フェミニスト・国際主義者デモ成功

抑圧ノー、みんな国境へ
ランティカピタリスト通信員

壁なき欧州へ
5000人が


 6月5日、壁なき欧州を求めるデモのために、約5000人がニースにやってきた(注)。その目的は、特に亡命途上に耐え難い暴力に苦しんでいる女性、レズビアン、トランスの人々に関する要求を行うことだ。つまり、移動の自由、尊厳ある歓迎を求め、あらゆる国境に反対することだ。
 この動員は、地元の諸々の市民団体に組織された活動家の成果、つまり輸送、宿泊、……によるものだった。あらゆる段階で自己組織化が当日の秩序だった。バスがボルドー、トゥルーズ、グルノーブル……、から到着した。亡命者たちの発言やアーチストの催しが何度もデモを中断した。そして凧が自由を表すわれわれのメッセージを運んだ。行進に続いて朗読やコンサートが行われた。しかし残念なことに、公衆衛生状況のおかげで参加者数は大きく限定された。

強さ、創意性
そして敵愾心


 この決起は、われわれの中でもっとも傷つきやすい人びと、戦争や迫害を逃れている亡命者を守るために結集することができる、多元的なフェミニスト運動の活力を示している。特に、移住者女性、あるいは連帯グループや連帯市民団体の存在が留意されなければならない。しかしながら、多数の市民団体、労組、政治運動によって支援されたとはいえ、このイベントは、伝統的な諸組織からのもっと大きな力の投入があれば、強さを増していたと思われる。
 このイベント構築の心臓部に当初あった国際主義の側面は、公衆衛生状況と抑圧的な警察によって傷付けられた。特に、イタリアの同志たちは、不法かつ暴力的に国境で押し戻された。
 コラージュ作品を携えていた活動家5人が朝から逮捕され、終日拘留され、結果としてデモ参加を妨げられた中で、現場でも抑圧が必然となった。朝の逮捕に次いで、通りの調度品に害を与えたとして行進の中程でひとりが逮捕され、行進後の広場ではさらに4人が逮捕された。その全員が最終的に釈放されたが、何人かには罰金の危険があり、学期の始まりに出頭するよう命じられている。加えて行進は、帰属厳守主義活動家による挑発と攻撃を2度受けた。デモを行う権利に対するこれらの障害は、政治活動家と移民支援ネットワークに対し特に抑圧的で暴力的な地元の情勢の一部だ。
 当日は、フェミニスト運動が保持している、強さ、創意、破壊性がこもったデモだった。ジェンダー抑圧の終わりはまだ視界に入っていない。しかしこの国際的な推進力は、女性とジェンダー的マイノリティの解放に向かう道でわれわれを前進させる基本的な運動だ。今回のデモは、無条件的大量正規化や開かれた国境を求める要求をあらゆる抑圧に反対する闘いと組み合わせて、連帯、抵抗、さらにフェミニストかつ反レイシストの闘争における欧州規模の収斂からなるもっと多くの場の創出において、貴重な一歩だ。(2021年6月10日)

(注)「欧州国境に反対するフェミニストアクション」への呼びかけ。(「インターナショナルビューポイント」2021年6月号) 

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