投書 「雪道」を観て

SM

 シネマハウス大塚で「雪道」(監督 イ・ナジョン、制作 KBS(韓国放送公社)、2015年製作、122分、韓国映画)を観た。
 1944年の朝鮮、貧しい家庭で暮らすチョンブン(キム・ヒャンギ)と裕福な家庭で暮らすヨンエ(キム・セロン)は「慰安所」に送られ、日本軍「慰安婦」として過酷な生活を強いられる中で、友情をはぐくんでいく。映画は、日本軍「慰安婦」にさせられる少女たちの体験を描いていく。同時に、「サバイバーとなったハルモニ」(キム・ヨンオク)と「隣に住む女子高生」(チョ・スヒャン)の交流が描かれる。
 中絶薬をむりやり飲まされる少女。「朝鮮語で話すな」といって殴られる少女。「獣のような生活はイヤ」といって自殺しようとする少女。「男たちがこないから病気も悪くない」と笑っていた少女は銃殺されてしまう。部隊の移動が決まり、「用済み」となり殺される少女たち。日本(日本人)は何ということをしたんだ。人間が同じ人間にどうしてこんなひどいことをできるんだろう。「本作品はフィクションです。しかしこの映画では、これまでに知られている多くの元慰安婦を含む人々の証言などに基づいたエピソードがちりばめられ、一つの「真実の物語」が構成されていきます」(パンフレット)。
 ハルモニが女子高生にいう。「苦しい時はみんなで一服したもんだ。唯一の憂さ晴らしだった」。「おまえはダメだ」といって女子高生の喫煙を妨害するのはいいと私は思うが、女子高生の隣でタバコをすうのは他人に受動喫煙をさせることになるがゆえに良くないと思った。
 私はタバコに反対だ。それでも「慰安婦」時代に少女たちが苦しい時にみんなでタバコをすったことを批判する気にはなれない。ハルモニが女子高生にいう。「この世に楽なことなんかない。それでも生きなきゃ」。女子高生がハルモニにいう。「恥じることはない。おばあさんのせいじゃない」。
 この映画は、1人でも多くの人に観てもらいたい。「ナチス・ドイツの犯罪」と同じように「天皇制日本の犯罪」も世界中の人びとに知られるべきだ。連続テレビ小説や大河ドラマでも「慰安婦」にさせられた少女たちの物語を放送するべきだ。そのためには、政権交代か革命が必要だ。
 「見舞い金」(「償い金」)や日韓合意を批判する梁澄子(ヤンチンジャ)さん(希望のたね基金代表理事)はのべる。「今や生存者はごく少数となった。しかし、自らの痛みの分だけ傷ついた他者に心を砕き、自らが経験した被害が二度と次世代に繰り返されてはならないことを全身で訴えたサバイバーたちの姿は、私の脳裏に焼き付いている。私は、私の記憶を語り続けようと思う。それが『記憶の抹消』をはかる力に対する私なりの抗いの形だからだ」(解説  「慰安婦」運動の30年、パンフレット)。
 私たちは、語り続けなければならない。この映画は、今も戦争と暴力に苦しむ人びとにささげられている。「慰安婦」問題の「解決」を。「戦争のない世界」を作りだすためにたたかおう。天皇制を廃止しよう。自衛隊を解体しよう。「戦時の性暴力」にも「平時の性暴力」にも反対しよう。「女性が苦しむことがない世界」「女性が(悲しくて)泣くことがない世界」を作りだそう。
 なお、映画館(シネマハウス大塚)には、私の記憶が正しければ、「全国上映のためのカンパ箱」がおかれていた。「標的」の上映会のチラシがおいてあった。
【注】「標的」上映会は10月24日・月曜日。第1回目は10時~11時40分、第2回目は13時30分~15時10分、開場は各30分前。上映協力券1000円(当日1200円)、障がい者・学生800円。場所は町田市民フォーラム3階ホール。主催は「標的」町田上映実行委員会。問い合わせ090-1258-9088(関口)、090-9248-1149(前川)となっている。(9月8日)
【パンフレットの問い合わせ先】NKAプロモート
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