8.21分断と差別・優生思想のパラリンピックに抗議!(2021年9月6日発行)

コロナ災害の
広がりの中で
 8月21日、「分断と差別、優生思想のパラリンピックに反対する!」デモを行った。主催者のオリンピック災害おことわり連絡会と反五輪の会は、行動に向けて以下のように呼びかけた。
 「五輪は終わったが、そのツケは早くも私たちの社会を覆い始めています。開催中1万人を突破したコロナ感染者数は、終了後2万人を突破(全国で)、その勢いは 止まらず『制御不能、災害レベル、自分の身は自分で守る』(8・12東京都モニタリング会議)という状況が続いています。『人の命より五輪が大事」ー開催都市で繰り返されてきた棄民化の政治が、誰にもわかる形で露呈した史上最悪の東京大会でした。
 で、あろうことか、『災害レベル』の状況の中、今度はパラリンピックを開催するといいます。あり得ない!元々は戦傷者のリハビリから始まったパラリンピック。競い合うことで社会復帰を促すことが原点でした。
 現在はどうでしょう?ス ポンサーからの支援を受けられる一握りのパラアスリートたちが、高額の装具で競い合います。IPC(国際パラリンピック委員会)の定めた厳しい選考基準をクリアした選手だけが参加できる特別の大会なのです。『障害者を対象とした、も う一つのオリンピック』(東京都オリ・パラ準備局)は、障害を持つ多くの人と は無縁の世界です。
 『もう一つのオリンピック』はオリンピックとは別のものです。五輪の中で多様性を謳っても、決していっしょにはやりません。すでにパラアスリートの記録が オリンピックメダリストの記録を追い越す勢いの競技もありますが、五輪大会への参加は却られました。なぜ?『障害』を克服して一流にたどり着いたトップ・ パラアスリートの姿は、人々に感動を与え、『健常』と言われる人々に努力を求める格好の道徳教材になります。
 実際、このコロナ禍、無観客でも教育的意義があると、子どもたちのパラ観戦(学校連携観戦)が検討されています。許せん! 与えられた枠組みの中で顕彰されるパラリンピックは真の障害者理解とは程遠いもの、私たちの求めるインクルーシブな社会は、もっと身近なところからしか始まらないと思います。
 障害を持つ人とそうでない人、障害者の中にもより、差別と分断、そして優生思 想を内包するのがパラリンピックです。オリンピックもパラリンピックも根底に ある問題性は同じだけれども、もっと複雑なのがパラリンピックなのではないで しょうか。オリンピックもパラリンピックも、どちらもいらない。パラリンピッ クの開催に反対します!デモと開会式への抗議に集まれ!」。

新橋SL広場
での前段集会
  集合場所の新橋駅前・SL広場で前段集会が行われ、次々とアピールが続いた。
 司会の中森圭子さん(連絡会)は、「コロナ感染者が爆発的に拡大している状況下で、まだパラリンピックを強行開催しようとしている。オリ・パラはいろんな人の人権を奪い、排除と差別で成り立ち、人々を分断する。国際パラリンピック委員会(IPC)は、安心・安全のバブルをやっているから感染は大丈夫だと言っている。コロナによって職が奪われ、食事も困り、感染しても治療も受けられない、亡くなる人も増えているのに、なぜ安心・安全な対策ができていると言えるのか。24日から始まるパラリンピック反対の声を上げていこう」と訴えた。
 反五輪の会は、23日、東京パラリンピックの聖火をまとめる「全国集火式」が行われた迎賓館赤坂離宮に対する抗議行動を報告し、「聖火リレーは、各地の宣伝と神がかったもののデッチ上げだ。私たちには、集まるな、出かけるな、県境を越えるな、飲食するなと言っておきながら、迎賓館で集火式を行っている。橋本聖子、菅首相、小池都知事、パーソンズIPC会長など多人数が集まった。警察の妨害を許さず、抗議の声は、しっかりとセレモニー会場に届いたはずだ」と発言。

学校連携での
「観戦」強行!
 都立学校労働者は、「パラリンピック観戦のために学校ぐるみで『学校連携観戦』がいくつかの自治体で強行されようとしている。その中でも杉並区は、小学校の保護者に緊急のメールを送りつけ、子どもの参加同意を強要しようというのだ。保護者からの電話の問い合せが殺到しているという。子どもの健康や安全など全く考えていない。責任の所在もはっきりせず、自己責任の押しつけだ。都教委は、コロナ対策として違う学年の交流を止めるように指導している。だが、競技場への移動のバスは、色々な学年が乗り合わせることになってしまう。あまりにも問題が多すぎる。学校現場、子ども、保護者を大混乱に追い込んでいる。パラリンピックは中止だ、子どもたちの動員をやめろ」と批判した。
 学校事務労働者は、「パラリンピックのテニスの連携観戦をする予定だったが、会議では養護教諭が反対し、校長は判断できなかった。大田区はオリパラ『学校連携観戦』を中止にしてしまったため、学校も中止となった。都教委の委員は、全員が連携観戦を止めるべきだという立場だが、都教委は止めようとしない。小池都知事は、『教育的効果が高い』と言っているが、パラリンピックは『高く、早く、強く』という価値観に支配されている。どこが教育的効果が高いのか。『障害者の人が頑張っている姿を見る』というロジックで学校連携観戦を押し進めようとしている。パラリンピックは、障害の程度に応じて細分化され競技が行われ、競争主義に貫かれた大会だ」と強調した。

自衛隊基地で
参加を強要!
 京極紀子さん(連絡会)は、「国立競技場の年間維持費が年間24億円かかるという。オリパラ後、このような問題が次々と出てくるだろう。やぶれかぶれでオリパラを推進し、すでに暴走状態だ。障害者を担ぎ出し、子どもたちを連れてくる。ご当地の宣伝とセットだ。戦前と同じ、天皇を上に置き、国のためになる子どもたちを作り出そうとしている。戦時中の動員態勢と同じだ。新座市の学校は、埼玉の朝霞駐屯地で行われる射撃競技に動員しようとしている。こんなことは止めさせよう」と呼びかけた。
 オリンピックをやめて県民のいのちをまもる埼玉の会は、「新座市の栄小学校が学校連携観戦で朝霞駐屯地の射撃競技に参加させようとしている。校長などと交渉をしている。だが学校の近くということで準備してきたと言っているが、責任所在、親の同意などあいまいなことだらけだ。優生思想、競争原理、共生社会を打ち破るものだ。中止に向けて取り組んでいきたい」と報告した。

医療崩壊は
菅首相の責任だ
 越智祥太さん(医師/ことぶき共同診療所)は、「医療現場の労働者は、こういう集会に来たくても来れない状態になっている。感染症の対応に追われて保健所も大変なことになっている。残業、残業で疲れ果てている。その中で感染が拡大している。入院させたいと判断しても、入院できるのだろうかと悩んでしまう状態だ。妊娠した女性、子どもの命が奪われてしまってもいる。政府は訪問医療をやれと言っているが、丸投げでしかない。コロナ対応のため基礎疾患に対する医療活動ができなくなっている。この医療崩壊を招いたのは菅首相だ。パラリンピックを強行し、命が奪われることを許すことはできない。命の選別、分断をやめさせなければならない」と糾弾した。
 集会後、銀座に向けてデモに移り、「パラリンピック反対! 命が大事だ!」とシュプレヒコールを響かせた。   (Y)


 


 

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