貯蓄銀行中央会コールセンター相談労働者の闘い

労働の価値を取り戻すために戦う
アンナ(人権運動ネットワーク風)

 「3人でプラカードを掲げて闘争を始めた時、本当に草原が花畑になれるのかという思いがたくさんありました。だが、一緒に来て応援してくださる仲間たちのおかげで、私たち3人の解雇闘争、本当に花畑になることができたようです。勝つまでねばり強く戦い、必ず現場に戻ります」

 解雇から208日目になる7月28日、貯蓄銀行中央会統合コールセンター(以下コールセンター)で相談業務をしていた解雇労働者イ・ハナさんが語った言葉だ。コールセンター用役会社がKS韓国雇用情報からヒョソンITXに変更される過程で雇用継続にならず、相談労働者たちが解雇された。貯蓄銀行中央会は雇用継続を条件に入札公告を出し、ヒョソンITXは100%雇用継続を約束する提案書を発表した。しかし実際の契約で、ヒョソンITXはキャリア職の選別採用に内容を変えて契約書を作成した。その後、会社は相談労働者4人に会社とイメージが合わないとしてメールで解雇を通知した。さらに同僚の解雇と解雇による業務過重を問題提起した6人も解雇した。

 イ・ハナ、ソ・グモ、チョン・スングム3人の解雇労働者たちは、貯蓄銀行中央会本社前からヒョソンITX本社前に移り、座り込みをして相談労働者を機械扱いし、解雇した会社と戦っている。イ・ハナさんは問題提起をして追加解雇された労働者で、ソ・グモさんとチョン・スングムさんは最初に解雇された労働者だ。

 7月28日、ヒョソンITX理事会の日程に合わせて解雇労働者と連帯者たちが集まった。続けられてきたコールセンター労働者の劣悪な労働環境と解雇撤回を要求する発言などを続けた。この日予定されていたヒョソンITX理事会の時間と場所は変更された。

仲間たちと楽しかった職場に戻りたい

 24時間業務の貯蓄銀行中央会統合コールセンターは、ボイスフィッシングに対応する重要な業務をするのに昼間6人、夜間3人、深夜9人で運営されてきた。20人にもならないコールセンターの労働者たちは、仲間が不当なことを経験するたびに一緒に怒って集まった。解雇労働者のイ・ハナさんとソ・グモさんは笑いながら労働者たちが集まって会社と戦った話をしてくれた。仲間たちと楽しかった職場を想像して笑う彼女たちから復職に向けた切なる心まで感じられた。

 二人はあるマネージャー(中間管理者)の職場内での嫌がらせに対応したことを話してくれた。そのマネージャーは気に入らない職員を隔離するように分離し、メッセンジャーでトイレに行く時間について免責して、何度も始末書を書かせた。ソ・グモさんはこう話した。「一人二人選び出して始末書は残らず書いたようでした」。

 ある日、昼間組が退勤しなければならない時間にマネージャーがすべての相談労働者を集めては、ひとりの労働者を立たせて仕事ができないと叱った。退勤もできずに、仲間が非難される姿を目にした労働者たちは団結した。マネージャーの嫌がらせと労働者を統制してきた事例などをまとめて冊子を作った。冊子と約40枚のプレゼンテーションスライドを用意してKS韓国雇用情報に行った。そうしてマネージャーは変わり、慰労金まで受け取った。

 「私たちは長く勤務していた人たちが求心点になって、なごやかな雰囲気がたくさんあって、その雰囲気や人たちが好きで、こんなに長い間会社を移ることや去ることもなかったんだ」(イ・ハナ)

 会社が提供していなかったが、労働者が集まって業務内容を体系化した経験もある。貯蓄銀行中央会のアプリケーションが新たに作られて、不便を経験した顧客が問題を問う対象はコールセンター相談労働者だった。コールセンターの相談員らがアプリで発生するエラーについて会社に尋ねても正しく回答を受けられず、顧客には申し訳ないという言葉だけ伝えることしかできなかった。繰り返される顧客の苦情に労働者が集まった。エラー番号と解決方法をまとめて対応マニュアル冊子を作った。解雇になりながらも、会社にマニュアルを置いていくと言ったが、取りまとめて出た。その時作ったマニュアル冊子を見せるイ・ハナさんの笑顔に労働の誇りが垣間見えた。

 「私たちが本当に勝てるのか、いつ勝てるのかと考えると大変でした。今は負けることやあきらめなければならないと考えることはありません。これだけ戦ってきたので、私が悔しいからけりをつけると誓ったんです」(ソ・グモ)

 解雇され、突然失われた職場に気を病む時間を過ごした。しかし、不当に解雇されたという怒りと悔しさで闘争しなければならないと決心した。彼女らは解雇後に再び働くために労組を尋ねた。しかし、すでに解雇されていたため、労組加入が難しいという。貯蓄銀行中央会正規職労組の妨害も経験した。そんな中、民主労総公共運輸社会サービス労組希望連帯本部(以下、希望連帯労組)と出会い、希望連帯労組に加入することになった。

 戦うしかない
 
 「ただ別の所に入ればいい、と言う人もいます。ところが、私が3年間働きながら積み重ねてきた何かを他の意思によって一瞬で奪われたでしょう。この闘争は大切な価値を取り戻すために戦う闘争だと思います。一緒に良い労働環境を作ってきた仲間と時間など、そして労働の価値を。これらの価値などが単純に契約だとして何人か切り捨てられるのはあまりにも不当だと思います。私はその価値のためにそして私のプライドのために戦います。私は正しい闘争をしていると思います」(ソ・グモ)。

 「安全な職場、誰もが心配せずに働ける職場のための闘争の意味があると思います。私たちだけではなく、コールセンターの労働者やそして下請け構造で働くすべての非正規職などが心配して暮らしています。用役業者が変わるたびに誰が首になるだろうと考えることが全くできませんでした。以前まで考えることなく暮らしていたじゃないですか。私たちが戦っているというそれだけでも多くの用役業者らが少しは考えるのではないでしょうか? それで戦っています」(イ・ハナ)。

 仲間たちと幸せだった職場と労働の価値を探してプライドを守るために闘っているソ・グモさん。自分が経験した不当なことに怒って会社と戦い始めたが、他のコールセンターと非正規職労働者の闘争として拡張された闘争をしているイ・ハナさん。闘争現場でお互いを信じる同志愛で労働者たちが集まっている。労働と闘争のプライドで労働者たちが戦っている。

 復職闘争を始め、ヒョソンITXは復職案を出した。しかし会社はイ・ハナさんを除外した2人だけ復職をさせると言った。会社はイ・ハナさんが同僚らの解雇に問題提起し、採用拒絶の意思を明らかにしたと弁明した。解雇労働者3人は共に闘争する労働者を分断する会社の提案を拒絶し、3人全員の復職を要求した。

 そして8月7日から、イ・ハナさんは断食闘争に入った。イ・ハナさんは200日を超える解雇期間と断食でへとへとに疲れているだろうが、復職するという闘争の意志は疲れを見せなかった。3人の労働者が闘争しながら共に手を取りあうように、共に職場に戻る花道を共に望む。

(「チャムセサン」8月18日)

貯蓄銀行中央会統合コールセンター被解雇労働者ソ・グモさん(左)

貯蓄銀行中央会統合コールセンター労働者が不当なマネージャー(中間管理者)に対して問題提起するために作った冊子

断食座り込みをしている貯蓄銀行中央会統合コールセンター被解雇労働者イ・ハナさん。

朝鮮半島通信

▲アメリカ軍と韓国軍は8月21日、合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を開始した。
▲朝鮮中央通信は8月21日、金正恩総書記が朝鮮人民軍海軍東海艦隊近衛第2水上艦戦隊を視察した、と報道した。
▲金正恩総書記は8月21日、南浦市の安石干拓地の復旧現場を視察した。
▲金正恩総書記は8月23日、金星トラクター工場を現地指導した。

The KAKEHASHI

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社