自民党・統一教会の運命共同体への途(4)

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たじま よしお

若者の心をとらえる原理研究会

 原理研究会とはwikipediaによると次のような説明になっています。「大学における原理研究会。とは、世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会、統一教会)の総裁、文鮮明が提唱する〝統一原理”を研究する非営利団体。厳密には個々の大学にある原理研究会という学生サークルの連合体である。現在は、個々の大学または大学周辺地域の学生サークル活動として統一原理にある「為に生きる」という理念を基に、ボランティアなどの地域貢献活動を行っている。世界80カ国で活動。日本では70の大学にあるとされる」。
 大阪大学では、原理研へ入会を誘われて困っている学生の相談窓口を大学当局が開設していると言います。しかし原理研の学生たちはみんな真面目な若者たちであるというのです。
 私は何年か前から『中学生の歴史・帝国書院』と高校生のための『詳説・日本史/山川出版社』を身近に置いて時々目を通しています。国政選挙の投票結果から見ると最近の若者は保守化する傾向にあるという話を聞いて、学校現場ではどんな教育がなされているのだろうかと思ったのがきっかけでした。
 しかしそれらは読み物としても結構面白いのです。例えば地球上の最古の人類は東アフリカのタンガニイカ地方で1959年に発掘されたジンジャントロプスで、175万年前のものというのがそれまでの私の認識でした。しかし「中学生の歴史」には最古の人類・猿人は約700万年前アフリカで出現したとなっているのです。
 私のそれまでの知識と500万年以上離れていてはそのままにはして置けないのです。それで専門書を購入して暗記を始める、こんな話を始めたらキリがありません。本題に戻りたいと思います。
 
教科書から見る学校現場

 『中学生の歴史・帝国書院』には強制連行のことが「日本は企業などで半ば強引に割り当てを決めて朝鮮人や中国人を集め、日本各地の炭鉱・鉱山などに連れて行き、低い賃金で厳しい仕事に就かせました」とあります。これはなんとも曖昧な表現です。
 朝鮮人や中国人を集め、とありますが軍すなわち国の関与がなければ「集める」ことなどできないのです。そして安い賃金を支払ったケースも、全く支払わなかったケースもあり、この記述には悪意を感じます。そしてこの「中学生の歴史」には従軍慰安婦の記述はありません。
 高校生のための『詳説日本史』には強制連行・従軍慰安婦の記述は見られますが、注釈の部分に拡大鏡を必要とするような細かい文字になっています。これなどは良心的なのかもと思い「新しい歴史教科書をつくる会」のホームページを覗いてみたところ次のように書かれていました。
 「『南京大虐殺』『従軍慰安婦』…今、全国の学校で使われている歴史教科書の多くは、ありもしない話を多く並べた、過去の日本を貶めるものばかりです。そして今年に入り、『従軍慰安婦』問題は、いよいよ世界中に広がりを見せ始めました。これで子供たちは、自分の国に誇りを持ち、健全に育つことができるでしょうか」というものです。この「従軍慰安婦」問題は、いよいよ世界中に広がりを見せ始めました、というのは多分「表現の不自由展」の少女像のことだと思います。
 池上彰さんの話によると歴史教育は古代史から順々に学習を進めてゆくと、近・現代史を学習する時間がなくなり、最後の方は駆け足か「お家で読んで勉強しておいてください」で終わってしまうことが多いということです。強制連行・従軍慰安婦に限らず近・現代史のことを知らない若者たちに「文鮮明が提唱する統一原理」はどう映るのか、心優しい若者たちは贖罪意識に悩むと思うのです。統一教会を悪者にして済ませられる問題ではないと思います。
 
誤った戦後日本のスタート

 日本の近・現代史についてというと、範囲が広すぎて私たち市民の手に負えませんが、前にも述べたことがありますが「ゴメンだ!共同行動」のビラにあった「誤った戦後日本のスタート」について中学生・高校生のための社会科の副読本として使えるような小冊子を創るべきだと思います。
 このことについては、いろんな研究者が優れた書物をいっぱい遺しています。私の手元にあるものだけでも「安保条約の成立・豊下楢彦著」「新憲法の誕生・小関彰一著」「戦後政治史・石川真澄著」「憲法読本・杉原泰雄著」「内奏・後藤致人著」「兵役を拒否した日本人・稲垣真美著」「集団的自衛権と日本国憲法・浅井基文著」「ルポ・戦争協力拒否・吉田敏浩著」「憲法25条+9条の新福祉国家・二宮厚美著」「在日外国人・田中宏著」などで、どの本にもいっぱい付箋が付けてありますが今一度読み返さなくてはなりません。
 なぜこれらの本を読むようになったかを考えると「反安保実行委員会」の影響ではないかと思います。数年前から会費を納入していませんが、情報をネットばかりに頼るのは危険ではないかと考えている今日この頃です。中学生が読んで友達にも勧めてくれるような副読本は、固有名詞は仕方ないけど日常会話で使われていないような文言は決して使わない、その原則を崩すと知識人の仲間内、つまりセクト主義にたちまち転落すると思うのです。
 大阪大学では、原理研へ入会を誘われて困っている学生の相談窓口を大学当局が開設していると言いますが、大学は学問の場所ですから学問で解決しなくては、つまるところは言論統制になってしまうと思うのです。安倍晋三さんを銃撃した山上哲也さんを「山上容疑者」などと呼んで良いのか、彼をそこまで追い込んだ責任を感じなくて良いのか、つくづく考えさせられてしまいます。
(2022年9月7日)

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