3・8女性ストライキ組織委員会が韓国オプティカルハイテクを訪れる理由
女性にやさしい都市に選定された亀尾で高所ストライキを行う二人の女性労働者
チョン・ウンヒ
亀尾市のセマウル運動テーマ公園に行くと、最初にシャベルを持った緑色の帽子をかぶったマネキンが出迎えてくれる。まさに朴正煕時代の姿だ。巨大な朴正煕像もその頃のように亀尾を見下ろす。しかし、テーマパーク内のブックカフェには、かなり進歩的な書籍も置かれている。亀尾市は朴正煕の故郷で、「国民の力」の牙城であるが、2018年には民主党出身の政治家が市長に選ばれた。しかし、労働者の境遇はなかなか変わらない。それも女性労働者の現実は相変わらずひどいまま放置されて。テーマパークから少し行くと、2010年、夜明けに寮で殴られ、引きずり出された女性労働者が、今も昇進の性差別解消のために闘っている。一方、亀尾のあちこちではミス・コリア慶尚北道選抜大会のプラカードが目につくように掲げられている。
そんな亀尾で、2人の女性労働者が約1カ月間、高所ストライキを続けている。韓国オプティカルハイテク支部(オプティカル支部)のパク・ジョンヘ首席副支部長とソ・ヒョンスク組織2部長である。彼女らは工場に火災が発生後、これまで享受してきた数々の特恵、6兆ウォンの営業利益、それに1300億ウォンを超える火災補償金があるにもかかわらず、平沢工場に生産施設だけを移して労働者は整理解雇してしまった韓国オプティカルハイテク社に対して雇用の継続を要求して闘っている。会社側に「使い捨て」された11人の労働者がともに闘争を開始してから、すでに2年以上の歳月が流れた。そしてこの冬一番の寒さだった1月8日、会社側の強制撤去に抗議して2人の女性労働者が工場の屋上に登った。
二人の女性は懸命に工場を死守しているが、実は亀尾市は女性が離れていく都市である。慶尚北道(49・6%)や全国(50・2%)と比べても女性比率が低い。亀尾市の労働者の性別比率は男性が62・8%、女性は37・2%に過ぎない。男性労働者の割合も全国や慶尚北道より高い。さらに14歳以下の男性を除けば、20~30代の女性の移住率が最も高い。過去5年間に減少した約1万人の住民のうち、多数の性別は女性だった。
女性が空洞化する現象。それは資本の責任である。亀尾市の産業は、製造業が70・3%で絶対的な割合を占め、次いでその他サービスが20・1%である。しかし、5人未満の事業所数が86・9%、5~19人事業所が10・3%の割合を占めており、小規模事業所が絶対的多数で存在する。つまり、90%近い事業所において労働基準法で保証された法的権利が十分に保証されていない可能性がある。そのような事業場では自由に解雇が行われ、女性が出産・育児のために解雇されても、それを止める方法がない。法定労働時間や時間外労働の上限も除外される。もちろん、加算賃金も受け取ることができない。違法であるにもかかわらず、5人未満の事業場の10人中3人が最低賃金すら受け取っていない女性労働者の現実は、欧米でも変わらない。
このような状況において女性が適切な仕事を見つけることは、そもそも困難である。運良く仕事を見つけたとしても、労働条件がどれほど劣悪であるかは想像できる。特に亀尾は数年前から全国自治体の中で最も高い失業率を記録している。女性の失業率が男性より多少低いとしても、通常女性の仕事が短期的なものであることを考慮すれば、彼女らの雇用条件がより不安定であることは容易に想像できる。
そのため、一人、二人と女性は亀尾を離れていく。もちろん、雇用形態、労働条件、賃金いずれも保証された最終目的地はない。しかし、ここよりはマシだろうというわずかな希望を抱きながら、女性たちは去っていく。
そんな亀尾の地でソ・ヒョンスク、パク・ジョンヘ両同志は、身をもって工場を死守した。ソ・ヒョンスク同志は、韓国オプティカルハイテク工場で17年間勤務した。パク・ジョンヘ同志も12年間勤務した。工場は、彼女たちが血と汗と涙を流した場所だった。女性労働者は検査工場に、男性は生産工程に7対3という明確な男女分業が行われていた。それにもかかわらず、管理者の大半の性別は男性だった。性別による賃金差別はないが、男性の役職が高いので当然男性の賃金が高い。生理休暇も無給だった。さらに、女性は一日中暗室の椅子に座って不良品検査をするため、腕、肩、腰、首に常に痛みを抱えて生活していた。フィルムの検査で目を刺すこともあった。ソ・ヒョンスク同志は作業中に角膜に傷を負った。それでもいつもそうであったように、労災はおろか治療費もすべて自分で解決しなければならなかった。
これは二人の女性労働者だけでなく、女性多数職種の半導体産業における話である。多くの女性労働者が半導体産業で低賃金労働をしているうちに、少なからず職業病にかかった。サムスン電子の労災による犠牲者の多くも女性であった。現在、半導体産業は男尊女卑の事業場になっている。比較的機械化しやすい労働を自動化し、女性労働者の仕事をなくしたからである。
女性労働者の生活
を守る連帯
韓国オプティカルハイテク社側は労働者を搾取し、女性労働者を差別したが、韓国という国家は資本家を甘やかしてきた。同社は2003年に亀尾4国家産業団地の外国人投資専用団地に入居して以来、1万2千坪の土地を無償で使用し、法人税と取得税の減免などの恩恵を受けた。さらに本社日東電工は220億ウォンを投資し、2021年まで1983億ウォンの利益を出し、1734億ウォンの配当を受け取った(金属労組法律院)。工場に火災が発生した後は、火災保険金約1300億ウォンを手に入れた。しかし、会社は生産物量を姉妹法人である京畿道平沢の韓国日東オプティカル工場に移しただけで、労働者の雇用の継続は無視している。
韓国オプティカルハイテクの本社である日本の日東電工は、露骨に韓国企業の味方をしている。日東電工は、ESG経営(環境、社会、ガバナンスを重視した経営)とDE&I(多様性、公平性、包摂性)を重視し、生態と社会、そして女性をはじめとする進歩的な価値を追求する企業、などという美辞麗句を並べ立てている。また日東電工は、経営陣と事業部、人材本部が三位一体となって女性リーダーを育成しているという。そのため、女性リーダーの割合を2030年には全世界で30%、日本国内では10%を目標にしているそうである。しかし、労働者を搾取する限り、日東電工は世間から信用されないであろう。昨年の、日本の日東電工の社長の所得は26億5千万ウォンに達した。これは韓国オプティカルハイテクの平均年収約5千万ウォンの53倍である。
にもかかわらず、会社は解雇された労働者に対して毎日950万ウォンに達する履行強制金を課している。1月11日、金属労組とオプティカル支部、組合員15人が解体工事を妨害しているとして申し立てた仮処分訴訟を裁判所が認めたためである。これにより、金属労組とオプティカル支部はそれぞれ200万ウォン、組合員11人はそれぞれ50万ウォンを負担しなければならなくなった。さらに、仮処分決定後、会社は毎日コンテナとフォークリフトを動員して労働者の排除を試みている。組合は死力を尽くしてこれを阻止している。
パク・ジョンヘ、ソ・ヒョンスク両同志は、入浴も食事をすることができず、1カ月間耐えている。テントはかなり頑丈であるが、マイナス10度の風が吹くと吹き飛ばされないか心配になることもある。屋根が傾いているので、次第に骨盤も痛くなってくる。生理を避けるために、日付に合わせて避妊薬も飲む。ティッシュで体を拭き、髪は3日に1回、同志が沸かしてくれる水を温めて洗う。会社側が断水してしまったため、水は同志たちが汲み上げてこなければならない。
日が経つごとに、さらに解体履行強制金950万ウォンが積み重っていく。しかし、女性にとって解雇は殺人に等しい。だから、いくら警察やフォークリフトが押し寄せてきても、パク・ジョンヘ、ソ・ヒョンスク両同志はここで引き下がることはできない。いや、これ以上追い込まれない限界での闘争を行なっている。そして、そんなオプティカルの同志たちの生活を守るのは、女性労働者にとって闘争がどのような意味を持つかを誰よりもよく知っている女性労働者である。亀尾市が1月23日、女性にやさしい都市に選定されたが、オプティカルの女性労働者の手を握っているのは、闘争する労働者と連帯する同志たちである。
ハンスト以降、オプティカルの現場にはさらに多くの労働者が訪れている。2024年3・8女性ストライキ組織委員会も2月3日、パク・ジョンヘ、ソ・ヒョンスク両同志のもとに駆けつける。世宗ホテル農成場で行われた1回目の集会に続き、2回目が正念場である。私たちはここでオプティカルをはじめ、女性労働者の生活と労働、そして闘争について話す予定である。同志たちと連帯しよう。
(韓国「社会主義に向けた前進」より)

女性にやさしい都市に選定された亀尾で
高所ストライキを行う2人の女性労働者
朝鮮半島通信
▲朝鮮は2月2日、西岸沖に向けて巡航ミサイルを発射した。
▲金正恩総書記は1月28日、同日に行われた潜水艦発射巡航ミサイル試験発射を現地指導した。
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