開催をなんとか強行しよう、というシナリオである。
 しかし会長を元首相の森から、元五輪女性メダリストに替えたところで、貧困・失業・環境破壊、差別・武力紛争・独裁政治がうずまく世界に、数週間だけの「ナショナリズムの熱気」を煽り立てるオリンピックのシナリオは変わるわけがない。

ウソにまみれた
五輪はいらない


この日、午後2時から東京・千駄ヶ谷のオリンピック・ミュージアム前に40人が参加して行動が始まった。この日の行動では、野宿の仲間たちを支援している人びとによる炊き出しの食事もふるまわれ、警察やJOC職員の妨害をはねのけながら、元気にかつ怒りをこめてオリンピックがいかに人びとの生活を脅かし、ナショナリズムを鼓舞し、差別意識をあおり、環境を破壊する祭典なのかについての発言が続いた。
「聖火リレー」のスタートとされる福島の原発被災地から黒田節子さん、木幡ますみさんが電話で、「オリンピックどころじゃねえー」の発言をしていただいた。福島では3月25日から「聖火リレー」がスタートする予定だ。しかし「聖火リレー」は福島の被災地の10年後の現実を変えることはできない。「復興」とはほど遠い現状が浮かび上がってくる。
安倍前首相が2013年9月、アルゼンチンで開催されたIOC総会で、2020年に予定されていたオリンピックの開催地を、わずか2年前の東日本大震災と福島原発事故の大災害を「アンダー・コントロール」されているという虚偽のメッセージでもぎとってから8年、まさしく「原発災害」は今でも「過去の災害」ではないのだ。
この日のJOCに向けた行動は、「原発事故にうちかった復興」をうたいあげようとする「コロナ禍」の下でのグローバル祝祭イベントの犯罪性を明らかにするための行動だった。さらに「反五輪」の訴えを、さまざまな角度から広げていこう。       (K)

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