スリランカ NSSPについて
核心的な原則での決裂を確認
10月2日 第四インターナショナル執行ビューロー
第四インターナショナル執行ビューローは、NSSP(ナヴァ・サマ・サマジャ党)との関係に関し、以下の声明を出した。
二〇二〇年はじめ、スリランカにおける第四インターナショナル組織の一つであるNSSPの議長、「バフ」・カルナランテが八月五日の総選挙で候補者になるだろう、とのニュースが知られることとなった。バフは、統一国民党(UNP)名簿で、その選挙シンボルの下に立候補し、その中でUNP指導者で元スリランカ首相のラニル・ウィクラマシンゲへの支持を呼びかけた。第四インターナショナルのビューローはこのニュースへの対応としてNSSPに、スリランカにおける右翼政治の歴史あるブルジョア政党の名簿で彼らの中心的指導者が選挙に立候補している理由を質問した。
NSSPは、彼らが組織としてバフの立候補を支持した、と明確にした。彼らはビューローに送られた文書でこれを、ゴタバヤ・ラジャパクサ陣営によって表現されたものとしてのスリランカにおける「ファシズム」の脅威から必要になった、一つの「統一戦線」として正当化した。ビューローは、統一戦線は労働者運動諸部分の共同行動の問題であるとして、先の説明を受け入れなかった。
なぜならばUNPは労働者政党ではなく、スリランカ・ブルジョアジーの自由市場派の右翼リベラル部分を代表する政党なのだ。UNPは、ラジャパクサ陣営のあからさまなシンハラ排外主義との対抗として、もっとましな「リベラル」な人権志向の主張を取り入れるにいたった。しかしこれはどのような意味でも、この党がその階級的な性格を変えた、というようなことは意味しなかった。
ラニル・ウィクラマシンゲは二〇一五年にスリランカ首相に選出された時、彼の目標はスリランカを南アジアでもっとも開かれ競争力のある経済にすること、と宣言した。彼はこの中で、首相としての第一期から彼の政治を継続していた。その時UNPは最初の九〇日で、新自由主義的改革導入に際し重要な役割を演じた。
ビューローは、バフの立候補が第四インターナショナルによって支持されなかったということをはっきりさせるために、七月二日に「スリランカの来る選挙に関する声明」(本紙八月一〇日号参照)を公表した。われわれは、NSSPにこの情報を知らせた時、彼らからは何の回答も受け取らなかった。また彼らは、翻訳されインターナショナルへの配布が可能になる返答を書くこともできる、との提案にも応じなかった。
われわれは七月一七日、第四インターナショナルと連携するスリランカのもう一つの組織、レフトヴォイスが出した声明「ナヴァ・サマ・サマジャの伝統を進展させよう」(本紙八月一〇日号参照)を公表した。彼らはその中で、バフの立候補を政治的降伏として批判していた。NSSPはこの声明にも、われわれが選挙後の八月二〇日に出したレフトヴォイスによる声明「三重の危機と二〇二〇年のスリランカ議会選挙」にも応答しなかった。
八月五日の選挙は、UNPのほぼ完璧な敗北という結果で終わった。UNPは一議席しか確保できなかった。しかしNSSPからの対応の不在は、この破綻ですらブルジョア右翼の一政党支持という彼らの戦略に関し彼らを再考させなかった、ということを示している。
第四インターナショナルビューローは、NSSPはわれわれの核心的な原則と基本的に決裂した、との結論に達した。労働者階級の政治的独立性はわれわれの構想では中心にある。バフとNSSPによる選挙キャンペーンは、はっきりとこの原則に反していた。バフの諸言明は、UNPとウィクラマシンゲを「資本主義者」と認めつつ同時に、人々に彼らを支持するよう訴えていた。
バフは二〇一五年に、UNPを「資本主義の社会的文化内における民主的な主流」部分と描き、ラニル・ウィクラマシンゲを「資本主義社会における急進的な一指導者」と描きつつも、選挙連合は依然拒絶した。八月五日の選挙はその結論になる歩みだった。バフはこの選挙の僅か二、三日前になっても、UNPは「資本主義の民主的な側面を代表する」「政治的に自由で民主的な政党」であると、また「この国にファシズムの脅威があるがゆえに彼はこの段階に達する」ことになった、それゆえ「社会主義者は、リベラルな資本主義指導者と結びつき、民主主義を求めて反攻する用意をしなければならなず、結果として今日の闘争は公正とフェアプレイと民主主義を求めるもの」、と言明した(注)。
NSSPにおけるバフの中心的役割、選挙に関する彼の諸言明、NSSP内部の強力な反対を示すものの不在、そして第四インターナショナル指導部に対するNSSPの沈黙を考えた時、われわれは、この組織が彼らの重大な間違いを今後修正する、と期待する理由を全く見出せない。
第四インターナショナルビューローは、NSSPとの関係すべてを見合わせること、そして次回国際委員会(IC)に、この関係停止およびNSSPがもはやスリランカで第四インターナショナルを代表しないとの確認を票決するよう求めること、を決定した。NSSPは、IC会議で対応する機会を与えられるだろう。次期世界大会は、NSSPとの公式的な関係解消を求められるだろう。
NSSPは上に概括したようにわれわれの政治との原理的な決裂を行うにいたった。近年、スリランカのFIメンバーは二つの異なった組織、NSSPとレフトヴォイス、を構成してきた。この分裂は、いくつかの分野における政治的違いの結果だった。第四インターナショナルは、レフトヴォイスとの関係を以前と同様に継続する。
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