資本主義のエコロジー的・社会的破壊時代における革命的マルクス主義宣言

資本主義的成長との決別、エコ社会主義オルタナティブのために⑥

4 資本主義的成長に対するエコ社会主義オルタナティブの基本的方向

⑻ 食料主権! アグリビジネス・工業的漁業・食肉産業から撤退する

 これら三つのセクター[アグリビジネス・工業的漁業・食肉産業]は、気候・人間の健康・生物多様性に深刻な脅威を与えている。それらを解体するには、生産レベルでの対策だけでなく、(先進国やすべての国の富裕層における)消費レベルや、生物との関係における顕著な変化が必要である。森林破壊を食い止め、アグリビジネス、工業的植林、大規模漁業を、それぞれ小規模農家によるアグロエコロジー、エコ林業、小規模漁業に置き換えるための積極的な政策が必要である。こうしたオルタナティブは、エネルギー消費をより少なくし、労働力をより多く雇用し、生物多様性をより尊重する。農民と漁民は、人間の食料への貢献だけでなく、エコロジー的貢献に対しても地域社会から適切な補償を受けなければならない。森林やその他の生態系に対する先住民族の権利は保護されなければならない。世界の食肉消費量を大幅に削減しなければならない。食肉・乳製品産業を解体し、地産野菜を中心とした食生活を推進しなければならない。そうすることで、食肉産業や工業的漁業における動物の虐待に終止符を打つことができる。ヴィア・カンペシーナの提案に沿った食糧主権は重要な目標である。そのためには、抜本的な農地改革、すなわち、実際に働いている人々、とりわけ女性に土地を与えることが必要である。世界市場向けの商品を生産する大地主と資本主義アグリビジネスの収用。農業・生物生産のための農民と土地なし農民(家族または協同組合)への土地の分配。露地における新旧の遺伝子組み換え作物の廃止と有毒農薬の廃止(帝国主義諸国は使用を禁止しているが、被支配諸国への輸出を許可している農薬から始める!)。

⑼ 民衆による都市改革

 現在、世界の人口の半分以上が、ますます巨大化する都市で暮らしている。同時に、農村地域は人口が減少し、アグリビジネスや鉱業によって荒廃させられ、必要不可欠なサービスをますます奪われつつある。被支配諸国には、地球で最大級の巨大都市(ジャカルタ、マニラ、メキシコシティ、ニューデリー、ムンバイ、サンパウロなど)があり、ホームレスの人々やスラムの数が増えている。そうしたスラムでは、(カラチ、ナイロビ、バグダッドなど)何百万人もの人間が生き延び、尊厳のない条件のもと非正規で働いている。これは、資本主義の発展と帝国主義の支配が残した最も醜い傷のひとつである。暴力に加え、熱波はスラムや貧困地区での生存をますます困難にしている。とりわけ高湿度の気候のもとではそうである。エコ社会主義オルタナティブは、大規模な社会的住宅建設計画に着手することを要求している。それとともに、ホームレス団体と協力した、大都市の構造を変える民衆的な都市改革が必要である、これは、一方では労働者を保護する労働法制と組み合わされなければならないし、他方では、農村への移住運動を起こすための魅力的な農地改革と組み合わされなければならない。

⑽ 化石燃料と原子力からできるだけ早く撤退するために、補償や買い戻しなしにエネルギーと金融を社会化する

 エネルギー多国籍企業とそれに融資する銀行は、石炭・石油・ガスを最後の最後まで開発したがっている。彼らは当初、CO2が気候変動に与える影響を隠し、否定していた。そして今、彼らは何があってもこうした資源を開発し続けるために、価格高騰によって莫大な余剰利益を確保する一方で、あらゆる種類のエセ技術(グリーンウォッシング、「汚染する権利」の交換、「排出量の相殺」、「炭素の回収・隔離・活用」)を約束し、原子力エネルギーを「低炭素」として推進している。間違いなく、こうした利益追求集団は地球を気候破局から破滅へと追いやっている。同時に、彼らは労働者階級に対する資本主義の攻撃の最前線にいる。こうした集団は、補償や買い戻しなしに収用することによって社会化されなければならない。社会的・エコロジー的破壊を阻止し、われわれの未来を集団的に決定するためには、エネルギーと信用という公共サービスを住民の民主的統制のもとで分散化させ、相互につなげることが最も緊急に必要とされている。

⑾ 人民の解放と自己決定を求める 戦争・帝国主義・植民地主義に反対する

 われわれは、社会正義にもとづく国際主義的綱領を擁護する。それは、解き放たれた集団的な力が主導するエコ社会主義的移行のためであり、抑圧的な政策に立ち向かっている諸国人民間の平和のためである。われわれは、世界を新たな帝国主義間紛争へと駆り立てるNATOやその他の軍事同盟に反対する。われわれは、軍事予算の増額に反対し、すべての核兵器・化学兵器・細菌兵器・サイバー兵器の製造と在庫を解体するために、そしてすべての民間軍事企業を解体するために闘う。兵器は商品であってはならない。兵器の使用は、防衛と侵略からの保護を目的とする政治的統制の下に置かれなければならない。
 平和への唯一の道は、自決権のための闘い、土地の占領と民族浄化を終わらせるための闘いの勝利を通じてである。国際主義者として、われわれは、自らの権利のために闘っている抑圧された人々と連帯し、とりわけパレスチナとウクライナにおいて闘う人々と連帯する。

⑿ すべての人々に雇用を保証し、エコロジー的に持続可能で社会的に有用な仕事に必要な再訓練を保障する

 浪費的で有害な化石燃料活動、アグリビジネス、大規模漁業、食肉産業に従事する労働者は、資本主義的経営の犠牲となるべきではない。真のニーズを充足し生態系を回復するための公的計画の活動において、収入を失うことなく集団的再教育を確実に受けられるよう、グリーン雇用保障を設けなければならない。このグリーン雇用保障は、関係する労働者の正当な不安を克服するものである。このようにすれば、生産主義者・消費主義者の利益に奉仕するために、資本家がこうした恐怖を皮肉な形で利用することはなくなるだろう。それどころか、グリーン雇用保障は、非難されている部門の労働者が自らの知識・技能・経験を、その恩恵を受ける一般大衆との対話の中で、、意味深く、解放的で、真に人間的で、将来の世代の生活に関わる活動に投資することによって、その計画の遂行を積極的に担うよう訓練・動員することを促し、その動機づけとなるだろう。

⒀ より少なく働き、より良く生活し、より良く働き、良い人生を生きる

 無駄で有害な生産や消費を排除することによって最終的なエネルギー消費を根本的に削減することは、論理的には、有給の社会的労働の時間を根本的に削減する効果がある。この削減は集団的なものでなければならない。資本主義の浪費はその規模が大きいので、その抑制は間違いなく、週労働時間の非常に大幅な削減(半日労働へ)と定年年齢の大幅な引き下げの具体的な可能性を開くだろう。この削減へと向かう傾向は、必要な労働リズムの削減、および(主に女性が無償でおこなっている家事労働の一部を社会化することを含めて)人々と生態系のケアをするために必要な社会的・エコロジー的再生産作業の増加によって部分的に相殺されるだろう。民主的な計画作成は、さまざまな方向へのこうした動きを徐々に明確にしていくために不可欠である。資本主義的成長からエコ社会主義的に脱却することは、労働を[量的にも質的にも]二重に転換させることを意味する。量的には、われわれの労働は大幅に減少する。質的にも、労働を良き生活の営みとするための条件、つまり人間同士(したがって男女間でも)の、また人間とその他の自然との間の意識的な媒介とするための条件が整うことになる。労働と生活のこの深い変容は、主に先進国の労働者階級の中でも最も賃金の高い層に影響を与える消費の変化を補って余りあるものだろう。

⒁ 自らの身体に対する女性の権利を保障する

 人類は、自分自身との関係、つまり女性の身体を通じた自らの生物としての再生産を意識的に管理することなしに、他の自然との関係を意識的に管理することはできないだろう。女性の権利に対する家父長的な攻撃があらゆるところで強まっているのは偶然ではない。こうした攻撃は、富裕層や資本家に奉仕する強力な権力を確立しようとする政治的プロジェクトの不可欠な一部だからである。それは反動的な「生命保護」イデオロギーの名の下におこなわれることが多い。ついでに言えば、そうしたイデオロギーは人間の活動によって引き起こされる気候変動をも否定する。しかし、こうした反動勢力と並んで、生態系の危機を「人口過剰」のせいにし、それによって権威主義的な避妊政策を押し付けようとする技術主義的潮流も存在する。こうした二つの脅威を前にして、われわれの主張は、女性が自らの生殖能力をコントロールする基本的な権利を否定するために、道徳やより高尚な理由を、それがたとえエコロジー的なものであっても、引き合いに出すことはできないということである。この権利の否定は、家父長制とその現在の資本主義的形態の利益のためにある他のすべての支配のメカニズムと一体のものである。その中には、他の自然に対する「人間の支配」も含まれる。人間の解放には女性の解放も含まれる。このことがまず何よりも意味するのは、女性が避妊、中絶、それらの使用方法に関する教育、再生産ケア全般に自由にアクセスできなければならないということである。

⒂ 知識は共有財である 教育・研究システムの改革

 知識は人類の共有財である。エコ社会主義的緊急プログラムの実行には、全ての分野における多数の有能な教員や研究者によって体系化され、脱植民地化・脱資本化された知識が差し迫って必要とされている。教育制度の改革、公立学校と公立大学の拡大、教育における差別の撤廃、とりわけ一部の国では女性が犠牲者となっている差別の撤廃。先住民の知識とノウハウの承認と統合。研究の資本への従属に終止符を打つための研究の抜本的な改革。生態系の修復のための研究、および労働者階級と協議の上決定された彼らのニーズを充足するための研究。

⒃ 民主的権利に手を触れるな! 民衆による統制と闘争の自己組織化

 支配階級は、自らが作り出したエコロジー破局を抑え込む力もないまま、体制を強化し、抵抗を犯罪扱いし、スケープゴートを指定している。その政策は、虚無的・愛国主義的・レイシズム的で、男性中心主義的なネオ・ファシズムへの道を開くものである。エコ社会主義は、ブルジョワジーが仮面を脱ぎ去っているのに直面して、以下のような権利と自由を拡大するという旗を掲げる。結社やデモの権利、ストライキ権、複数政党制のもとでの立法機関の自由選挙、政党への私的資金提供の禁止、民衆による発案・評決の法制化、非民主的機関(自立的な中央銀行)の廃止、主要な通信手段の私的所有の禁止、検閲の廃止。汚職との闘い、指導者に奉仕する民兵の解散、先住民共同体やその他の抑圧された人々の権利と領土の尊重など。エコ社会主義は、最も広範な民主主義を必要とする社会的オルタナティブである。それは今、民衆闘争の民主的自己組織化と、あらゆるレベルにおける拒否権をともなう透明性と民衆による統制という要求を通じて準備されつつある。

⒄ 生きているものへの注意深い敬意と「母なる地球への愛」にもとづく文化革命を育む

 人間が自然を支配するというイデオロギーとの根本的な決別は、人間と環境を「ケアする」というエコロジー文化とフェミニスト(エコフェミニスト)文化の発展にとって不可欠である。とりわけ生物多様性の擁護は、理性(正しく理解された人間の利益)だけでは成り立たない。共感、尊敬、思慮深さ、そして先住民が「母なる地球への愛」という言葉で要約したような地球規模の発想が必要なのである。このグローバルな概念を維持し、再獲得すること――とりわけ、闘争、芸術的創造、教育、生産・消費のオルタナティブを通じて――は、エコ社会主義的闘争における主要なイデオロギー的課題である。現代の欧米は、人間は神聖な生き物であり、その使命は自然を支配し、他の動物を機械のような地位におとしめ、道具にすることだという考えを体系化してきた。この非物質主義的観念は、植民地支配や家父長制支配と密接に結びついていたが、今日では科学的知識によって完全に否定されている。われわれは生きている地球の一部である。われわれもまた動物である。人間は、植物や他の動物、この惑星上の生命のネットワークがなければ生きていられないのである。 
 (つづく)

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