第4インター 女性セミナー報告第4インター

現状に切り込むフェミニストの分析と視点を経験踏まえて検討

女性と女性運動の状況と闘いの方向を共有

ローザ・セグイ

生きた情報交換に確かな手応え

 2023年7月15日から19日まで、2023年女性セミナーがアムステルダムのIIREで開催された。ブラジル、デンマーク、フランス、ドイツ、イギリス、香港・中国、イタリア、日本、メキシコ、モロッコ、オランダ、フィリピン、プエルトリコ、南アフリカ、スペイン、スイスから合計26人の同志が参加した。セミナーの準備作業の一環として、各国参加者たちは、過去5年間、特にCovid-19の大流行後の女性と女性運動の状況についての情報を共有した。また、セミナーに先立ち、討論と作業を促進するための、読み物が共有された。
 セミナーは、6人の女性通訳による3カ国語の通訳付きで、参加した同志全員の紹介から始まった。さらに、人種差別、障害者、LGBTIQA+、ノンバイナリー・コミュニティなど、他の社会から疎外されたセクターの女性たちの参加にも焦点を当て、私たちの多様性を讃えた。パンデミックのため、前回の2021年セミナーはオンラインで開催された。しかし今回セミナーは、異なる国や大陸から集まった姉妹たちが直接顔を合わせることができ、とてもエキサイティングであった。実際に同志たちと会って話をすることで、公式・非公式を問わず、オンライン上とは比べものにならないほど豊かなつながりが生まれた。
 その後、私たちは国別または組織別(第4インターナショナリズムの組織が複数ある国の場合)のプレゼンテーションを行った。その内容は、各国の女性の状況、パンデミック後の状況の悪化、新しいフェミニストの波の存在、労働組合運動への女性の参加、各国の女性の組織、フェミニスト運動や女性運動へのトランス女性の参加などであった。先住民、農民、移民の女性がフェミニストや女性の行動に参加しているかどうか、他の女性団体との国際連帯について、また自国のフェミニストや女性の運動への各団体の参加についても情報が共有された。
 例えば、パンデミック後、女性の状況はほとんどの国で悪化していた。女性に対する暴力が一般的に増加し、女性殺人の増加が観察された。2018年以降、多くの国で顕著なフェミニズムの抗議と動員の波が強調された。そしてこの新しい波を示す重要な特徴の1つとして挙げられた「女性・フェミニストのストライキ」を含む、2019年のセミナー「女性運動の新たな台頭」から発展した決議の分析もされた。
 数カ国が言及したもう一つのトピックは、より激しい気象現象、およびより頻度の高い気候危機であった(例えばブラジルの地域など)。これまでハリケーンが来たことのない場所での気候変動や気候危機の悪影響を、女性が最も強く感じている。
 スイスは、過去5年間の女性運動の闘いと成果について、希望に満ちた姿を示した。フェミニストの動員やデモが行われ、今も続いている。スイスでは2019年にフェミニスト・ストライキが成功し、2023年にも大規模な動員が行われた。

社会運動の関与を具体的に検討


 午後は、今年10月の第4インターナショナルの国際委員会で討議される「社会運動における方向性と課題」の草稿について全体討議を行った。プレゼンテーションの後、スペイン語、フランス語、英語のグループに分かれた。ディスカッションでは、文章の発展、発表者の提案、右翼社会運動の存在およびその考察、右翼社会運動に対して私たちはどのような立場をとるべきか、私たちは NGOと関わるべきか、国民の利益を主張する政府とどのように関わるべきか、パンデミックについて私たちは何を学んだか、といったいくつかの問いかけがされ、意見を交換した。
 その後、全体会議に戻り、各グループが議論をまとめたプレゼンテーションを行った。セミナー全体を通して、各国から提供されたさまざまな視点によって議論が進められたことは重要である。全体討議では、右翼団体の存在についての各国の反応はほぼ同じであったが、暴力のレベルは異なっていた。本会議では、例えばブラジルでの場合のように、活動家の殺害を含め、社会運動とそこで闘う人々の犯罪についての項目を文書に盛り込むことが提案された。
 右翼的な社会運動は、そのほとんどが宗教原理主義者とされている。しかしそれ以外にも、たとえばスペインでは、不法占拠している人々を強制的に立ち退かせる動きや、反移民旅団なども存在する。もう一つの右翼運動は、特にパンデミックの最中、そしてその後にも多くの国で見られるが、信奉者を増やしている反ワクチン運動や陰謀論に関する運動などもその例である。
 これらのような運動に直面した場合、抗議行動や動員において組織的な闘争を行うために、また、労働者階級や女性、抑圧された部門に有利な公共政策の実施に参加するために、そして、選挙の政治的舞台や政府内の重要なスペースに参加する作業を継続するために、抵抗と組織化を継続することが私たちの課題である。
 NGOへの参加については、セミナーに参加したいくつかの国々において戦略的・戦術的(迫害や弾圧に関すること)理由から、草の根活動を行うためにはNGOという手段を利用する必要があるが、その欠点を認識し、批判的な観点から活動を行う必要があることが認識された。議論の重要な側面として、NGOへの参加は社会運動の自主性を犠牲にしてはならないことが強調された。また、NGOには私たちにはない物質的な資源があることもあり、そのための手段になりうることも言及された。国民の利益に応えない政府を前にして何をすべきか、という質問に対しては、批判的かつ戦略的であること、そしていつ脱却すべきかを認識することの必要性についての発言が多数を占めた。
 次のテーマは、マニフェスト草案「公正でエコ社会主義的な脱成長のために、生態学的・社会資本主義的破壊の時代における革命的マルクス主義のマニフェスト」であった。この文書をセミナーで発表する目的は、フェミニズムの視点からこの文書を充実させることであった。
 言語グループに分かれた後、この文書への具体的な貢献案が発表された。議論では多くの点が提起された。グローバル・サウス諸国の同志は、自国において「脱成長」が何を意味するのかを明確にする必要性を指摘し、「社会主義的脱成長」と言うだけでは不十分であると述べた。
 5・8節「女性が自らの身体に対する権利を保証する」において、女性と妊娠中の人々の自己決定がどのように保証されなければならないかを明確にすること、エコフェミニスト教育改革を含めること、あらゆる形態の採掘主義の撤廃と女性の健康へのアクセスの権利を含めること、などが言及された。

トランスインクルーシブを確認


 セミナーの次のテーマは、「トランスインクルーシブ:なぜ、そしてどのように」であった。ジェンダー抑圧の撤廃を支持し、トランス・インクルーシブであるという私たちの社会主義的潮流の立場を再確認するために、このトピックの発表は非常に適切であった。トランスジェンダーは社会にとって脅威ではない。逆に脅かされ攻撃されるのはトランスジェンダーであることが改めて強調された。言語グループでのディスカッションの質問は以下の通り。
 「反トランス運動やトランス排斥運動の特徴と私たちの対応について」、「トランスやクィア・コミュニティの要求を私たちの戦略の中心にどのように位置付けるべきか」、「包括的なフェミニズム運動をどのように構築し、クィア運動とどのように同盟関係を築くのか」。
 いくつかの国の政府による当該コミュニティに対する熾烈な暴力が明らかになっていることを背景にこれらの質問が投げかけられた。トランス女性は殺人の被害者であるだけでなく、彼女たちの存在そのものが否定されている。この排除はそれ自体抑圧的であり、しばしば身体的な攻撃につながる。
 二つ目の質問に対する回答は、抑圧との闘いは階級的な問題であり、それゆえに私たちはこうした闘いに参加しなければならないとした。加害者らがトランス女性から奪おうとしている権利や自由は、同様に、女性が命をかけた闘いによって勝ち取ったものである。右翼はトランスジェンダーから自己決定権を奪おうとするのと同じように、女性からも自己決定権を奪おうとし続ける。この状況は、他の周縁化され抑圧された人々に対しても同様である。したがって、私たちは女性運動とLGBTIQ+運動の間の特別な関係を考慮しなければならない。
 私たちはTERFという言葉を使用しなかった。なぜなら、「ラディカル・フェミニスト」という言葉は、国によって意味がまったく異なり、議論の打ち切りを招くをおそれがあるからである。

運動内ジェンダー差別との闘い


 4日目は、ジェンダーに基づく政治的暴力と脱家父長制化について議論した。後者は「国家、社会、政治組織における家父長制的要素に対する脱構築と闘争」と定義された。ジェンダーに基づく政治的暴力は、過激派、活動家、スポークスパーソンである女性たちに対して起こりうるものであり、さまざまな形態がある。口封じ、参加拡大の促進を妨害する行為、あらゆる形態のハラスメント、殺人を含む身体的暴力、誹謗中傷、家族への身体的攻撃、脅迫などであるが、これらは私たちの組織を含むすべての空間における紛争自己解決措置の欠如などが原因となっている。
 私たちは、政治的選挙の場における女性の参加拡大を促進する安全な空間を要求し、そしてその保証を求める。また、女性のケアニーズへの対応や、指導的地位への女性の参加拡大の要求も含まれなければならない。また、フェミニスト的な公共政策を実施するために、選挙での政治参加や組織化・動員活動も必要である。
 この日の次の主題は、女性問題を議論するための国際的な場の特定であった。このトピックにおいては、マルクス主義フェミニストの団結の必要性に対応した国際的なフォーラム、セミナー、マーチやその動員について説明がされた。そのひとつは「マルクス主義フェミニスト会議」であるが、これは対象者が限定されているため、優先事項とはみなされなかった。
 重要なフォーラムは、史的唯物論会議のマルクス主義フェミニストの流れである。発表者たちは、私たちが望む社会を構築するために、階級の交差する多様性に焦点を当て、フェミニストの執筆や理論化へのさらなる取り組みを呼びかけた。また、システムを変えるためには、フェミニストとしての集団的な活動や構築が重要であることにも言及された。会議の流れにより、2000年から4年ごとにブラジルで行われている「マルガリータの行進」と呼ばれる女性の行進について説明がされた。この行進には10万人以上の女性の参加が予想されており、その要求は私たちの求める内容と類似しており、労働組合や農民部門の支持を得ている。
 次の議題は、第4インターナショナルの党建設課題に関する決議についてであった。会議では、第4インターナショナルの機構と機能、そして私たちの政治組織的活動を強化する方法についての議論、分析に焦点が当てられた。議論はジェンダーとフェミニストの観点から行われた。第4インターナショナルのウェブサイト、ソーシャル・メディアのプロフィール、テレグラムなどのコミュニケーション手段など、第4インターナショナルのメディア利用に関する改善が認められた。言語グループの討議の一環として、女性同志のための政治的訓練活動の確立、ウェブサイトの改善、地域コーディネーションの確立、すべての地域委員会における女性グループの創設の促進、会議への出席における男女平等の要求など、具体的かつ実践的な提案が数多く提示された。私たちはまた、異なる組織における議論の状況を尊重しつつ、性差別や性的暴力に関連して私たちの規約を強化する方法についても検討した。
 最後に、セミナーの感想が共有され、希望、熱意、連帯のメッセージが交換された全体会議で、私たちの盛り上がりは最高潮に達した。

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