清州に浮かぶ七色のフェミニズム政治(下)

忠北清州市議選に出馬したユ・ジニョン労働党候補

資本主義システム 疑問に思うフェミニスト

 ユ候補にとしてフェミニスト政治とは「誰も排除しない政治」だ。ユ候補は高校3年であった2012年、当時大統領選挙で非正規職の大統領候補キム・ソヨン大統領選挙本部闘争運動を手伝った。その時、認知した非正規職問題で彼女は少数だけが富を享受する資本主義システムに疑問を抱くようになった。そして2015年の江南駅殺人事件を経てフェミニストとして公然化した彼女は、世の中の半分を疎外するこの課題を政治化しなければならないと考えた。

 「フェミニズムは、すべての疎外された者と一緒にする運動という点で、誰も排除しない政治を可能にします。これまで私は活動と政治は違う領域だと思っていたが、課題を集めて政治的に要求するという点で別段違うことではなかったんですよ。こう考えてからは、活動経験から大きな自信を得ることになりました。地域で性暴力事件などを解決しようとすると、手を差し出すことも、インフラもないということを削減することになります。しかし、絶えず公論化しながら事件を解決しようとしたし、成果もあったんですよ。忠北スクールミートゥの場合、再発防止対策を用意するという教育庁の約束と謝罪を受け、経実連セクハラ事件は、市民社会団体の組織文化の変化として影響を与えました。フェミニズム政治も世論化にかかっていると思います。地方選挙を足場としてフェミニズム政治が勢力化されることを期待しています」。

 意気込んでフェミニズム政治を掲げた
けれど、公約にも力を入れている。候補7人はフェミニズム的な地方政治のために自分たち自身で考えていた。政策専門家らの助けも受けるが、彼女らが直接勉強して政策を作っている。関心のあるテーマを勉強して調査し、9大合同政策公約を発表した。ユ候補の場合、女性労働者公約を強調している。ユ候補は、働く女性たちが差別されないように、性別賃金格差解消のための条例を制定し、性平等公示制度を導入した企業を支援する制度を設けることを明らかにした。賃金、志願者の性比対比と合格者の性比対比、職責別昇進までの性別所要年限、雇用形態別職群別性比、性別による育児休職・出産休暇の使用率と復帰率を公示させて、改善計画と実際の履行などを点検して実効性を図ろうとする。地方政府と契約を結ぶ企業が性差別・性暴力の予防教育、性暴力対応体制構築の計画を提出してはじめて契約に参加できるよう義務付ける性平等契約制の導入もまた彼女の公約の一つだ。

有害物質を使用する女性事業所を明らかにすること


 彼女はまた、女性が集中する事業場の有害物質による被害を調査し、危険要因発掘のための危険性評価制度を改善し、女性労働者が労働安全保健事業に参加権を拡大できるように措置をはかる計画だ。清州にはSKハイニックス、LG化学など半導体と化学物質製造企業が陣取っている。事業場の運営主体が大企業だとてすべての化学物質を安全に管理できていないということは、サムスン半導体職業病の事例でも明らかだ。

 「昨年、清州のある学校で給食室の調理労働者が集団でがんにかかって問題になったことがあります。8人が勤務するなか5人ががんにかかりました。半地下にあるうえ、換気施設も劣悪で空気循環ができませんでした。調理中に発生する有害物質である調理湿気が外部に出されていません。この事件をきっかけに有害物質による被害がある女性事業場に関心をもつことになりました。特に清州に主要半導体製造工場などがありますが、女性労働者にどのような影響を与えているのかは詳しく調査できませんでした」。
 「有害物質関連労働安全保険事業をする『忠北労働者市民会議』でLG化学で働く方に会うことができたが、この方が言葉ではよく分からない化学物質を何気なく書いたんです。製品にがい骨も描かれており、致命的な溶液だということが本能的に分かったが、働くときに頻繁に使用するのでますます注意度が落ちています。成分を詳しく知りたくてもすべて英語で書かれていて、管理者もただ使うようにと言います。労組があれば有害物質の調査も少しは簡単ですが、清州産業団地のように老朽した事業場も多く、労組のない事業場も多く、危険物質がきちんと管理されていません。最近、半導体産業でも胎児産災の問題が出てきており、地域できちんとした調査とともに世論化が必要になると思います」。

 ユ候補は女性労働者がほとんどを担っているケア労働に生活賃金を保障し、公共ケアセンターの設立で彼女らを直接雇用するという公約も出した。忠北地域にも今年、社会サービス院(社サ院)が開かれる計画だ。全国で最も遅く運営を始めるだけに、これまで出てきた多くの問題が是正されると期待されていたが、「既存の社サ院の問題をすべて抱えている」機関が誕生すると地域では懸念が大きい。最大の問題は、総合在宅センターの設置から障害者のケア領域を除外したことである。忠北の障害者人口は10万人だが、障害者活動支援所は1500人にも満たない状況で自治体ですら障害者支援の空白を放置しようとしたわけだ。

 「社サ院が公的ケアの領域を包括しなければならないのに、民間の後押しだけしてくれている状況で、昨年は社サ院法さえまでも通過しました。民間が参加することが難しく供給が不足している分野に限定して、公的ケア機能と役割が縮小されました。それさえも地域では正しく実現されていない状況です。地方政府がケアの公共性体系を強化するための事業に責任を持たなければなりません。去る大統領選挙の時、労働党は地区単位で公共ケアセンターを運営すると公約を出したが、私もこの公約を選びました」。
 「不十分な公的ケア体系は、ケア労働者に期待する側面が大きいです。ケア労働従事者の94%が女性です。女性労働者が多い業種がそうであるように処遇が本当に劣悪です。最近『非正規職のない忠北作り』が主催したケア労働者証言大会に行って聞いた話は思っていたよりはるかに凄惨でした。低賃金・不安定労働、セクハラ問題があるということは分かっていましたが、休憩時間と賃金もいい加減で、労働者が持つ剥奪感が激しかったです。政府が労働者に注いだ支援金は、彼女らに届きませんでした。サービスの利用者がコロナにかかったときは無給で待機しなければならないために、生計がままならないのです。政府がケア政策に対して体系的な政策的、制度的支援を備えていないことがはっきりと明らかになりました。ケアの価値を強調しながらも、そのほとんどを民間に委託しながら放り投げたことが大きいです。公的ケア体制をすぐに確立するためには、ケアをする主体に労働基本権を保障しなければならず、生活水準の賃金を支給しなければなりません。ケア労働問題と公的ケア体系を結合して、公共性と労働権が共に拡大する地方自治を話してみようと思います」。

 5月10日、女性嫌悪の政治を運んでいるユン・ソギョル当選人がついに就任式を迎える。それに立ち向かう人々の足どりが忙しい。大切な一歩を共にする7人のフェミニスト政治人の名前を呼んでみよう。チョンジュ市議員予備候補として登録したナ選挙区無所属のイ・ソンジ、マ選挙区労働党のユ・ジニョン、ラ選挙区無所属のキム・ヨンウ、バ選挙区無所属のチョ・ヨンウン、チャ選挙区無所属のキム・ヒョンジョン、「選挙区無所属のヒョン・スルギ、パ選挙区無所属のチョン・ソンヒが清州でフェミニスト政治を宣言した。

「チャム・セサン」パク・ダソル記者 5月2日

ユ・ジニョン労働党候補

朝鮮半島通信

▲朝鮮の最高人民会議常任副委員長を務めた楊亨燮氏が5月13日、死去した。
▲朝鮮労働党政治局は5月14日、新型コロナウイルスに関連した協議会を開催した。
▲朝鮮労働党中央委員会政治局は5月15日、非常協議会を招集した。金正恩総書記が会議に参加した。
▲朝鮮労働党政治局常務委員会会議が5月17日、開催された。金正恩総書記が会議に参加した。
▲朝鮮の国防省総顧問で、国防省の前身の人民武力部で第1副部長を務めた玄哲海氏が5月19日、死去した。
▲米国のバイデン大統領が5月20日、韓国の烏山空軍基地に到着した。

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