投稿 医薬品特許をめぐる対立(3)(9月13日号)

新型コロナワクチンの光と影
たじま よしお

 月刊『世界』9月号に、内田聖子さん(アジア太平洋資料センター共同代表)による「パンデミックが映す命の格差」なる文章が掲載されていますので、それを紹介しながら今一度特許制度について考えてみたいと思います。一昨年の秋、新型コロナウイルスが蔓延してから1年足らずでワクチンが開発されるという、超スピードにびっくりさせられましたが、それには永い年月をかけた伏線があったということです。

特許は誰のもの!

 「そもそも、今回脚光を浴びることとなったmRNAワクチンは、ハンガリー出身のカタリン・カリコ博士による40年以上の研究成果のおかげだ。米国の大学で研究するも日の目を見ず、研究資金も尽きドイツのビオンテック社に移った彼女の研究がコロナ禍で注目され、ファイザーやモデルナがmRNAワクチンとして製品化したのだ。彼女の研究にさまざまな形で注がれた各国政府の公的資金・民間資金や、治験参加者(途上国の市民を含む)の努力があったからこそ、私たちは現在のワクチンを手にしている」。
 「米国モデルナのワクチンの中核となる新技術は、米国政府の資金提供によって米国立衛生研究所が開発したものだ。その上でモデルナは研究支援とワクチンの先行契約のため合計約25億ドルを米国政府から受け取っている。またファイザーは、ワクチン開発のためにドイツ政府から4億4300万ドルの資金提供を受けたが、その後、米国とEUから合計60億ドルで購入契約を交わしている。……略……日本の我々の税金も、国際機関を通じてこれら製薬企業へ拠出されている」。

 以上の文章から考えられることは、モデルナそしてファイザーが取得しているという医薬品特許も、カタリン・カリコ博士による基礎的な研究成果の上に成り立っているということです。そして各製薬企業が取得しているという特許に至る研究費も、額に汗して働いている労働者・民衆から搾り取った血税で賄われているということになります。
 2020年10月2日世界貿易機関(WTO)の知的財産権理事会で南アフリカとインドは、新型コロナ関連のワクチン、医療品などに関わる知的財産権を「一時免除」するよう全加盟国に求める共同提案をしました。この提案に対して、ケニア、モザンビーク、ボリビアの他、43カ国のアフリカグループが共同提案国として加わり、他にも多くの途上国・新興国が次々と支持を表明し、約100カ国が賛成したのです。

山を動かした
のは誰か!
 米国のメディアの動きは鈍かったようです。リベラルで知られるニューヨークタイムズは、2020年の暮れに進歩派の経済学者の賛成意見を、年が明けて国際製薬団体連合会事務局長の反対意見を掲載しています。「『ウオール・ストリートジャーナル』は編集委員会の文責にて、インドと南アの免除提案を『特許の強盗だ』と非難し、先進国の主張に沿った記事を掲載した」とあります。
 ここからは私の推測ですが、米国のメディアの台所も製薬企業の宣伝広告費に依存しているところ大であり、正面きって賛成できなかったのではないかと思うのです。
 「こうした攻防の中、ジャーナリストのナオミ・クラインが主宰するインターネットメデイア『The Intercept』は、途上国の提案を受け入れないようにと100人以上のロビイストをワシントンに送り込んでいた事実を暴露し、その利益追求の姿勢を厳しく批判した」。
 バイデン大統領自身はオバマ政権の副大統領時代、TPP協定を含む自由貿易を推進してきましたし、コロナ対策も国内向けでしたから、当然知的財産権の免除提案には反対し続けるものと見られていました。
 「ところが、民主党の内側からバイデンを突き上げる勢力が続々と現れ始めたのである。バーニー・サンダースやナンシー・ペロシなど有力議員のほか、急先鋒となったのがジャン・シャコフスキー下院議員だ。国会議員を12期務める77歳の彼女は、米国での医療保険制度の拡充や大企業・富裕層への課税、女性の権利向上などを主要課題としている。これら議員が中心となり、110人の下院議員が連名でバイデン大統領に知財免除に賛成するよう求める書簡を突きつけた。
 2021年4月、キャンペーンは最大の山場を迎えた。市民はファイザーなど製薬企業の本社前でデモを行い、オンライン集会も頻繁に開催された。NGOや労働組合だけでなく医療エッセンシャル・ワーカーや国会議員、元政府高官も運動に参加した他、航空業界の代表なども積極的な発言をした。コロナ禍で大打撃を受ける業界にとって、一刻も早い感染終息は企業活動の生命線だ。こうした企業も味方につけつつ運動は最高潮に達した。
 そしてついに5月5日、米国通称代表部(USRT)代表のキャサリン・タイが、『米国はインド・南アの知的財産権の免除に賛成する』との文書を公表した。誰もが目を疑ったこの発表は、インターネットを通じて一瞬に世界中に拡散され、『山が動いた』『市民社会と民主党議員による快挙』と、各国の市民社会は大きく沸き立った」。

新型コロナワクチンの暗部にも光を
 いつの頃だったか記憶はあいまいですがテレビで、ワクチン接種後の死者が180数名、そして翌日、190数名という報道があり、それ以後ぷっつりとワクチン接種後の死亡者数のことが報道されなくなりました。それで、ネットで「厚生労働省」を検索したところ「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」という項目が出てきましたので、コピーをそのまま貼り付けます。
 第63回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副 反応検討部会、令和3年度第12回薬事・食品衛生審議 会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料 1―3―1 2021(令和3)年7月7日
 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)1 報告状況
 ○前回の合同部会(6月23日)以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告において、医療機関又は製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに99件あり、令和3年2月17日から令和3年6月27日までに報告された死亡事例は計453件となった(別紙1、2)。
 ※6月23日以降の調査においてNo、158とNo、215が同一症例であることが明らかとなったため、No、21をNo、158に統合。別紙1No(No、1―454)と報告事例数(453件)は一致しない。
○なお、上記に加え、令和3年6月28日から令和3年7月2日までに、医療機関又は製造販売業者から死亡として報告された事例が101件あった。……略……α(ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの)1件★※β(ワクチンと症状名との因果関係が認められないもの)7件※γ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの) 451件

 上記「概要」から、2月17日から7月2日までにワクチン接種後に、亡くなった方は554人ということになります。しかしその後、8月7日に検索したところ死亡者数は828人になっていました。

「ニッポンの崖
っぷち」より
 この「ニッポンの崖っぷち」には「COVID―19ワクチンに関する厚生労働省の最新情報」という動画が配信されています。名古屋大学名誉教授・小島勢二さんが厚生労働省のホームページの情報を、総合的にまとめて分析しています。山岡淳一郎さんが質問するというかたちで、司会は升味佐江子さんです。
 小島勢二さんの説明によると、2019年のインフルエンザワクチン接種後の死亡は100万回につき0・11人で、今回の新型コロナワクチン接種後の死亡は100万回につき12・6人となっているということです。医療従事者も約160万回接種を受けていますが100万回につき6・2人の死亡が報告されています。医療従事者の多くは40才代前後ですから、年齢によって差があるのだと思われます。その死因については、くも膜(まく)下(か)出血(しゅっけつ)、大動脈解離、心筋梗塞(血圧上昇)、心室細動、脳幹出血、肺塞栓などが挙げられるとなっています。これらの症状に共通するものは「血流」です。高齢者の場合、血圧を調整するための常備薬を服用しているケースが多く、その薬品の成分にワクチンと仲(なか)違(たが)いをする成分が含まれている場合、副作用を起こし死に至るケースが見られるようです。高齢者の死亡については、ワクチンを接種してもしなくても死亡するケースは否定できませんが、ワクチン接種後の死亡者数の推移の棒グラフを見ますと、明らかにワクチンが原因であることが読み取れます。棒グラフですから正確な数字は読み取れません。約何人と表記することにします。
 ワクチン接種当日の死亡者数は約25人、2日目は約97人、3日目は約53人、4日目は約30人、5日目は約27人、6日目は約20人、7日目は約15人で、1週間が過ぎますとずっと一桁も小人数で推移してゆき、20日目に約10人に跳ね上がっています。

今私たちがな
すべきことは
 テレビのワイドショーに登場する医療関係者は、この厚生労働省の情報をおそらく知っているものと思われますが、何故かこのことに触れようとしません。これは世界的な傾向でもあるようです。死亡した人の遺族の方達の気持ちはどんなでしょうか。補償の問題が表面化しますからあえて言及しないのかもしれませんが、誰かが一角を突き崩すのを待っているようにも思えます。
 ワクチン摂取後に亡くなった人たちは、一言で言うなら「私たちの代わりに死んでくれた人たち=人柱」ということができます。今私たちがなすべきことは、集団訴訟を起こしやすい世論を創ることではないかと思うのです。それと、アフリカや東南アジアの途上国でワクチン接種が本格化するのは、今から約1年半先の2023年の初めからと予測されています。そして、5月25日の国会での茂木外相の知的財産権に関する答弁にも曖昧なところがあり、反対側に転ぶ可能性は否定できません。
 この秋の衆議院選挙の野党共闘の共通スローガンは「新型コロナ関係の知的財産権の免除」はどうしても譲ることはできません。この原稿は私の生まれ育った集落で、小さな意見広告運動を興したいという思いで着手したものです。草の根の、泥つきの情報を発信して、野党共闘に連帯してゆきたいと思います。
 (2021・8・15)

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