韓国スカウト連盟に送る公開書簡 セマングム新空港白紙化共同行動
死の土地、生態系虐殺の現場であるセマングムで行われるジャンボリー大会のボイコットを求めます!
生態系虐殺の現場で自然を愛し、平和を祈る青少年たちの大会が開かれることに反対します。ここにボイコットを促す公開書簡を発送します。また、読者の皆様に下記の英文書簡をコピーし、世界中のスカウト公式メールアドレスにお送りください。
こんにちは、韓国スカウト連盟の皆さん!
私たちはセマングム新空港白紙化共同行動です。私たちの目標は、セマングムの干潟を守り、干潟の埋立とセマングム新空港の建設を阻止することです。
セマングム干潟は世界5大干潟ですが、セマングム防潮堤の建設と埋立で深刻な状態にあります。今年25回世界ジャンボリー大会(ボーイスカウトの大会)がこの生態系破壊の現場で開かれることを残念に思います。私たちは、すべてのスカウト隊員がセマングムの歴史を知り、この巨大な生態系虐殺のグリーンウォッシングに参加しないことを願っています。スカウト精神に反する事業を進めているセマングムでのジャンボリー大会をボイコットしてください。
西海沿岸は浅い大陸棚と大きな潮間の差で形成された干潟が幅広く存在し、海洋生態系や渡り鳥、そして人々がこの西海干潟にもたれて生きてきました。しかし、この貴重な干潟は攻撃的な埋立と汚染によって破壊されています。
セマングム事業は1991年のノ・テウ当時、大統領候補が全北地域の票を得るために急ごしらえしたもので、建国以来最大規模の土建事業です。米作をする水田が不足しているので、埋め立てが必要だという理由で始まったが、すでに当時から韓国は米消費と人口が減少すると予測されていたので、この論拠は事実ではありませんでした。干潟が消えれば、干潟に寄りかかって暮らす漁民たちや多くの生物種が生きていけなくなります。また、シファ湖も防潮堤で海と分離された後、腐敗して巨大な死の無酸素の水たまりになったりそうした政策の失敗がセマングム湖にも同様に繰り返されることが予想されたため、セマングム事業は大きな社会的反対に突き当たりました。
しかし、結局、2006年にセマングム干潟を海から分離する防潮堤が完成し、漁民たちは生活の場を失い、農漁村公社が防潮堤水門の時間を公開しなかったため、いつ海水が押し寄せるのか分からなかったことでひとりの漁民が干潟で溺死しました。また、鳥や無脊椎動物を含む1000種以上の生物が絶滅しました。2006年までオーストラリアを出発し、毎年セマングム干潟に飛来して捕食をして再びシベリアまで飛んでいた赤肩シギを例に挙げると、防潮堤が完工したために乾上ったセマングム干潟に降りてほとんどが飢え死にしました。2007年にセマングム干潟に飛来した赤肩シギの93%が地球上から消えてしまいこれは赤肩シギの全地球個体数の三分の一に相当するものです。人間に当てはめるとと、75億人のうち25億人が一度に飢えて死んだことになります。
また、シファ湖の失敗が繰り返され、セマングム湖は5等級の水質にも全く合致させられない巨大な貧酸素水たまりとなりました。2020年、環境部は唯一の解決策として全面的な海水流通、すなわち防潮堤を常時開いておき、海水を循環し続けることだと明らかにしました。こうなると干潟が蘇り、干潟の埋立を止めなければならないので、韓国政府は一日一回だった海水流通を二回に増やすという生温かい措置だけを行い、政策の失敗をまだ認めていません。
さらに驚くべきことは韓国は土地が足りなく、今セマングム干潟を埋め立ててどんな用途で使うのが決まらなくても、いったん埋立してしまおうということです。間違った政策であれば、いったん埋め立てを止めてから、次に決定をしなければならないのに、何らの目的も無いまま埋立をしており、まだ干潟に生きている多くの命が大きな脅威を受けています。
一方、韓国の干潟はその優れた生態学的、気候的、文化的価値が認められ、2021年にユネスコ自然遺産に登録されました。セマングム干潟のすぐ上に続いているソチョン干潟もユネスコ自然遺産です。セマングム干潟も防潮堤を開き、埋立を止めるだけで再び蘇ることができます。実際、2020年に海水の流通を少し増やしただけでも、10年間見られなかった絶滅危惧種の白足かいせん(疥癬)が2021年に再び発見されました。
そして今は何より気候変動、気候危機、気候崩壊の時代です。このような時代に二酸化炭素を吸収する干潟を埋め立てるということは、まったく納得できない政策です。気候危機により、夏の猛暑はさらに激しくなり、セマングムの埋立地は8月に激しい熱にさらされます。干潟を復元すれば、酷暑、台風、高波から緩衝地帯を元通りにできるということです。
赤肩シギに起きた悲劇が今この時間にも小アジサシ、都鳥、コウノトリ、クロツラヘラサギなどに起きています。埋め立てを止めて、鳥たちが生きていける空間を設けてこそ人間も生きていくことができます。
はなはだしいことに2023ジャンボリー大会は、それ自体が大規模な生態系破壊を引き起こして準備されました。ジャンボリー大会のためにおおよそ267万坪の干潟をわざわざ埋立してキャンプ場を造成したからです。特に、そこはセマングム保全運動の聖地と同じ青海原の干潟です。2003年に320kmの干上がり陸基を始めたのがまさにそこです。すでに埋め立てられた敷地が広く存在するため、ジャンボリー大会のためにあえて埋立する必要もありませんでした。2週間のイベントのために2千億ウォンを超える土建事業を行い、再び干潟として蘇生することができる場所を埋め立てたのです。農地管理のための基金をジャンボリー大会を口実に引き寄せ、とりあえず埋立からやってみようという胸算用でした。埋立のための埋立土はセマングム湖の底の土を汲み上げて調達するが、この過程ですでに腐っているセマングム湖には貧酸素の水たまり(酸素0に近い腐った水)がさらに生じることになります。
この地球上で最も重要な湿地生態系の一つであるセマングム干潟を破壊したまさにその現場で行われるジャンボリー大会を再考してください。この過ったセマングム事業に免責を与えないでください。この埋立地をグリーンウォッシュしないでください。
もしジャンボリー大会に参加されるのなら、「干潟を生かそう」「埋め立てを中断せよ」「干潟を復元しろ」「24時間海水流通せよ」「多くの命と共に生きよう」のようなプラカードを作っておこしください。これらのメッセージは、世界の市民と未来の世代に大いに歓迎されることでしょう。
スカウトは青少年たちが大自然の中で団体生活を通じて自らの潜在能力を啓発させ、国家社会と世界平和に資する健全な青少年を育てることを目標にしていると述べています。スカウト法によると、「スカウトは動物たちの友達だ。スカウトは動物を苦しみからできるだけ救うべきであり、不必要にどんな動物も - はなはだしくはハエでも - 殺してはいけない。なぜならば神の被造物だからだ」とされています。私たちは、セマングム事業がスカウトの精神に反していると思います。
セマングム防潮堤の完工後「セマングムロックフェスティバル」というものを開いて完工を祝おうとしていた計画は、ミュージシャンたちのボイコットと反対運動に突き当たって失敗に戻ったことがあります。ぜひジャンボリー大会参加者が賢明な選択をしてほしいのです。
(「チャムセサン」6月1日号)



【訂正】「かけはし前号6月19日号」の4頁沖縄報告、朝鮮人刻銘者の読み上げの記事、下から三段右から10行目「名前のあとに、🈚(ニム)」を「名前のあとに、님(ニム)」を、5頁、ウクライナ講演会最下段右から11行目「LGBTの人たちの部隊」を「LGBT兵士のネットワークもある」に訂正します。
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