第四インターナショナルはどのように闘い、何を理解したか

第四インターナショナル結成60周年記念論文 1

1999.2.1

ダニエル・ベンサイド

 1938年に第4インターナショナルが結成されてから、すでに60年が経過した。第4インターナショナルは第2次世界大戦からソ連邦崩壊に至るこの時期を、どのようにとらえようとし、どのように闘ってきたか。以下は、第4インターナショナル・フランス支部の同志ダニエル・ベンサイドが、フランソワ・モロー著『第4インターナショナルの闘いと論争』の序文として執筆したものを要約したものである。

革命運動再建の第1の条件

 壊滅的な影響を及ぼした歴史的敗北(ドイツにおけるナチの勝利とソ連邦における官僚の反革命)の後を受けて、第4インターナショナルは、1938年のその創設以来、巨大で複雑なさなざまな諸事件に直面してきた。多くの勢力や知性が打ち砕かれ、落胆し、混乱に陥る中で、苦難に満ちた犠牲を払いながら、この小さな国際組織が、衝撃と激動の中で、いかにして共通の世界観と一致した実践と誇りと連続性を保持してきたのだろうか?
 さまざまな大会、論争、分裂、再統一、若干の前進の過程をたどると、そうした論争や闘いがひとつの英知の連続性を堅持してきたことを認めることができる。これは、われわれが常に正しいとか、われわれが自らの見直しや批判的検討を免れることができるということを意味するものではない。だが、われわれは、スターリニズムの政治的・モラル的破産を共有してはいないのであって、この点こそ今日再建に着手できるための第一条件なのである。

指導部の危機論とジレンマ

 第4インターナショナルは、人類の危機が革命指導部の危機にほかならないとする考えにもとづいて創設された。この考えは、一定の意味においてしかも一定の諸関係の中では正しかった。その当時、ヨーロッパとアメリカでは、労働者のなかでは、たとえその手段をめぐっては改良主義派と革命派とに分かれていたとしても、強力な組織的運動が存在していたし、その主要潮流は資本主義の打倒が目的であると宣言していた。
 時代を切り開いた10月の出来事は当時(1920〇年代はまだかろうじて)色あせてはいず、その威光は、官僚のテルミドールにもかかわらず、まだ輝き続けていた。当然、粛清や追放にもかかわらず、ボリシェヴィキの伝統がソ連邦でまだ生き残っていると考えられていた。この官僚的反革命から出現した全体主義的専制体制の前代未聞の現象が、今後予測し得る衝突に抵抗できないだろうと期待するのは、正当であった。
第2次世界大戦の後に、猛烈な革命的な波(ユーゴスラビア革命、中国革命、ギリシア内戦)が到来したが、スターリニズムは崩壊しなかった。それは、逆に、ナチに対する勝利、いわゆる「社会主義陣営」へのその支配の拡大、ヤルタとポツダムに象徴される世界の指導権の共有という新たな正当性を獲得した。想定された筋書きは確認されず、一部の人々は時を移さずタオルを投げ、その計画を変更しなければならないという結論を導き出した。
 実のところ、第4インターナショナルの創設はひとつの予測に由来するのではなく、ひとつの綱領に立脚するものであった。両大戦間に起きた、ロシア革命(二重権力、ソヴィエト)、ドイツ革命(統一戦線)、ファシズムに対する闘争(民主主義的要求)、中国革命(永続革命と労農同盟)、スペイン内戦と人民戦線、官僚的反革命と政治革命の必要性(多元主義的な社会主義、国家からの政党と労働組合の独立、民主的権利)、といった階級闘争の偉大な経験の集大成を出発点にして、国際的レベルで革命派を再結集することが重要だったのである。
 インターナショナルの各国支部が全面的に戦争の試練を受け、出来事と任務について共通の理解を維持したことは、インターナショナルの創設というこの事業の正当性を証明するものである。しかしながら、このインターナショナルは、戦争の翌日から、その後の全歴史に刻みつけられるひとつのジレンマに直面した。
 当初、第4インターナショナルは、スターリニスト官僚と資本主義の延命が短期間なものとなるだろうと期待することができた。1947~48年から、「復興」とマーシャル・プランの影響が感じ取れるようになった。それ以降、二重の誘惑が生まれてきた。すなわち、予言の楽観主義(歴史は最後にわれわれの正しさを認め、大衆はたとえまだ無視しているとしても自らのものである綱領のもとに結集するだろう)とインターナショナルが崩壊しかねない「階級の現実の運動」への回帰(もし大衆が綱領のもとに来ないのであれば、綱領が大衆のもとに行くだろう)、という二重の誘惑である。

革命運動の危機とその背景

 このわざと図式化した要約的説明は、すべての取るに足りないささいな出来事を含んでいない。その当時は、報いられることのない時代であった。あの時代に持ちこたえるのは困難であったが、持ちこたえる必要があった。そして、それはなされた。
 しかも、第2次世界大戦終了時に力関係の進展があったという点を理解する必要もあった。いくつかの革命が勝利し、すさまじい混乱が生まれたが、旧体制、すなわちアメリカと西ヨーロッパの資本主義体制とソ連邦の体制、を支えてきた支柱はしっかりしていて倒れなかった。
 こうした経験にもとづいて、エルネスト・マンデルはこの歴史についての説明を提起した。第一次世界大戦に先立つ時代は、主要諸国における経済成長と労働運動の蓄積の時期であった。この労働運動は、神聖連合によって一時的に混乱させられたが、すぐに回復し、その活動家網は再建された。こうして労働運動は比較的強力なままに世界戦争から抜け出た。第2次世界大戦に先立つ時期は、逆に、歴史的な敗北の蓄積(ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア)およびそれに加えて長期化した世界戦争の影響、を経験した。
 こうした与件の上にさらに、帝国主義経済の諸条件に関する理解を付け加えなければならない。現代資本主義の発展力学とその変動に関する理解を現代に即したものに手直したことは、マンデルの功績である。彼の2大著作(1962年の『現代マルクス経済学』と1970年の『後期資本主義』)は、彼によるこの考察の到達点である。
 1950年代は、つらい砂漠の横断のように思われた。成熟し続けているとみなされる客観的諸条件と常に最低状態にある主体的要素との間のギャップの広がりは、かつてないほどのものとなった。しかしながら、歴史は、1956年の(ハンガリーとポーランドの)最初の反官僚的蜂起および(ベトナム、アルジェリア、キューバの)植民地革命の高揚とともに、溶け始めた。
 1968年という年は、(ベトナムの)テト攻勢と(チェコスロバキアの)プラハの春とフランス5月のゼネストという典型的な出来事をめぐって、この「世界革命の三つの部門(反帝国主義革命と反資本主義革命と反官僚革命)の弁証法」を確認し、深めることになった。この爆発的結合は、壮大な国際主義的息吹きに駆り立てられた青年の急進化となって現れた。しかしながら、この刷新の前提条件は、労働者階級自身の内部ではまだ脆弱であった。
 それは、ラテンアメリカのフォコ(武装反乱の核)主義の中にその双生児の一方を認めた「性急なレーニン主義」の時代であった。1968年から1976年までの時期、新しい左翼(革命派)の発展は多くの諸国の中で現実の現象となり、それらは伝統的組織のヘゲモニーを覆すまでに到達したが、伝統的組織と競うまでには至らなかった。
 1974年から1975年のポルトガル革命は、1960年代に始まった大論争の最後のテストであった。ポルトガル革命が深化していたならば、明らかにそれは、フランコ死後(1975年11月)の交渉による独裁体制からの移行の諸条件を変えていたであろう。しかし、スペインでの独裁者の死と同時に、実際には、「民主主義革命に対抗する」強行措置が取られ、マリオ・ソアレスとその社会民主主義の支援のもとでの国家秩序の回復がなされた。
 これが、1974年から1978年にかけてヨーロッパと全世界で起こった転換の始まりであった。恐慌の最初の社会的影響およびとりわけ改良主義指導部の恥知らずな階級協調主義的政策が、労働運動を立ち往生させ、1968年に生まれた闘いの躍進を打ち砕いた。1976年のイタリアでの「歴史的妥協」、一九七七年のスペインでのモンクロア協定と君主制の受入れ、1978年のフランスでの左翼の分裂と敗北といった一連の出来事が続き、歴史の一頁がめくられた。

根本的な長期的再編の過程

 次のような疑問がどの時代にもましてしつこくつきまとい続けてきた。すなわち、もし人類の危機が指導部の危機にほかならないということがずっと続いてきたのだとすれば、なぜわれわれのあらゆる熱意が指導部の問題を解決することに成功しなかったのだろうか?
 1985年の第4インターナショナル第12回世界大会は、この問題を1930年代的諸条件のもとでもはや提起しえないという点を強調した。人類の危機は、前衛の危機に、破産した伝統的指導部を無傷の指導部によって取り替えなければならないとする必要性に還元されるわけではないのである。
 社会や労働組合や労働運動とその同盟者の政策の全世界的規模での再組織化が日程にのぼっている。ロシア革命に匹敵する役割を果たす新しい根本的出来事がないかぎりは、おそらく不均等でより長期化する過程が続くだろう。第4インターナショナルは、以後、スターリニズムと社会民主主義の破産に代わる半ば必然的なオールターナティブとみなされることはありえないが、有効な手段を作り上げることができる。
 「階級間の力関係を覆し、諸勢力の全般的再編を決定づけることができるような世界的重要性をもつ出来事が起こらない中では、国際労働運動の再編は緩慢で不均等で、深く分裂したものであり続けるだろう。今は、大衆的なインターナショナルの抽象的宣言をすべきときでも、それに至る何らかの近道を捜し求めるときでもない。われわれは、労働運動における根本的な長期間にわたる再編の始まりの段階にいるにすぎない。われわれは現存の第4インターナショナルの建設とさまざまな諸国や大陸で前進しつつある前衛的諸勢力との協力とを結びつけなければならない」。
 スターリニズムの及ぼした影響とそれがもたらした結果が消え去ったとはとうてい言えないとしても、ベルリンの壁の崩壊およびソ連邦の解体とともに、ひとつの時代が完了したのである。
 もしわれわれが探し求めている新しい時代に立ち向かうのであれば、綱領的記憶と道標が必要になる。しかし、この道標の現実化は、新しい根本的経験を中心としてなされる。今のところ、コミューンや世界大戦やロシア革命やスターリニスト的反革命といった国際労働運動の諸潮流を大規模に描き出すような出来事はまだ出現していないように思われる。だがそれはいずれ到来するだろう。われわれが準備しなければならないのは、古いものと新しいものとのこの出会いである。

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