11月25日、20万公共の非正規職共同スト…「再び団結した」


福祉手当の差別撤廃の予算化、公務職委員会の常設化
子会社・公共機関の構造調整中断など要求

 公共部門の非正規職労働者20万人が公務職委員会の常設化、子会社・公共機関の構造調整中断などを要求して11月25日、共同総ストライキを繰り広げる行動を始めた。公務職委員会の終了を控えたが、処遇改善どころか議論すら始まらず、はなはだしくは構造調整まで伸ばしかけたというのが、労働者らが大規模な総力闘争を宣言した理由だ。公共部門の非正規職問題解決のための政府機関である公務職委員会は、3年間の期限つきで設置されたため、来年の3月31日が過ぎると運営が終了する予定だ。

 民主労総は11月14日午後、ソウル中区の民主労総で公共部門非正規職ストライキ委員会所属の6産別が参加する中、20万公共部門非正規職総ストライキ闘争宣言の記者会見を開催した。民主労総は「100万公共部門非正規職労働者が再び団結した。2019年に歴史上初めて公共部門全体の非正規職共同総ストライキ闘争で作った政府の対策機構である公務職委員会が廃止される運命に対処するためだ」とした。

 さらに「危険な仕事に追い立てられている職種の人材補充をはじめとする生命の安全対策も、今もなお進行中である正規職転換問題も、職務給制導入の試みも、さらに直接雇用・子会社に転換された公務職などを構造調整の優先として、民間委託に戻そうとする問題に何の答えも出そうとしないまま公務職委員会を終わらせることはできない」と声を高めた。

 この日、民主労総は、△福祉手当の差別撤廃の予算化、△公務職委員会の常設化、△子会社及び公共機関の構造調整中断、△職務評価成果給制(職務給制)の廃止など、公共部門の非正規職関連の核心的要求案を発表した。

 民主労総は先に公務職委員会の賃金協議会が「物価の引き上げを考慮して実質賃金が下落しないように予算を編成してほしい」という建議書を予算当局に送ったが無視されたと批判し、今回の定期国会予算審議で公共部門非正規職の処遇改善予算を増額しなければならないと促した。福祉上の手当である名節賞与金、家族手当、福祉ポイントを3年にわたって公務員と同様に支給しなければならないというのがこれらの要求だ。予算要求案は、名節賞与金を110万ウォンから200万ウォンに引き上げ、家族手当の新設(月6万ウォン)、福祉ポイントを50万ウォンから70万ウォンに増額することなどを骨子としている。公務員と同様に支給されれば50万人に対する総予算は9100億ウォンだ。これと関連して、中央行政機関公務職に対する所要予算は1028億ウォンと提示された。

 一方、来年政府予算案によると、中央行政機関公務職の賃金引き上げ率は約2・2%に過ぎない。これに先立ち、2020年12月、国家人権委員会は、中央行政機関無期契約勤労者の労働人権増進のための制度改善勧告で企画財政部長官に「福利厚生費は職務と無関係に福利厚生または実質弁償として支給されるもので、予算編成および執行基準に公務員との格差が解消できる合理的な福利厚生費の支給基準を設け、これに必要な財源確保のために努力」することを注文してもいた。

 こうしたことについて構造調整を中断しなければならないというのも今回の総ストライキの主な要求だ。現在、350の公共機関は6700人余りの定員削減計画を発表している。これに対して民主労総は、定員削減の大部分が正規職転換政策によって転換された労働者、子会社の労働者、転換除外された非正規職労働者だとし、「公共機関の革新を口実として非正規職労働者の人材を削減する政府の民営化、構造調整政策は中断されなければならない」と促した。

 労働界は民間委託(約20万人)、学童保育などの放課後労働(約10万人)なども含め、昨年の基準で公共部門非正規職を約100万人規模と見ている。11月25日に行われる総ストライキには、公共部門非正規職労働者の5分の1が参加する予定だ。この日午後2時30分、ソウル市内の女子医大で開かれる集会には約4万人が参加する。これに集まるのは小中高校教育機関の非正規職労働者、公共機関及び子会社の非正規職労働者、地方自治体の非正規職労働者、政府中央部庁など中央行政機関の非正規職労働者、民間委託労働者たちだ。

 また、労働者たちは国会での予算最終決定時期まで国会前で野宿・座り込みを行う。座り込みは28日から12月2日まで5日間実施する予定だ。

 最後に、民主労総は「私たちの総ストライキは100万人に達する公共部門の非正規職と、その実質的な使用者である政府との最小限の対話枠を維持するため」とし「総ストライキ闘争を控え、政府と国会の前向きな態度変化を促し、私たちの正当な要求、切迫した要求が受け入れられなければ、私たちは予定通り実力的な総ストライキ闘争に乗り出すしかないことを再度明らかにする」と述べた。
ウン・ヘジン記者
(「チャムセサン」11月14日)

公共運輸労組10万人、23日から10日間の対政府共同スト
「公共部門実質の使用者は政府、一カ月以上交渉怠り…公共性―労働権拡大のためストライキ突入」

 公共運輸労組事業場などが11月23日から12月2日まで順次的に対政府共同ストに乗り出す。

 公共運輸労組は11月15日午前、ソウル中区の民主労総会議室で「対政府共同ストライキ・総力闘争宣言の記者会見」を開き、「11月23日から12月2日まで国家責任を縮小し、国民の安全を脅かすユン・ソギョル政府に立ち向かい、皆の安全と生活を守る公共性-労働権拡大のための対政府共同ストに突入する」と明らかにした。

 今回の共同ストライキのために13単位、計10万4331人の組合員が準備している。公共機関の中からソウル交通公社労組、医療連帯本部、鉄道労組、西海線支部、ヨンイン軽電鉄支部が公共非正規職単位からは教育公務職本部、仁川空港地域支部・地域暖房安全支部・鉄道子会社など公共機関子会社と健康保険公団顧客センター支部が立ち上がる。運輸事業からは貨物連帯本部が、社会サービス及び自治体単位からはソウル市社会サービス院支部、タサンコールセンター支部がストライキを準備している。

 11月23日の仁川空港地域支部、健康保険公団顧客センター支部、ヨンイン軽電鉄支部を皮切りに、24日貨物連帯、30日ソウル交通公社労組、12月2日鉄道労組などがストライキを行う。特に仁川空港地域支部、ソウル交通公社労組、鉄道労組、貨物連帯などは無期限の全面ストライキを予告し、ストライキによる影響はさらに大きくなると見られる。

 ヒョン・ジョンヒ公共運輸労組委員長は、「間違った政府の政策の大きな流れを変えなければ悲劇の繰り返しを防ぐことができない。代案は社会の公共性と労働権の強化」だとし「公共運輸労組のストライキは国家が自身の役割を果たさないので、私たちの労働者が先頭に立つという宣言だ。ユン・ソギョル政府発足後初めて行われる公共・運輸・社会サービス部門労働者の対政府共同ストライキだ。必ず勝利できるように国民の皆さんの支持と連帯を要請する」と話した。

 公共運輸労組は政府が労政交渉に応じずストライキに至ったと明らかにした。これに先立ち労組は国家責任―国民安全の弱化を懸念し、10月12日に政府に対して「公共性―労働権拡大のための労政交渉」を公開要求したことがある。労組は政府交渉代表団の構成を要求し、政府交渉代表として国務総理が出て来なければならないと要求し、このほかにも民営化を議論する8部庁の長官を交渉団に指名した。労組は「政府は一カ月を超えた今日まで黙りこくって答えないことで一貫しており、あくまでも労組の交渉要請に応じなかった」とし「これは社会公共性の拡大に力をつくさなければならない政府の国家責任放棄であり、同時に公共部門労働者の実質的な使用者である政府の交渉サボタージュの不当労働行為」だと批判した。

 今回の共同ストライキに乗り出した労組は4つの対政府緊急要求案を発表した。▲社会的惨事と重大災害の徹底した原因究明と根本的対策の確立▲生命と安全のための法制・改正及び規制強化▲公共部門の構造調整中断・安全と人材の充員▲公共部門の民営化の中断及び公共性の強化と国家財政責任の拡大などだ。

 記者会見参加者らは共同ストライキ – 総力闘争宣言文でユン・ソギョル政府の公共部門民営化、労働改悪、国民安全保障責任回避などを指摘した。特に民営化政策推進の流れに対しては「国民への災いそのもの」だと表現し、「公共機関を民間に売る民営化、公共機関を利益目的で運営する営利化、公共サービス市場を民間に開放する市場化、公共機関の人材と予算、資産を減らして枯死させる構造調整、このすべてがユン・ソギョルの偽装された民営化政策だ」と批判した。

 そして今回の共同ストライキについて「国民の誰もが人間らしい生活を享受できるように電気とガス、交通、医療、教育、福祉、社会サービス、通信など公共サービスを提供するための闘争」「差別と不平等がないように労組活動をする権利を保障する労働基本権を守り拡大するための闘争」「国民の安全を実現するために国家責任を強化する闘争だ」と説明した。

パク・ダソル記者
(「チャムセサン」11月15日)

2019年7月、公共部門非正規職労働者10万人が雇用不安と差別解消を政府に要求して大規模ストを行った。[出典:チャムセサン資料写真]
公共運輸労組が記者会見で対政府共同ストライキ総力闘争を宣言
(11.15ソウル)
「国家責任の強化」と「国民の安全実現」のためにストライキを宣言

朝鮮半島通信

▲11月19日の朝鮮中央通信は、金正恩総書記が18日に発射された新型大陸間弾道ミサイルの発射試験を現地指導した、と報道した。

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