9.5オリ・パラはこれで終わりに(9月20日発行)

国家主義・能力主義の「祭典」はいらない
反対運動が照らし出した五輪の「闇」
翼賛報道に厳しい批判を

人びとは批判
の声をあげた
 9月5日、コロナ禍の中で強行されたオリンピック・パラリンピックも、ついに最終日をむかえることになった。「オリ・パラ」に対して、日本に住む労働者・学生・市民たちが自覚的にそのさまざまな問題点をえぐりだし、相互に論議をかわしながら、「国家主義と能力主義」にからめとられたこの世界的イベントに自覚的にノーの声を上げたことは、決して軽視すべきではない。
 この日、オリンピックおことわリンク、反五輪の会の活動に取り組んできた仲間たちは午後5時から原宿駅前で、警察の妨害をはねのけながら、差別と国家主義、排外主義に貫かれた「オリ・パラ」のあり方を厳しく批判する行動を行った。
 さすがにマスメディアの中でも、オリ・パラに対する批判を完全に無視したり、素通りすることはできなくなっている。朝日新聞の9月6日付朝刊1面の東京本社社会部長の隅田佳孝の記事は次のように述べる。
 「一方で、五輪・パラリンピック開催までの曲折を振り返ったときに浮かぶのは『多様性と調和』という大会の理念からほど遠い日本社会のありようだ」「大会組織委員会トップの女性蔑視発言と後任選びの混乱を通じて、変わらぬ男性中心社会が浮き彫りになった。過去にナチスのユダヤ人虐殺を揶揄するコントを作っていた劇作家や、障がい者をいじめた経験を雑誌記事で反省する様子なく語っていた音楽家が、閉会式の演出担当に選ばれていたことも明るみに出た」。
 しかし彼は、こうした「問題点」と「オリンピックの理念」を切り離すことによって「理念」そのものの中にある差別と国家主義が、近代オリンピックの「本質」にかかわることだということを覆い隠そうとするのである。こうしたごまかしをあらためて丁寧に批判していくことが重要だ。

千駄ヶ谷駅前
で反五輪集会
 原宿駅前での集会を終えた仲間たちは、デモで国立競技場に近い千駄ヶ谷駅前に向かう。そこでは、午後7時からさらに多くの人びとと合流し、オリンピック警備をはねのけ、駅前で国家主義スポーツ、差別再生産システムとしての「五輪」のありかたを多様な角度から批判する集会が1時間以上にわたって繰り広げられた。
 「国家主義スポーツ」としてのオリンピック・パラリンピック、能力主義と競争意識に貫かれたスポーツ観への批判をふくめて、「コロナ禍の中での東京オリ・パラ」に反対する取り組みを今後につなげていこう。          (K)

オリ・パラは東京で終わりにしよう(9.5JR千駄ヶ谷駅前)

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