社会主義大衆政党運動と選挙対応
「円卓会議」の提案で第一歩を踏み出した
ホ・ソンシル(組織委員長)
社会主義の大統領選挙―大衆政党運動を決意した変革党の6回総会以降3カ月が過ぎた。2022年の大統領選挙を控えて、社会主義勢力の結集を本格化する議論に積極的に取り組まなければならない時だ。
そうした観点から変革党は労働党と共に、5月8日「社会主義大衆政党運動と2022年大統領選挙・地方選挙への対応、どうするのか?」というテーマで共同討論会を行った。今回の討論会は昨年6月「コロナ以降、社会主義政党の代案と実践」というテーマで開かれた共同討論会を経て、再び考え方の共有化をめざすための集まりとなった。
大統領選挙闘争と社会主義大衆政党運動のための「円卓会議」の提案
最初の問題提起を務めた変革党のチャン・ヘギョン執行委員長は、社会主義の大統領選挙闘争と大衆政党運動で社会主義運動の未来をこじ開ける「円卓会議」を提案した。
チャン・ヘギョン執行委員長は、「社会主義は遠い未来ではなく、現在の客観的情勢が要求すること」だと述べた。特にコロナ19以降、気候の危機―生態系破壊に対する問題意識が高まり、気候危機に対応する闘争が浮上した。社会的危機を前にして「公的役割」を求める声が広がるのと共に、これまで低く評価されてきた、必要不可欠な労働の重要性も見直された。このように客観的情勢は資本主義を超えて新たな代替社会を求めており、これまでとは違う生き方に悩み想像する可能性を開いてくれているので、「私の生き方を変える、社会主義」へと導く政治活動が切実に求められていると強調した。
しかし、韓国の政治情況と社会主義運動の現実は客観的情勢と主体的力量とのギャップが存在している。大衆の怒りと絶望を社会変革に向けた希望と闘争に変える政治的ビジョンと実力を備えた代替勢力として社会主義運動が進められなければならない。そうすることができなければ「労働者民衆闘争の成果は再び、民主党―自由主義勢力に収束し、その民主党の実情に失望した大衆が国民の力など保守勢力を選択するという悪循環が繰り返される」と指摘した。
その上で、発題者は、社会主義勢力が結集する「円卓会議」の構成を提案した。それは社会主義運動の脆弱性を克服し、「保守両党構造の強化 ―進歩政治の退行」という現実を変えながら、社会主義を政治的代案として打ち立てるために、社会主義の大統領選挙―大衆政党運動に同意する左派組織と勢力が共に集まるというものだ。
2022年の選挙を契機とする
「社会主義2022プロジェクト」
第2の問題提起を務めた労働党のナ・ドウォン副代表は、「システム転換のための社会主義政党企画2022:『時を待つのか、作るのか』」というタイトルで問題提起を行った。
ナ・ドウォン副代表は、「コロナ19の余波、投機の大衆化、気候危機と原子力発電、政治の後進性のすべてが政権ではなく、システムを変えなければならないという事実を明確に示している」として「2021年は、左派陣営再編の適時であり、2022年の大統領選挙と地方選挙を連携させる戦略的判断が必要だ」と述べた。その上で、社会主義と社会主義政党を拡大するための「左派同盟」を提案した。労働党が展望する「左派同盟」は「韓国社会大転換のための進歩左派・社会主義政党運動の結実としての、左派結集が目標」であり、「社会主義政治運動と労働運動の集約的実現」だと説明した。
また、「大統領選挙と地方選挙へと続く2022年の情勢は、現政権の維持と旧時代への復帰、そして新しい代替が激突する時期となるので韓国社会主義政党の取り組みと態勢が重要になってくる」と指摘した。「2022年3月の大統領選挙は、社会主義左派結集のためのきちんとした過程がなければならないし、実質的にはすぐ続く、6月の地方議会・行政権力への進出を目標にする」ということだ。具体的には、「大統領選挙闘争の議論の過程で①課題と政策②得票戦略③党員・市民の参加④地方選挙の予備戦略でこれらを統一的に具体化する政治企画が必要だ」と提起し、「切迫した現実を知って自らが実践をしてきた人たち、つまり、社会主義―左派勢力が新たな社会のために力を結集しなければならない時」だと強調した。
社会主義勢力の結集、
大衆により近づくために
両党からの問題提起に続き指定討論者として、変革党のチョン・ジァンホ、ソウル市党代表と労働党カン・ヨンジュン労働者政治行動委員長が発言した。まず、チョン・ジァンホ変革党ソウル市党代表は市党事業の中の「レッドソウルプロジェクト」を紹介し、「ソウル市を変えることができる社会主義政治勢力があるということから始めなければならない」と述べた。「ただの宣言に終わるのではなく、ソウル市の具体的政策と市政を階級的視点から分析し、大衆と共感しなければならない」ということだ。カン・ヨンジュン労働党労働者政治行動委員長は、「韓国の政治は両党体制を超えられず、民主労働党を中心とした労働者政治勢力化は失敗した」と切り出した。このように、大衆に代替政治勢力の可能性を忘れさせている状況を、社会主義階級政党として克服しなければならず、両党の提案に対して「何でもしてみよう」と答えた。
この討論会で両党は変革党の提案を受け入れて、社会主義勢力結集のための「円卓会議」を共同提案することにした。以後「円卓会議」を通じて、共同の大統領選挙闘争の方式と新しい大衆政党建設の方法などについての議論と合意を練り上げていくことになる。変革党は円卓会議を通じた合意を基本にすえながら、大統領選挙前の社会主義大衆政党結成と2022年の選挙闘争を展開することを目標にしている。「円卓会議」の共同提案決定で社会主義勢力結集の第一歩を踏み出した。これをはじめとして、実際の大衆が苦しむ生活の問題に代案を提示する社会主義政治活動として広がっていけばまだまだ多くの課題が出てくる。討論会を受けて、社会主義勢力結集のための歩みに多くの関心を引き寄せる必要がある。
(社会変革労働者党「変革政治」126号より)
朝鮮半島通信
▲5月24日の韓国の世論調査会社・リアルメーターの発表によると、文在寅大統領の支持率は34・9%であった。
▲朝鮮職業総同盟第8回大会が5月25〜26日の両日、平壌で開催された。金正恩総書記が、同大会の参加者に書簡を送った。
▲韓国外務省報道官は5月27日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のホームページに竹島・独島が表示されていることに関して「決して受け入れられない」と述べた。
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