フェミニズム 9月28日 国際行動フェミニズム
自由・無料・安全な中絶の権利を!
NPAフェミニスト介入委員会
9月28日は国際セーフ・アボーション・デー(安全な妊娠中絶のための権利の日)である。この日を記念して、フランス全土および世界中でデモが組織されている。
多くの国において中絶は、基本的権利であるにもかかわらず、いまだに禁止されているか、厳しく制限されている。禁止されているにもかかわらず中絶を必要とする人々は、いたるところで中絶を受け、その結果、安全でない中絶に頼らざるを得なくなっている。その結果、世界では9分に1人の女性が違法な中絶によって命を落としている。ポーランド、エクアドル、エルサルバドル、マルタ、アンドラ、その他多くの国では、女性の生命や子どもを産むかどうかの自由な選択よりも、女性とその身体の管理が優先されている。
権利とアクセス
実際に保証求め
フランスでは、安全な中絶が保証されていない。中絶の76%が薬物によって行われている一方で、今年は中絶薬(ミソプロストール)が不足している。さらに、公立病院への度重なる攻撃、資源やスタッフの不足、中絶センターの閉鎖(10年間で8%のセンターが閉鎖)のためか、治療期間が長くなっている。
中絶に特有の良心条項があり、医療従事者はこの医療行為を拒否することが可能である。中絶の権利を憲法に明記するだけでは不十分なのはこのためである。一方で憲法に明記されている中絶の権利から除外されているトランス男性にとって、中絶の権利は依然として大きく阻害されている。法制化だけでは不十分であり、中絶の権利とアクセスは実際に保証されなければならない。
マヨットのARS局長は昨年3月、病院や学校における資源やスタッフの不足を口実に、若い母親に対する不妊手術を行うプロジェクトを立ち上げる意向を発表した。この発表は、性差別、人種差別、植民地主義による暴力であり、マオランやコモロの女性の身体に対する支配をますます強めるものである。1960年代から1970年代にかけてレユニオン島で強制された、中絶や不妊手術を思い起こさせる。
反動主義者は
常に権利圧迫
フェミニズム運動が権利を勝ち取っても、次の日には攻撃される可能性がある。反動主義者らは、隙あらばわれわれの基本的権利を標的にする。9月23日にマルセイユを訪れたローマ法王フランシスコは「実際には退行であるにもかかわらず、偽りの進歩の権利の名のもとで、否定される胎児の存在」を糾弾した。アメリカでは、中絶の権利を保障したロー対ウェイド判決が廃止されて以来、14の州で中絶が禁止されている。チリでは、「すべての胎児の生命を保護する」ことを提案する新憲法草案が12月に投票にかけられる予定である。
極右勢力の台頭は、私たちを憂慮させている。われわれは、立ち上がらなければならない。なぜなら、女性や性的少数者の命が危機に瀕しており、私たち自身の身体をコントロールする権利も危機に瀕しているからである。
基本的権利守る
決起を全世界で
中絶は、女性と中絶を必要とするすべての人々にとって絶え間ない闘いである。それは家父長制的抑圧との闘いである。抑圧は、ひいては女性や性的少数者に重くのしかかっている。それは、私たちを家庭に引き戻し、私たちの自律性や身体に関する選択権を奪う禁止令との闘いでもある。
私たちが自由で安全な中絶を求める理由はここにある。暴力に直面している私たちは、家父長制的支配と女性抑圧のこのシステムに終止符を打つために、緊急に総動員を行う必要がある!
メキシコでは、中絶が非犯罪化された。どこの国でもそうであるように、この権利はフェミニスト運動そのものによって勝ち取られたのである。今年は、1975年に他のフェミニスト団体とともにフランスにおいて中絶の権利を勝ち取ることに貢献した運動であるMLAC(妊娠中絶と避妊の自由を求める運動)50周年の年でもある。私たちは誇りと決意をもって、この闘いを継続していこう。
Hebdo L’Anticapitaliste
(週刊『反資本主義』)676号
(2023年9月28日)
THE YOUTH FRONT(青年戦線)
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