投書「野球少女」を観て
SM
「野球少女」(監督チェ・ユンテ、2019年、韓国)を観た。これは、プロ野球選手になることをめざす女性チュ・スイン(イ・ジュヨン)のたたかいを描いた劇映画だ。スインは、韓国最初の女子野球選手がモデルであるという。
この映画は女性を「男性を性的に楽しませる従属物」のようには描いていない。「男社会の従属物」のようには描いていない。女性を人間として描いている。観客の多くは、この映画を観ているうちにいつの間にかスインを応援していることにきづくはずだ。私が高校の教師だったら、特別授業でこの映画を生徒たちと一緒に観に行くだろう。この映画はなるべく多くの人に観てもらいたい。
痴漢もレイプも買春もない社会、性暴力も性差別もない社会、そんな社会を生きているうちに実現する。そう決意する。私にはそういう決意がたりなかったかも知れない。反省しなければならない。
この映画を観て私は感動した。ただし、この映画は「現代スポーツそのものの問題点」には触れられていない。そこには不満を感じた。ハン・トンヒョンさん(日本映画大学教員/社会学)は「スインの母親の描き方」に不満をのべている(映画パンフレット)。そういう問題もあるのかも知れない。そう思った。
「差別も暴力もない世界」を作り出そう。
(2021年7月25日)
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