女性駅務員が死亡… 「ユン政府は「構造的差別」を認めろ」

労働界「女性嫌悪の組織文化が女性労働者を死に至らしめた」

 9月14日職場内で性暴力を受けてきた女性駅務員が殺害された事件をめぐって労働界はユン・ソギョル政府が今回の事件を構造的差別として認定して強力な対策を実施しなければならないと促した。ストーカー犯罪の被害者だった故人を保護してこなかった司法部の責任とともに、まずは女性が安全でない社会であるということを政府が受け入れなければならないということだ。

 民主労総は16日「もはや構造的な差別はないと言ってきた執権党と現政府は今回の事件のもうひとつの主犯」だとし「女性が働く空間でさえ女性嫌悪として作られてきた組織文化は、女性を性的対象とし安全でない時空間で女性労働者をストーカー犯罪と不法撮影犯罪の被害から死に至るまで投げ出した。これが構造的な差別で、構造的な暴力ではなく何か」と批判した。

 さらに「ユン・ソギョル政府はいま再び女性に構造的な暴力と差別はないという言葉を口にしてはならないだろう」とし「取るに足りない支持率のために女性家族部をなくそうと思案にくれるのではなく、半分の市民である女性に安全な社会を作るために政府全体が乗り出さなければならない」と促した。

 安全な職場を作ってこなかったソウル交通公社の責任も重いと強調した。少ない人員により駅務労働者の安全を保障しなかったことだ。民主労総は「悲劇は一人で見回りをする夜間勤務時に発生し、加害者は被害者の同僚だったので、被害者の仕事の内容が正確に分かり、まさにその時点で、一人で働くという最も安全でない時間と場所で犯罪が敢行された」とし「ソウル交通公社は、今回の事件が仕事中に発生した産業災害であることを認知し、労働者が安全に働くことができる環境を作らなければならない。経営革新という名で駅務人員の削減を試みる反労働行政はすぐに中断されなければならない。2人1組の勤務を含めた人員の拡充だけが労働者の安全を保障することができる」と述べた。

 民主労総は被害者が少ない人員で夜間に事務室業務、酔客管理、遺失物管理、パトロールなどをしたが、1人で働くときに発生するかもしれない非常事態に対するマニュアルすらなかったとした。民主労総によると、ソウル交通公社の駅務労働者たちは、駅の規模によって決まっており1~4号線は3人~5人、5~8号線は2人で働くのががほとんどだ。

 ソウル交通公社労組は16日、「作業者の安全を保障する義務は使用者にある」とし「今回の事故以前にも駅務員たちは、酒酔者、悪性憎悪などから危険と暴力にさらされてきた。(ソウル交通公社は)このような環境を改善せず、現実と乖離した免責対策だけにとどまってきたことを反省しなければならない。今でも監督機関であるソウル市に積極的に要求し、実効性のあるすべての対策を提示してほしい」と話した。

 同時に「裁判所は令状実質審査を棄却し、捜査当局は犯罪が続く中でも保護措置や暫定措置を施行しなかった。また、執拗なジェンダー暴力であっても危害の実態を被害者視線から見ようとしてこなかった裁判所と捜査当局の覚醒を促す」とし「これまで苦痛を訴えていた被害者が刑事捜査された被疑者から保護を受けることができなかった法、制度を必ず今すぐにでも制定することを心の底から訴える」と明らかにした。

ウン・ヘジン記者
(「チャムセサン」9月16日)

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