投書 パラリンピック開催抗議行動に参加して(2021年9月6日発行)

S・M

 8月24日・火曜日、19時JOC前(外苑前駅)で「パラリンピック止めろ!開催に抗議するスタンディング~分断と差別、優生思想のパラリンピックに反対する!」(呼びかけ:オリンピック災害おことわり連絡会、反五輪の会)があるというので、平日だが外苑前駅に行ってみた。ホームページには「アクションに参加を予定されている皆さんへ」として、「ナショナリズムを象徴するもの、国旗の持ち込み、ヘイトスピーチはおことわりします。私たちは『国民』という表現を使いません。日本社会で生活するすべての人の命、権利を求めます」「意見の相違を暴力で解決することを肯定し、開き直りをする個人、団体の参加はお断りいたします」と書いてあった。
 外苑前駅を降りてまごまごしていると、反対派らしき市民の人たちが準備をしていた。準備が終わり市民の人たちが移動を始めたので、ついていった。準備の時も市民を警官が取り囲んでいたのだが、少し移動すると警官が反対派の市民を通さないようにしていた。

民主主義など
どこにもない
 8月8日・日曜日のオリンピック閉会式の時も「関係者以外通れません」「協力お願いします」みたいなことをいって通れないようにしていたので、今回も同じと思われる。またか。警察は「誰の指示か」「法律の何条にもとづいているのか」何も答えない。拒否する権利も認めるのが「協力」だと思うが、拒否する権利は認めようとしない。これでは「協力」ではなく「強制」だ、「暴力」だ、「日本は無法国家・暴力国家で、日本の政治体制は独裁体制なのか」と思った。
 警察の弾圧(暴力)と市民の抗議のやりとりが続いているうちに、誰かが警察にケガをさせられ血が出たらしい。誰かが頭(後頭部)をおさえていて、周りの人が警察を非難していた。「黒人を射殺するアメリカの警察と市民を弾圧する日本の警察とどこが違うのか」「命令なら市民を殺すのか」「ミャンマーの軍隊のように市民を殺すのか」。そういってみたが、警官は何も答えなかった。「非暴力・無抵抗の市民に暴力をふるいケガをさせ、血が出たのだ。そのことを家族に誇らしく報告出来るのか」。そうもいってみたが、警官は何も答えなかった。
 「非暴力・無抵抗の反対派を暴力で弾圧する、どこに民主主義があるのか、どこに表現の自由・集会の自由があるのか」。そう思った。戦争中、戦争に協力し、市民に拷問を加えるなどひどいことをやった警察。そのことを何1つ反省せず、何1つ責任を取らず、戦後も共産党や市民運動を敵視し、政権の手先として動いてきた警察。そんな警察は、少なくとも政治警察は、解体されるべきだ。

「共生社会」を
どう作るのか
 パラリンピックで「共生社会」など実現しない。腐敗した政権と共存するパラリンピックはいらない。「共生社会」の実現のためには、社会を根本から変革する必要がある。式典に天皇の出席するパラリンピックは、ナンセンスだ。天皇(天皇制)と共存する「反差別」は、インチキだ。天皇制もオリパラもいらない。暴力で市民を排除し、市民にケガをさせる。これがオリパラの正体だ。私はそう思う。
 新聞は、反対派の行動をどう報道したのか。8月25日・水曜日の『朝日新聞』『毎日新聞』『神奈川新聞』『日刊スポーツ』『読売新聞』『産経新聞』『日本経済新聞』の朝刊にざっと目を通してみた。『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『産経新聞』『日本経済新聞』は私の見間違いでなければ市民の反対行動を何も報道していなかった。『東京新聞』『神奈川新聞』『日刊スポーツ』は市民の反対行動を報道していたが、『神奈川新聞』は警察の暴力でケガ人が出て血が出たことについては何も報道していなかった。
 反対派がホームページで「国民という表現を使いません」といっているのに、記事の見出しは「『国民の命優先』数十人集い抗議…」というものだった。『東京新聞』『日刊スポーツ』はケガで出血する参加者もいたことを報道しているが、『東京新聞』は「誰がケガをさせたのか」があいまいな書き方だった。『東京新聞』は「抗議の意思を表明しているだけなのに、威圧的に取り囲まれたので騒動になった。残念だ」という参加者の声を報道して、「騒動の原因を誰が作ったのか」を報道していた。だが、『日刊スポーツ』はまるで抗議するほうが悪いかのような報道だった。

差別も暴力も
ない世界作ろう
 杉原浩司さんは(武器取引反対ネットワーク:NAJAT)は、インターネット(レイバーネット日本)で『日刊スポーツ』の報道を「参加者をことさら『粗暴』に表現する残念な報道です」とのべている。『日刊スポーツ』は「オリンピックの開・閉会式のときは、なごやかだった」みたいなことも書いているが、デタラメだと思った。また仲間の1人が不当逮捕されたことは、どこも報道していなかった。
 杉原浩司さんはインターネット(レイバーネット日本)で「声を上げ続けることが必要です。今後、被逮捕者の救援も呼びかけられますのでご協力ください」「【抗議先】〈警視庁赤坂署〉03-3475-0110 ※184を最初に付けると発信者番号が伝わりません」と書いている。
 オリパラ反対。オリパラにかかる費用をコロナ対策に回せ。人間はみんな平等だ。自由・平等・平和。天皇制はいらない。社会の根本的変革で「共生社会」の実現を。生きているうちに「差別も暴力もない世界」を実現しよう。
  (2021年8月30日)

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