民衆的決起へわれわれの連帯を

コロンビア
人々は部分的勝利で満足していない
2021年5月4日 第4インターナショナル・ビューロー

 2019年のエクアドルとチリにおける目覚ましい反乱のあと、われわれはコロンビア人民の大規模な反乱を目撃しているところだ。コロンビア人民は、先週日曜日[5月2日]に政府が税制改革法案を撤回したという部分的勝利の後も、ドゥケ政権の構造調整プランをくつがえし、政権の抑圧的で腐敗した性格に終止符を打つために闘い続けている。

民衆決起の
根源的背景


 イバン・ドゥケ政権は、過酷なパンデミック危機の真只中で税制改革を開始した。その基本目的は、最富裕層の利益のために国民への課税を強化することである。政府はこの法案を提出するために、コロンビア人の深刻な貧困だけでなく、一日あたり500人、合計すると7万人の死者が出ていることを無視して、そうした医療状況を利用したのだ。

運動の発展には
歴史的積み上げ


 社会運動は、こうした状況に直面して、この税制改革を阻止するため、4月28日に全国ストライキを呼びかけた。大規模な動員が中規模都市を含む全国各地でおこなわれ、正規労働者だけでなく、非正規労働者、失業中の若者、女性、各地域の住民組織を結集させたのである。政府は、いつもと同じ手段、つまり民衆に対する野蛮な暴力でこれに対応した。
 民衆動員が広範で力強いものだったのは、税制改革が例外的な行為ではなかったという事実のためだった。すなわち、それは、最終的にはコロンビア人民の抵抗運動と衝突することになる、現政権やこれまでの政権の新自由主義政策の集大成なのである。コロンビア人民の抵抗運動は、すべての権力乱用、およびもっとも基本的な権利の歴史的先送りに反対して積み上げられてきた正当な闘争なのである。

社会運動に
残虐な攻撃


 コロンビア政府は、数十年にわたって、公的資金を民間銀行や大企業を支配する金融グループに移転すること、人々の移住、地域の破壊、水や生物多様性の汚染を招いている採掘産業からの投資を受け入れることに終始した経済政策をとってきた。この政策の社会的影響は壊滅的なものである。失業は歴史的な水準に達しており、構造調整プランの一環として、公務員労働者のかなりの部分が失業する恐れが差し迫ったものとなっている。政府が認可した金融投機の結果として、家計が負債を抱えていることは明らかである。そうした事例は数え上げればきりがない。

和平合意
の不履行


 これに加えて、麻薬密売マフィアによって、社会的指導者が毎日のように暗殺され、農民や先住民が殺害されていることも取り上げなければならない。彼らは、2016年にハバナで調印された和平協定で合意されたように、違法作物を自主的に植え替える計画の準備をしていたのである。これは軍の全面的な共謀を前提とする犯罪行為であり、軍は麻薬密売マフィアを止めるために何もしていない。その一方で、政府は逆に農民や先住民が住む地域をグリホサート除草剤で燻蒸消毒することを決定したのである。

パンデミック
の悲惨な対応


 パンデミックの管理はこれ以上ないほど悲惨なものだった。
*大手製薬企業に対する無条件支援。その中には、特許の一時的廃止が提案された際の世界保健機関(WHO)での国際的な議論、ワクチン費用の秘密裏の支払い、ワクチン接種によって病気になった場合でも被害者は法的に賠償請求できないことの承認が含まれている。
*環境債務スワップ(訳注1)の可能性を開くところまで、IMFや格付け機関に対する公的債務支払い条件の無条件遵守。
*何百万人ものコロンビア人が失業に追い込まれ、人々が非正規雇用で生活している状況を解決するための公的資源の不足。そのことによって、パンデミックの真只中に人々は路上に追いやられ、自分たちを見捨てている民営化された医療システムに自らの運命に委ねざるをえなくなっている(人口4600万人のうちワクチン接種を受けたのは400万人だけである)。
*貧困の増加は憂慮すべきものとなっている。公式の統計によっても、貧困が人口の60%に達していることが確認できる。その結果として、新型コロナウイルスによる総死亡者数の3分の2以上が貧困層出身である。

攻撃撤回を強制
だが闘いは続く


 4日間にわたる大規模な抗議活動がおこなわれ、軍によって30人以上の死者と100人以上の行方不明者を出したあと、5月2日、右派のドゥケ大統領が動員を止めるためにテレビに出演し、逆累進的な税制改革法案の撤回を発表せざるを得なかったことで、民衆運動は非常に重要な勝利を収めた。
 資本家の攻勢は止まらないが、民衆の抵抗も止まらない。
 コロンビア人民はこれまでも抵抗してきたし、この偉大な勝利に励まされて抵抗し続けている。いま課題となっているのは、ドゥケの「包括的改革案」を阻止することである。その中には、税制改革に加えて、さらなる民営化による医療改革、労働改革、年金改革などが含まれている。これらはすべて、労働者の権利のさらなる削減であり、IMFやリスク評価機関を通じて多国籍金融資本が要求してきたものだった。したがって、こうした正当な要求は、コロンビアが経験している人道的悲劇を解決するための予算リソースを見つけるために、先送りできない措置として公的債務の支払いを直ちに停止するというスローガンと結びつかなければならない。
 その抵抗運動は地域集会という形態をとっている。これは、闘争の社会的基盤を拡大し、闘争をよりよく調整し、闘争を民主化し、とりわけすべての社会部門の主な要求をまとめる広範なプラットフォーム、大きな国民的プラットフォームを作り上げるためのすばらしい機会である。その中には、コロンビアで残念ながら繰り返されているフェミニサイド(女性殺害)に反対する女性の闘い、違法作物を自主的に植え替えることから始まる和平合意の履行、土地の権利や働きがいのある人間らしい労働の権利の要求、エコ社会主義の観点からの自然保護などが含まれる。

抑圧勢力による虐殺をやめろ
社会の軍事化に終止符を打て

 当面、緊急かつ団結した行動によって、軍司令部とドゥケ大統領の直接の命令によって、国家警察とその精鋭部隊である暴動鎮圧機動隊(ESMAD)が非武装の住民に対しておこなっている虐殺を止めなければならない。彼らは、デモの現場に到着すると、デモ参加者や近隣住民に向けて手榴弾やガスを発射するが、それは国際人道法の諸協定に違反するものである。彼らはまた、主に若者を警察車両や警察章のついていない車の中に拘束し、そのあと姿を消してしまう。5月3日夜には、最大規模の抗議活動がおこなわれている都市であるカリの諸地区において、街を包囲したあと、警察ヘリから住宅に向けて機銃掃射や焼夷弾投下さえおこなったのである。


 正当な抗議活動に対するこうした戦争のような扱いは容認されないものだ。この権利を行使するためにコロンビア人民が耐えている人的被害は膨大である。死者、行方不明者、負傷者、裁判にかけられた者の数は日々増加している。
 このような組織的な人権侵害は、とりわけコロンビア駐在の国連代表部、OAS[米州機構]を代表するミシェル・バチェレ、ヒューマン・ライツ・ウォッチによって確認されている。現在求められているのは、社会的抗議活動へのとめどない軍事的弾圧に対する人道的解決策であり、、われわれはそれを支持する。
 こうした理由から、われわれは、コロンビアの民主的・進歩的勢力がすでに提起している緊急国際監視団という提案を支持する。同時に、われわれは、ドゥケ政権の虐殺的・抑圧的な性格に対する国際糾弾を求める要求を支持するだろう。
 コロンビアの反動政府とアメリカとの共生関係は周知の事実であり、何年にもわたって国内の米軍基地の設置を促進してきた。そこから、マプチェ族人民(訳注2)の正当な要求に対するチリ南部での軍事行動のように、他国での軍事作戦が計画されている。根本的にはベネズエラとの国境で、軍事侵攻を促進するために同国への武力攻撃が実行されている。ドゥケは、この地域でのいかなる平和イニシアチブも拒否し、「北」の支配者の指示に従順である。
 このような現状を踏まえ、第4インターナショナルは、社会運動や革命的・進歩的・民主的諸組織に対し、デュケ政権がコロンビア人民に対しておこなっている虐殺を止めるために、連帯行動を組織し、人道的解決策を求めて緊急に声を上げることを呼びかける。
富と労働の分配のために、エコ社会主義的移行のために、反資本主義的民主主義のために。
犯罪的・虐殺的ドゥケ政権打倒!

(『インターナショナル・ビューポイント』5月5日)
(訳注1)環境債務スワップとは、途上国に対して、保護区の設定やその他の自然保護施策の推進について約束することを交換(スワップ)条件として、先進国やNGOなどがその途上国の負っている累積債務を肩代わりすること。
(訳注2)マプチェ族は、チリ中南部に居住する先住民族で、長い抵抗闘争の歴史を持ち、近年では奪われた土地の回復運動を展開してきた。

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