第14回世界大会

社会主義へ、いま(第14回世界大会報告集発刊の辞)

ソ連邦の崩壊と第14回世界大会

 1995年6月6日から5日間にわたって、第四インターナショナルは第14回世界大会を開催した。
 世界大会には、アジア・オセアニアからオーストラリア、ニュージーランド、インド、スリランカ、香港、日本の各組織、アフリカ・中東からセネガル、チュニジア、南アフリカ、モロッコ、レバノン、トルコの各組織、南北アメリカからカナダ/ケベック、アメリカ、プエルトリコ、メキシコ、エクアドル、ブラジル、ウルグアイの各組織、ヨーロッパからギリシャ、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、オランダ、デンマーク、ベルギー、ルクセンブルク、ドイツ、イギリス、アイルランド、オーストリア、ポーランド、スイス、スウェーデン、ノルウェーの各組織が代表をそれぞれ派遣した。
 ボリビア、チリ、グアダルーペ、マルティニク、モーリシャス、アルジェリア、イスラエル、ヨルダンの各組織は、ビザ発給上の問題や財政上の問題などで参加することができなかった。
 また世界大会には、オーストラリア民主社会党(DSP)、フィリピンから人民共産党、MLCB(いわゆるフィリピン共産党民主ブロック=当時)、社会主義的意識と行動のための同盟(BISIG)の三組織、セネガルの民主主義と社会主義のためのアフリカ人党(PADS)、ブラジルの労働者党(PT)、アメリカのソリダリティー、スペイン・バスクのZUTIK、フランスの「労働者の闘争」、イタリアの共産主義再建党、ロシア労働党が、それぞれオブザーバーとゲストを派遣した。世界大会はさらに、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の被占領地域支部をはじめ、世界各地で闘う多くの諸組織からメッセージを受け取った。

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 1991年二月の前回大会から今大会にかけて生じた世界情勢上の最大の変化は、言うまでもなくソ連邦の崩壊であった。八九年に東欧から始まった国際スターリニスト官僚支配体制の崩壊は、その出発点であり中心地であったソ連邦において「完結」した。
 しかも、東欧・ソ連で官僚専制支配を打倒した労働者人民の闘いは、社会主義を目指す過渡的社会=労働者国家の民主的再生へ向かうことなく、ブルジョアヘゲモニーに呑み込まれ、混乱に満ちた全面的資本主義化への道をたどることになった。たとえば東ドイツでは、ホーネッカー体制を追い詰める大衆デモを組織する闘いの先頭に立っていたのは「新フォーラム」であった。しかしこうした「社会主義の再生」の潮流は、東欧でもソ連でも大衆闘争の爆発の中でまたたく間に乗り越えられ、人々の意識は一挙に「西側との合流」へ向かった。こうして、われわれが「官僚的に堕落した労働者国家」と規定してきたスターリニスト官僚専制支配体制は、資本主義の方向へ瓦解した。
 1917年のロシア革命によって成立したソ連邦は、20年代半ば以降、急速に官僚的堕落を深めながらも、全世界の労働者人民に“オルタナティブとしての社会主義”を実感させる物質的基盤であり続けてきた。それは、プラスの意味でもマイナスの意味でも、そうであり続けてきた。1930年代の世界恐慌と対比された計画経済の「成功」、「労働者国家圏」の外延的拡大や、世界最初の人工衛星打ち上げが象徴した科学技術の発展などを通してプラスの意味に、しだいに明らかにされていった官僚専制政治の実態や消費物資の劣悪さや不足の現実などを通してマイナスの意味に、人々はソ連邦を通じて資本主義に対する“オルタナティブとしての社会主義”を実感し続けてきたのである。
 そのソ連邦が崩壊した。それは、労働者、農民、ほとんどすべての民衆にとって、“オルタナティブとしての社会主義”そのものの崩壊であった。すなわち、大多数の労働者人民にとって社会主義とは、失敗した歴史的実験としてとらえられるようになったのである。そしてスターリニズムによって歪曲されていない、民主主義的で国際主義的な社会主義の展望は、運動を通じた経験によって大衆化するには至っていない。

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 こうして、資本主義に対するオルタナティブは、大衆的に実感し得るものという意味では存在しなくなった。その一方で、資本主義の危機と行き詰まりは、ますます明らかになっている。第三世界に広がる数億の飢餓と失業、南北の格差の拡大、帝国主義工業国でも数千万人が職を奪われるという状況が続いている。経済的にもエコロジー的にも、今日の社会体制が未来を食いつぶしていることが大衆的に意識されつつある。社会的閉塞感が広がり、旧来の政治支配システムは有効性を失っている。そしてこのなかで対抗的“脅威”のなくなった資本主義は、あからさまな「新自由主義」政策を振りかざし、労働者人民が闘いとってきた諸権利や労働条件に対する攻撃をますます強めている。
 しかし、オルタナティブがないとすれば屈服するか、ますます譲歩の余地を失ってゆく資本主義の枠内で、悪くなるスピードを若干緩和するという程度の「改良」を目指すしかないということになる。こうして、社会民主主義と破産したスターリニズムの後退に次ぐ後退が生じ、労働者運動の大幅な後退が生じ、その世界の中で闘ってきた第四インターナショナルも含む革命的左翼勢力の後退が生じた。そしてこうした状況の中で、深まる社会経済的危機に対する不信、怒り、いらだちは、民族排外主義やファシズム、宗教的原理主義など反動的諸勢力の伸長をもたらし、絶望的暴力の爆発と政治的混乱を作り出している。

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 このような流れに抗して、社会主義革命運動の再生を目指すための最大の課題は、資本の支配と対決する闘いの世界、反資本主義的闘争の世界を、大衆的規模で、しかも国際主義を徹底的に貫いて全世界で作り出すことであり、そうした闘いを通じて、広範な反資本主義左翼を結集し、民主主義と複数主義にもとづく力あるインターナショナルを建設することである。
 第14回世界大会はそのために開催された。

社会主義革命運動の世界的再生に向けて

 大会は、活発な討論の上で、本書に掲載した七つの文書を確認し、決議した。
新しい世界情勢が提起する挑戦課題
資本主義のグローバリゼーションの現状と展望
帝国主義ヨーロッパにおける政治情勢とわれわれの組織建設
帝国主義ヨーロッパにおけるわれわれの任務
ラテンアメリカに関する決議
キューバの危機
今日のインターナショナル建設。
 とは、ソ連邦崩壊がもたらした情勢の転換と主体の危機、資本主義のグローバル化によって生じた課題と闘いの方向性について提起しようとするものである。とりわけ焦点がしぼられているのが、資本主義のグローバリゼーションの新たな段階についての認識である。

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 マルクス・エンゲルスの時代から「グローバリゼーション」は資本主義の発展と分かち難く結びついている。それは資本主義の本質そのものであったと言うこともできる。『共産党宣言』は次のように述べている。
 「ブルジョアジーは、世界市場の開発を通じて、あらゆる国々の生産と消費を超国籍的(コスモポリティッシュ)なものにした。彼らは、産業の足もとからその民族的な基盤をとりさって、反動家どもをいたく悲しませた。古来の民族的産業はすでに破壊されてしまい、また、日に日に破壊されている。それは、新しい工業によって駆逐されてゆく。そして、この新しい工業を採用することはすべての文明民族の死活的問題となる。それは、もはや国内の原料ではなく、きわめて遠い地方で産する原料を加工する工業であり、その製品は、自国内ばかりでなく、同時に世界のあらゆる地方で消費される。国産品によってみたされていた昔の欲望にかわって、最も遠くはなれた国々や風土の産物によってはじめてみたされる新しい欲望があらわれる。昔の地方的・一国的な自給自足と隔離のかわりに、全面的な通交、諸民族の全面的な依存関係があらわれる。……」。
 しかし、当時の資本主義の世界化は、中枢諸国における「国民国家」の形成と確立、その強化と分かち難く結びついており、したがってまた資本主義的「国民経済」の形成と確立、その強化と結びついていた。だからこそ国境の枠を超えてあふれ出した「国民経済」の「国民的生産力」が、それぞれの「国民国家」を背景として激しく衝突し、二度にわたる世界大戦、帝国主義戦争を引き起こして、全世界をすさまじい惨禍にたたき込んだのである。

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 今日の「資本主義のグローバリゼーション」は、こうした段階と決定的に異なっている。むしろ、帝国主義支配の確立と帝国主義戦争の時代に突入する半世紀以上も前に書かれた若きマルクスやエンゲルスが想定したような、最もあからさまな資本の支配が全世界のすみずみに広がる時代が、150年の歳月を経てふたたび始まったと表現した方が正確なのかもしれない。
 「資本主義のグローバリゼーション」の時代は、多国籍企業の時代である。多国籍企業にとって、もともと「国民経済」の論理は自らを規制するものでも何でもなく、最適地開発と調達、最適地生産と販売の体制の確立に向けて突き進んできた。60年代にアメリカ巨大資本が本格化したこうした流れは、80年代に入って一挙に加速した。「国民経済」に産業の空洞化が進行しようが、そんなことは全く意に介さず、多国籍企業の価値増殖と蓄積に最も有利な所に企業展開しなければ、「大競争(メガ・コンペティション)」の時代に勝ち抜くことはできない。こうした多国籍企業の共通の要求は、そのような自分たちの世界的な企業展開に各国政府が協力し、協調してあらゆる機会と便宜と供与すべきだということである。
 「グローバリゼーション」の進行の中で、「国民国家」は資本の力を背景に強化されるのではなく、最大限の利潤を求めて世界展開する多国籍企業によって力を削がれ、一国的な政策の有効性もまた大きく損なわれつつある。たとえば、「大競争」の時代に対応する「魅力的な投資環境の形成」が、各国政府にとって最大の政策的課題になりつつある。すなわち、賃金や労働条件や社会保障水準を切り下げて、多国籍企業の利潤追求に有利な条件を整備するということである。「そうしなければ、多国籍企業は何のためらいもなく他の地域へ移転してしまう。だから耐え忍べ」。各国政府当局者は、異口同音にこう主張して労働者をおどしつけている。「国民国家」としての政策は、いまや多国籍企業の利益に従属させられている。
 こうした「資本のグローバリゼーション」による一国的政策の有効性の喪失と同時に、IMFや世界銀行などのように、各国の政策に影響力を行使し、介入し、支配する“プレ超国家”的な国際機関が、さまざまな形で重層的に形成されつつある。その政策的キーワードは「規制緩和」であり「民営化」であり「貿易自由化」である。こうした“プレ超国家”的国際機関として最も先に進んだものが、通貨統合の期限を目前にしたEU(ヨーロッパ連合)である。

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 このような「資本主義のグローバリゼーション」の中で、社会主義革命運動の再生を目指す勢力にとって重大な問題が突きつけられる。それは、綱領の一国主義的展望がその有効性を決定的に失ったということである。たとえばヨーロッパにおいて、第四インターナショナルは伝統的に「ヨーロッパ社会主義合衆国」のスローガンを掲げてきた。しかしそれは現実には、フランス、イタリア、ドイツ、スペインといった各国の革命のモザイク的結合を超えてはいなかった。多国籍企業のための統一ヨーロッパへ向かう動きに対して、さまざまな抵抗闘争はそれぞれの政府に対して開始されるとしても、それが勝利に向かうためには、最初からインターナショナルな展望が提起されなければならない。
 世界情勢にかかわる二つの決議、ヨーロッパ情勢と任務に関する二つの決議、ラテンアメリカ決議など、すべての決議を貫いているのは、こうした考え方であり、問題意識である。
 そして同時に、こうした方向性に基づいて、労働者の反資本主義的闘争を世界規模で再建することの決定的重要性が強調されている。
 ソ連・東欧の解体に至ったスターリニズムの崩壊は、ロシア革命以来の“社会主義革命運動の歴史的一サイクル”の終焉をもたらし、労働者人民にとっての「オルタナティブとしての社会主義」という意識を解体した。それによって、八〇年代から続いてきた労働運動の後退と危機はさらに深刻化した。第四インターナショナルは、こうした流れに抗し、多国籍企業と各国政府が推し進めるあからさまな「新自由主義」的政策に対する抵抗闘争を結びつけ、鼓舞し、発展させ、大衆的に実感し得る反資本主義闘争の世界を再建することに全力を上げてきた。第十四回世界大会は、このような闘いの成果を総合し、社会主義革命運動の世界的再生に向かう方向性を提起した。

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 世界大会直後の95年12月、ヨーロッパを揺るがしたフランス公務員ゼネストで、第四インターナショナルフランス支部であるLCR(革命的共産主義者同盟)の同志たちは、社会保障の切り下げに屈服する社会党や混乱し無方針状態に陥った共産党を超えてCFDTやCGTの労働者と結びつき、闘争の統一性を徹底的に防衛しながらジュペ政権の攻撃を押し返す闘いの中で、きわめて重要な役割を果たした。
 「多国籍企業のためのヨーロッパ」に「労働者のヨーロッパ」を対置する反失業ヨーロッパ大行進が97年4月から6月に展開された。18のメインルートを軸に、20カ国の労働者が参加し、ヨーロッパ各地で1000カ所の集会を開催し、延べ5000キロを行進したこの大行進は、ヨーロッパ通貨統合に向けた労働条件の改悪や社会保障レベルの切り下げに対決する国境を超えた闘いを、新たな段階に高める画期的行動だった。6月14日のアムステルダムで行われた5万人デモでは、失業や不安定雇用や社会的排除に反対するスローガンが、十数カ国語で叫ばれた。第四インターナショナルの同志たちは、この闘いの中軸を担いぬき、行動の成功のために最も責任ある役割を果たした。こうして、第十四回世界大会の決議は、すでに実践に移され、確実に成果を生みつつある。

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 ヨーロッパに関する二つの決議の中では、社会民主主義の今日的破産について詳細に分析されている。この間、イギリス、フランス、イタリアなどヨーロッパ各国で、労働者の抵抗闘争の高揚に押し上げられる形で社会民主主義的勢力が政権に復帰している。社会主義的展望への確信を見失った旧左派の中にも、こうした状況への幻想が生まれ、イギリスのブレア政権の「ニュー労働党」やイタリアの「オリーブの木」がもてはやされている。
 たとえば先の総選挙で、第四インターナショナルイギリス支部の同志たちは労働党への投票を呼びかけたが、それは労働党の反労働者的政策を暴くことと一体であった。「ニュー労働党」の「新しさ」とは、かつての労働党よりさらにあからさまに、多国籍企業の要求を受け入れるというものでしかない。「新自由主義を。ただし保守党よりはややおだやかに」というのが「ニュー労働党」であり、「復活」しつつあるヨーロッパ社民なのである。

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 ラテンアメリカ決議では、今日の後退局面の中で左翼勢力が陥った危機と混乱、そしてその再編過程の現状について詳しく分析している。ブラジルやエクアドルで、大衆的左翼勢力が選挙戦を通じて政権に就く可能性があった時期は過ぎ去った。もちろんニカラグアやエルサルバドルのような、武装闘争を軸にした高揚の時期も過ぎ去り、左翼勢力は分解と混迷の中で再編の過程にある。この中で第四インターナショナルは、反資本主義的闘争の再建、反資本主義左翼の結集と新たな前進のために試行錯誤に満ちた苦闘を続けている。
 第四インターナショナルブラジル支部は、大衆的左翼労働者政党であるPT(労働者党)の最左翼として、「社会主義的民主主義テンデンシー」を形成して闘い抜いているが、第14回世界大会を受けて開かれたブラジル支部の大会文書は、一国的な綱領的展望が失われたことをあらためて強調し、ラテンアメリカ規模の綱領的展望をつかむための闘いを開始している。
 メキシコでは、70年間続いてきた与党PRI(制度的革命党)の一党支配が崩壊過程に入った。第四インターナショナルメキシコ支部であるPRT(革命的労働者党)の同志たちは、PRI一党支配に重大な打撃を与えたサパティスタ民族解放軍(EZLN)と密接な友好的関係を発展させつつ、野党PRDとの選挙協定を通じて国会に一議席を獲得し、議会内外での闘いを推し進めている。
 また、ラテンアメリカの同志たちは、きわめて広範なラテンアメリカ左翼の国際的討論・交流機関として定着したサンパウロ・フォーラムの中で、柔軟な非セクト主義的姿勢を堅持しながら、この最左派として反資本主義左翼の再結集と強化の中心的役割を担っている。そしていま、メキシコ、ブラジル、ウルグァイをはじめ、ラテンアメリカ左翼は90年代半ばまでの混迷の時期を徐々に抜け出し、ゆっくりとではあれ再び前進をかちとりつつある。

インターナショナル建設の課題

 「資本主義のグローバリゼーション」と対決する反資本主義闘争の再建と反資本主義左翼の国際的結集という路線は、インターナショナル建設の課題と一体のものである。世界大会を貫く討論のもうひとつの基調は、この問題であった。
 第四インターナショナルは、80年代半ばからインターナショナル建設の方針を大きく転換し始めた。言うまでもなく、それまでの方針は世界各国に独立した第四インターナショナル組織を建設し、社会民主主義やスターリニスト党に抗して大衆的前衛党を形成し、「社会主義革命の世界党」としてのインターナショナルを作り出そうとするものであった。
 世界大会決議文書「今日のインターナショナル建設」は、この間の国際論争と実践を踏まえ、このような旧来の路線からの転換をあらためて確認した。

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 われわれは現在、「インターナショナル」の名に値する唯一の国際組織である。しかし、われわれ以外にも各国に革命的左翼諸組織が存在するし、国や地域によってはわれわれよりはるかに大きなそうした政治組織があり、またブラジル労働者党(PT)やイタリア共産主義再建党のように、全体が革命的と言うことはできないにしても、戦闘的で大衆的な労働者政党が存在する。また、ソ連・東欧の崩壊に至ったスターリニズムの分解と解体は、旧来の左翼諸勢力の隊列の中に多くのイデオロギー的混乱と屈服を生じさせたが、同時にスターリニズムの国際的威信に起源を持つセクト主義的伝統の著しい解体をももたらした。われわれの非セクト主義的実践の積み重ねを通じて、たとえ混乱があったとしても屈服を拒否しようとするこうした傾向の中には、第四インターナショナル諸組織への友好関係と信頼感が作り出されている。第四インターナショナルは、主要にスターリニズムの分解と解体がもたらした左翼勢力の再編成の過程と、われわれ以外の革命的諸組織の再編成の過程に介入し、自らもその最も意識的な一部となることを通じて、各国規模で、さらに国際的規模で、帝国主義・資本主義と対決する諸傾向が協力した運動を作り出そうとしてきた。
 われわれは、すでに触れたようにブラジル労働者党(PT)の最左派として大きな一翼を形成しており、イタリア共産主義再建党の指導部の重要な一角を占めている。スペインでは旧共産党とともに「統一左翼」を形成し、デンマークでは旧共産党や他の革命的諸組織とともに「赤と緑の連合」を形成し、統一選挙名簿で国会議員にメンバーを送り出している。ドイツでも、旧共産党である民主社会党の選挙名簿で国会議員を送り出している。
 ここにあげたいくつかの例でも明らかなように、こうした再編成の過程はさまざまな形態をとり得るし、各国ごとの具体的状況によってその可能性や枠組みは大きく異なる。共同して統一した政党を形成する場合もあるし、それぞれの政治組織はそのままにして、それらの連合した大きな枠組みの組織を形成する場合もある。もちろん、あくまでも独立組織の大衆的強化を軸に、他の諸組織との共同闘争と討論を深化し、統一戦線を強化・拡大する場合もある。しかし組織を統一する場合も、その内部における独自の政治的結集は当面、堅持されなければならない。こうした統一自身が再編成の過程の一表現にほかならず、再編成を成功裏に推し進めるためには、われわれの働きかけが不可欠であるからだ。

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 ヨーロッパにおける組織建設の決議の中では、この間の実践を踏まえて、こうした試みを行うに当たって注意すべき点が具体的に提起されている。全世界に通用する普遍的方法はない。それはあくまでも各国の具体的な政治的環境や組織状況に依存しており、不注意で準備の欠如した取り組みは、大きな政治的打撃をもたらすこともあるからだ。
 われわれは、こうした連合組織や統一組織を建設しようとする場合、ロシア左翼反対派以来のスターリニズムとの闘いの歴史や経験についての認識を「踏み絵」にしようとはしない。それぞれのアイデンティティーを尊重し、民主主義的複数制にもとづいて行動を統一するという立場をとる。しかしまた第四インターナショナルは、第四インターナショナルとしての結集を放棄するべきだとは絶対に考えない。第四インターナショナルは、新しい大衆的インターナショナルを建設するための核心であり続ける。
 今回の世界大会にも、自らをトロツキストとして認識しながらも統一書記局には結集していないグループや、まだトロツキズムと第四インターナショナルを全面的に承認したわけではない革命的政治組織、あるいは、われわれがその一翼を形成する大衆的政治組織が参加し、討論に加わった。第四インターナショナルは、そうした諸傾向の独自の思考の形成の歴史を承認した上で、こうした諸組織をわれわれのさまざまな国際会議に最大限に結集し、大きな国際的討論の枠組みと反資本主義左翼の力強い国際的結集を実現しようとする。

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 ソ連・東欧の崩壊に行き着いたスターリニズムの分解と解体は、一方で労働運動や左翼勢力の国際的な大きな後退をもたらした。しかし同時に、社会主義革命運動の世界的再生に向けた可能性も作り出したのである。第四インターナショナル第十四回世界大会は、この可能性を現実のものとするために、全力をあげた挑戦を開始することを確認した。
 われわれは今世界大会に、アジアの同志たちと協力してアジア情勢についての決議を提起することができなかった。80年代、アジアはアメリカやヨーロッパと並ぶ資本主義の中心として浮上した。各国で、多国籍企業と民族資本が押しつける「新自由主義」的労働条件の切り下げに反対する労働者の闘いが始まっている。労働法制改悪に反対してゼネストで闘った韓国労働者、バブル崩壊下の不況の中で独立した労働者党を建設したタイ労働者をはじめ、力強い闘いが広がりつつある。香港の同志たちは、中国官僚専制支配と対決する民主化闘争の先頭に立っている。アジアにおけるインターナショナルを強化することは、われわれにとって最大の国際主義的責務である。21世紀をアジア労働運動の攻勢の中で迎えるために全力をあげよう。

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