下請け労働者が変えてやる

かけはし 第2655号 2021年3月1日

「現代車の決定であり 神が来ても変えられない」だと

イム・ソンラ現代グロービス蔚山支会支会長へのインタビュー

――「現代車〇〇非正規職支会」、「現代モービス〇〇支会」などはおなじみだが、「現代グロービス蔚山支会「(以下「支会」)は聞き慣れない。簡単な紹介からお願いします。

 支会は、現代グロービス下請け業者を中心に構成されている。現代グロービス、現代車だけでなく、蔚山ヒョムン工業団地内で「序列メーカー」が19事業所ある(「序列メーカー」は、完成車工場で車を組み立てる労働者が、組み立てる順序と車種に合わせて部品の順序を合わせ納品するところだと見れば良い。自動車には数多くの部品が入るので、配列のメーカーが存在しない場合、組み立て工程が適切に運営されることができない)。去る11月2日東進サムジョン・ヨンシルなど3社所属で構成された従来の3つの支会が「現代グロービス蔚山支会」として統合した。支会建設後べスティック・ジヌ・ジヌJISの3社所属の分会がさらに結合した状態だ。

――序列企業として初めて東進支会がストライキした後、序列企業の組織化事業をして、その結果、3支会のストライキで、小さいながらも貴重な勝利をしたと聞いた。

 2017年当時、東進とFUという2つの企業が全体の序列企業人員の半分程度を占めていた。少なくともこの2つの企業を共に、労働組合に組織しようとする計画だった。そうでなければ、実質的に現代自動車と現代グロービスの弾圧で労働組合を維持することが難しいと考えた。しかし、結果的には東進だけが労働組合に入ることになり、予想していた通り東進支会は困難に直面した。東進使用者側は「労組を放棄しても組合員の雇用を保証することができない」とし「これは現代車の決定事項であるため、神が来ても変えることができない」とした。それにゆえに手順どおりに東進使用者側を越えて現代車と現代グロービスとの長期闘争をすることになった。

 東進の使用者側は現代車、現代グロービスと組んで東進支会を壊すためにストライキ出征式をする日の前に物量を他の場所に移管した。使用者側が急ごしらえした物量移管と準備不十分で、自動車の生産ラインに支障が少し生じた。支会は物量がすでに欠けた状況での工場占拠ストライキを開始した。物量が移管された状況での、工場占拠は現代車と現代グロービスに生産的な打撃を与えなかった。それでも東進支会の闘争は金属労組を動かして、闘争事業場の連帯を構築し、地域の連帯を組織した。その力で、最初の序列企業東進支会民主労組を死守したことは、新たに開始する基盤を守った成果だと考えている。

 今年ヨンシルとサムジョン両社にも金属労組の旗を立てたが、交渉は進展がない反面、サムジョンは物量返納で雇用危機を助長し、ヨンシルは契約式解雇を予告して弾圧の強度を高めた。私たちは、現代車と現代グロービスがサムジョン、ヨンシル支会を潰そうとする意図だと受けとめた。サムジョン、ヨンシル支会が潰れれば当然東進もぶち壊されるだろうと考えた。それでは、どのように突破するのか? 共同ストライキ以外の選択肢はなかった。それで3支会は、共同ストライキを躊躇しなかった。一方、外形的には業体との闘いだが、実際には、元請との闘いとしてそれぞれの支会が各自の限界を克服しようと、3支会共同ストライキを選択したように、今後3支会共同ストライキでも厳しい闘いになるので、より強い労組を建設するのための組織化が常に重要だったし、新規事業の組織化を緩めなかった。支会別闘争の要求は違っていたが、巨大な共同の敵に勝つための共同闘争で事前準備から実際の共同ストライキまでよく実行したと思う。

 そもそも労働組合を建設する時から企業の壁を越えて、どちらかに問題が起これば一緒にそこに集中して解決していった。ヨンシルがなければサムジョンもないのであり、サムジョンがなければ東進とヨンシルも存在することができなくなる。そのためにサムジョン支会ストライキを潰すための元請の代替労働の試みを東進支会の組合員が積極的に結合して防ぎ、ヨンシル支会のストライキを破壊するために代替人材として投入された現代グロービス職員を追い出すための東進支会の抜き打ち即座の連帯ストライキで現代車を圧迫するという実践も可能だった。当時東進支会のストライキ突入後20分で、現代車のラインが止まり、現代グロービス代替労働者は現場から追い出された。

 最初から「一つの労働組合」という考えがあったので、共同ストライキもできたと思う。もしこれをより広げれれば、産別労組全体にも該当すると言えるかもしれない。

企業の壁を越えて
お互いに走って行くことができる力

――サムジョン、ヨンシル、東進3支会ストライキの勝利の成果として、単一の支会に発展しており、間もなく、現代グロービス蔚山支会は新規に3つの事業所を組織して、6つの分会に拡大した。す早く組織することができた契機、方法は何なのか?

 私は評価がちょっと違う。「共同ストライキの成果で3支会が一つの支会に統合された」というより、そもそも一つの支会として行こうとする共通の目標がなかったなら共同ストライキの貴重な勝利があったとしても、一つの支会への統合は可能ではなかったと思う。もちろん3支会共同ストライキの勝利が組合員間の団結を高め同志愛も芽生えて単一支会建設に大きな力になったことは正しい。実際には、現代グロービス、現代自動車と闘いながら「このままではだめだ」と判断をすることになった。各個支会の形では脆弱にならざるをえないという状況認識が一つの支会への統合をより早く進める力として働いただろうと思う。

 組織化に特別な王道はないと思う。サムジョン、ヨンシルの組織化だけでも1年以上の主体作りと教育などの準備過程があった。新規事業所であるベスティックとジヌも7カ月程度の準備をした。以前より準備期間が減ったのは確かだが、現場主体がいなければならない。これから生じる序列企業の労働組合の準備期間は、より短くなることができると考えている。もう、しんぼうしてもらって支えてもらうのは難しいからである。ただし、現場主体が準備されるまで、守りは重要だ。

 もちろん序列業体の労働者の賃金、労働条件は劣悪である。ほとんど最低賃金水準であり、さらに算入範囲の拡大と労働時間の短縮などで以前より減った事業所も多い。序列企業の若い労働者は事業場を越えて互いに知り合う関係がかなりある。さらに、労働組合の必要性を知っていることもある。しかし、客観的に良い条件であっても、その事業場で労働組合を組織する主体がいなければ、ただ一つ一つの散乱するビーズにすぎない。だから現場主体と準備する過程が何よりも重要なのだ。

――支会は6つの事業所が組織された後、すぐに出退勤宣伝戦を強化している。早朝出勤宣伝戦が容易ではないし、新規組合員も参加することを知っている。新規分会の民主労組強化のための事業はあるのか?

 そもそも労働組合を始めれば、朝、昼、シフト、夕方の宣伝戦などは、基本的に準備しなければならないと共有した。そしてすぐに準備するようにした。そんな宣伝戦に参加すること自体が組合員の闘う意志を高めるので、発言の一言スローガン一つ叫ぶことが現場闘争力を高め助けられた。もう一つ重要だったのが、3つの新規分会が一堂に集まって、朝の宣伝戦をすること。3分会の共同宣伝戦は、各分会が別々ではなく一つの組合員として実際にどの分会で問題が発生したときにもすぐに走って行くことができる心構えを持たせる。このように、共同闘争の意志を強化している。

――現代グロービス蔚山支会は、すべての序列の企業の組織化を目標にしているが、新規事業所の組織化で重要なこととしている原則と核心事業があれば?

 新規労組の組織化で最も重要だと思うことは民主労組運動の復元としっかりとした産別労組運動を構築することだ。民主労組運動の復元を「戦闘的組合主義を復活させること」として狭く考えない。他の何よりも先に話したようにヨンシル、サムジョンに問題が起こったときに、他人の問題ではなく、私の、私たち全体の問題として見て、実際に走って行くこと、これが核心だと思う。これをどううまく作り出せるのかが民主労組運動復元の核心だと思う。産別労組も民主労組運動にかかわらなければあまり意味がないと思う。産別労組であるなら、当然同一労働同一賃金に基づいて同一の団体協約の適用を受けることが重要である。だから、私たちは、現代グロービス蔚山支会にある複数の分会の中でその話をする。私たちは、現代グロービス、またその上に、現代車という元請がある同質性はあるが、各所属企業は違う。企業ごとに資本力も異なり、パターンも異なり、労組に対する態度も違う。これをどうやって一つにまとめていくのかが核心だ。

 私たちは、今のようなレベルで序列企業などを組織し、その中で問題を解いていくというやり方で対応しているが、全体的には産別労組の中で同一賃金と同一の団体協約を適用する一方で、その中で労働者階級が一つの力として共同要求を掲げて一緒に闘うことができれば労働者階級の力が形成されると思う。まずそれを支会から実現していくための最優先の目標として定めなければならないのではないか。しっかりとした産別運動を現代グロービス蔚山支会から始めてみようということだ。

新規事業所の組織化、
王道はないが
簡単な方法への期待もだめ

――東進支会ストライキ闘争のときも、3支会共同闘争のときも、企業体よりも元請である現代グロービスと現代車資本を相手に闘った。今後も元請を相手にした闘争は避けられないが、要求案と闘争計画があれば?

 実質的には企業体と闘いながら、もはや企業体レベルで解決することができない問題があるとき、現代グロービス、現代車資本を相手に闘うことだ。今後もそうなるしかないと思う。現代グロービス蔚山支会が見過ごしたくても見過ごすことができない現実的な問題が明らかにある。それで私たちは、単一の支会として統合する前にも、共同の要求案に基づいて、共同の闘争をしながら過ごしたのだ。今でも共同闘争と共同要求案について計画はある。今は6つの分会の共通分母と全体の序列企業の現在の状態に基づいて支会の要求案として作り、序列労働者であれば、一緒に闘争することができるよう組織することだ。
3つの新生分会が、今から賃金団体協議に突入しなければならないので、ここで、各分会の次元でそれぞれ異なる要求もあるはずなので、その中で、全体的に、私たちが目指す同一賃金―同一団体協約に向かって行くだろう。そして、全体的な問題でもあるが、非正規職撤廃、現代車の周辺で働いている労働者の処遇問題、このようなことも背負わないわけには行かないのである。

 現在、19の序列業体はもちろん、労組に組織された6つの分会の中でも業態別の賃金差がかなり出ている。東進とベスティックを比較しても年収が1300?1400万ウォン程度の差がある。労組がない事業所は3000万ウォン未満であり、労組があるところは、それよりも高い。労働組合の有無が賃金水準に大きく影響を与えている。

――最後に、他の地域の現代グロービス序列下請け企業の組織化を準備する仲間たちへのアドバイスと連帯の言葉を、思う存分お願いしたい。

まず、現代グロービス蔚山支会は仲間たちに絶えず連帯を求めるものである。逆に、地域の連帯で必要なものを積極的に求めていただきたい。

 事実アドバイスをどのようにしなければならないかはよく分からない。死ぬほど追いかけて、連絡して、宣伝戦をして、話しをして、やることができることは何でもやるべきでしょう。しかし、漠然と組織化するという性急さがむしろ序列企業の組織化を台無しにすることもあると思う。

 例えば、「巨大な金属労組の力を信じて、労働組合を作っていこう」と話すのか、そうではなくて「同志よ時には挫折することもあるが、それでも人生かけて労働組合を一度作ってみよう」と話すのか。何を中心に置いて話をするのかという問題で少し考えなければならないことがあると思う。新規組織化は、簡単な方法に期待することではないと考えている。
(社会変革労働者党「変革と政治」119号より)

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