チュンチョン(春川)市民バス闘争勝利

完全な公営化に進む重要な一歩
チョ・ヒョンウ(学生委員会)

集団解雇事態が起きたカンウォン(江原)の「チュンチョン市民バス」労使が9月9日、カンウォン地方労働委員会で開かれた4回の事後調整会議を通じて合意に達した。調停案骨子は「賃金カットのない1日2交代制の施行」と「解雇が予定されていた里バス労働者たちの原職復帰」である。これはチュンチョン市民バス民主労組の不屈の闘争と共に、公共運輸労組民主バス本部長チョン・ホングン同志の24日間にわたる断食闘争が結合して成し遂げた貴重な勝利だ。それと共に、今回の闘争は、単に個別の事業場での勝利を超えて、今後の「バスの完全公営化」闘争に進む重要な一歩だという意義がある。

「賃金削減か解雇、どちらかを選択しろ」

 今回の闘争の直接原因となったチュンチョン市民バス集団解雇事態の発端は、チュンチョン市側にある。民主バス本部長チョン・ホングン同志によると、「共に、民主党」出身のイ・ジェス・チュンチョン市長は2年前に里バス政策を導入して「市内バスは収益がある路線を中心に、里バスは、収益が上がらない路線を中心に」割り当てるという奇怪なバス路線の改編を断行した。この過程で、市民の利便性は考慮されておらず、むしろ深刻な移動の不便をもたらして、大衆交通の利用率の低下を引き起こした。チュンチョン市民の移動権を深刻に妨げる結果だけが生じた。
 問題はこれだけではなかった。路線改編の結果、「非受益路線」が中心となった里バス労働者は賃金削減と労働条件の悪化を強要された。まさにこれが集団解雇事態につながった原因だった。チュンチョン市側が里バス限定免許更新の条件として「里バス運輸従事者の平均給与を60万ウォン削減」するというガイドラインを提示したからである。つまり、里バス営業を継続するのであればバス労働者の賃金を削る、そうでなければ里バスの運行を停止しするというものだ。また、これは、その上に長時間労働で悪名高いバス業界に週52時間制を定着させようと導入をねらう「1日2交代への転換」を賃金削減を契機に導入しようとする試みでもあった。
 これに対してチュンチョン市民バス民主労組(公共運輸労組民主バス本部カンウォン支部チュンチョン市民バス支会)は使用者側に「限定免許更新の留保」を要請した。ところが、使用者側は「労組が更新条件を全面拒否して更新申請を撤回した」と事実をねじ曲げて、7月6日、労組に「更新申請撤回」、すなわち実質上の事業の中断を通知した。続いて翌日の7日には、団体協約を一方的に破棄して(この団体協約の有効期間は1年後の2022年7月末までだった)、はばかることなく里バス労働者54人に対する集団解雇を強行した。
 チュンチョン市とチュンチョン市民バス会社側は労働者に「賃金削減か解雇の、どちらかを選択しろ」と脅迫した。自治体と経営陣は、大衆交通を台無しにしたまま経営失敗の責任さえとらないのに、労働者になぜこのような選択の強要を受け入れろというのか? これにチュンチョン市民バス民主労組の組合員たちは、闘争を決意し、それと共に、8月17日からチョン・ホングン民主バス本部長が「集団解雇の撤回とバス完全公営化、1日2交代制の即時施行」を要求してチュンチョン市庁前で断食座り込みに突入した(断食は労使の合意に達した9月9日までの24日間続いた)。チョン・ホングン同志は断食終了後「変革政治」との通話で「民主バス本部がこの闘争を単に個別のものとして総括するのではなく、選出された労働組合の幹部が直接事業場闘争を共にすることで、組合員たちの決意をふるいたたせなければならないと考えた。この闘争を通して、チュンチョン市民バスの中でも『里バス』と『市内バス』として業務が分かれている組合員の仲間たちが一つに団結するための役割をはたしたかった」と心に抱いた思いを明らかにした。

大衆交通の完全公営化を!


 チュンチョン市民バスは、この国の大衆交通の現実と完全公営化の必要性を赤裸々に見せてくれる典型例である。チュンチョン市民バス事態の実質的責任は、バス労働者の賃金削減を「ガイドライン」だと押し付けたチュンチョン市とイ・ジェス・チュンチョン市長にある。当初イ・ジェス市長は「バスの完全公営化」を公約に掲げて当選し、「チュンチョン市を大衆交通の天国にする」と大言壮語した。しかし、先で見たように、チュンチョン市の大衆交通は、最悪なものとなった。市民の利便性と安全な移動権は考慮されないまま、収益性を基準に断行したバス路線の改編、バス労働者の健康権を「賃金削減」と取り替えようとする試み、それに次ぐ集団解雇など生存権の破壊と労働弾圧まで…。
 イ・ジェス市長自らが認めたように、チュンチョン市の大衆交通政策は、無残に失敗した。それでは解決策は何か? 簡単である。イ・ジェス市長本人が公約した「バスの完全公営化」を実施するということだ。バス完全公営化はめちゃくちゃにされた現在のチュンチョン市の大衆交通機問題を解決し、不安定なバス労働者の雇用を保証する唯一の代案であり、緊急の課題である。現在チュンチョンは里バスだけでなく、収益路線を中心とする市内バスまでも経営状態が凄惨なのが実情である。このような状況で、完全公営化のない「補助金支給」は、問題を放置したまま、民間業者の私腹をみたすだけである。完全公営化で自治体が直接バスを透明性のある運営とするとき、これまでのあらゆる非道と不正を犯して自治体に補助金をせがんで私腹をこやしてきた民間バス資本との長い間の悪習の根を引き抜けば財政問題も解決することができる。また、完全公営化を通してバス労働者の雇用保障と労働時間の大幅短縮で労働者の健康権はもちろんのこと、市民の安全な移動権まで確保することができる。さらに「収益性」ではなく「地域市民の必要」に応じた路線改編を通じて、実際に「大衆交通天国」を作り上げることができる。
 完全公営化は、特定の地域や特定の交通手段に限られたことではない。ニュースにたびたび登場する大衆交通の多くの問題は、公共性と透明性を兼ね備えた完全公営化として解決の糸口を見つけることができる。大衆交通の完全公営化と共に賃金・労働条件の低下なしでの運輸労働者の労働時間を大幅に短縮する時、大衆交通は、初めて市民の安全な移動権のための交通手段という本来の目的を達成することができる。
(社会変革労働者党{変革政治131号})

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