第四インターナショナル国際委員会・女性委員会に参加して

かけはし 第2652号 2021年2月8日

性差別と闘う主体形成のために

山中かれん (JRCL)

FI各国支部の仲間とともに

 今年2021年1月、第四インターナショナル国際委員会女性委員会の会議に日本支部(JRCL)として参加した。以下、同委員会の簡単な報告を行う。
 今回の会議には、主に世界の第四インターナショナルの支部(オーストラリアを除く4大陸の国々)に所属する女性が参加した。新型コロナウイルスの世界的な蔓延のなかで運動の世界的な低迷が見られつつも、各支部からの参加者による時間ぎりぎりまでの討論が続けられた。

LGBTIQ運動

 委員会開催にあたって事前に配布された議案の量は非常に膨大で、それに対する各支部からの参加者の意見、対案も非常に膨大なものであった。まず今回の会議の開催前に議案を一読して気になったのは、女性委員会の議案のなかでLGBTIQにしばしば言及されていたことであった。議案をもとに進行した会議では、女性運動の主体としての女性とLGBTIQが並列関係に扱われる場面が多く、女性の性自認を持つ女性と一体になった女性運動、また女性運動とLGBTIQ運動の関連性、両運動の相互作用について議論された。
また議案ではLGBTIQについて「LGBTIQ」が用いられているが、参加者がLGBTIQの運動を語る際には「LGBTIQ運動」「トランス運動」と分けて論じているのが印象的であった。参加者は各国の家父長制の家族を強化することを目的とした新自由主義保守主義による女性に対する暴力が劇的に増加させたと指摘したうえで、昨今の極右、権威主義、宗教的原理主義的な流れの台頭の攻撃の対象は女性とLGBTIQであると指摘した。
また、女性運動が労働運動、気候運動、平和運動など他の運動と切り離されたものとして存在してきたことへの批判を踏まえ、特にLGBTIQの運動と女性運動とは密接な関連性があり、また運動のそれぞれの当事者間の運動に対する要望のそれぞれ密接な関連性があることが強調された。また会議では、女性運動は決して一つの分野の運動ではなく、むしろすべての分野の運動との連携や協調のもとに組織全体として取り組むことが課題として提起された。
具体的には女性運動のLGBTIQ、反レイシスト、気候変動関連の運動との連携である。会議ではまた、第四インターナショナル組織内で構成される女性委員会や女性セミナーその他の活動をつうじて世界の各地域の指導的な役割を果たす運動体との強い連携を図り、国際的協調・調和をつうじて世界的規模での運動連合体の形成を目指すことが確認された。
(運動主体相互の国際的協調・調和について通常は「連帯」が来る文脈と思われたが、今回の会議では「連帯」ではなく協調・調和の言葉が多用された。)

言語的制約の問題

 最後に、今回の会議が特に英語圏からの参加者からの発言、または英語圏相互の討論が特に多かったことを追加したい。会議では英語のほかの主要言語での発言も可能であったが、その多くは英語で進行した。
第四インターナショナルの各支部からの発言において、その意見の発信の際に語学力の優劣による制約が見られたことは否定できない。ただ会議司会者の配慮により、英語以外の話者への意識的な発言の機会の付与も行われていた。英語圏以外の話者にとって、また主要な異なる言語を互いにぶつけ合って会話が成立するヨーロッパ圏の特殊な事情を除いての参加者にとって、国際会議にはどうしても言語的な制約の問題がつきまとう。
階級闘争による万国の労働者の解放をめざす私たちにとって、あらためて第四インターナショナル日本支部の各メンバーのさらなる一時的や思いつきでない英語学習の必要性・重要性、またそれとともに英語(できればその他のヨーロッパ言語も)の素養のある若い世代の活動家のさらなる獲得も必須であることを強調したい。

性別二元制の問題


性暴力を主とする性的抑圧の被害者は女性だけでない。女性以外の性を理由とする暴力も急増している。新型コロナウイルスの世界的な蔓延のなか、男性による女性やLGBTIQへの暴力が顕在化してきている。被害者救済の権利は女性だけでなくLGBTIQをはじめとする多様な性自認を有するより広範な大衆にも保証されなければならない。
同時にこれまでの「男性」「女性」という無意識による固定的な性別二元制からの脱却も私たちの今後の課題である。これまで「女性運動」として個別に存在していた運動の国内的だけでなく国際的な連携を通じて、新たな女性運動を創造、発展させ、同時に海外の同志との今後の継続的かつ緊密な対話による経験の共有が必要である。
今回の女性委員会に参加した同志たちは会議で、組織形態を持つ女性運動なしに運動の衰退は避けられないことを確認した。今後も第四インターナショナル各支部の経験を通じ、エコフェミニズム等新しい女性運動の試みも行いつつ、各運動と連携したより幅広く多様な女性の視点からの組織的な運動の継続を図って行かなければならない。
「生活状況の変革を求めるのであれば、われわれは女性の目を通じて学ばなければならない(注1)」(レオン・トロツキー)

 (注1)Leon Trotsky, “Against Bureaucracy, Progressive and Unprogressive” (6 August 1923), in Problems of Everyday Life and Other Writings on Culture and Society, Monad Press, New York, 1973, p. 65.

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