新自由主義破綻のツケ回しに反撃する民衆的闘いの国際的連帯を!

第四インターナショナル16回世界大会決議

 前号に引き続き本号では、第四インターナショナル第十六回世界大会で採択された決議のうち、ハイチ、気候変動に対するコチャバンバ会合、イラン、メキシコ労働者の闘争に関する連帯決議を以下に掲載する。現在の世界の民衆的闘いを反映するものとして大会の中でも活発に論議された。決議の呼びかけに応える運動を追求しよう。(「かけはし編集部」)

ハイチ民衆の自主的再建に力を

 二〇一〇年一月十一日にハイチで起こった地震は全土に被害をもたらしたが、とりわけ首都ポルトープランスとその近隣地域が激しいものだった。人的・物理的打撃は破局的なものとなった。二十万人以上が生命を失い、幾十万もの人びとが負傷し住居を失った。数十年にもわたる極度の貧困、不安定な生活条件や居住条件や、住民の必要あるいは地震多発地域に必要な予防措置になんの考慮も払わない警察国家こそ、かくも膨大な人的コストを支払わせることになったこの悲劇の原因である。
 これはたんなる「自然」災害ではない。被害は大国がハイチに対して行使してきた、そして行使し続けてきた支配の社会的・経済的諸結果によって拡大されたのである。
 ハイチは奴隷制を廃止し、独立のために闘い、そして勝利した最初の植民地だった。帝国主義諸国、なによりもフランスと米国は、この解放に対して高価な代償をハイチに支払わせた(フランスへの債務という重荷を負わされた1825年以来)。
 住民のほぼ九〇%が貧困線以下で生活しているハイチは、南北アメリカの中で最も貧しい国である。数十年にわたってハイチ民衆は、帝国主義諸国、とりわけフランスと米国が遂行した策略と搾取のおもちゃにされてきた。これら諸国は、かわるがわる従属的体制――一九五七年から一九八六までのデュバリエ独裁や二〇〇四年のクーデターのように――を打ちたて、支援した。この従属体制は、多国籍企業や、彼らがその座につけた支配者の利益のためにこの国の富と住民を収奪した。
 世界銀行とIMF(国際通貨基金)が強制した新自由主義政策は、地域農業を屈従させ、幾万、幾十万人もの農民を都市の不安定な居住地域に押し込めた。今回の地震は、こうしたスラム地区全体をなぎ倒したのである。
 こうした新自由主義政策は、賃金を削り、社会サービス、とりわけ保健医療部門を解体した。地震の前でも、住民の四〇%以上は保健医療を受けられなかった。女性をとれば保健医療を受けられない人の比率は六〇%に上る。
 二〇〇四年、米国はその軍事支配を、ブラジルが主導する国連の占領部隊である国連ハイチ安定化派遣部隊(MINUSTAH)に代行させた。MINUSTAHは初めから、食糧暴動の鎮圧、貧民に対する殺害、レイプ、あらゆる種類の暴力などの悪評を博していた。実施された経済プログラムは、カリブ海のどこでも見られるものと類似したものだった。すなわち、極めて安価な労働力を使用する産業で構成される特区の形成という目標である。
 今回の惨害は、島全体の軍事占領をもたらした。メディアは、大規模な軍隊の派遣は、「混沌」、略奪、危険を阻止するために求められたという話を広げてきた。米国の軍事当局自身が「地震前よりも暴力のレベルは低い」と認めているにもかかわらずである。二万人以上の米軍が、住民ならびにすべての交通手段(陸、海、空)を統制するために派遣された。この占領は、ある程度まではラテンアメリカ大陸とカリブ海の再軍事化政策の結果として説明することができる。実際ハイチは、ベネズエラとキューバの間に位置しており、ホンジュラス(この国ではクーデターにより、追放された大統領のマヌエル・セラヤが着手した米国の利益と距離を取ろうとする方針への巻き返しが行われた)の真向かいにある。ハイチ占領は、アメリカの武器会社、セキュリティー企業、建設業にとって歓迎されるニュースでもある。この国の再植民地化――それはハイチを二百年前に戻す――は、「国際社会」の故意の無関心によって迎えられた。
 しかしハイチからの目撃証言は、ハイチ政府の中心がマヒしている中で、住民自身は驚くほどの連帯と自主的組織化を示している、と報じている。米国が非常事態宣言を発したにもかかわらず、彼らはキャンプを設営し、国を再建している。

軍事占領下で再建はできない。占領軍は即座に出ていけ。この国に兵士はいらない。必要なのは医者、看護師、技術者だ。
援助物資の配布、民衆の自由な通行を可能とするために国境を開放せよ。ハイチ人をハイチに追い返すな。この島を離れたいと願うハイチ人に安定した生活条件を保障すべきだ(ベネズエラとキューバの例にならって)。
ハイチの再建が、この国の対外債務の増加をもたらしてはならない。他の諸国、世界銀行、IMF,国際開発銀行による債務の完全な帳消しを。
フランスと米国は、ハイチへの収奪と暴力により、この国に対して巨額の負債を負っている。さらにかれらは外国銀行に預けられているデュバリエの財産を返却すべきである。
第四インターナショナルは、ハイチの草の根組織への財政的・政治的支援を提供することで民衆的連帯の意思を注ぎこむよう、労働者階級の組織に呼びかける。
第四インターナショナルは、この荒廃した国の新たな基礎の下での再建を支えるという同じ目標を共有するハイチの労働者階級組織に対して、物質的支援を送ることを確認するものである。
2010年2月27日
 
気候変動への民衆的回答へ
コチャバンバ会合の成功を!

▼二十五の大汚染国がコペンハーゲン気候サミットの舞台裏で達した漫画的な合意なるものをわれわれは非難する。この合意は、共通だが差違ある責任という原理を脇に置いている。彼らは、この協定を世界の人民に強制しようとしている。それは、大資本の利益と諸資源の資本主義的専有にとってピッタリ合うものだ。それは、エコシステムに対してはもちろん、世界の労働者、貧しい者、小農民、女性、先住民にとっては、等しく深刻な脅威を意味する。
▼先住民の声を届かせ、世界と大気を諸大国間で分割するという帝国主義政策に対して共同の回答を発展させることを目的とした、気候とマザーアースの諸権利に関する人民サミットを開催するとの、エヴォ・モラレスボリビア大統領の先陣を切った呼びかけを賞賛し歓迎する。われわれは、搾取と抑圧と闘っているすべての政治、社会勢力に、このコチャバンバ会合を支持し可能な限り参加することを呼びかける。
▼自らで発展させたエコシステムをを守り、環境を尊重する集団的な活用の方法、人生の送り方、そして彼らの諸権利のために闘っている、そのような人びとの共同体に敬意を表する。彼らはそうすることの中で、気候のための運動における推進力となった。そして新自由主義的な諸資源の商品化という資本主義的な論理に反対している。彼らは、自然と社会の間の新たな関係を創出するにあたって、ひらめきの一つの根源だ。
▼以下のことが確保されるよう革命的マルクス主義者に訴える。すなわち、明確化された文化的な諸参照点に加えて、反新自由主義的、反資本主義的な回答にむけ、コチャバンバ会合が社会運動の国際的動員を深め広げる道を固めるものとなることをだ。
 2010年2月27日

イランの民衆的反独裁闘争連帯

 アメリカ帝国主義の攻勢、国連の経済制裁、そしてイスラエルが中東にまきちらすイランに敵対する好戦的な宣伝の洪水という状況の中で、イスラム共和国の独裁的体制からのイラン民衆の解放は、イラン民衆の大衆的動員によってのみもたらされることを第四インターナショナルは宣言する。われわれは帝国主義の戦争・占領・介入政策を非難し、自らの自由と独立をめざして闘う民衆の側に立つ。
 二〇〇九年六月十三日の不正きわまる選挙以後、イラン・イスラム共和国は前例のない体制的危機に投げこまれた。それは青年、女性、労働者が自らの民主主義的願いを大衆的に表現するスペースを切り開いた。イラン民衆は、この八カ月間、「独裁打倒」の叫びをもって大衆的な怒りを表現してきた。選挙への挑戦からイスラム共和国の基礎そのものへの拒否にまでいたるこのプロセスは、成長し、ラディカル化し続けている。
 一九七九年以来権力を共有してきた異なった分派間の対立が醸成され、公然たる戦争となった。最高指導者のアリ・ハメネイ、アフマディネジャド大統領、そしてパサダランの指導部は、石油収入を完全に支配し、自らの経済的・金融的利害を確固たるものにすると決定した。ムサビ、カロウビ、ラフサンジャニが体現する一派は、権力からの追放を拒否しているが、彼らは危機をきわだたせたイスラム共和国の血まみれの収支決算に多くの点で関与している。
 この重圧を取り除き、権利のために闘う青年、女性への日常的弾圧に終止符を打とうとする民衆の決意は、労働者の固有の要求とますますからみあったものになっている。
 青年、女性、そして労働者は、この八カ月間、あらゆる機会を捉えて軍事的・神権的体制を拒否した。かれらの勇気ある決起は、政府内の分裂を際立たせ、イスラム共和国を弱体化させた。
 ハメネイ、アフマディネジャド、パサダランは、イラン民衆の正当な社会的・民主主義的願いに暴力的弾圧で応えた。イラン・イスラム共和国は、抗議の運動を大量逮捕、見せしめの公開裁判、拘禁者のレイプ、死刑執行で踏みにじろうとしてきた。しかしそれはうまくいかなかった。現政府への反対は深く根を下ろしている。弾圧は、現政権への反対派の怒りと決意を消し去らないだろう。
 政治的危機が経済的危機と結びつく状況の中で、イランにおける新たな闘争の局面が始まった。失業、レイオフ、民営化、制御のきかないインフレに直面する中で、とりわけ未払い賃金の支払い、労働組合結成の権利を求めて多くのストライキが起こっている。体制の側は、王制打倒に大きな役割を果たした一九七九年のストライキの波を忘れなかった。したがって政権は、労働者階級の闘争を残虐に鎮圧している。
 われわれの支援は、女性、労働者、青年、そしてイスラム共和国を拒否するすべての人びとに向けられている。民主主義への願いと労働者の社会的要求の結びつきが、決定的要因となるだろう。労働者階級がこの闘いに加わるにつれて、現在の運動は、イスラム共和国を打倒し、帝国主義とシオニズムに真に反対する社会的・民主的・政教分離の共和国を樹立するために必要な結束と力を獲得するだろう。
 真の民主主義的権利、政治囚の釈放、死刑の廃止、結社とストライキの権利、自由な選挙、民族的少数派の諸権利、社会的公正、男女の平等を求める闘いには、強固な国際的連帯が必要である。
 かれらの闘争はわれわれの闘争だ!
2010年2月27日


メキシコ電気・鉱山労働者に勝利を

 二つのメキシコプロレタリアートの重要な隊列、メキシコ電気労働者組合(SME)及び全国鉱山・金属関連労働者組合(SNTMMSRM)は、彼らの組織、彼らの雇用契約、彼らの仕事を守るために今大きな闘いに取りかかっている。これらの対立は、階級闘争をこの国における政治の中心に戻した。
 これらの対立は、二〇〇六年の恥ずべき選挙詐欺から生みだされた政権の、階級的敵視かつ悪意に満ちた本性を暴き出すこととなった。そしてこの政権は、あらゆる公共サービスの私有化を深め、労働法を「柔軟化し」、経済改革の野蛮なひとそろいをより容易く適用できるようにするために、これらの労働組合組織の破壊を狙っている。そして先の経済改革は、雇用主の強欲が引き起こした危機の重荷を労働者の背に押しつけることとなるだろう。
 二〇〇九年十月十日、フェリペ・カルデロン右翼政権は、この企業を清算する違法な指令に続いて、四万四千人の労働者を街頭に放り出し、二万二千人の年金生活者を何も保証せず放置したまま、ルズ・イ・フエルザ・デル・セントロ電力公社(LyFC)の構内に軍隊を送り込んだ。政府はこの措置を、吹聴されてきた労働者の「非効率性」と「特権」を根拠に正当化を試みた。しかしその真の目的は、公的電力サービスとその光通信ネットワークの私有化、並びにこの国の歴史において民主主義と闘争の一つの象徴となってきた組合の破壊にある。
 他方、歴史的に由緒のあるカナネア、ソンブレテ、タクスコの鉱山労働者たちは、グルポ・メヒコと呼ばれる富裕企業に、より安全かつ衛生的な労働条件を要求して、二年以上にわたってストライキ闘争を闘ってきた。およそ三年前、この企業グループに属するパスタ・デ・コンコス炭鉱で恐ろしい事故が起こり、六十二人の労働者が犠牲になった。その事故は、もっとも初歩的な安全措置もが欠けていたことで引き起こされたのだ。二月十二日、ソノラ州のカナネアでのストライキは違法と宣告され、今政府は、軍隊と警察力を使った支配の回復を準備している。例え命を落とすことがあるとしても鉱山は渡さない、労働者たちはそのことに信をおいてきた。
 労働組合の幅広いグループと他の社会運動は、SMEの労働協約が更改されるはずの日付けである三月十六日を期して、鉱山並びに電気産業の紛争が解決されるまで全国的なストライキに入ることを呼びかけた。メキシコ労働者のごく近い未来は、この闘争の帰趨に大いにかかっている。
 第四インターナショナルは、メキシコの電気、鉱山労働者のこの闘争に無条件の連帯を明らかにする。そして、すべての支部並びにシンパサイザー組織、またあらゆる国の労働者に、三月十六日、全世界あらゆる諸国のメキシコ大使館前でメキシコ政府に抗議する行動を組織することを呼びかける。
 2010年2月27日
労働者階級万歳!
プロレタリア国際主義万歳!

The KAKEHASHI

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