FI声明 キューバの民衆決起と帝国主義の侵略について(9月13日号)

労働者民衆の参加で革命深化を
2021年7月21日 第四インターナショナル執行ビューロー

◦帝国主義によるキューバへの経済封鎖をただちにやめろ
◦自由で主権のあるキューバのために
◦帝国主義によるキューバへの干渉をやめよ
◦キューバにおける社会主義的民主主義のために

 7月11日、われわれはキューバが被っている途方もない物資不足を背景にした抗議行動を目撃した。その物資不足は、トランプ大統領が[今年1月11日に]キューバをテロ支援国家に再指定して以降、アメリカからキューバへの送金が断たれたこと、さらにパンデミックによって[経済状況が]悪化したこと、観光による収入が失われたことなどが原因である。
 これは、国際的支援がない中(ベネズエラが経験しているきわめて大きな困難もまた、キューバに悪影響を与えてきた)、消費するものの大部分を輸入しなければならないキューバで起こっていることであり、ある面では「特別な時代」の最悪の時期を思い出させるものである。この封鎖はまた、キューバ人のための新型コロナウイルスワクチンの生産を妨害している。そして、このことはパンデミック期間中にキューバが他の国々に与えた援助にもかかわらず起こっているのだ。

正当な抗議への誤った政府対応

 これはキューバにおける根深い不安感によってさらに拍車がかかっている。政府が外国からの投資を誘致しようと努め、観光業が発展し、賃金労働者を雇用する民間企業の増加が許容されてきた一方で、過去30年間で社会的格差が大幅に拡大した。物資が不足している状況では、アメリカドルへの不平等なアクセスが格差をさらに拡大させているが、それでも中国、ベトナム、旧東欧圏などの資本主義を復活させた国々に比べれば、格差ははるかに低いままである。キューバでは、賃金労働者を搾取できるような大きな国内資本主義セクターは発展していない。国内資本主義セクターは確かに成長しつつあるが、上記の国々と同じ程度にまでは達していない。2019年の憲法改正により、資本主義セクターの自由な発展にはまだ法的障壁があることが明らかになった。とりわけ国内資本主義セクターが雇用できる賃金労働者の数に制限がかけられている。
 格差拡大の憂慮すべき影響、封鎖、住民のニーズを満たすための国内生産の増加に加えて、福音主義的なキリスト教宗派が発展していて、たとえばLGBTQI+の権利の完全な承認を制限するよう政府に圧力をかけている。
 また、グローバルなソーシャルネットワークと密接に結びついた新世代の活動も注目に値する。その中で、革命の遺産にまったく関心のない新世代のアーティストが育ってきた。それと同時に、1960年代や70年代の革命プロセスに直接参加した旧世代の重要な部分が失われつつある。
 政府には物資不足の短期的な影響を緩和するためのマヌーバーの余地がほとんどなく、新しい世代を再び参加させるような民主的な意思決定プロセスを開くこと(有権者プロセスはこの方向での試みであったが、明らかに不十分だった)に大きな抵抗があるという状況の中で、この2つが混ざり合って爆発している。政府は、官僚的な手法を好むことによって、労働者の参加を増加させる努力をおこなっていない。とりわけ企業における労働者管理と社会における市民管理を発展させるための努力をしていない。
 このことは、弾圧や政府に忠実なセクターの動員を説明するものだ。それは、抗議行動をやめさせ、少なくとも夏季の観光収入を一定程度回復させようとするためである。そのことによって、大衆的不満を一定程度防止するための改善の機会を得ようとしたのである。7月11日のミゲル・ディアス・カネル大統領の演説は、キューバ中の10以上の都市に影響を与えた抗議活動の波を受けておこなわれたものだが、状況に対する適切な対応ではない。ディアス・カネルは、デモ参加者の大部分が生活の苦しさを本当に心配していたことを認めたものの、そうした状況への自らの対応については何の自己批判もせず、非難されるべき(明らかにアメリカの介入を支持している)反革命セクターの工作を強調しただけだった。反革命派の脅しに応じて、政府が革命派に街頭での動員を呼びかけることは、衝突や弾圧の強化を誘発する危険性がある。

事態は帝国主義の陰謀ではない

 キューバでの抗議行動を、他のラテンアメリカ諸国で起きていることと切り離すことはできない。そこでは、パンデミックや超自由主義的施策によって悪化させられた生活費の高騰が、さまざまな誘因とともに、最近のコロンビアの運動、2019年におけるエクアドルやチリの運動のような社会的爆発の背景となっている。パンデミックは、国際的に、とりわけラテンアメリカにおいてあらゆる社会的矛盾を悪化させ、社会的排除の増大と格差の拡大につながっていることは間違いない。多くの点で模範的医療であるにもかかわらず、キューバもまた、世界的な危機とパンデミックのもっとも歪んだ経済的・社会的影響から逃れることができない。しかし、ラテンアメリカで高揚している社会的抵抗は、この地域に対する帝国主義の経済的・政治的計画に立ち向かうことで、キューバの孤立を打破し、その政治的独立を維持することに有利に働いている。
 残念なことに、左翼の重要なセクターは、キューバの状況、その政治システムの劣化、若い世代の絶望について、いかなる批判的分析をも加えていない。それどころか、多くの国で見られるのは、すべてを帝国主義の陰謀だとして、民衆動員の正当性を認めず、もっぱら「帝国主義の代理人」に帰すことで、無批判的に陣営を固める姿である。帝国主義が、ますます激動する世界のさまざまな国際的紛争の中で、とりわけ地域全体の主権的抵抗の模範となっている国において、社会的抗議行動の持つ意味を自らの利益に沿って都合よく解釈しようとしているということは明らかである。しかも、帝国主義はソーシャル・ネットワーク上でのキャンペーンをますます激しくすることによって、そのことをおこなおうとしている。そうしたキャンペーンを通して、キューバ政府の崩壊へと社会的不満を向けるために、社会的不満を外から操作しているのである。しかし、それがすべて大国の干渉の産物であるというのは、複雑で矛盾した現実からかけ離れている。さらに、こうした対応は、社会的紛争に民衆諸セクターが参加していることを否定するものであり、まるであらゆることは民衆が決して招待されることのないチェスの試合であり、民衆を自らの利益を認識・防衛できない未成熟な人々と見なしているかのようである。

労働者民衆が主役のキューバを

 状況は複雑で矛盾しているが、初期の段階からキューバ革命を無条件に支持してきた第4インターナショナルのわれわれは、次のようないくつかの基本的な考え方を擁護する。
*第1に、キューバ人民に課されている違法かつ非人間的な封鎖を非難し、その即時中止を要求する。
*われわれは、キューバが被っている基本的製品の欠乏状況を緩和し、アメリカが発動した封鎖に反対するための連帯動員を呼びかける。
*われわれは、バイデン政権に対し、テロ支援国家リストからキューバを除外することを要求する。これは明確な理由によって、キューバの経済状況を緩和するために必要不可欠だからである。われわれは、バイデン政権が海外のキューバ極右勢力や共和党のもっとも反動的部分を助長しようとする介入の脅しを拒否する。
*われわれは、キューバ人民全体が政府に反対して決起しており、政府は非常に残忍な対応をするだろうという虚偽の主張をする国際的主流メディアのキャンペーンを糾弾する。その一方で、主流メディアは、多くの国で用いられている、弾圧のより暴力的な反人民的形態を無視している。その長いリストの中からいくつかの例を挙げると、2018年から翌年にかけての黄色いベスト運動の際のフランス、2020年の「ブラック・ライブズ・マター」抗議行動の際のアメリカ、2021年のコロンビアなどがある。
*われわれは、キューバ当局に対し、抗議行動をおこなう民主的権利、独立した社会運動の発展、政治的多元主義、民主的議論を尊重することを要求する。それこそが、キューバ革命がラテンアメリカ人民や世界人民の模範でなくなるのを防ぐ唯一の方法である。
*われわれは、力の乱用をやめ、乱用事件の責任者を裁くために、拘禁・弾圧状況についての真実を明らかにするように求める。
*われわれは、7月11日のデモで逮捕された人々について、他者の生命を脅かす行為をおこなっていないことを条件に、即時釈放することを求める。
*われわれは、労働者がキューバの運命を決めることに真に民主的・大衆的に参加する、主権をもつ、独立したキューバを防衛する。社会主義で民主的なキューバのために。

(『フォース・インターナショナル』7月21日)

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