第四インターナショナル第17回世界大会 ⑥
共同の国際的挑戦継続しよう
不断に検証する努力を
私たちが果たすべき役割とは
第四インターナショナル第一七回世界大会の最終議題は「役割と任務に関する文書のために」というテーマで、「新しい革命的インターナショナル」の建設にあてられた。一九九五年の第四インターナショナル第一四回世界大会は、「ベルリンの壁」崩壊と旧ソ連圏の崩壊という世界史的変化、ならびに資本主義的グローバル化の進展を通じた新しい矛盾の深刻化を通して、トロツキズムの歴史的枠組みを超えた新しい革命的国際潮流と党を建設するための方向性を模索することになった。それは意識的な転換だった。
「湾岸戦争」と新しい反戦運動、ニカラグアのサンディニスタ革命、グローバル・ジャスティス運動の展開、そしてメキシコのサパティスタ運動やブッシュ米大統領が仕掛けたイラク戦争に反対する闘いの国際的高揚が、その画期となった。この新しいタイプの世界的情勢の転換は、さらに二〇〇三年の第一五回世界大会、二〇一〇年の第一六回世界大会を経て、旧来の「トロツキスト潮流」の枠組みを超えた新しいインターナショナルのための闘いに、各国・地域そして国際的レベルで挑戦するという課題を提起することになった。
その具体的挑戦は、欧州と世界における第四インターナショナルの中心的拠点であったフランスLCR(革命的共産主義者同盟)が中心になった反資本主義新党(NPA)の建設、ブラジルPT(労働者党)の建設とルラ政権誕生への積極的貢献などとして現れることになった。しかし、その挑戦が決してスムーズに進行するものではないこと、いくつものジグザグ・後退を積み重ねざるをえないこともまた確かだった。
そうした経験は、インターナショナルの規模で論争を導き出すことになった。
新たな政治的再編成の中で
二〇〇八年のリーマンショックによる世界資本主義システムの危機の進行は、それと連動したアラブ地域における政治的激変とあいまって、二一世紀の革命党とインターナショナルのための闘いをより実践的に提起するものとなった。それは明確に社会民主主義とその政権に対するオルタナティブの役割を果たす「反資本主義、国際主義、エコロジー主義、フェミニズムの左翼」、「社会運動と職場に根付き、労働者の戦闘性、女性とLGBTの解放を求める諸闘争、エコロジーの諸闘争を統合する多元的左翼」のための闘いを提起するものだった。
ここでソ連邦の崩壊そして湾岸戦争に前後する時期から模索されてきた、「新しい時代」(それはまた新しい「戦争の時代」でもあった)における第四インターナショナルの模索と実践が、あらためて検証されるべきだろう。すなわち前述したブラジルPTの例を先駆として、デンマークの「赤緑連合」、ポルトガルの「左翼ブロック」(第四インター支部と共産党の一部、そしてマオイスト)、あるいはアジアでは、他潮流を源流とする組織の第四インターナショナルへの結集(フィリピン、バングラデシュ、パキスタンなど)としても表現されることになった。
こうした様々な再編、分解の流れは、イギリス労働党でのコービン現象や、米国のサンダースといった、既成の主流派政党の枠組みの中での政治家を左派的大衆が押し上げる、という形をとる場合もある。
国際組織としての責任果たそう
実際のところ、第四インターナショナルが提起してきた「新しいインターナショナル」のための国際的闘いは、挑戦途上で多くの困難を抱え、幾つかの場合には後退も経験していることも確かである。
しかしグローバルな資本主義の危機の深化の中で、新しい左翼のための闘いが、国際的な観点から意識的・実践的に追求されるべきことはあらためて言うまでもない。
「一国レベルでの新組織建設が抱える困難さは、国際的レベルでは結局より大きくなるだけと思われるだろう。しかしそうであっても、急進的左翼政治組織間の国際的接触は、われわれにとっては一つの優先性をもつものだ。これは伝統的な極左組織、あるいは新たに現われつつある潮流かそのどちらかのさまざまな組織との一対一関係を通したものとなる可能性がある。同時にわれわれは、他のものによって組織された諸組織のフォーラムに参加する、あるいは実際にそうしたフォーラムを推し進める上で主導性を発揮する。社会フォーラム運動の低調化により、その可能性は二〇〇〇年代の一〇年間におけるよりも頻度は小さくなっている。しかしわれわれは、われわれが参加している党が国際的レベルにおいて他の諸組織と会合を持ち、協同することを追求すべきだと積極的に提案し、そのイニシアチブを取るべきである」。
われわれの新しい革命組織建設への挑戦は、インターナショナルの規模での挑戦の一翼を担うものとして自覚的に追求することが必要である。そのために何が可能なのか。何から始めるべきか。われわれはそのために自らの責任を果たしていかなければならない。 (おわり K)
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