清州に浮かぶ七色のフェミニズム政治
忠北清州市議選に出馬したユ・ジニョン労働党候補
私たちの町の活動家、初めて会った日
私たちの町で初めて見る活動家に会った。巨大2党が独占する地域政治で、様々な社会構成員の声が聞こえた。
女性議員が20%に過ぎないある町で7人のフェミニストが地方選挙への出馬を宣言した。ソウルで下層住宅の高級化が急速に進行されているなか、町の共有地に生態広場を創ろうという候補が出た。ソウルの次に1人世帯が多いこの町では女性ひとり世帯安全のための条例制定を掲げる候補が登場した。そして、高校生の時から仕事をして学費を稼いできたひとりの学生は、青少年の経済的負担を軽減するために出馬を宣言した。
巨大2党の中で、聞こえなかった声を出す「私たちの町の活動家」に会った。
清州に浮かぶ七色フェミニズム政治
4月4日、忠北の清州(チョンジュ)に住むフェミニスト7人が地方選挙出馬の意思を明らかにした。地域社会でフェミニスト政治をするとして、政治舞台に飛び込んだ彼女らは「フェミニズムが堂々とした清州」をスローガンにした。既成政治があくどく進める差別と嫌悪という巨大なバックラッシュに対抗して闘うという決意がこの中に盛り込まれた。彼女らは予備候補出馬宣言文で「地方選挙を通して悪い政治の素顔を露わにさせる」と明らかにした。この悪い政治とは、「危機を解決できなかった政治勢力が自分の責任を隠し、それを女性のせいにする」政治のことだ。「女性」は障害者にも移住民にも性少数者にも変えることができる。彼女らは「フェミニズムは女性の言語だが、究極的に社会の構造的差別と排除に対抗するすべての人々と出会うための志向」だとし「差別と嫌悪が吹き荒ぶ今、私たちは迂回せず堂々とフェミニズムの政治を語る」と宣言した。
7人が登録書類を提出した清州市議会は、他の地域議会と同様に巨大2党が利益を独占している。正義党所属の議員1人と不動産投機で国民の力から除名された1人を除く残りの37人が共に民主党、国民の力所属だ。基礎議会議員の大多数が「50代中年男性」と言われているように、性比と年齢もまた不均衡だ。平均年齢は約55歳で、30代の議員はたった1人だ。女性議員の割合は全体の20%を超える、わずか8人だけだ。多様性が失われているそこに、無所属と進歩政党の所属で出馬した彼女らがフェミニスト政治の芽を開かせることができるのだろうか?
7人の選挙運動、フェミニスト政治運動のできること
7人の予備候補のうち唯一政党に所属するユ・ジニョン清州市議員マ選挙区候補に会って清州フェミニストたちの地方選挙出馬と関連して話を聞くことにした。ユ候補は地域で長い間社会変革労働者党の常勤者として働き、去る2月の社会変革労働者党と労働党が統合した後、労働党所属として地方選挙に出馬した。彼女は清州で7人が繰り広げる選挙運動自体がフェミニスト政治運動になるだろうと確信している。
「清州で7人が地方選挙に出馬するということで、多くの関心を受けています。選挙期間中、私たちは人間の尊厳と平等社会を話すつもりです。フェミニズムの観点から地方政治がどのように進むべきかを話すきっかけになるでしょう。フェミニズム的な地方政治を可能にする多くの代案を出すつもりです。直ちに適用される政策ではなくても話を始める大切な基盤になると信じています。全国的に清州フェミニスト政治を応援する777人を集めることが目標です。初日で100人を超えました。私たちが話すほど多くを集められるという自信も得ました。全員が完走できないかもしれないが、最初から当選が目的ではないので、できるだけ私たちの声をたくさん知らせようと思っています」。
ユ候補の言葉通り、7人の予備候補がすべて本選まで完走するのは難しいようだ。ユ候補と一部の無所属候補の本選進出が確定した。ユ候補は、すべての候補が本選に進出するには、お金、人脈、キャリアなど、多くで基盤が脆弱な状況だと語っていた。
「現行の選挙制度は女性と青年にとって巨大な障壁です。予備候補登録は寄託金40万ウォンを出せば可能で大きな難しさはないが、本選に進出すれば数千万ウォンの費用を負担しなければなりません。予備候補登録に必要な書類を用意することも難しいと思います。基盤のある政党があるわけでもなく、お金もないからです。選挙事務所の登録も難しく、ほとんど自宅で登録をしてしまいました」。
「予備候補運動だけをするしかない状況に置かれて候補者同士で長く議論しました。予備候補としての運動だけの登場で有権者に選択肢を与えられないのはあまりにも無責任なのではないかという批判の声も出ました。しかし所属政党のない若者が数千万ウォンの選挙費用を用意するのはほとんど不可能でしょう。それでも選挙法が変わって無所属候補たちも後援会を開くことができるようになったんです」。
「彼女ら」が地方選挙に出てくるまで
清州フェミニスト7人の地方選挙出馬は、清州地域フェミニストの活動の中で自然に現れた実践的な行動だった。忠北スクールミートゥ支援会活動と清州経実連セクハラ事件などで被害者に連帯してきた彼女らがネットワークの必要性を切に感じて、昨年11月に清州フェミニストネットワーク「彼女」を発足した。「拡散する嫌悪とバックラッシュの中ですくんでしまう多くのフェミニストに一緒に勇気を出そうと言いたかった」という人々がそうして集まった。みんなでいっしょに集まって騒いで楽しく遊んで勉強し、差別と暴力に怒り、集まって闘うこと。そんなことがやりたかった。活動家が主軸になったが、現在の集まりには職業活動家ではないフェミニストが多い。誰が見るのかと思っていたオンライン提案書とオフラインポスターを見てドアを叩いた人が多かった。2カ月前、女性家族部廃止論議に対抗して進行した魔女行進では、誰かが「集会でソウルまで行かなくていい」と言うくらい、フェミニストたちには地域内のコミュニティと活動が切実だった。
「大統領選挙を経て『彼女ら』のバックラッシュ対応チームが私たち独自の声をした方がよいというとアイデアを出し、地方選挙対応まで続きました。大統領選挙の主要候補者らがジェンダー葛藤を煽り、女性たちが権利を求めて声を上げれば、これを男女の葛藤としてたたいたじゃないですか。フェミなのかと、思想検証まですることにとても怒りがありました。青年女性を既得権政治を守るための手段と考えたということに私は最も大きく怒りました。もともとは10人を集めて候補運動をしようとしましたが、最終的に7人が集まりました」。
「このように大統領選挙を経て巨大2党に対する期待を初めから見捨ててしまった人々もいたが、一方ではまた別の流れが作られたりもした。イ・ジェミョン、民主党に集まっていた2030女性たちの話だ。大統領選挙の土壇場イ・ジェミョン候補は、N番組の性搾取を取材した『追跡団花火』のパク・ジヒョン氏を緊急対策委員会共同委員長に迎え入れ、若い女性有権者の支持を引き出した。この候補がわずかな差で落選すると、大統領選挙直後の2日間で、2030女性1万1000人余りがオンラインで立て続けに入党した。ユン・ソギョル当選者に劣らず、イ候補が大統領選挙期間に見せた反フェミニズムの歩みは葬り去られたようだった。『性平等家族部』を作ると女性家族部攻撃に加担したことと『狂気のフェミニズムを止めてくれ』『民主党議員らは各種フェミと関連して若い男たちを排斥した』と主張する文を本人のSNSに共有した事件などは明らかにされていない」。
「大統領選挙が終わり、2030女性たちが自らを『犬娘』と称しながら、イ・ジェミョン候補を支持する姿を見て、これは何かが間違っていると思ったんです。他の候補者らも気にさわることは同様でした。堕胎罪廃止のような主要な女性の議題に声を上げる女性コミュニティなどが、イ・ジェミョンの支持で結集しています。ところが巨大2党の覇権政治は相変らず女性を手段化しているんです」。
「出馬の弁でも書いたように、フェミニストの大統領を自任した政治に期待も少しあったんです。しかし、続け様に権力型性暴力事件を前にして『被害訴訟人』という言葉で沈黙し、社会的合意をうんぬんし、平等を留保し、差別を容認する政治を見せました。また、民主主義の業績を前面に出して女性運動を民主主義から排除する横暴なやり方を見ながら、私たちの未来は決して両党によって変えることができないことを知りました。ところで今選択肢が2つしか見えないじゃないですか。正義党もよく見えず、労働党はもっと見えません。それで、地域で一緒に活動するフェミニストたちがフェミニスト政治をするには、私たちが出なければならないという結論に至ったのです」。(つづく)
「チャム・セサン」パク・ダソル記者 5月2日
朝鮮半島通信
▲韓国の詩人・金芝河氏が5月8日、死去した。
▲韓国の文在寅大統領は5月9日、大統領退任に際して大統領府で演説を行った。
▲5月10日、尹錫悦韓国新大統領の就任式が行われた。
▲朝鮮労働党中央委員会第8期第8回政治局会議が5月12日、金正恩総書記の出席のもと党中央委員会本部庁舎で招集された。
▲金正恩総書記が5月12日、国家非常防疫司令部を視察した。
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