ユン・ソギョル当選に労働界、一斉に憂慮… 非正規職闘争宣言

民主労総「ユン・ソギョルの5年、
地獄の時間」公共運輸労組、闘争宣布

 3月9日、第20代大統領に国民の力のユン・ソギョル候補が当選した。選挙期間を通して反労働的認識を貫いてきたユン候補が当選たことで、労働界は一斉に批判の立場を発表している。公共部門の非正規職労働者が所属する公共運輸労組は、新政府に労・政協議などを要求する闘争を宣言した。
 ユン・ソギョル当選者は10日午前48・56%、1639万余票を得て当選が確定した。2位の、共に民主党のイ・ジェミョン候補は47・83%、1614万余票を得た。得票差は0・73%、24万7千余票に過ぎなかった。
 続いて得票順で正義党シム・サンジョン2・37%(80万3358票)、国家革命党ホ・キョンヨン0・83%(28万1481票)、進歩党キム・ジェヨン0・11%(3万7366票)、わが共和党チョ・ウォンジン0・07%(2万5972票)基本所得党オ・ジュノ0・05%(1万8105票)、韓流連合党キム・ミンチャン0・05%(1万7305票)、統一韓国党イ・ギョンヒ0・03%(1万1708票)、労働党イ・ベギュン0・02%(9176票)、新自由民主連合0・02%(8317票)、セヌリ党オク・ウノは0・01%(4970票)を得た。

民主労総「ユン・ソギョルの5年、労働者には命をかけた地獄の時間

 ユン・ソギョル候補の当選結果に民主労総は、10日午前に論評を出して「選挙期間に当選者の口からぶちまけられたのは、労働に対する無知と労働組合に対する嫌悪を基礎とする『でまかせ』であり、ただちに今日から労働者、民衆の人生がさらにつらく足が重たくなることが予想され、惨めなこと以外にない」と論じた。
 さらに民主労総は「週120時間労働」など選挙期間中に議論となったユン候補の発言を再び批判した。「120時間労働とアフリカなどに言及して掲げた偏見。憲法が保障する労働3権の意図的な否定と事実関係も把握せずに吐き出す労組嫌悪発言。選挙前日の8日だけでも、4人の労働者が命を落とすという現実でも、使用者と財界の側に立って、重大災害企業処罰法を悪法だと非難して無力化させるという趣旨の発言は、結局ユン・ソギョルの5年は労働者にとって命をかけた地獄の時間で、資本家にとっては長時間労働と低賃金労働が保障されるバラ色のような時間を保障するのと変わらない」と話した。
 民主労総は「当選が確定した、当選者に向けられる注文は『国民統合』であり、当選者も選挙運動で『政権交替』と最も口に込めた言葉が「国民統合」だった。「政権交代」は成し遂げたので、今「国民統合」の意志と実践が残った」とし、ただし「憂慮されることは当選者が選挙期間中、言葉や言行で表わした嫌悪と葛藤の表現であり、これの助長だ。その結果、20代大統領選挙は『世代』を分断させ、『性』を分断させた」と指摘した。
 一方で民主労総はユン当選人に「『道理にかなえ』を胸に刻んで政治に取り組むこと」を注文し、「そうした状況が崩れれば、闘いの中心には民主労総が座っていることを確言する」と警告した。

公共運輸労組、非正規職闘争宣言

 公共部門の非正規職労働者が所属する公共運輸労組は10日午前、ヨイドの国民の力の前で記者会見を開き、ユン・ソギョル当選者の労働嫌悪政策を粉砕して、今年、労組の非正規職関連の対政府要求を実現するために闘争に出ると明らかにした。
 労組は「1年に2千人余りの労働者が事故・過労で命を失う現実を見ないユン・ソギョル当選者を見て怒りに耐えられない」とし「パク・クネ政府没落の出発は生涯非正規職強要、整理解雇拡大、成果年俸制を導入しようとする労働改悪に立ち向かった労働者たちの闘争だった。ユン・ソギョル当選者と国民の力は、労働者をさらに苦痛に追い込もうとするならば、巨大な労働者たちの抵抗に突きあたるということをはっきり警告する」と話した。
 労組の非正規職労働者関連の対政府要求は△常時持続業務の非正規職雇用制限の法制化△偽りの正規職である用役型子会社の運営改善と元請の責任強化△職場での差別禁止、低賃金労働への格差解消の人件費予算の編成△公共部門の下請△労働者の人件費低価格落札制廃止 △公務職の法制化 △労組法 2条の改正による間接雇用・特殊雇用労働者の労働基本権保障などだ。労・政協議のために、大統領直属機構で(仮)非正規職権利保障委員会の設置を要求した。
 ヒョン・ジョンヒ公共運輸労組委員長は「ユン・ソギョル当選人が国民統合を落ち着かせたいのなら、まず最初にすべきことは不平等を緩和すること」だと強調した。そしてそれは「女性と男性、正規職と非正規職、多住宅所有者と無住宅者に分断されていることが不平等の深化につながっているため」だとし「その核心に政府統計でも1千万人を超える非正規職がいる。1日稼いでも1日暮らすのも難しく、いつ自分の命を自分のメシ代と変えてもおかしくない劣悪な労働条件に非正規職が置かれている。そのためユン当選人の国民統合は非正規職の正規職化、非正規職の労働条件から出発すべきだろう」と話した。
 一方、公共運輸労組の非正規職労働者は、新政府に先立った要求を貫徹するために来る19日から5月8日まで毎週土曜日にソウル鍾路(チョンノ)のチョン・テイル橋前で大統領引継委員会で行進を行う。5月28日にはクイ駅事故6周期を迎え、大統領が労組の要求に対する回答を持って直接出て来ることを要求すると明らかにした。
 これと関連して、キム・クミョン国民健康保険顧客センター支部ソウル支会長は、「ムン・ジェイン政府の正規職転換の約束は、その多くが労働者に対する詐欺だった。新政府は、職場、家庭、社会のすべての構成員である労働が社会的価値を認められるようにする労働者の立場からの政策、法制度などを作ってほしい」とし「今年は非正規職労働者の最初の日程で公共部門の非正規職として働く国民健康保険センター、発電の非正規職、ガス公社の非正規職、仁川空港の非正規職、裁判所の非正規職労働者が先頭に立って戦う」と声を高めた。
ウン・ヘジン記者
チャムセサン 3月10 日


国民の力本部前で、ユン・ソギョル当選人に対して闘争宣言する非正規職労働者たち(3.10ソウル市内)

鮮半島通信

▲3月25日の朝鮮中央通信は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射実験を24日に成功させたと発表した。同日の発射の際、金正日総書記が現地指導した。
▲朝鮮のサイト「わが民族同士」は3月26日掲載の「先任者たちの悲惨な末路を踏襲しようとするのか」と題する論評で、韓国の尹錫悦次期大統領の選挙期間中の主張について「戦争政策、反民族的・反統一的政策」と批判した。
▲韓国の中央防疫対策本部は3月27日、同日午前0時現在の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時から31万8130人増加したと発表した。

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