森辞任では終らせない

かけはし 第2657号 2021年3月15日

3.6 オリンピックは中止だ中止
JOC本部前で抗議の行動

 3月6日、東京・千駄ヶ谷のJOC(日本オリンピック委員会)ビル前で、「中止一択・東京五輪 そしてオリンピック廃止へ! JOC前アクション&デモ」が行われた。呼びかけたのは東京五輪おことわリンクと反五輪の会。さわやかな春空の下、午後2時から集会・アクションが行われた。参加者は80人。

ジェンダー差
別との闘いを


集会では、谷口源太郎さん(スポーツ・ジャーナリスト)が、いわゆる「オリンピズム」とは無縁のIOC(国際五輪委員会)の現実、そしてその「ドン」であるトーマス・バッハ会長の人物像を厳しく批判した。バッハは橋本聖子がJOCの会長になったことを「完璧な人事」と絶賛している、ということだ。
バッハと森元首相(JOC前会長)は互いに手を組んでいた「同じ穴のムジナ」であると厳しく批判した谷口さんは、原子力緊急事態に加えたコロナ緊急事態の下でコロナ感染者は全世界で1億1000万人、死者も250万人に達するという異常な状況が進行していることに注意を喚起した。そして「こんな事態の下で五輪をやるとは何事か。すべてはおカネと国家主義、つまり政治的・経済的利害のためだ。スポーツはそれをごまかす理由に使われているだけだ」と訴えた。
アジア女性資料センターからは、森喜朗前JOC会長の女性差別発言に抗議声明を出したことを報告するとともに、「今こそ五輪そのものが持っている差別構造に対してフェミニストとしての声明を出すべき時だ。『理想のパフォーマンスを見せる理想の身体平等』を主張しようが、それをジェンダーの観点から提起されたことはない。問題は森発言だけではない」との訴えが行われた。
さらに「コロナ危機においては女性たちにとりわけ大きな影響がもたらされている。それは経済構造に大きな原因がある、と言われる。世界中のフェミニストが新自由主義によって傷つけられた医療の問題として論議しはじめている。森元首相のような『分かりやすい』発言だけではなく、五輪自身に貫かれたジェンダー差別とどのように闘っていくか」との問題提起があった。

国家と資本の
「祭典」に抗議


次に原発事故被災地の福島からのアピール。福島県内では3月25日から原発事故被災地を通る「聖火リレー」が始まる。福島県郡山市の「虹と緑の会」からのアピールでは、「さまざまなレベルで巨額の『復興支援』が投ぜられているが、住民の役に立つか疑問だ。『復興五輪』というキャッチフレーズには騙されない。『コロナ緊急事態』は東京だけではない。真実は後出しで知らされる。福島は東京よりも危険だ。引き返せ! 中止する勇気を!」のアピールが寄せられた。
「オリンピック終息宣言展」の仲間からは「森が五輪組織委員長じゃなくなったからいいという問題ではない。島根県の丸山達也知事は今の五輪のあり方を批判し聖火リレーを辞退する、と言っている。『聖火リレー辞退』が相次ぐものになる可能性もある」との発言があった。そしてIOCのバッハ会長は「ノーベル平和賞」ほしさに広島からの聖火リレーで自ら走ると語っているが、とんでもない」と訴えた。
東京南部の蒲田、大森で野宿者の支援やドヤ街の医療活動を行っている仲間は、医療関係者を酷使しつつ野宿者への強制排除を行い、優生思想・排外主義をまきちらす五輪は即刻中止を!と呼びかけた。
「オリンピックおことわリンク」の宮崎さんは、「森元首相の女性差別発言は今に始まったことではないが、もともとオリンピックの『父』とされるクーベルタンの思想も、植民地主義と女性差罰に貫かれたものだった。それは近代五輪の始めからそうだ」と指摘した。そして東京五輪の人事が「女性登用」で少しはマシになったという報道についても「とんでもない」と批判し、オリンピックの即時中止を! と呼びかけた。
集会後、休日でにぎわう外苑、表参道を通るデモを行い「オリンピックをやめよう」と人びとに呼びかけた。デモ終了後、JOC前に戻った仲間たちは本部前の大きな五輪の彫像をビニールシートで覆い隠すパフォーマンスも行った。
森元首相の女性差別発言による「東京五輪・パラリンピック」組織委員会会長辞任に端を発した一連の事態は、近代オリンピックのあり方そのものに疑義を表明する動きを広げつつある。「国家と資本のためのイベント=オリンピックはいらない」の訴えを広げよう。        (K)

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